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甘い

2007-02-22 | 志布志公選法違反事件・国家賠償訴訟関連
「踏み字」事件、警部補減給など3人処分 鹿児島県警(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
「踏み字」事件、警部補減給など3人処分 鹿児島県警

 03年の鹿児島県議選をめぐる公職選挙法違反容疑の任意捜査で、同県志布志市のホテル経営、川畑幸夫さん(61)に警部補(44)が自白を迫った際、親族の名前が書かれた紙を無理やり踏ませるなどしていたとして県警は21日、この警部補を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。「不適切な行為で県警の信頼を損ねた」のが理由。事件の指揮を執っていた当時の志布志署長の警視(60)と県警本部の警部(56)をそれぞれ本部長注意、所属長訓戒とした。
 川畑さんが取り調べの違法性を問うた「踏み字訴訟」での敗訴を受けて処分を発表した県警の竹之内義次・首席監察官は「民事判決を重く受け止めて厳正に対処した。誠に遺憾で申し訳ない」と謝罪した。しかし、川畑さんは「身内に甘い処分で開いた口がふさがらない。こんな処分だったら警部補はまた違法捜査をしかねない」と批判している。
 「踏み字」などの捜査の違法性を問うため、川畑さんは04年4月、県を相手に慰謝料などを求めて提訴。先月18日の鹿児島地裁判決は、警部補は少なくとも3回、親族の名前や親族からのメッセージに見立てた「早く正直なじいちゃんになって」などと書いた紙を踏みつけさせた▽弁護士の選任権を侵害した ▽高血圧症による吐き気や頭痛の訴えを無視した――などと認定。「公権力をかさに着て原告を侮辱するもの」として県に60万円の支払いを命じた。
 これに対し県は控訴を断念。判決を受けて川畑さんは先月24日、警部補を特別公務員暴行陵虐容疑で鹿児島地検に告訴した。今月20日には、警部補ら3人の懲戒処分を求める要請書と6109人分の署名簿を県警に提出した。
 23日には、同じ捜査態勢のもとで公選法違反(買収・被買収)の罪で起訴された12人全員が「自白を強要された」として無罪を主張している刑事事件の判決が言い渡されることになっており、地裁の判断が注目されている。


甘い 何が甘いのか? 単に処分の内容の問題ではない。県警は一方で当該警部補の個人的な問題として処理しようとしている。つまり、県警としては、警部補だけの処分及び当該警部補の暴走を止められなかった当時の上司に責任を取らせればそれで終わりとしたいのである。踏み字を初めとした今回の捜査全体を当該警部補個人の問題に帰着させよう。それで県民の信頼が回復できると考えているとしたら、県警の対応についての判断は甘いといわざるを得ない。
 一方で、当該警部補は県警幹部に上申のうえ、川畑さんに全く表面的な謝罪の手紙を送付している。当該警部補も県警も川畑さんご夫妻や事件関係者の気持ちを全く理解していない。
 志布志公選法違反事件の背景にはいろいろあると思うが、根本は、県警が志布志の市民をなめてかかり、鹿児島県の弁護士をなめてかかり、その県警の判断を検察庁も、裁判所も追認したことにあると思う。県警は、これぐらいやっても大丈夫と思っていたのである。
 今回の処分を県警が「厳正な処分」と表明したとしたら、県警幹部の中には後ろを向いて舌を出して「ベー」している人間がいるのではないだろうか。そして、その人間を中心に将来、市民に対するあらたな違法捜査が行われる危険が芽生えているのではないだろうか。


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