おじんの放課後

仕事帰りの僕の遊び。創成川の近所をウロウロ。変わり行く故郷、札幌を懐かしみつつ。ホテルのメモは、また行くときの参考に。

札幌散歩北へ東へ(2020年5月メルキュール札幌)

2022年05月03日 | 道央のホテル

あゝ札幌、札幌。

一日中雨の予報が、夕方へとずれ込んだので、

北区と東区とを、ちょっとだけ歩いてみようかと。

朝の地下鉄(南北線)に乗り、

まずは北区のはずれ、麻生(あさぶ)を訪ねることにした。

さすがにGWとあっては、ほぼ貸切り状態。

他人に気兼ねすることもなく、悠々と写真を撮る。

お隣の石狩(いしかり)市が、まだ石狩町とか花畔(ばんなぐろ)村だとかのころ、

ここ麻生は、札幌市の北の玄関だった。

中央バスに長々とゆられて、その終着駅が地下鉄麻生駅前。

まだ床が木の板敷きの、ヘッドライトが丸いバスな。

壁についてる四角い緑色の、下向きに白い押しボタンがついているやつを押すと、

チンという音とともに、前の、運転席の上に、

「とまります」っていう、緑色の表示が灯る。

その終着駅の辺りに、ダイエーがあった。

そのダイエーへ行くために、

1時間もバスに揺られて来るのさ。

71年に地下鉄南北線が開通するまでは、

さらに小一時間、バスに揺られて、

中央区のバスターミナルまで。

その建物が、今も現役だ。

札幌市内で、最古の部類と言われる商業ビル。

道内で最古の現役エスカレーターは、

野幌(のっぽろ)の旧開拓記念館にあるエスカレーターだが。

このバスターミナルの2階へ上がるエスカレーターは、

記念館のものに次ぐ古さだと、聞いたことがある。

あの日、かけだしのサラリーマンだったひとたちが、

今もう、杖をついて歩いているが。

爺ちゃんはここから出張へ出たんだぞと、

孫に話せる建物になったわ。

バスターミナルの地下は、食堂街。

当時、まとまった飯屋街と言えば、もう、ここくらいしか無くて。

僕もガキの時分から、学生時代、社会人を通じて、

ここの食堂街には、まま、お世話になってきた。

このカレー屋のところに、かつては別のカレー屋があったのさ。

これでもかというくらいに叩きのめしたサクサクのカツ。

そんなのが乗ったカツカレーなんて、他所じゃ、まず注文しないけど。

ここへ来て、ここで食べると、味わいがあった。

これじゃなきゃっていう。

食べなれた、というわけでもないんだけれど。

ルーがあったまる頃合いに、ザクッ、ザクッと聞こえたカツを切る音がね。

妙~に、食欲をそそったんだわ。僕の親父やお袋の世代も食べたし、

その親の世代(僕の祖父母の代)が老後になった頃、できた店らしい。

知らずに来て、さびしい閉店の挨拶文を見たときには、あッと声が出た。

 

バスターミナルから東へ歩いて、札幌ファクトリーの辺りを歩くことに。

札幌というところは、元より、碁盤目の都市設計だから、

路地というような場所が無い。

雑多な形の建物はあり、新旧入り乱れてはいるんだが、

窮屈を感じさせない。それにはおそらく、

下町という概念が、およそ北海道には無いというのも、

手伝っているんだろう。

まだ冬の感覚だったんだが。満開だ。

なんて公園?と思って、看板を見れば、

役所のひと、いいセンスしてるわ(笑

北海道弁まるだしだな。

東京弁(共通語)に訳せば、あそぼうぜ公園ですか。

公園の少し先に、見えてきた赤レンガの建物。

さっき、旧開拓記念館の所在地で触れた野幌は、

支笏カルデラの火山灰に覆われていて、

焼きレンガの材料がいっぱいあるところ。

この赤レンガも、旧道庁赤レンガと同じく、

野幌で焼かれたレンガが沢山使われたんだろうな。

開拓使麦酒醸造所。現、サッポロビール。

サッポロと言いながらも、

もはや札幌市にはないサッポロビールが、

かつてここにあったという記録が、

建物から大分離れたところに、色褪せた写真とともに、

ぽつんと立ってます。

この高い煙突が、5本も6本も並んでいた当時のこの辺りは、

札幌市(札幌村かな)の食品製造のメッカでもあったらしく。

お茶うけや駄菓子で知られた札幌第一製菓も、

この辺りにあったそうな。

大英博物館みたいな、新旧建物のコラボレーション。

札幌市でも、一時期、そういうのが流行ったことがありました。

どこだっけ、郊外の大きな公園(元は何かの埋立地)に、

ガラスのピラミッド建ててたっけな。もうみんな忘れてる(笑

ガラスのドームの内部。

ここもまた、北海道らしい建物で。

最寄の公共交通機関と距離があるために、

車必須の商業施設です。

歩いて行けないわけじゃないけどさ。

観光でお越しになる際は、タクシー使うことをオススメします。

そして入る前に、入口にあるはずの、

館内地図のリーフレットを入手してください。

ここ何度来ても迷うわ(笑

この記事現在、赤レンガの建物は、耐震補強工事のため、閉館中です。

1条館正面から半田屋を望む。

あらまだやってるわ半田屋。

だいぶん前になるが、夜勤明けにはお世話になった。

大学の食堂経営が母体だそうで。

昔の飯場みたいに、一品一品選べるのが楽しい。

楽しくて、つい取り過ぎちゃって、食いきれない(笑

手前にある紺色の建物は、製麺屋の老舗。

ラーメン好きな道民は、わざわざここへ出向いて、生麺を買って帰る。

 

そろそろ飯の時間かなと。回れ右して、大通り方面へ。

創成川(旧運河)を渡って、東区をあとに。

札幌市の前身、札幌村は、東区から始まった。

郊外には、開拓の時代から続くタマネギ畑が、今も残っている。

大通公園を南へ渡って、電車通りへ向かうと、

ライオンの大きなお尻が見えてくる。

向かいは閉店した四丁目プラザ(略して4プラ)。

次の建物も決まらぬ先から、なぜサッサと閉店しちゃたのか。

謎はしかし、都市伝説を生むこともなく、

ひっそりと解体を待つ4プラである。

空の広さがさびしい。

隔壁にはっきりと読める4の字。

向かいのパルコは元気なのになぁ。

札幌で電車通りと言えば、この4プラとパルコ。

そして、前に立ち食いソバを紹介した、日の出ビル。

大通りの丸井今井、

札幌駅周辺の東急、五番館、○スステーションデパート

(今でいう旧そごうの地下街ですかね)。

札幌にはそういう3大商業地があったんですが。

地下歩行空間でシームレスにつながってしまった結果、

客のこだわりも失われて。活気がなくなったなぁと。

旧そごうの地下街付近から、

札幌駅(ステラプレイスだけど)の大時計を望む。

地面の中とはいえ、そんなに潜ってはいないんだなと。

せっかくなので、ランチはSKY J。

GWじゃ席は取れないかと思いきや。

直接電話して、通路側の席をゲット。

電話の向こうの店員さんは、通路側でごめんなさいと言っていたが。

実は、この通路側の席こそは、

もっとも札幌らしい眺めを楽しめる、レアな席だったりする。

店員さんが恐縮して、なかなか、あてがってくれない席だし(笑

それは、このビル街の向こうにあります。

日本中探しても、なかなかない。

200万都市で、目と鼻の先に、こんな、

4万年前の大きなカルデラを見通せるというのは。

この眺め、会場内のわずかな席でも見えますけれども、

体が横を向いてしまって、

この通路側の席のように、対面するということができない。

4万年という歳月とご対面。

東京~横浜くらいの距離でご対面。

んで、横浜~川崎くらいの直径の穴があいている感じ。

今そのカルデラ湖を支笏(しこつ)湖と言う。

昔は死骨と書いて読ませたそうな。

ようよう、日本列島に人類が足跡を残しつつあったそのころに、

莫大な量の火山灰を撒き散らし、

絶滅寸前にまで追い詰めたこのカルデラです。

その爪あと。二度と猛威をふるうことのない痕跡が、

札幌市の目と鼻の先に横たわっているわけです。

札幌の食を支えたタマネギやジャガイモは、

この火山灰が変質してできた、養分豊かな土壌がもたらしたもの。

なんてことよりも、今日は素敵なランチですよ奥様。だって、

実演コーナーがエッグベネディクトじゃないですか!

そしてこの、新しいパン。

何か、和風なものがいただきたいと、思っていたんです。

そしたら、小倉あんとヨモギパンのコラボですよ。

あんぱんじゃなくて、小倉あんの小豆部分が、ヨモギパンに散らばってる。

入りすぎず、足りないということもなく。ヨモギパンの風味もいい。

この柔らかなもの。ぜひ、ラウンジで売っていただきたいくらいの出来でした。

本日のスープは、くしくも、北海道産タマネギのスープでした。

これがまた美味い。

2時間は、瞬く間に過ぎて去り。

気づけは、残り20分でデザートを。

要らんウンチクかましてないで、もっと食えばよかった(涙

というわけで、1階のラウンジへ移動して、

久々のビーフカレー。

写真撮るの忘れてた(苦笑

〆はショートケーキ。

人気のあるケーキで、早くに無くなってることが多いんですが、

今回はゲットできました。

 

GWということで、ススキノは、

以前の活気を、つかの間、取り戻した感じ。

活気ってか、どっかで大声で喧嘩してる(笑

焼肉なのかチャーシューなのか、美味そうな肉のにおいがする。

へべれけになって歩いてるカップル。何かの店先には長蛇の列。

でも客引きはいないなぁ。

今回はこのお部屋。

ゆったりしたいので、少しでも広い部屋をと、

ダブルじゃなくツインの部屋にしました。

ではみなさん、おやすみなさい。

 

蛇足ながら、
札幌の風景をアレンジして、
Tシャツにしてみた。

売れても1枚あたり45円の収入(笑

それでも、他所よりはずいぶん安く作ってくれる。

前使ってたとこと比べたら、千円くらい安いです。

 

 

 

 


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