うりゃの映画あれこれ

貴君の好物を私も好きとは限らない。同様に私の好物を貴君は嫌いかもしれない。ひとそれぞれ。
主にレンタルDVDで鑑賞。

はじめに。

うりゃ本部での「映画あれこれ」と、 ブログ「ばちかぶり日記2」で書いたぶんを
2008年11月1日、全部このブログに移行しました。

※ すべて原語+字幕で見ております。日本語吹替の評価はしません。
※ マイナー映画や世界各国の映画をもっと見よう!! グローバル文化は「文明」であって「文化」にあらず。

『ロボット』 / 『ラ・ワン』。

2012年12月25日 | アジア映画


ロボット Enthiran/The Robot (2010年 インド 177分 タミル語)

スーパースター・ラジニこと、ラジニカーント主演。
ラジニ、かなり顔をお直ししたようだ。明らかに若返っている。
御大も今年で63歳ともなれば、致し方あるまいなぁ。

自分そっくりの高性能人工知能ロボットを作った工学博士バシー。
苦心の末にロボットに感情まで持たせたが、よりによって博士の恋人に恋をしてしまう。
博士の成果に嫉妬する恩師の陰謀により悪の回路をはめ込まれたロボットの暴走が始まる。

SFということもあり、かなり金がかかった大作だ。
しかし、以前のラジニの「有りえないほど腕っ節が強い善人ヒーロー」の爽快感がない。
あの、どこがカッコイイかわからないけどカッコイイとされている決めポーズとかないし~~。
昔からのファンとしては少々「なんだかなーーー?」って感じ(^^A;。

初めて見る方はインド映画らしい荒唐無稽さに驚いてくれ(笑)。 
恋人役のアイシュワリヤー・ラーイ、少々トウが立っているが元ミス・ワールドの美貌も見事。


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ラ・ワン (2011年 インド 156分 ヒンディー語)

いっぽうこちらの主役、シャー・ルク・カーンも大スターである。
ラジニより若く、まだ40代。
ラジニは南インド・タミル語圏の下層庶民出身(インドではそこがスゴイ事)だが、
カーンは大学で経済学の修士号をとったイスラム教徒とか。

冒頭ではやたら情けなくヘタレな男。「え?これが主役?」と思うほど。
それが、この人、顔がシャキッと変わるんですねぇ。

息子の願いをきいて『悪いキャラが一番強いヴァーチャル・ゲーム』を作った開発者シェカル。
完成披露の日にログインしたが勝っている途中でやめた息子に怒ったゲームキャラが
同じ社内で開発された『デジタルデータを実際に物質化できる技術』を利用して現実世界に現れた!!
前半の舞台はロンドン。後半舞台はムンバイに移ります。
SFアクション映画としては、なまじの米国ハリウッド映画より面白いっす。
インドはIT大国だもんねぇ。
レディー・ガガのプロデューサー、エイコン(AKON)が劇中曲を担当。

昔よりスリムになったとはいえまだまだムチムチぽっちゃりなダンサー群による踊りや歌もあり。
インドらしさを残したまま、ボリウッド映画は進化してますなぁ。

『ロボット』と『ラ・ワン』、どっちか見るとしたら『ラ・ワン』がおすすめ。



牛の鈴音

2010年10月15日 | アジア映画
牛の鈴音 (2008年 韓国 78分)

韓国で異例の大ヒットを記録したヒューマン・ドキュメンタリー。
ドキュメンタリーという振れこみだが、かなり演出をほどこした感じはする。

山深い農村を舞台に、80歳近い老夫婦と平均寿命(15年)をはるかに越えた40歳の老牛との強い絆を描く。
子供の頃から足が悪い爺さんは、老牛の餌のために畑に農薬を使わず、婆さんにぶうぶう文句を言われている。
婆さんは「こんな所に嫁いだ私は不幸者だ。隣は農薬や機械を使って沢山収穫している。そんな牛は売ってしまえばいいのに。」と、のべつまくなしに愚痴を言っている。
「この牛の働きで子供たちを学校にやり、結婚もさせた。なにもかもこの牛のおかげだ。」とは思っているのだが、それでも爺さんへの愚痴は止まない(笑)。

婆さんの愚痴には馬耳東風の爺さんは、老牛を大変可愛がっている。
がしかし、骨と皮になった老牛に重い荷を引かせ、畑では鋤を引かせるのだ(!)。
「この牛は私が背負った業(ごう)だ。」と言う爺さん。
『労を厭わず世話をするかわりに死ぬまで使役牛として生きてくれ。この俺も死ぬまで畑で働いていたいから。』と願うのだろうかと私は思う。

季節は移り、牛は衰える。爺さんも体調が悪い。
豊かな自然の中で老夫婦と老牛が寄り添う。


※ こんな静かな映画がヒットしたってことは、かつて日本が変化したより早いスピードで韓国の農村も変わったのでしょうねぇ。

グッド・バッド・ウィアード

2010年10月15日 | アジア映画
グッド・バッド・ウィアード The Good, the Bad, the Weird (2008年 韓国 130分)

キム・ジウン監督の韓国版ウエスタン・アクション。別名「キムチ・ウエスタン」。

1930年代の満州。満鉄車中の日本の大物から奪取した“宝の地図”を巡り、
男3人に朝鮮独立軍や馬賊団、大日本帝国陸軍も加わって大混乱の争奪戦を繰り広げる。
「グッド・バッド・ウィアード」つまり、「良い奴、悪い奴、変な奴」。
イケメン俳優チョン・ウソン、イ・ビョンホン、それにソン・ガンホ主演。とあったが、
実質的な主役は「変な奴」、庶民顔のソン・ガンホ。
この人、やっぱり上手いし味がある。いいねぇ。
ちょっと間抜けだけど生き抜くためには抜け目がない雑草のようなコソ泥。だが実は・・・という役。
「悪い奴」、イ・ビョンホンは冷血非道でカッコつけてる悪役ギャングボス。
「良い奴」、チョン・ウソンは凄腕の賞金稼ぎ。彼だけちょっと役柄の底が浅いし、特に善人というわけでもない(^^A;。

派手なドンパチにハラハラドキドキ、時々笑って時々ゾッとして時々涙して。
とにかく元気いっぱいな韓国製アクション娯楽作。
日本軍は当然ながら悪役だが、そうひどくも描かれないチョイ役です。


※ お宝はやっぱりアレでしたか。日本が今でもとっても欲しい、黒いもの。


マッハ!弐

2010年10月15日 | アジア映画
マッハ!弐  Ong Bak 2 (2008年 タイ 98分)

2003年の映画『マッハ!!!!!!!!』の続編ってふれこみだったけど、
時代はさかのぼりアユタヤ王国の侵略が進む15世紀のタイ。
(・・・って続編じゃないじゃん。)

主役のトニー・ジャーが監督・原案・武術指導のアクション満載映画。
クーデターにより両親を殺された王子ティンが山賊の村で武術の腕を磨き、
究極の戦士となって両親の復讐を果たす。
あいかわらずトニー・ジャーのアクションはカッコイイ。
今回はムエタイなどの肉弾格闘主体ではなく、様々な武器使いが登場。
強いが哀しい目をしたジャー本人も技の幅を広げて驚異的なアクションをこなす。
が、しかし。
いくらなんでも唐突な終わり方(しかもアン・ハッピーエンド)をする。
どうやら途中で製作側ともめたトニー・ジャーが失踪したらしい。
で、無理やりお茶を濁して公開してしまったと・・・・・
その後、和解して「マッハ!参」が作られたそうなので、
興味のある方は「参」がDVD化されるのを待って、合わせて見るのがよかろう。

トニー・ジャー未見の方は
『マッハ!!!!!!!!』 とともに
『トム・ヤム・クン!』 がオススメ。


※ 『トム・ヤム・クン!』のカポエイラ使い、また出て来ないかなぁ。(かっこよかったの)

チョコレート・ファイター

2010年01月04日 | アジア映画
チョコレート・ファイター Chocolate/ช็อคโกแลต (2008年 タイ 92分)

『マッハ!!!!!!!!』のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督作。
自閉症だがその目で見た格闘術を一瞬で習得できる能力を持つ女の子、
という設定の主役ゼンを演じるジージャー・ヤーニンの生身アクションはたいしたもの。

しかし他の登場人物が日本ヤクザと現地マフィアや悪人ばかりで、
いくらなんでも話が悲しすぎる暗すぎる。
お願いだから次はもっと明るい楽しいアクション映画に彼女を出してやって欲しい。

ウォーロード 男たちの誓い 完全版

2009年09月27日 | アジア映画
ウォーロード 男たちの誓い THE WARLORDS/投名状 (2007年中国 126分)

ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武。3大スター競演のアクション史劇。
たまたまTVCMを見て「へえ?そんなのあったんだ。」と借りてみる。
これが、大当たり。 赤壁よりいいかも?
故チャン・チェ(張徹)監督の1973年の傑作『ブラッド・ブラザース 刺馬』のリメイクであるらしい。
このジャンルが得意とは思えないピーター・チャン監督だが、それがかえって良かったのか良質の「男たちのドラマ」となっている。悲劇的結末がやるせない。

原題の『投名状』とは仲間に忠誠を誓った証書のこと。
清朝末期、信仰を糧とした反乱軍・太平天国に部隊を全滅させられた将軍(リー)と盗賊団のリーダー、アルフ(ラウ)とウーヤン(金城)兄弟は義兄弟の契りを結び、それぞれの目的を持って清朝軍として蘇州、南京攻略と勝ち進んでいくが・・・
物語で最終的に悲劇的破滅をもたらすのはアルフの妻と将軍の不倫関係だが、
それ以前にそれぞれの信義と大義、戦いの目的の微妙なずれが契りを破綻に導く。
「民衆の解放」という大義のためなら敵に対する信義など簡単に反古にする将軍。
敵兵士といえど一般の庶民であることを忘れないアルフ。
「将軍が正しい。」と思いながらも実兄を気遣い戸惑うウーヤン。
そして宮廷では、懐手でほくそ笑む大臣たち・・・・・。

リアルっぽい集団戦闘シーンが続く。ワイヤーで空などは飛ばないが、ジェット・リーはやっぱり強い。役者としては欠点な童顔も、うす汚れたオッサンにもなれるような年齢になったので役柄も広がるかも。

中国清朝末期、太平天国の乱という史実、義兄弟、大義に信義、壮絶な戦争・・・男性向けではあるが、アンディ・ラウも金城クンも美男子だし♪


※ ベースとなっているのは史実上の馬新貽暗殺事件。日本では明治時代が幕を開ける頃の話である。

レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-

2009年08月30日 | アジア映画
レッドクリフ Part II 赤壁:決戰天下 (2009年中国 146分)

はい、後編見ました。前編と合わせると実に290分ほどの長さとなる。半日がかりだね。
後編だけでも見ごたえあり~~。

私が好きな金城武(諸葛孔明)の出番が前半より少なくて残念。
しかし金城クン、ヒゲやメイクのせいもあるでしょうけれど野球の“イチロー”に似てきましたね。
うれしそうな顔をすると特に似てる(笑)。
ちょっと調べてみたら、この2人、誕生日が11日しか違わない同い年。身長も同じくらい。へぇ~~。
ま、それはともかくとして。

孫権の妹・尚香(ビッキー・チャオ)の密偵大活躍と敵方兵士との友情シーンはテンポが変わっていいけれど、色々こういうのを付け加えるから1本に収まらなくなったんでしょうね。

肝心の決戦シーンは火攻めなど派手で悲惨な大スペクタクル。
ジョン・ウー版“アクション三国志”としては、まあよろしい出来なんじゃないでしょうか?
ハリウッドで活躍中のアン・リー監督が“グリーン・デスティニー”を撮ったときに、
「中国男子たるもの、一度は剣劇を撮りたかった。」と言ってましたが、“三国志”も中国人監督の夢なのかもしれない(笑)。


※ 曹操ってさ、カッとなって誰かを殺したあげく後で後悔するのが常なの?


チャンドラムキ  踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター

2009年07月03日 | アジア映画
チャンドラムキ  踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター 
  CHANDRAMUKHI (2005年インド 165分)

久々のインド“ボリウッド映画”。久々の「スーパースター・ラジニ」、ラジニカーント。
あの「ムトゥ踊るマハラジャ」日本公開から早や11年(ムトゥの製作は1995年。日本公開1998年)。あの頃は何本もラジニ主演作を見ました。本作は四年前の2005年ものですが、彼はまだ健在でした。
2007年DVD発売ながら私の鑑賞が遅れたのは、「探さなかった」から。
レンタルDVDに限らず、実店舗なら店内の隅から隅までタラタラと見ていれば何か見つけることもあるが、ネットでの探し物はマイナーなものは探そうとしなければけっして出てこない。今回「ああ、そういえばインド映画でなんかないかな?」と探して、見っけ♪

南インド、タミル語圏の庶民に絶大な人気を維持するラジニカーント。知らない人が見ればタダの庶民顔のオッサンです。今年の暮れには60歳の還暦です。撮影時でも56歳ですね。
それが映画ではめちゃくちゃかっこいいヒーロー、頭がよくて正義の味方で腕っぷしも強くて、若い娘の花婿候補にもなるという役柄。一時期よりも体を絞って、まだまだ歌い踊る。アクションもやってたけど、さすがに減ったかな(笑)。
まぁ、日本でも大昔は時代劇の大御所スター俳優でこういう立ち役の方いましたよねぇ。あれはみな二枚目役者だったけど。。。でも庶民顔も慣れれば慣れてしまう(笑)。

笑いあり涙あり歌って踊るインド映画。ダメな人はダメだが、はまる人はどっぷりはまる。最近は普通のアメリカ映画っぽい脚本やダンス演出のものもありますが、ラジニの本作は妙に洒落たりせず、インド・タミル語映画のお約束通りの王道的作品でありました。
映像などあちこちに有名映画のパクリがあるのも大目に見ましょう。

ラジニ映画の特徴。若い美人女優が必ず複数出る。主役以外の男はほとんどマヌケか悪党である。老母や老姑は悪役(最後には改心する)。
今回のタイトル「チャンドラムキ」は怨霊となって館に幽閉された大昔の踊り子の名前なので、本格的インド舞踊のステップもあり♪


※ あちらでは前後編で分けて上映するので長いです。3時間近くを覚悟されるべし。

レッドクリフ Part I

2009年04月07日 | アジア映画
レッドクリフ Part1 (RED CLIF/2008年 米・中・台・韓 )

三国志である。赤壁の戦いである。マニアなら必見だろう。
しかし監督はジョン・ウーであるからして、こだわりのマニア向けではなく、一般向けの娯楽アクションである。
面白かったですよ~~♪ 肝心の「赤壁の戦い」の前で終わっちゃうけど。
公開初期には「Part1」って書いてなかったんですって? そりゃ見た人怒るわ。
続きの「Part2」はもうじき公開ですね。

実を言うと、私の頭の中では「史記」と「三国志」と「水滸伝」がごっちゃになっていた。
横山三国志は絵が苦手だし、シミュレーション・ゲームをやるには気が短い(笑)。
それに私、乱世の時代に弱いのね。本邦の戦国時代の武将の敵味方関係とか、幕末から維新にかけての人間関係なんてのも弱い。「高杉さんってどっち側?」って聞くくらい覚えない(笑)。
民衆風俗史なら少しは・・・なんだけど。
でも中国風俗なんて千年二千年変わらないじゃないかっ などと言い訳。
この映画でやっと、劉備・関羽・張飛が三国志の人物だとはっきり覚えた・・・たぶん。
(さすがに諸葛孔明は知ってる。)

孔明(諸葛亮)役の金城武がいい。すっとぼけた涼しい顔がいい。岡野玲子が描く安倍晴明を甘くしたみたい(野村萬斎じゃなくて)。
最初の配役ではトニー・レオンが孔明役だったと聞くが、あの人も化けるからイケたかもしれない。
でも個人的には金城のほうがタイプ♪

有名登場人物たちがそれぞれ「鬼神のごとき戦い」っぷりを見せるソロ・シーンもあり、人民解放軍兵士がわんさか動員された大スペクタクル戦闘シーンもあり。
「八卦の陣」を見て、なるほど“マスゲーム”とは戦闘の模擬訓練であったかと思う。
しかし騎馬ならともかく歩兵までがあんな罠に飛び込む??ほんとに??
そして、勝った勝ったと喜んでいたが、味方の死者・怪我人の始末だけでも大変でしょうにねぇ。

周瑜(トニー・レオン)と妻・小喬のラブシーンは、いらない。長すぎる。
二人が深い愛で結ばれていると判る程度にあればいいでしょう。
小喬役のリン・チーリン(モデル出身)が、なんか貧相な現代風だし。
もっとこう、楚々としていながら凛とした中国美女って誰かいないかな・・・。
一方、呉王の妹・孫尚香(ヴィッキー・チャオ)のお転婆っぷりは気持ちがいい。
中村獅堂はどの映画でも同じ顔なので、もう出て来なくていいです。

かなり端折っているとはいえ元がテンコ盛りなストーリー。
感想も支離滅裂になってしまったが、門外漢でもイケる三国志である。
「Part2」? 見ますともサ。


※ 本当に最初はこれを1本立ての映画に出来ると思ったの?・・・無理でしょう(笑)。

胡同の理髪師

2009年01月27日 | アジア映画
胡同(フートン)の理髪師  剃頭匠/THE OLD BARBER (2006年 中国 )

北京の細い路地に古い家屋が軒を連ねる胡同(フートン)。
北京オリンピック前にずいぶん取り壊されて再開発された。
そんな胡同に暮らす老理髪師の日常をドキュメンタリー・タッチで綴ったヒューマン・ドラマ。
内モンゴル出身のハスチョロー監督が、失われていく人情や情緒ある街並みを再発見した。
主人公のチンお爺さんを演じるチン・クイ老大人は本物の93歳の現役の床屋さん。
過去にドキュメンタリー出演の経験はあるがセリフのある演技は初めてだったとか。
他の出演者もほとんどが地元の素人らしい。

故宮の北側、鼓楼近くの一等地。
昔ながらの胡同の四合院にひとり暮らしをするチン爺さんは、昔なじみの顧客への出張散髪を続けていた。
急激に変化した北京で、穏やかにマイペースを守り、欲張らず、職人に徹する日々。
娯楽は「アタマの体操」と称する麻雀。(でも勝ち負けはしっかりノートにつける)
彼の家も立ち退きが決定していたが、「実際に壊される頃にはわたしは火葬場の煙になっている」と飄々と言う。
しかし、顧客がひとり死にまたひとり死に。
チン爺さんも自分の葬式について考え始める・・・・・・・

飄々として穏やかな映画です。最後のほうで少々ハラハラしますが(笑)。


※ 胡同には猫がよく似合う。

モンゴル

2008年12月25日 | アジア映画
モンゴル  MONGOL (2007年 ロシア・カザフスタン・モンゴル・ドイツ )

やっと借りられました。
監督はロシア人のセルゲイ・ボドロフ監督(「コーカサスの虜」ほか)。
主演は浅野忠信。全編モンゴル語による歴史大作。
第80回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。

後にモンゴルを統一して大帝国を築いたチンギス・ハーン、テムジンの
骨太にして壮大な前半生の苦難の連続を描く。
見る前は「ヘタすると退屈かも。」と思っていたが、そんなことはなかった。
テムジンの「力(ちから)」ではなく「精神」を主体に描き、
多少神話的で説明不足かもしれないが、モンゴルの誇りを真正面に押し出した感動作だ。

9歳の時に花嫁を選びに行って、「逆に選ばれた」妻ボルテとの信頼の物語でもあるが、
いやはや、この妻の「しっかり者」っぷりも凄い(笑)。
敵に捕らわれても、窮地では我が身を売ってでも、とにかく生きのびて最愛の夫を救い出す。
夫テムジンも「妻が産んだ子は俺の子だ。」と太っ腹。
この映画のためにウランバートルでスカウトされたクーラン・チュランのきりりとしたモンゴロイド顔が頼もしい。

近年、浅野忠信はなにかが吹っ切れたように雰囲気が柔らかくなったが、
原因はこの映画の出演経験なのかもしれない・・・と勝手に想像している。
やっぱりかなり大変だったようで(^^A;


※ 当然のことながら戦闘シーンも多い。血しぶきのCG処理は「300」に似ている。お馬さんもいっぱい♪


王妃の紋章

2008年11月16日 | アジア映画
王妃の紋章  2006年 中国
(原題:満城尽帯黄金甲 英題:Curse of the Golden Flower)


史記(高祖本紀)に「一敗、地にまみれる」という言葉がある。
かなり前に本来の意味を知ったときは、「う~~~む。」とうなった。
「地にまみれる」とは、
メッタ切りのズタズタのグチャグチャのミンチ肉になって土と混ざってしまった状態であると。
ミンチ肉に「土ぼこりを払って、よし、次回こそ。」はない。リベンジも汚名返上もない。
負けたらオシマイ、なのだ。
・・・・・いかにも中国。勝った者のみ生き残る。

さて本作。
張芸謀(チャン・イーモウ)監督。チョウ・ユンファ、コン・リー共演。
原作は曹禺の代表作「雷雨」。
西暦928年。唐滅亡後の五代十国時代。
王と王妃、息子3人の三つ巴四つ巴の内輪もめ話。

とにかく、
ゲップがでるほどの黄金色。
ゲップがでるほどの人の海・物量。
そしてゲップが出るほどのオッパイ(はみ乳)。
個対個の剣術あり、雲霞のごとき軍団戦あり。





コン・リー演じる王妃の悲哀や、チョウ・ユンファの王の迫力などは熱演だが、
話の実質的な中身ではなく、あの圧倒的な物量スケールだけでも見る価値はあるか。
北京オリンピック開会式のプレゼンテーション?


※ 「そして誰もいなくなった。」になるのかと思ったが違った。(似たようなもんかも)

ようこそ、羊さま。

2008年11月07日 | アジア映画
ようこそ、羊さま。   (好大一対羊 2004年 中国 )

アジア映画、久しぶりですね~~。

本品の舞台は中国は雲南省。高地・寒冷・乾燥地のとある村。
人間が食べていくのもやっとな状態で暮らす老夫婦。
視察に来た県高官の思いつきで、高価な外国産の羊を2匹、ホイッと託される。
「太らせろ。繁殖させろ。村を豊かにするんだ。」
・・・・・・・って言われてもねぇ。ナニ食べさせたらいいの?

寒いだろうからと家の中に小屋をつくり(この地方では普通の羊は屋外。)
自分たちの服を着せ、練炭もいれてやり、
周辺は荒野だから、はるか遠くまで草を求めていったり。
羊のために燕麦や卵や大豆を買い求め、自分たちはクズ芋を食べる。

でも羊はやせていく。便秘する。毛並みが悪くなった。交尾もしない。
そのたびに助言を求めて東奔西走右往左往し、奮闘する二人・・・・。
(こんな土地で、デリケートな外国産羊は無理なのよねぇ。)
失敗したら自分の責任が問われる村長は彼なりに協力的だが、
他の村人は、やっかみの目で見るばかり。

思いつき・場当たり的な中国の政策に対する皮肉。
無教養な田舎人への嘲笑。
そんなものを、ひたすら一生懸命な爺さんの健気さでくるんだ演出。


主役のスン・ユンクンは引退した京劇役者だそうだが、走るシーンが多い。
畑から自宅へ。自宅から役場へ。役場から村長宅へ。
なんにもない広大な凸凹の黄色い大地をひたすらチョコマカと走る。
その走りの上手いこと上手いこと。たまに転ぶが転び方も上手い(笑)。



※ 魯迅文学賞中編文学賞を受賞した傑作文芸小説が原作。

リサイクル -死界- 

2008年06月13日 | アジア映画
リサイクル -死界-  RE-CYCL/鬼域 (2006年 香港・タイ)

新進気鋭のパン兄弟監督。アンジェリカ・リー主演。ホラーというよりダーク・ファンタジー。
人気女性作家が自分の没ネタ世界に取り込まれてしまう。
そこはすべての「捨てられたものの世界」だった?
予告編の映像からキアヌ・リーブスの「コンスタンティン」っぽいものを期待したんですが違いましたね。
鬼域(原題)に溜まる怨念や対処方法がいかにも中国人っぽく、私には目新しさがなかった。

で、邦題はなんで原題のままの鬼域ではなく死界なんでしょう??

ロケットマン!

2008年06月13日 | アジア映画
ロケットマン! Tabun Fire (2006年 タイ)

まだまだ元気なタイ製アクション。
主役は違うが、「トム・ヤン・クン」や「マッハ!!!!!!!!」が気に入った方ならO.K.でしょ♪
悪役兼道化役がクドすぎる(笑)。荒唐無稽が身上です。