政府の教育再生会議(野依良治座長)は24日、総会を開き、安倍首相にゆとり教育の見直しなどをうたった第1次報告を提出した。これを受け首相は、教員免許更新制の導入や教育委員会改革などを実現するため、25日召集の通常国会に教員免許法、地方教育行政法、学校教育法の改正案の関連3法案を提出する考えを表明した。教育改革を最重要課題と位置付けることで、支持率回復の切り札にする決意を示したものだ。与党側も首相の意向を受け、3法案の成立に全力を尽くす考えだ。
首相は記者団に法案成立の見通しを問われ、「とにかく法案をつくって、与党との議論を行い、そして提出して、国会において十分な議論をした上で成立をめざしたい」と語った。
安倍首相の内閣支持率が下げ止まらないなか、首相の肝いりで発足した教育再生会議の報告が実現しないとなれば、首相にとっては政権運営の致命傷になりかねない。このため与党としては、「首相の教育再生への並々ならぬ意欲と受け止めた」(与党国対幹部)として、首相の突然の方針表明に戸惑いながらも、国会での成立を目指す構えだ。
ただ、法案作成には時間がかかることも予想され、4月に統一地方選があることや7月には参院選を控えて会期延長が難しいことから、3法案すべてを会期内に成立させるのは「常識的に無理」(伊吹文部科学相)との見方もある。
首相はこの日の総会で「教育再生は、私の内閣の最重要課題というよりも、日本の将来にとって最も大切な課題だ」と強調。「3法案とも通常国会に提出するよう伊吹文科相に指示し、与党にもそう伝える。教育再生に待ったなしの強い意志を示したい」と語った。総会後、首相は自民党の中川秀直幹事長、公明党の北側一雄幹事長に電話し、協力を求めた。
教員免許法改正案については、文科省は昨年7月の中央教育審議会答申に基づき、すでに改正案づくりを進めており、これは早急に対応できそうだ。問題は残る二つの改正案。地方教育行政法に関しては、第1次報告にある「教委への第三者機関による外部評価制度の新設」などは05年秋の中教審答申で触れられておらず、どこまで改正案に盛り込むかが焦点になる。副校長や主幹を新設する学校教育法改正案については、教員の間に差を設けるものとして教員組合などが反発するのは必至だ。
ゆとり教育の見直しは、学習指導要領の改訂などで対応することになる。
第1次報告は、このほかに、今後5年間で教員採用数の最低2割を社会人や研究者から採用することや、学校を評価する「教育水準保障機関」設置も求めている。また、学校や市町村教委への分権を掲げる一方、教育への「国の役割・責任の明確化及び国の責任を担保するための制度」のあり方を「今後の検討課題」に挙げており、教育現場の自主性との関係で論議を呼びそうだ。
再生会議は今後、学校週5日制の見直しや「バウチャー制度」導入などを検討課題とし、5月をめどに第2次報告、12月に第3次報告をまとめる。
(出所:朝日新聞HP 2007年01月25日00時57分)
首相のリーダーシップを演出? 3法案提出時期
「速やかに国会提出」が、数時間後には「平成19年(07年)通常国会に提出」に――。24日にまとまった教育再生会議の第1次報告で、教員免許法改正案など教育再生関連3法案の国会提出時期が「首相指示」で急きょ差し替えられた。ただ、先週つくられた報告案は、首相の指示を待つまでもなくもともと「通常国会提出」と明記されており、首相のリーダーシップを演出したのでは、との見方も出ている。
「首相の強いリーダーシップ」「首相自らの強い決意」。総会後の記者会見で、再生会議の池田守男座長代理と教育担当の山谷えり子補佐官は、提出時期を明確にした理由について繰り返し強調した。記者団には赤い字で「通常国会に」と書かれた報告が配られた。
山谷氏は会見で「国会の提出時期は、国会の問題で、再生会議としてそこまで(明確に)言えるのか、という議論だった。首相の決意でこのように書き直した」と説明した。だが、有識者メンバーの一人は「便宜的にいったん『速やかに』に戻し、首相のリーダーシップによる変更を演出したのではないか」と疑問を投げかけた。
(出所:朝日新聞HP 2007年01月25日06時22分)
首相は記者団に法案成立の見通しを問われ、「とにかく法案をつくって、与党との議論を行い、そして提出して、国会において十分な議論をした上で成立をめざしたい」と語った。
安倍首相の内閣支持率が下げ止まらないなか、首相の肝いりで発足した教育再生会議の報告が実現しないとなれば、首相にとっては政権運営の致命傷になりかねない。このため与党としては、「首相の教育再生への並々ならぬ意欲と受け止めた」(与党国対幹部)として、首相の突然の方針表明に戸惑いながらも、国会での成立を目指す構えだ。
ただ、法案作成には時間がかかることも予想され、4月に統一地方選があることや7月には参院選を控えて会期延長が難しいことから、3法案すべてを会期内に成立させるのは「常識的に無理」(伊吹文部科学相)との見方もある。
首相はこの日の総会で「教育再生は、私の内閣の最重要課題というよりも、日本の将来にとって最も大切な課題だ」と強調。「3法案とも通常国会に提出するよう伊吹文科相に指示し、与党にもそう伝える。教育再生に待ったなしの強い意志を示したい」と語った。総会後、首相は自民党の中川秀直幹事長、公明党の北側一雄幹事長に電話し、協力を求めた。
教員免許法改正案については、文科省は昨年7月の中央教育審議会答申に基づき、すでに改正案づくりを進めており、これは早急に対応できそうだ。問題は残る二つの改正案。地方教育行政法に関しては、第1次報告にある「教委への第三者機関による外部評価制度の新設」などは05年秋の中教審答申で触れられておらず、どこまで改正案に盛り込むかが焦点になる。副校長や主幹を新設する学校教育法改正案については、教員の間に差を設けるものとして教員組合などが反発するのは必至だ。
ゆとり教育の見直しは、学習指導要領の改訂などで対応することになる。
第1次報告は、このほかに、今後5年間で教員採用数の最低2割を社会人や研究者から採用することや、学校を評価する「教育水準保障機関」設置も求めている。また、学校や市町村教委への分権を掲げる一方、教育への「国の役割・責任の明確化及び国の責任を担保するための制度」のあり方を「今後の検討課題」に挙げており、教育現場の自主性との関係で論議を呼びそうだ。
再生会議は今後、学校週5日制の見直しや「バウチャー制度」導入などを検討課題とし、5月をめどに第2次報告、12月に第3次報告をまとめる。
(出所:朝日新聞HP 2007年01月25日00時57分)
首相のリーダーシップを演出? 3法案提出時期
「速やかに国会提出」が、数時間後には「平成19年(07年)通常国会に提出」に――。24日にまとまった教育再生会議の第1次報告で、教員免許法改正案など教育再生関連3法案の国会提出時期が「首相指示」で急きょ差し替えられた。ただ、先週つくられた報告案は、首相の指示を待つまでもなくもともと「通常国会提出」と明記されており、首相のリーダーシップを演出したのでは、との見方も出ている。
「首相の強いリーダーシップ」「首相自らの強い決意」。総会後の記者会見で、再生会議の池田守男座長代理と教育担当の山谷えり子補佐官は、提出時期を明確にした理由について繰り返し強調した。記者団には赤い字で「通常国会に」と書かれた報告が配られた。
山谷氏は会見で「国会の提出時期は、国会の問題で、再生会議としてそこまで(明確に)言えるのか、という議論だった。首相の決意でこのように書き直した」と説明した。だが、有識者メンバーの一人は「便宜的にいったん『速やかに』に戻し、首相のリーダーシップによる変更を演出したのではないか」と疑問を投げかけた。
(出所:朝日新聞HP 2007年01月25日06時22分)
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