古川日出男『ＬＯＶＥ』祥伝社

ネタバレ一応注意。 いかにも古川日出男らしい小説だが、続けて読むといしいしんじとなんか似た印象があるなあ、と。作品の手触りこそまったく違うものですが。 犬ならぬ「猫」の小説としては『ベルカ』（ベルカほどあからさまな出方はしないが。ああ『アビシニアン』もあったな）、「東京」の小説としては『サウンドトラック』。饒舌でビートフルな、実験的文章は『ボディ・アンド・ソウル』を彷彿とさせるものもあり、「古川 . . . 本文を読む