コロナ禍で大きなダメージを受けた飲食業界。まだまだ立ち直れない企業も少なくないなか、ミスタードーナツ、通称「ミスド」が業績復調の兆しを見せている。
ミスドを運営するダスキンの2023年3月期決算によると、ミスド事業が主力のフードグループの売上高は前期(438億1800万円)から11.6%増加の488億7900万円。営業利益も前期(36億1900万円)から51.2%増の54億7300円と、予想を上回る増収増益となった。昨年3月と11月に一部商品の価格改定を実施したが、影響はなく売上は好調だったという。
店舗数も前期979店から今期は993店に増加。今後、都市部の未出店エリア・多様な店舗形態による出店、ゆったり過ごせる店舗改装に注力するという。一時は閉店が相次いでいたミスドだが、一転、復調へと勢いづいている。その背景には何があるのだろうか。ミスド愛好者たちに、その魅力を聞いた。
家族みんなで食べられる
「先日、期間限定の『白いポン・デ・リング』を買いました。やわらかくてもっちりとした食感で、見た目もかわいい。個人的には和菓子を意識した白あんやみたらしがお気に入りです。今年2月までの期間限定だった『大人のポン・デ・ショコラ』も濃厚な味わいがたまりませんでした。期間限定商品も楽しみの一つです」
そう笑顔で話すのは、メーカーに勤務する40代女性・Aさんだ。値上げしても、ほかの洋菓子に比べれば、「まだまだ安い方」だという。
「値上げしても、一つ100円台のものが多い。個人的には高いケーキ数個を買うよりも、箱一杯のドーナツを買った方が幸せになれるので、娘ともどもミスドが大好きです。夫は甘いものは基本苦手ですが、シンプルなオールドファッションなら好きみたい。家族みんなで食べられるのも魅力ですね。ママ友同士や職場の差し入れ、子供が友人を連れてきた時なども重宝します」(Aさん)
ミスドが“ファミレス”の代替に
IT企業に勤務する30代男性・Bさんは、ファミレス感覚で利用するという。
「仕事の休憩時や、会社帰りに立ち寄ったり、休日にちょっと寄って仕事を片付けたり、よく利用しています。少し前までファミレスに行っていたんですが、最近のファミレスは“ちょっと高級”になってしまったというか……。ファミレスで食事とドリンクを注文すると、なんだかんだ1500円とか2000円とかする。コスパが悪いなと思って、足が遠のくようになりました」(Bさん)
「ミスドの価格帯がちょうどいい」というBさんは、カフェよりも豊富なメニュー、ファミレスよりも安い価格帯がお気に入りだという。
「いつも、150円くらいのドーナツ1個と、『ミスド ブレンドコーヒー』を頼みます。コーヒーは275円でおかわり自由というのは、めちゃくちゃありがたいですよ。だって、ファミレスならドリンクバー単品で500円ぐらいするところもありますからね。僕はドリンクバーでもコーヒーしか飲まないので、ちょうどいいんです。
お腹が空いている時は、飲茶やホットドック、扱いがあればピザを頼むこともあります。僕にとってミスドは、カフェとファミレスのいいとこどりした位置づけです」(Bさん)
コンビニのドーナツ参入でわかったミスドのおいしさ
商社勤務の20代女性・Cさんは、コンビニでドーナツが販売されたとき、ミスドの「すごさ」を改めて感じたそうだ。
「一時期コンビニにドーナツが売られていましたが、いつの間にか消えていますよね。あと、ドーナツは外資系のお店もありますが、甘すぎるし価格も高めで、私にとって定番にはなりませんでした。結局ドーナツはミスドが“ちょうどいい”というか、“こういうのがいいんだよ”という感じなんです」
あれもこれも高くなり、値上げに敏感になるなかでも、ミスドに価格以上の満足感や安心感を覚えるファンは少なくないようだ。(了)
ドーナツは甘いものと言うイメージがあるようですがブリトーみたいなおかずドーナツも最近は登場していますね
ドーナツを買いに行くもの店内で食べるのも楽しみです🐵