うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

初音ミク -プロジェクト ディーヴァ-  75点

2010年07月13日 | ゲーム日記
初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- お買い得版(通常版)

セガ

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PSPの音ゲー。セガ。
ボーカロイドの初音ミクに歌わせた曲のみを収録してある。
収録曲はネットの初音ミク動画で有名な曲を中心に、初音ミクのイメージに合わせて書下ろされたゲーム書下ろしの曲と合わせて39曲収録。

内容自体はリズムに合わせて○×△□ボタンを押していくだけの、いたって普通の音ゲー。
押すボタンの表示が、画面上のいたるところにあらわれて、遠くから音符がとんでくるのでそれに合わせて押していく画面の雰囲気は特殊だが、やっていることはいたって普通。画面の見方も『押忍!闘え!応援団』シリーズをプレイしていればすぐに馴染むことができる。
リズムの取り方も、ボーカルに合わせて素直に押せばいい曲ばかりで、裏拍をとらされたりする曲もなく、ややこしいことを考えず、いたって普通にプレイすることができる。
押すボタンも四つだけで、同時押しとかややこしい操作とかもないため、本当に簡単に操作できる。
このあたりが面白かった。
いまの音ゲーというと、やたらボタン操作が複雑になっていたり、異常に難しい曲が多かったりで、どうも初心者に入り込みにくい世界を形成したコアなゲームはかりになってしまっているが、そうしたなかで、ここまでシンプルにわかりやすい音ゲーを作ったことに好感。
音に合わせてボタンを押すという、音ゲー本来の、シンプルで本能的な楽しさを満喫することが出来た。逆を云えば音ゲーマニアには相当物足りないと思う。
音ゲー初心者におすすめしたい佳作。

ただやりこんでいくとゲームシステムの甘さが多少気になる。
まず早めに押したときの判定が厳しく、遅めに押した時の判定がゆるいのがなんか体感的に嫌。難易度を調整するためなんだろうけど。
また得点のほとんどが、曲の終盤に訪れる「チャンスタイム」で決まってしまうため、それまでぼろぼろでもそこだけちゃんとしていれば得点が高くなり、逆にそれまで完璧でもそこで失敗してしまうと評価がめちくちゃ低くなるという極端なバランスは、チャンスタイム以外の時間は無意味だったんじゃなかろうかという気持ちになってしまう。

背景で初音ミクが各曲のイメージに合わせたPVダンスを踊っているのだが、これが邪魔。押すボタンが背景に紛れて見えにくくなるし、一部保護色とかになったりして、非常に迷惑。
ただし、自分は「ああ、なるほど。これは初音ミクと力を合わせて歌っていくというシチュエーションではなく、初音ミクの妨害に屈させずに歌わせていくというシチュエーションなんだな。つまりこのゲームのミクは敵なんだな」と認識し、VSミクゲーという気持ちでプレイしていたので、あまり問題はないというか、敵なんだから邪魔して当然という気持ちになっていた。

一番残念なのが、どの曲でもボタンを押した時の音が地味なこと。もっと大きく派手にしてくれた方が押している感が強くて好きなのに。てもエディットモードを見ると色々な音が用意されているのに敢えて地味なのばかり採用しているところを見ると、曲を聴かせることを重視して、わざと地味にしたんだろうなあ。派手なのと地味なのを切り替えられればよかったのに。

あとは明確な欠点としては、曲が始まるまでのロード時間が長い。こればっかりはもうちょっと短くして欲しかったなあ。ロード中にファンイラスト見せるなどしてあきさせない努力はしているけど。

でもまあ、肝心なのはそうした音ゲー部分よりも、初音ミクのキャラゲーとしてどうなのかという部分だと思うし、その点については見事な出来だと思う。
単純にミクのポリゴンモデルが可愛く出来ているし、39種類も用意されたコスチュームに着替えさせる着せ替えゲーとしても優秀。
曲数も豊富で、各自に合わせたPVも、「アニメのOP風」とか「歌番組風」とか「ライブ風」とか「勘違いアーティストのPV風」とか、あるある感に満ちた構成になっていて面白い。ミクを使ったコスチューム・シチュエーションプレイと考えると、ミク好きにはたまらないだろう。
ロード中や一部のPVに大量のファンイラストが使用されているのも、ミクマニア的には嬉しいだろうし、とにかくキャラゲーとしては豪勢で、セガはいつの間にこんなキャラゲー商売うまくなったんだろうと目を疑ってしまった。中身は普通なのにファンアイテムとしては上出来って、セガが長年くりひろげてきた(そして間違いつづけてきた)キャラゲー商売と真逆じゃねーの。

それにしても、今作ではじめてしっかり初音ミクの歌を聞いてみたんだが……
ミクの声、声と認識できないなー。やっぱり人間って、良くも悪くも自意識がうざいんだな。まあいわゆる「透明感がある(笑)」と評されるような歌声を極めると、こういう漂白されたような意思のない声になるんだな、とは思うので、そういう歌声が好きな人にはたまらないんだろうな、とは思った。(注・うなぎは「透明感のある歌声」という表現に特に理由もなくものすごい悪意を持っています)

曲目も……あー……これ作ってるの、多分自分と同世代なんだろうなーw
90年代前半のビーイング系とかビジュアル系を、最近ぽくアレンジした感じのメロディーが多い気がして、なんか懐かしかった。懐かしいが、自分はあの時期の音楽が一番嫌いなんだけどね……
歌詞は……えーと、なんでどれもこれも世界観がスイーツ(笑)なの?オタクってスイーツ(笑)が嫌いなんじゃなかったっけ?近年、ここまでベタな世界観で歌わされているの松浦亜弥かシャズナしか見なかった気がするんだけど……なんかどれもこれも『桃色片思い』か『メルティラブ』か『すみれセプテンバーラブ』って感じ。不思議だのう。なんでスイーツ(笑)なんだろう。
結局、オタクはスイーツ(笑)が嫌いなんじゃなくて、ブスが嫌いなだけなのだろうか、もてないのが嫌なだけなのだろうか……

そんなうなぎの収録曲でのお気に入り
『初音ミクの消失』
今作の最難曲。とにかく速くてなかなか目で追えないし、ハードでは携帯機なのに持ちながらプレイするのが困難なほどの連打を求められるというクリアするのも大変な曲。その難しさゆえに一番プレイしたので気に入っている。
歌詞は「ユーザーから飽きられてPCからアンインストールされる時の初音ミクの気持ち」を描いたもので、人間にはほぼ不可能なレベルの早口&息継ぎなしで歌っているところが、ボーカロイドの特性を生かしているな、と思った。

『ラブリスト更新中?』
「あたしカワイイでしょ?」というアピールが怖い初音ミクだが、そのアピールを極めてしまった感じの一曲。
歌詞・PV・メロディすべてにおいて媚びが全開で、ここまでやったんなら認めるしかないという感じで、腕力で打ち伏せられたような敗北感を味わう。

『えれくとりっく・えんじぇぅ』
やたらめったら押すボタンが多いが、しかし簡単なのでハイスコアがとりやすいという、プレイしていて一番気持ちの良い曲。パーフェクトも簡単にとれる。今作の初心者向けチューニングを象徴するような曲。
中華+テクノのメロディーは、元祖電子アイドルであるマクロスのリン・ミンメイに想起させるあたり、限定されたジャンルでは正統派の曲。ファミコンのマクロスをプレイしているときのような懐かしさを感じることが出来た。ちなみにクリスマスプレゼントでもらいました、FC版マクロス。つまらなかった。

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