urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

RADWIMPS 『RADWIMPS2 発展途上』

2006年10月07日 | listening
二枚目。
もうね、アホほど多彩。楽曲の完成度は格段に向上してるけど、ますます正体の掴めないバンドに。
まとめて感想書くのは無理だから全曲行きます。

①愛し ~明くる明け~
⑥「愛(かな)し」からの別アレンジ抜粋。静謐な幕開け。《愛しているという声が 泣いているように聞こえた》というフレーズが、このアコースティックなアレンジのなかでさらに際立つ切れ味。

②なんちって
で静かに始まったと思ったら一気に覆す疾走系アッパー・ミクスチャー曲。独特の言語感覚が、(特にサビで)快感指数の高い炸裂。ヘヴィな展開とサビの解放感など聴き所多し。《生のSEX》とか平気で云う人たちです。

③そりゃ君が好きだから
《隠しちゃった心は いつのまにか君が持っていて/二人キスする時 僕が目を閉じている隙に そっと唇に戻してくれるんだ》。直球のラヴ詞に陽性のメロディ。クセはないけどセンスを感じる曲。

④夢見月に何想ふ
和風ノスタルジックなサビメロとアレンジはもうドツボにはまりまくり。ブルージーな入りからこのサビは予想できないけど、驚くほどに調和が取れている。奇跡的な名曲だと思いますです。百回聴ける。
どんどん透明感を増していく野田洋次郎のヴォーカルとの相性も抜群。

⑤ノットビコーズ
④と⑥の名曲に挟まれてはいるが、存在感を失わない佳曲です。しかし二十歳そこらで、このメロディ思いついて、なんでこんなカントリー入ったみたいなアレンジにしようと思ったんだろう。どんな音楽聴いて育ったんだろう。非常にまとまりがよく、完成度という点ではこのアルバム中屈指ですが、同時に神秘的なものも感じました。

⑥愛し
六分三十秒。ひたすら「優しさ」と「愛」について唄い倒す、美しき異形の名曲。この言葉の密度は尋常じゃない。野田がJAPANのインタヴューで小田和正の「言葉にできない」について語っていましたが、俺も以前その欺瞞性をなぜか母親に熱く語った思い出があって。言葉にしなきゃ伝わらないっつー姿勢の真摯さが、この長大にして濃密な楽曲に証明されていると思ったし、それはとても共感と信頼を置けるものでした。

《愛しているという声が 泣いているように聞こえた/心がいつか人を救うのを 君はいつでも 知っていたの》

しかし麻希ちゃんてどんなコなんやろー(下世話)。

⑦うぃんぷす学園休み時間
で、その後にこのオフザケSEですか。フリーダム。

⑧ヒキコモリロリン
ファンクトラックに乗せてほぼ全編ラップ。その流れからのサビの快感はちょっと泣いてしまうぐらい。《おっぱいは触りたい》とか云ってんのに。

《君が生きてる今が この瞬間が 「嘘です 夢です 本当は君死んでます」/って言われたそんな時も 笑えるよう こんな幸せやっぱり夢だったかぁって》

あーやばい、はまってきた。

⑨着席
まだ引っ張んのか。

⑩俺色スカイ
スケールの大きい俯瞰とパーソナルな感傷が「空」について共存する完成度の高い詞が見事。曲はやや大人しいかも。

⑪音の葉
アコースティックなスローバラード。野田の声のこの幅はなんなんだろう。二物与えられとるが。

⑫シリメツレツ
珍しく男っぽいエモコア曲。民族音楽的なニュアンスもあって、ブラフマンぽい。引き出し多いなホント。

⑬祈跡
驚異の九分。一大抒情曲(あるいは叙事曲)。詞の内容も、ストリングスアレンジも、なんとも壮大。《僕はなんだかとても悲しいよ/だって僕が笑ってる横で誰かが死んでいく》なんて二十歳そこそこの奴に云われても、普通なら一笑に付すとこだけど、なんでか俺は泣いてるんだわ。
言葉と音楽が、なぜか「唄」という存在で一つに結びついてる理由が、こういう音楽家に出会うとよく分かります。特に野田洋次郎、彼は極端ですw。

《笑うことなく、喜びあうことなく消えた同士(とも)と再び出会う/天国ってとこで巡り合う その時胸張ってこう話す/「嬉しかった 楽しかった 「幸せ」ってやつが溢れていた/いつかまた行ってみよう 「愛」ってやつを教えよう」》

⑭ララバイ
ラストは軽快なメロコア曲。大風呂敷広げた後をうまく畳んだ。もう別にメロコア要らんと思うけど、ルーツではあるのでしょうか。

さて、次は三枚目。

RADWIMPS2~発展途上~RADWIMPS2~発展途上~
RADWIMPS

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2 コメント

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Unknown (aze)
2006-10-11 00:19:03
あー聴きたい!

いまやすっかりカネコに洗脳されてるよ。

「愛し」

歌詞を知ったとき、途方もない気持ちになったのは忘れない。
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Unknown (urt)
2006-10-12 22:19:05
言えば焼いてくれるやろあの男が。彼は人にCD焼くのが三度のメシより好きだからね。

「愛し」はCD聴くより前に、あの男のカラオケで何回も聴いてた…やっぱCD聴くと違うわ。いいもん。
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