うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

ヘヴンリー・ソード  65点

2013年03月16日 | ゲーム日記
予言の時、選ばれた男子の手によってふるわれ人々を救うと伝えられている神剣ヘヴンリー・ソード。しかし予言の年に生まれたのは男子ではなく女子だった。ナリコと名づけられた運命の子は周囲の疑惑の目を受けながら修行をつづけ、ヘヴンリー・ソードを手にとる。そしていま、邪悪な王の魔の手が迫ってきていた。

PS3。ソニー(開発ニンジャセオリー)
……というわけで、『DmC Devil May Cry』を開発したメーカーの以前の作品をプレイしてみた。
内容は「アジア風ゴッド・オブ・ウォー」としか表現のしようがない、演出重視のアクションゲーム。
ダイナミックなカメラ演出ととどめのアクション、QTEを駆使したイベント性の高いボス戦など、まさに『ゴッド・オブ・ウォー』の影響そのまま受けましたといってもいい作り。
しかアクション要素としてはカウンターを主体にしたつくりと、矢を放つと矢の視点になって矢を操作して当てるようになるなど、それなりの差異化をはかろうとした形跡は見える。でもまあおおむね『ゴッド・オブ・ウォー』だった。
しかし
2007年というPS3初期に、これだけの映像クオリティでGOWライクなゲームを作り上げていたことは評価できる。
日本とも中国ともつかない世界観の中、壮大な巨峰や万里の長城のような巨大建造物のつくりこみは見事だし、何百何千の軍勢がいっせいに城を攻めてくるのをきちんと一兵一兵描いて表現しているのは素直にすごい。そしてそれらを大砲でばっかんばっかん蹴散らしていくのは楽しい。極めつけはラストバトルで、超人と化した主人公とラスボスが何千という軍勢に囲まれる中で、一般兵を一撃ごとに何百人吹き飛ばしながら戦うのは、化け物が戦場に降臨してきた感じを満喫させてくれる。
しかしそうした美麗グラフィックの弊害か、フレームレートはおっそろしいくらいにガッタガタで、実にカクカク動く。
アクション自体も、カウンター重視のスタイルのためか、ダメージを与えている感覚は薄く、派手なとどめ技も演出にメリハリが欠けるためかいまいち盛り上がりきらない。カウンター重視のスタイルはGOWライクな操作にあっていないと思うなあ。GOWは主人公を怒りと力の化身と設定して、その勢いとパワーだけのアクションの演出としてあの直感的な操作とQTE演出があっていたんだし。

GOWに影響を受けて演出やQTEの使い方を真似したゲームは多いんだけど、『ニンジャブレイド』にせよ『ベヨネッタ』にせよ『キャッスルヴぁニア ロード・オブ・シャドウ』にせよ今作にせよ、なぜか主人公がテクニック型というか、割とクールなタイプなんだよねえ。GOWの演出や操作は怒りに特化して合わせてるから合うのであって(というかゲーム内容に合わせてキャラクター設定したんだろう)、別のタイプのキャラだったら別の演出法と操作法考えないとうまくいくはずないんだけどねえ。だから「QTEはつまらん」とか言われるのではなかろうか。
そういう意味では、GOWの怒りの演出をそのまま強化してアニメチックにする形でパクッた『アスラズラース』はわりと演出としては自分は評価しているんだけど、あれはあれでゲーム部分がなさすぎてアクションゲームとしては評価できないというか、大長編CGアニメのおまけでボタン押すのがついてるだけだったしね……

という余談はおいといて、今作もだからアクションゲームとしては微妙というか、緻密な操作がもとめられる場面もなければ、カウンター重視のスタイルのため勢いで押し切ることもできない、中途半端なゲームに仕上がってしまっている。ボス戦なども敵のキャラがたっているのはいいが、とにかくやたら体力が高いためだらだらと冗長に戦わされてわりとうんざりしてしまう。パターン読んでしまえば単調なだけだし。
通常の双剣による攻撃に加え、L2ボタン押しながらだと範囲の広くて早い鎖剣、R2押しながらだと威力の高い大剣、という武器の使い分けも、あまり効果的にできてはいなかった。ただ、この点はのちの『DmC Devil May Cry』でうまいこと昇華したんだな、と思った。

ストーリーは中国の武侠ものみたいな感じの、超能力的な力でずばーんみたいな王道といえば王道、いいかげんといえばいいかげんなあれで、敵キャラのうっとうしいキャラ立ちも含めて無難なつくりといえば無難なつくり。が、設定がほとんど説明されないままに主人公のよくわからないモノローグ中心に話が進むので、単純なわりにはわりとおいてけぼりを喰らう。
なにより主人公の名前「ナリコ」が気になって仕方がなく、どんな場面もギャグにしか見えない。日本人?日本人なのナリコ?日本人にありそうで絶妙にない感じの名前ナリコ。たしかにまあ欧米人からすれば「~~子」ってすれば日本人ぽくなって、そこの微妙な感覚の差はわからないだろうけど、でもナリコって。どう聞いてもコロスケの女版じゃないですか。ナリコ……

という感じで、ストーリーも微妙というか、のりきれない。アクションは微妙、プレイ時間も五時間程度で、リプレイ性も極めて低い、という残念といえば残念な出来だが、評判通りに背景だけは素晴らしかったので、それなりに満足した。発売当時に買っていたら「いまのゲームのグラフィックすげー」と感じていたろうし、いまなら中古で980~1980円で買えるので、長い映画を一本観る感じでプレイする分には悪くないと思う。

でもナリコ(笑)

Heavenly Sword ~ヘブンリーソード~
クリエーター情報なし
ソニー・コンピュータエンタテインメント

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (うーろん)
2013-03-16 15:55:34
もうやったかもしれませんが、ニンジャセオリーのゲームなら、エンスレイブドがオススメです!
久しぶりのゲーム記事ですね。うなぎさんの感想は、直感と理屈のバランスが程良くて面白いです!
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Unknown (うなぎ(管理人))
2013-03-18 01:20:22
う、うん……もうやっていたんだ……すまない……
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