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東京・秋葉原通り魔:奇声発し「ニヤリ」笑み/無差別の凶刃「許せぬ」(その2止)

2008-06-20 01:01:13 | 国内社会
 東京・秋葉原通り魔:奇声発し「ニヤリ」笑み/無差別の凶刃「許せぬ」(その2止)

 ◇夢奪われた若者 長男と買い物の74歳も
 ◇悲しみの遺族
 無差別に襲われた被害者たちは、東京都内の救急病院に次々と運び込まれたが、8日夜までに7人が亡くなった。「無念だったはず」。遺族らは怒りと悲しみにくれた。

 ◇大学生・武藤舞さん(21)
 通学していた北区立浮間中によると、武藤さんはテニス部に所属し、3年時には都大会にも出場した。テニス部の顧問だった荒木秀治教諭は9日、取材に「誰からも好かれる子だった。『人違いであってほしい』と思ったが本当に残念」と話した。都立日比谷高時代の同級生だった男子大学生(22)は「ムードメーカーだった。悔しい気持ちでいっぱい」と事件への怒りをあらわにした。武藤さんは東京芸大の音楽学部に進み、音響や録音の技術を学んでいた。

 ◇無職・中村勝彦さん(74)
 今年3月に引退するまで東京都府中市で夫婦で歯科医院を開いていた。当日は、秋葉原に長男とパソコンの買い物のため出かけたという。妻(74)は「無念としか言いようがない。まだ主人はやりたいことがたくさんあったと思います。たぶん、こういうことが二度とないようにと思ってるかなと思います」と悲しみを押し殺し語った。

 ◇大学生・藤野和倫(かずのり)さん(19)
 父親によると「友達とパソコンの部品を見に行く」と午前中から出かけたという。両親は9日午前1時過ぎ、都内の病院からタクシーで帰宅した。父親は「あまりにも突然のことで悔しくて仕方ありません。悪い夢を見ているよう」と言葉を詰まらせた。

 ◇大学生・川口隆裕さん(19)
 父で会社員の健さん(53)によると、隆裕さんは友人ら4人で買い物に出掛けて事件に遭った。健さんは「夢であってほしい。悔しい気持ちでいっぱい。たとえ生活などがいかに苦しい状況であっても、八つ当たりのように人を殺したりしてはいけない。同情の余地はない」と話した。

 ◇調理師・松井満さん(33)
 神奈川県厚木市の小学校時代の担任だった浅見照枝さん(58)は「荷物を持っていたりすると『手伝うよ』と言ってくれるような、優しくて繊細なお子さんだった」と肩を落とした。

 ◇無職・小岩和弘さん(47)
 遺族は警視庁を通じてコメントを出した。「大切な家族をこのような事件で突然失った思いは、皆様のご推察とたがうことはないと存じます。とにかく今は憔悴(しょうすい)し、夜も眠ることができません。私達は故人をしのんで静かに見送りたいと存じます。一切の取材についてお受けできかねますので、どうか主意をおくみとりいただきたく存じます」と記されていた。

 ◇会社員・宮本直樹さん(31)
 埼玉県蕨市の自宅アパートには9日午前11時前、父親という男性が訪れた。「残念だ。こういうことが二度と起きない社会になってほしい」と怒りを込めた。

 ◇携帯で撮影映像、瞬時に駆け巡る 若者らが救護活動
 秋葉原はJR秋葉原駅を中心に家電製品の量販店が建ち並ぶ世界有数の電気街として知られるが、近年はゲームやアニメのマニアが集まる「オタクの街」として、独特の若者文化の発信地にもなっている。今回の事件も、現場に居合わせた若者らが携帯電話などを使い、瞬く間に現場の情報や映像が広がった。負傷した被害者を救護する若者の姿も目立った。

 事件現場となった「中央通り」(道幅約30メートル)沿いには、アマチュア無線やパソコン周辺機器など以前からの専門店が建ち並ぶ一方、ウエートレスがアニメキャラクターの衣装をまとった「メイドカフェ」なども点在する。05年に茨城県つくば市とを結ぶ「つくばエクスプレス」が開通してからは、秋葉原の人出はさらに増えた。

 警視庁などによると、秋葉原で歩行者天国が実施されるようになったのは1973年からで、現在は日曜・祝日に中央通りの約800メートルが対象。多い時には8000人もの人でごった返すという。

 事件当日、たまたま遊びに来ていた千葉市の新聞販売店の男性店員(24)は、倒れた男性に駆け寄り介抱した。「どうしてこんな場所で、こんな事件が起きるのか」。男性店員は、そう言って脈を取る右手を震わせた。止血のためにタオルを差し出したり、人工呼吸や心臓マッサージを試みる若者も多数いた。

 秋葉原では、最近、路上で「撮影会」と称して下着を見せるパフォーマンスなどが目立つようになり、多数の苦情が寄せられていた。警察がパトロールを強化する中で事件は起きた。【工藤哲】

 ◇過去の主な通り魔・無差別殺傷事件
98年 1月 堺市の路上で、無職少年(19)が女児(5)を包丁で刺殺。2人負傷

99年 9月 東京・池袋の繁華街で、元新聞販売店員の男(23)が包丁などで通行人を襲い2人殺害、6人重軽傷

  同    山口県下関市のJR下関駅に運送業の男(35)が車で突っ込み、人をはねたり、降りて包丁で刺すなどして5人殺害、10人重軽傷

00年12月 東京・JR渋谷駅近くの百貨店前で、高校2年の少年(17)が通行人をバットで襲い8人重軽傷

01年 6月 大阪府池田市の大阪教育大付属池田小で、無職の男(37)が児童8人を包丁で刺殺、教師を含む15人が重軽傷

05年 2月 愛知県安城市のショッピングセンターで仮釈放中の無職の男(34)が11カ月の男児を殺害し、2人が負傷

05年 4月 仙台市青葉区の国道やアーケード街で、無職の男(38)がトラックを暴走させ、3人死亡4人重傷

08年 1月 東京・品川の戸越銀座商店街で、高校2年の少年(16)が両手に包丁を持って通行人5人を襲い、2人軽傷

    3月 茨城県土浦市のJR荒川沖駅前で別の殺人事件で手配中の男(24) が通行人や警察官計8人を刃物で刺し、1人死亡。7人が重軽傷を負った(肩書、年齢は発生当時)

(出所:毎日新聞 2008年6月9日 東京夕刊)

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