うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

四八(仮)  15点

2007年11月29日 | ゲーム日記
ファーストインプレッションはこちら


先日のファーストインプレッションに続き、ある程度プレイした段階での感想。
具体的に云うと、コンプリート一歩手前で挫折(ほんとにあと一歩なんだけどこの一歩が果てしなくデカすぎんだよ……)

結論から述べれば、超クソゲー。
ここまでのクソゲーがいまどき見つかるであろうかってレベルのクソゲー。
まず根本的にお話がつまらない。
短い話が百本以上も詰まっているのが売りだが、その95%がつまらない。残りの5%はなにかというと、ゲスト作家によるシナリオでこれは安定して面白いのが多い。

ゲスト作家は
『新耳袋』などで知られる木原浩勝
『富江』『うずまき』などが有名なホラー漫画家、伊藤潤二
怪談といえばこの人、稲川淳二
みんなご存知、ミスター恐怖新聞つのだじろう
自身もなかば妖怪化、水木しげる
役者として出演したくて依頼うけたんじゃねえの?筒井康隆
と非常に豪華。
もちろんぼくは筒井康隆目当てのプレイでした。
その筒井先生シナリオは、二編あったのだが、どちらも良くも悪くも筒井康隆らしい掌編。
ただ、筒井シナリオのためだけにゲームをプレイするほどの価値はまったくないかな、と。
ともあれ、ゲスト作家のシナリオは筒井先生を含め、実に自分の仕事をよくわかっている佳作ばかり。

だが残りの95%を占めるメインライター、飯島健男あらため飯島多紀哉のシナリオがねこれがもうどううしようもない。
ヤマもオチも意味もなく、唐突に始まり唐突に終わるシュールさはまだいいとしよう。怖さがまったくないのもまだよしとしよう。しかし、分岐のつまらなさ、これがいけない。
本作の最終目的は、全シナリオの全分岐を見ることにある。
一応、途中でエンディングは流れるが、それはいわば一応のエンディング。メインシナリオ(四八(仮)という名のサンプルゲームを送られてきた主人公の身の回りに起こる怪異を描いたメタ物語)のエンディングに過ぎない。
であるからして、さまざまに変化する物語を楽しむのが本来のスタイルになるわれけだが……この変化が実にどうでもいい。

幽霊がうしろにいる
振り向いた→殺されました
振り向かなかった→殺されました

こんなのばっか。ほとんどたいした変化のない死に方を探るばかり。
で、一応、死なないパターンも一つくらいは用意されているのだが、だからといってなにが起こるわけでもなく、ストーリー的に面白くなるわけでもなく、ただ生き延びるだけなので、面白みはまったくなし。
そんなシナリオ群の、すべての死に方を試さなければならない。非常に苦痛である。
おまけに分岐が複雑なうえに、その条件がまったく意味不明で、総当りでやないと発見できなかったり、あげくの果てにランダムで分岐するので、どんなにがんばっても運が良くないと到達できないルートがあったり、すべてのルートをやらなきゃいけないゲームなのに、その仕様は非常にふざけている。

それを支えるのが、ファーストインプレッションでも書いたシステム面の最悪さ。
ロードは遅く、何回も繰り返すのにタイトルコールは飛ばせず、スキップは遅く、読み戻し機能はなく、とにかくノベルゲームとしてはありえないほどの最悪なシステムである。
のみならず、多発するフリーズ。なにもしていなくても、定期的にゲームが止まるという厄介さ。さらに、自分は遭遇してないんだが、セーブデータ自体をおかしくすバグも頻発するという。
最低にして最悪である。こんなゲームは滅多に無い。
絶対にプレイしてはいけない類だ。

にもかかわらず。
なんだろう、これ。
まったく面白くないのに、プレイを続けている自分がいる……
淡々と、ただ淡々と面白くも無いシナリオを読み、フローチャートを埋めていく行為に、なんともいえないダメな魅力を感じ取っている自分がいる。なにこれ? 超不思議。
でも、なんだろう……
なんかこの感覚……以前にもほかのゲームで味わったことのあるような……

『学校であった怖い話』?
いやいや、確かにホラーで短編集ではあるが、ストレートにホラーだったあのゲームとはなんかいろいろと違いすぎる。
『街』?
いやいや、実写で描かれたなんとなくうさんくさい多彩な登場人物とか、意外な人物が意外なところで登場してきたりして、小シナリオが少しづつつながっているところは確かに『街』のようだが、あそこまで緻密ではないし、ぼくは明らかにそこを楽しんでいない。
『バロック』?『戦国TURB』?
魅力的な世界観と、砂を噛むようなプレイ感覚は確かに似ているが、しかしあれらは一応少しづつ前に進んでいくゲームだったし……

なんだろう、確かに知ってるんだよ、この感覚。
妙に長いロード時間……
延々と繰り返される無駄死に……
飛ばせないムービー……
発見が難しい分岐……
せっかく発見してもちっとも面白くない新展開……
やればやるほどに募る脱力感……
随所に感じる手抜き感とスタッフの空回り……
確かに……この感覚をどこかで……






ああっ!
ま、まさか……
いや、しかし、この感覚は確かに……








ノットトレジャハンターだこれ!
ノットトレジャハンターだよ!
間違いない、まったく面白くないシナリオと不必要に難解な分岐、まったくつまらないのに何故か極めてしまいたくなるこのダメな魅力!まさしくノットレ!ノットレではないか!
まさかノットレなゲームが今になって現れるとは!
すごいよ飯島!
さすがだよ多紀哉!
これ最強クラスのクソゲーだよ!
もう救いようが無いよ!
素敵だよ!とっても素敵だよ!
いやあ、道理で!道理で死んだ目のままでプレイを続けてしまうと思ったら!
そうかノットレか、ノットレであったか。ノットレなら仕方が無い。
というわけで、ノットレのシステムが大好きな人にお勧め。
それ以外の人はやると死にたくなるよ。



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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2021-10-25 18:08:47
はじめまして。
飯島氏がクソゲークリエーターと
若い人に思われるのは抜忍伝説から
活躍を見てるものからすると
感じ入るものがあります。
四八(仮)を見るとSirenのようなものを
目指してたのかなと思います。
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こういったものに辿り着きたい
のではなかったでしょうか。
イマジネーションはあったものの
そんな感じがします。
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