宇野ルーツだより

ご先祖のルーツを探す旅

浅間山の噴火と旅日記

2011-11-15 10:57:07 | 日記
  昨夜(11月14日)、札幌で初雪を観測。過去3番目に遅い記録だそうです。
 でも、ほんのちょっと舞っただけのようで積もってはいません。今日は晴れました。
 宇野ゆかりの皆さま、本格的な冬に向かいますね。どうぞ体調管理にご注意を!

 清源院の旅日記「青葉の山路」を最終チェックしていて、あることに気づきました。
 5月23日(旧暦)に松井田宿(群馬県安中市)を出た清源院は、途中念願の浅間山を
 見ます。その時の様子を次のように書き残しています。

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  「四方を見渡せば、空ものどかにうちかすみ、遠近の山々の中にけぶりの立のぼる
   こそ、浅間山なるらめ」 そして、次のように詠みました。
       立のぼるけぶりにぞしる浅間山今朝は高根に雲のかからで

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 山頂付近に雲がなく、立ち上る煙で浅間山だと分かったというのです。この日、
 浅間山は、かなりの噴煙を上げていたことがうかがえます。浅間山の噴火の歴史を
 探ると、清源院が旅した天明3年(1783年)に大噴火があり、多数の死者を出して
 いました。

 この年の4月9日(旧暦)に活動を再開した浅間山は、5月26日(旧暦)に爆発的噴火が
 あり、その後7月6日から8日にかけて、溶岩流などで大災害となりました。清源院が
 見た5月23日は、まさに噴火直前の浅間山だったことになりますね。

 活動を再開した4月9日は、清源院は瀬戸内海の舟の上、知る由もなかったでしょう。
 しかし、浅間山に近づくにつれて噴火のうわさが伝わってきたのではないでしょうか。
 「ほら、噴火しているよ」と地元の人に教えられたのかもしれません。大災害になった
 のは、清源院が江戸に戻った後でしたが、伝え聞いた彼女はどう思ったでしょうね。

 このような何気ない紀行文の記述からも、科学的な事実を補強することがありえるもの
 と思います。地震・津波・噴火など、過去何度も大災害を経験してきた日本。「想定外」
 で済ますのは簡単ですが、もっと史実を掘り起こして検証する必要がありそうです。

  晩秋の豊平川です。この日は暖かだったので、河川敷をランニングしたり
 ウォーキングしたりする人の姿が多く見られました。先日送った「ルーツだより」への
 さまざまな感想をいただきありがとうございました。遅れ遅れとなっていますが、また
 続きを送ります。旅日記、築山さんの本、宇野騏八郎さんの業績など、残しておかなけ
 ればならないことが、まだまだ多い!