うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

エイリアン アイソレーション  75点

2015年11月07日 | ゲーム日記


輸送船ノストロモ号が消息を断ってから15年――
エレン・リプリーの娘アマンダは、母の消息を求めて辺境の宇宙ステーション、ゼヴァストポリを訪れる。
しかしそこでアマンダを待ち受けていたのは、ノストルモ号を襲った、あの惨劇だった……


PS4/XBOX ONE
2015/6/11
セガゲームス

海外では2014年に出てたしPS3版やXBOX360版も出ていたりしたらしいけど紆余曲折あって半年以上してようやく日本でも発売された本作。
エイリアンシリーズは何度もゲーム化されながら、基本的にエンターテイメントアクション大作であった2をベースとしたものが多かったが、今作は初代の雰囲気を完全リスペクト。
あの独特の雰囲気をもった宇宙船で、どこからともなくあらわれる一体のエイリアンになすすべもなく翻弄される、その恐怖感を見事に再現。
なにが再現って、エイリアン、倒せないの。
拳銃もショットガンもその他諸々のその場で工作した道具もあるけど、エイリアン全然倒せない。中盤から火炎放射器が手に入って、これだとなんとか一時的に撃退は出来るんだけど、倒せないからすぐまたやってくる。そして見つかったら高速で走ってきて一撃死。エイリアンに見つかる=死。今度は戦争だ!とかいってらんない。死ぬ。ゆえに全力でかくれんぼすることになるの。
で、このエイリアンのAIがまたいやらしいの。基本的に「出る」ポイント自体はある程度決まっているんだけど、どう動くかはわりとランダムだから「こうすれば絶対に安全」というやり方が確立できないで、わりと臨機応変な対応が求められるの。だから繰り返し死ぬ覚えゲーなんだけど、覚えればそれでいいというわけでもなくて、だからエイリアンがずっと怖いの。
これはバイオハザードを中心とする「もうホラーじゃねえじゃん」といわれるようなホラーゲームに対する強烈な原点回帰を、往年の名作である映画を題材にしておこなった、非常に挑戦的な試み。エイリアンに影響を受けていた名作ホラーTPS『デッドスペース』も3になるころには完全にドンパチシューティングになっていたしね。そこで敢えて「勝てない」相手とのかくれんぼに徹した本作の挑戦は見事。宇宙空間という恐怖も映像でひきだしているし、こういう路線のホラーゲームも是非ともどんどん出て欲しい!

が、だるいよこのゲーム……。
まず長い。長すぎるよ……ホラーゲームで、しかも逃げて隠れるばかりのゲームで一周20時間は長いし疲れるよ……。走っても遅いしそもそも走ると速攻で捕食されるから慎重にしゃがみ歩きするのが基本になるから、そういうのそのそとした動作をずっと続けるのはわりと辛いよ……。
展開的にもお使いばっかりで進展している感じが少ないし、オチも特にないし、「あの(2の冒頭であっさりと寿命で死んでいた)リプリーの娘もエイリアンに遭遇していた」というストーリーの面白みはほとんど引き出せてなかったよ……単に2以降の時代のモブでもかまわない感じだよ……まあ下手なことすると映画との辻褄があわなくなるから無茶できないってのはあるけどさ……
それはともかく、やたらとおんなじようなことやらされてる感じがして、それでだるくなるんだなあ。似たようなシークエンスは省略して長さ半分、せめて三分の二まで圧縮したら、濃密で何回もやりたくなるような傑作ホラーになっていた気がするのに、面白いのにうんざりする気持ちも強くて「早くおわんねえかな」という気持ちがあったのも否定出来ないよ……。特に終盤、エイリアンの巣から抜けだしたあとが長すぎだよ……どう考えてもあそこがクライマックスなんだから、そこからだらだらとやらないでよ……。

あとこのゲーム、意図的に不便にしてるのね、ホラー感をだすために。セーブにはシステム的に必要な時間とは別に演出でセーブできるまで時間がかかるようになってるし(そしてそのセーブ待ちのあいだに殺されるという事態が多発)、アイテムはさして役に立たないわりにつくるのに手間がかかるし、マップは見られるものの目的地までの誘導が近年のゲームにしては雑で、目的地まで迷いながら手探りでいくことになることが多々ある。ここは方向音痴な自分には辛かったなあ。前世代辺りから徹底的に親切になったけど、PS2世代辺りまではわりと迷子になることが多いから3Dゲームは敬遠してたんだよね……。
そうしたすべてが焦燥感や放り出されている恐怖感を演出しているのはわかるんだけど、とにかく長いこともあって「ああもう、面倒臭いなあ!」という気持ちが後半になると強くなってしまった。
この辺り、ホラーゲームの命題のひとつである「恐怖感とゲームとしての面白さの両立」を、見事に両立したとはいえないかなあ。

しかし映画原作のゲームとしては十二分以上な出来か。あのモニターやあのマザーコンピュータをはじめとして小道具からなにから原作を彷彿とさせるし、あの惑星のあの遺棄船も探索できるし、おまけでついてくる原作再現ミッションではノストロモ号とクルーたちを完全再現。「結局またお前らのせいか!」となるウェイランド・湯谷の安定のブラック企業感など、エイリアンという題材で観たいものはだいたい詰まっている。お口の中からお口が出てくるプリチーな姿も主観視点で味わえるしね!

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2 コメント

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Unknown (カシャン)
2015-11-07 21:21:48
エイリアン、興味はあったものの海外評価が微妙だったこともあり様子見してましたけど、そんなに冗長なゲームだったんですねー。
不便さをあえて盛り込むのは、程度によっては効果的だと思いますけど、遊ぶのに抵抗感じるレベルっぽいし。いろいろ惜しいゲームのようですねー。
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Unknown (うなぎ(管理人))
2015-11-11 00:07:54
映画のゲーム化という意味ではよくできているんですけど、ゲームとして見るとちょっとなー、という感じでしてねえ。
まあ完全版エネミーゼロだと思えば素晴らしい作品なんですが。
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