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米国の「核の傘」から離脱し、名実ともに「非核の日本」を-8月9日 日本共産党幹部会委員長・志位和夫-

2009-08-11 00:10:51 | 国際政治
非核三原則法制化と核密約破棄を一体で
志位委員長が表明

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 日本共産党の志位和夫委員長は9日、長崎市でおこなった記者会見で、民主党の鳩山由紀夫代表が同日、非核三原則の法制化を検討すると表明したことについて問われ、「法制化は当然だが、核密約の公開・破棄と一体のものとしてとりくむ必要がある」と強調しました。

 志位氏は、非核三原則法制化について、日本共産党として過去に法案提出もしたことを紹介したうえで、日米核密約が結ばれたのが1960年の日米安保改定時であり、このときに核持ち込みについては事前協議の対象にしないという密約が結ばれたと指摘。「日本政府が非核三原則を唱えだしたのは68年以降であり、『つくらず、持たず、持ち込ませず』という三原則のうち、少なくとも『持ち込ませず』は最初から形骸(けいがい)化していたのが実態だった」と述べました。

 志位氏は「であるならば、非核三原則の法制化はもちろん大事ですが、これと一体に、核密約を公開・破棄して、そして文字通り、持ち込みもさせないということをはっきりさせないと、本当の意味での実効性がともなわないということになる」と述べ、「核の傘」からの脱却の重要性を強調しました。

米「核の傘」離脱し名実とも「非核日本」を
核巡航ミサイル廃棄反対の政府
恥ずべき行動やめよ
志位委員長が見解

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 長崎被爆・64年の記念日となった9日、日本共産党の志位和夫委員長は、平和式典出席などのために訪れた同市で記者会見し、「米国の『核の傘』から離脱して、名実ともに『非核の日本』を――核巡航ミサイルの廃棄に反対する恥ずべき行動をやめよ」と題する見解を発表しました。

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 会見の冒頭、志位氏は、オバマ大統領の「核兵器のない世界」演説など、歴史が大きく動き始めているなかで、自公政権がそのイニシアチブをなにひとつとらず、米国の「核の傘」への依存を繰り返し求めていることを厳しく批判しました。

 そのうえで、今回の見解発表の理由について、日本政府関係者がこの間、米側に、攻撃型原潜に搭載する核巡航ミサイル「トマホーク」の廃棄に反対する具体的な働きかけまでおこなっていることが、党の調べなどにより「間違いのない事実」となったからだと述べました。

 志位氏が明示したのは2点です。

 一つは、米議会が委託した調査・研究機関、「米国の戦略態勢に関する議会委員会」の最終報告書(今年5月)です。そこでは「ある特別に重要な同盟国」が、米国の抑止力の信頼性は戦力を配備する特別の能力に依拠していると主張してきたとし、また、アジアの若干の同盟国は「トマホーク」の退役を非常に懸念するであろうことが明らかになった、などとしています。

 もう一つは、7月末の共同通信の配信で、日本政府関係者の証言として、日本政府が「戦略態勢委員会」にたいし、戦術核戦力の堅持を求めているとの報道です。

 志位氏は、「トマホーク」の核弾頭は2013年以降、順次退役する計画になっているが、「こともあろうに、被爆国日本の政府が、核ミサイルを退役させるなと米側に働きかけていたとは、言語道断の重大問題だ」と力説しました。

 さらに、「この問題は、核密約問題との関係でもきわめて重大だ」と強調。「核密約はけっして歴史問題ではなく、いまも生きて作用している重大な問題だ。『トマホーク』の削減・撤去に反対する日本政府の姿勢は、核密約にもとづく核兵器持ち込みを続けてくれと日本側から要求したことにほかならない」と述べました。

 最後に志位氏は、日本共産党として▽政府は核密約を公開、破棄し、「非核三原則」を実行すること▽米国の「核の傘」から離脱して、名実ともに「非核の日本」を実現すること▽その第一歩として、核「トマホーク」の装備の堅持を米側に求め、オバマ政権の政策転換を妨害する恥ずべき態度をただちにやめること―を厳粛に求めると表明。「64周年の長崎の歴史的な日にあたって、『長崎を最後の被爆地に』という市民・被爆者の熱い思いを胸に刻んで、以上のことを日本政府に求めたい」と述べました。

米国の「核の傘」から離脱して、名実ともに「非核の日本」を
――核巡航ミサイルの廃棄に反対する恥ずべき行動をやめよ
2009年8月9日 日本共産党幹部会委員長 志位 和夫

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 日本共産党の志位和夫委員長が9日、長崎市での記者会見で発表した「米国の『核の傘』から離脱して、名実ともに『非核の日本を』」(全文)は次の通りです。

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(1)

 オバマ大統領の「核兵器のない世界」演説など、核兵器廃絶に向けて、歴史が動きはじめています。ところが、自公政権は核兵器廃絶のためのイニシアチブをなにひとつとらず、米国の「核の傘」――核抑止への依存をくりかえし求める態度をとっています。

 「核抑止」、「核の傘」――「拡大抑止」とは、いざとなれば核兵器を使用するという脅しによって、「安全」を守るという考えであり、それは核兵器使用が前提となって初めて成り立つ論理です。核兵器による惨禍が、どんなに残虐で非人道的なものであるかを体験した被爆国・日本の政府が、核兵器による脅しにしがみつき、核兵器使用を前提とする論理にしがみつくことが、どんなに恥ずかしいことであるかは、明らかです。

(2)

 とくに重大なのは、日本政府が、「核の傘」に固執する立場から、米国が配備する核兵器を削減・廃棄することに反対する外交交渉までおこなっていることです。

 日本政府関係者が、米側にたいして、攻撃型原潜に搭載する核巡航ミサイル「トマホーク」の廃棄に反対する具体的な働きかけをおこなっていることは、つぎにしめすように米国議会の報告書や、米政府高官の発言で明らかになっています。それは核兵器廃絶にむけてのオバマ政権の政策転換を妨げる特別に有害な役割を果たしていることを、きびしく指摘しなければなりません。

 ――今年5月はじめ、米議会から委託されてほぼ1年がかりの調査と研究をおこなってきた「米国の戦略態勢に関する議会委員会」が最終報告を発表しました。最終報告では、「ある特別に重要な同盟国が当委員会に内密に、米国の拡大抑止の信頼性は、広範な種類の目標を危機にさらし、状況が要求すれば、見える方法かあるいはこっそりと戦力を配備する特別の能力に依拠していると主張してきた」とのべています。そして、「アジアにおいては、拡大抑止は若干のロスアンゼルス級攻撃型原潜の陸地攻撃核巡航ミサイル『トマホーク』(TLAM/N)の配備に大きく依存している」とのべるとともに、「われわれの委員会の作業のなかで、アジアの若干の同盟諸国はTLAM/Nの退役を非常に懸念するであろうことが明らかになった」と明記しています。この報告書の付属資料には、委員会が協議した人物の一覧表がありますが、「外国政府関係者」26名のトップに、在米日本大使館の秋葉剛男公使・政務班長(2009年)、石井正文公使・政務班長(2008年)ら4人の氏名がのっています。

 ――7月末、「共同通信」は、米政府高官が、攻撃型原潜搭載用核巡航ミサイル「トマホーク」について、日本などの同盟国の意向次第では退役させずに中期的に温存していく可能性があることを明らかにしたと報じました。そのなかでは、「日本は米議会が設置した『戦略態勢委員会』に対し、米国が『トマホーク』などの戦術核の一方的な削減・廃棄を進めるべきではないと主張、戦術核戦力の堅持を求めている」という日本政府関係者の話も明らかにされています。

 「トマホーク」の核弾頭「W80」は2013年以降順次退役する計画になっています。被爆国日本の政府が、米側に核巡航ミサイル「トマホーク」の削減・廃棄に反対する具体的な働きかけをしていたことは、絶対に許せるものではありません。

(3)

 この問題は、元外務事務次官4人のマスコミ証言であらためて国民の批判をあびている核密約問題との関係でもきわめて重大です。

 アメリカは、水上艦艇から核兵器を撤去しましたが、攻撃型原潜に必要があれば随時、核巡航ミサイル「トマホーク」を積載する態勢を継続しています。さらに、「有事」には、核兵器の再配備をすることを宣言しており、「有事」にそなえるために、特定の地点での核兵器の存在を「否定も肯定もしない」という政策を堅持しています。

 「有事」のさいに核兵器を配備する密約が日米間で結ばれていることも米政府解禁文書で明らかになっており、国民も日本政府も知らないうちに核兵器が持ち込まれ、配備されるという仕組みと体制は引き続き日本列島をおおっています。核密約は、けっして歴史問題ではなく、いまも生きて作用している重大な問題なのです。

 現に、核攻撃能力をもった多数の攻撃型原子力潜水艦が、日本に寄港しているという事実があります。太平洋に配備されている攻撃型原潜には、核攻撃能力をもった原潜が、ブレマートン、ラ・ホーヤ、ポーツマス、サンフランシスコ、ヒューストン、バッファロー、ソルトレークシティ、オリンピア、ホノルル、キーウェストなど10隻程度あり、いずれも日本への寄港実績があります。

 攻撃型原子力潜水艦に搭載された核巡航ミサイル「トマホーク」の削減・撤去に反対する日本政府の動きは、核密約にもとづく核兵器持ち込み体制を、今後も続けることを日本側から求めようとするものにほかなりません。

(4)

 日本共産党は、長崎に原爆が投下されてから64周年の記念すべき日に、つぎのことを厳粛に求めます。

 ――政府は核密約を公開、破棄し、「非核三原則」を実行すること。

 ――米国の「核の傘」から離脱して、名実ともに「非核の日本」を実現すること。

 ――その第一歩として、政府は、核巡航ミサイル「トマホーク」装備の堅持を米側に求め、オバマ政権の政策転換を妨害する恥ずべき態度をただちにやめること。

 日本が、核密約を公開、破棄し、米国の「核の傘」から離脱して、名実ともに「非核の日本」となってこそ、「核兵器のない世界」という人類的課題の実現にむけて、被爆国としてのイニシアチブを発揮できます。日本共産党は、この地、長崎を、人類にとっての最後の被爆地とするために、この記念すべき日にそのことを重ねて求めるものです。

(出所:日本共産党HP  2009年8月10日(月)「しんぶん赤旗」)
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2 コメント

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猿山政治論 (猿山太郎)
2009-08-19 19:08:43
先日は、コメント及びトラックバックをありがとうございました。

以下、本記事にコメントさせていただきます。

日本は、既に米国の核の傘の下にはなく、丸裸のまま中国の核の脅威を受けつつあります。

私は、平和主義的見地からダイレクトに核武装放棄を導き出す論理には賛成いたしかねますが、結論として、日本が核武装することは日本の未来に大きな禍根を残すと判断しています。

まずは地政学的見地から検証すべきでしょう。
現在、この問題について順次投稿中ですので、時々覗いてみてください。
返信する
猿山さんへ。 (東西南北)
2009-08-20 02:42:03
 コメントサンキューです。

 核武装は確かに北朝鮮政府と同じ論理になりますし、同次元の政府への道ですから、将来に禍根を残しますね。

 
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