弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

業務の中から・・報道を見て・・話題を取り上げます。

誤認逮捕  続報  産経新聞より

2019-08-16 | 誤認逮捕
愛媛・女子大生誤認逮捕 手記公開で分かったずさん捜査の中身

★ 勾留請求は却下されていたのですね。
★ 松山東署や松山地検の幹部は不起訴となる直前の22日、安藤弁護士の事務所を訪れ、女子大生も同席の下、誤認逮捕に至った経緯を説明した。
※ その際にも謝罪はなかったということですね。
※ 録音しておかれるとよかったですね。
★ 松下本部長は産経新聞の取材に応じ、改めて女子大生に謝罪した。
※ マスコミ(産経新聞)の取材に応じた発言で謝罪なんですね。
★ 「やってないことを証明できないよね?」
※ 刑事訴訟法?  そんなのカンケイネー (小島よしお的)
★ 「ごめんなさいをすれば済む話」
※ 検察官のところでよく説明すればいいじゃない というのもあります。
★ 「弁護士に言われたから黙秘するのではなく自らの意思で話せ」
※ 黙秘権?    そんなのカンケイネー
★ 3D画像はきちんと解析したのか、ポリグラフ検査の結果はどうだったのかという私からの質問に対しては、はっきりした回答を得ることはできませんでした。
※ 永遠に回答はないでしょうね。時が過ぎ去るのを待っています。

産経新聞の記事からです。
※引用
 松山市の20代の女子大生が身に覚えのない窃盗事件で愛媛県警に逮捕される誤認逮捕があった。女子大生は「不安、恐怖、怒り、屈辱といった感情が常に襲い、ぴったりと当てはまる言葉が見つからないほど耐え難いものだった」などとする手記を公表、県警本部長は謝罪に追い込まれた。県警はなぜ誤認逮捕をしたのか。そこには「思い込みによる捜査」というずさんな状況があったようだ。
一貫して否認も逮捕
 「誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げます」
 8月6日、愛媛県議会の委員会で、松下整(まつした・ひとし)県警本部長が頭を下げた。
 事件は今年1月9日未明に市内で発生。タクシーの運転手が何者かに現金5万円とセカンドバッグを盗まれた。容疑者として浮上したのはタクシーのドライブレコーダーに写っていた女。女はタクシーから降りた後、とあるアパートに入っていった。女子大生が住むアパートだった。
 女子大生は5月27日、自宅に置かれた県警松山東署捜査員の手紙を見つけ、まったく身に覚えはないが、署に出向いた。
 事情聴取が行われたが、女子大生はドライブレコーダーの画像と顔立ちが似ていたほか、事件当日にタクシーに乗っていないことを証明することができなかった。女子大生はドラレコの画像とは別人だと訴えたが、容疑者のような扱いを受けたという。
 6月4日、再度の呼び出しを受けた女子大生は、顔の3D画像撮影やポリグラフ検査を受けた。その時の心境を手記にこうつづっている。
 「体力的にも精神的にもつらかったですが、素直に応じました。そうすることで身の潔白を証明できると信じていたからです」
 だが7月8日、捜査員が自宅にやってきて任意同行を求められ、そのまま窃盗容疑で逮捕された。
「早く認めた方がいいよ」
 「手錠をかけられたときのショックは、忘れたいのに忘れることができず、今でもつらい」と手記で述べた女子大生。弁護人となった安藤陽介弁護士は「任意の段階でも『就職も決まっているんだろう』『早く認めた方がいいよ』と執拗(しつよう)に自白を求めるような発言があった」と違法性を指摘する。
だが2日後の10日、事態が急転する。松山簡裁は勾留請求を却下し、女子大生は釈放されたのだ。そして26日、「嫌疑なし」として女子大生は不起訴処分となった。
 捜査関係者によると、逮捕後、早い段階で女子大生ではない新たな容疑者が浮上したのだという。誤認逮捕が明らかになり、松山東署や松山地検の幹部は不起訴となる直前の22日、安藤弁護士の事務所を訪れ、女子大生も同席の下、誤認逮捕に至った経緯を説明した。
 県警本部長「決めつけ捜査があった」「本当に申し訳ないことをした。県警として深く反省している。再発防止を図りたい」。松下本部長は産経新聞の取材に応じ、改めて女子大生に謝罪した。

 では誤認逮捕はなぜ起きたのか。ドライブレコーダーの画像が女性と似ていたことや、タクシーを降りた女がアパートに入った映像があったことで、捜査員が「思い込みをしてしまった」と松下本部長は捜査の稚拙さを認める。
 さらに、女子大生が否認をしていることに対する容疑の裏付け捜査や、周辺捜査で十分な証拠を収集することを怠ったと言及。「女性が嘘をついていると決めつけ、強制捜査をすれば、すぐに自供するだろうと思ってしまった。もっと多角的に捜査したり、上司に相談したりしていれば、誤認逮捕は防げた」とした。
 取り調べで威圧的な態度や、自白を強要するような言動があったかどうかについても「県警としては適正な取り調べだったという結論は出していない」とした松下本部長。県警はなぜ誤認逮捕があったのか調査を進め、調査結果と再発防止策を県議会で報告するとしている。
 愛媛県警に誤認逮捕された女子大生の手記の要約は次の通り。
「二重人格?」「罪と向き合え」と言われた
 今年1月に松山市内で発生したタクシー内での窃盗事件で私が誤認逮捕された件について、警察や検察からの発表のみでは伝わらない部分も多々あるかと思い、今回コメントを発表させていただきます。
この事件の捜査では、決して適切とはいえない対応を警察から繰り返されました。そのため私は、取り調べが終わるたび、すぐに全てを日記に付けて記録してきました。
 ドライブレコーダーに写っている女と私が似ていたことなど悪い偶然が重なり、私が容疑者になってしまうことは仕方がないのかもしれません。しかし、私ははじめから一貫して容疑を否認し、その女と私が別人であることを何度も訴えてきました。にもかかわらず、捜査に関わった刑事全員が私の話に耳を傾けることはありませんでした。
 取調官は、私が「本当の犯人を捕まえてください。こんなの何の解決にもならない」と言えば、「犯人なら目の前にいるけど」と言い、はじめから私を犯人だと決めつけていました。他にも「やってないことを証明できないよね?」「タクシーに乗った記憶ないの? 二重人格?」「罪と向き合え」など、耳を疑うようなことを次から次へといわれました。
「ごめんなさいで済む話」とも
 また、自白を強要するかのような言葉を執拗(しつよう)にいわれました。
 「就職も決まってるなら大事(おおごと)にしたくないよね?」
 「ごめんなさいをすれば済む話」
 「懲役刑とか罰金刑とか人それぞれだけど早く認めたほうがいいよ」
 「認めないからどんどん悪い方へ行ってるよ」
 「今の状況は自分が認めないからこうなってるんだ」
 挙げればきりがありません。逮捕された後は、弁護人の助言で警察の取り調べに対しては黙秘していたのですが、「弁護士に言われたから黙秘するのではなく自らの意思で話せ」と言われました。
 本当に悔しかったです。自分たちが正しいと過信している警察には何を言っても無駄だと気付き、ただひたすら真犯人が出てくることを祈るしかありませんでした。
 そもそも、私は取り調べの他にも指紋採取やポリグラフ検査、3D画像の撮影など、全ての任意捜査に素直に応じてきました。朝の10時ごろから夕方の5時ごろまでかかることもあり、体力的にも精神的にもつらかったですが、素直に応じました。そうすることで身の潔白を証明できると信じていたからです。
しかし、最後の取り調べから1カ月以上たってから突然家宅捜索に入られ、そのまま逮捕されてしまいました。幸いにして、勾留請求は認められず釈放されましたが、逮捕直後には、もし勾留されたら取り調べに耐え切れず、やっていないことを認めてしまうかもしれないという不安な気持ちがあったのも事実です。
直接の謝罪いまだなく
 誤認逮捕であることが分かった後、警察からは「真相の解明に必要な逮捕だった」と説明を受けましたが、到底納得できるものではありません。
 3D画像はきちんと解析したのか、ポリグラフ検査の結果はどうだったのかという私からの質問に対しては、はっきりした回答を得ることはできませんでした。担当刑事からの直接の謝罪はいまだにありません。手錠をかけられたときのショックは忘れたいのに忘れることができず、今でもつらいです。
 今回の誤認逮捕は、適正な捜査を行っていれば起こらないはずでした。私のような思いをする人を二度と出さないためにも、口先だけの謝罪で済ませるのではなく、今後どのような指導を行い再発防止に努めるのか具体的に公表してほしいです。

謝罪

2019-08-07 | 誤認逮捕
★ これを謝罪というのでしょうか。

誰に対して頭を下げたのでしょうか。
県議に対して頭を下げたのでしょうか。
捜査側にも間違いもミスもあるということは
永遠に認めないつもりでしょうか。
連絡を取り合うとかの問題じゃなくてごめんなさいだと思いますが・・・

毎日新聞の記事からです。
※引用

愛媛の誤認逮捕 県警本部長が議会で謝罪 「自白強要」調査へ 会見は予定せず 

 7月に松山市の20代女性が愛媛県警松山東署に窃盗容疑で誤認逮捕された問題で、県警の松下整本部長は6日、県議会のスポーツ文教警察委員会に出席し、「事件と全く無関係の女性を逮捕してしまい、当事者の女性に誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げる」と述べ、頭を下げて謝罪した。公の場での謝罪は初めて。
 委員会ではほかに、二宮幸仁刑事部長が誤認逮捕の経緯を説明。女性に対して「今後も誠意ある対応を行う」とし、女性が手記で指摘した自白を強要するような取り調べについて調査することを言明した。
 その後、質疑で、笹岡博之県議(公明)が自白強要について現状認識を問うたが、二宮刑事部長は「捜査を通じて女性に大変不快な思いをさせてしまい誠に申し訳なく感じている。取り調べに関する調査を行っているところであり、しっかりと事実確認をしていきたい」と述べるにとどめた。
 また、戒能潤之介県議(自民)は担当刑事も直接女性に謝罪や説明をすべきではないかと指摘。これに対し、二宮刑事部長は声を震わせながら再び女性への謝罪の言葉を口にし、「本件捜査は組織的に幹部の指示で行っていることから、責任ある松山東署の副署長などの幹部が代表して謝罪した。この点については今後も女性と連絡を取り合い、理解を求めたい」と述べた。
 松下本部長は委員会後、報道陣の取材に応じ、捜査が適正だったかとの質問に「捜査全体を見て適正とは言い難い。深く反省しなければならない」と述べた。取り調べに関する調査結果や再発防止策は「県議会への報告を通じて、県民の皆様にも明らかにしたい」とし、現時点で記者会見での謝罪や説明をする考えはないとの認識を示した。


面割り   間違い ??? ない ???

2016-07-20 | 誤認逮捕
面割りと言われる手法ですが

 「間違いない」という発言を信じて???しまうところがすごいですね。

  何らかの事情って 何なのですか?

  ドライブレコーダーの存在は弁護側が指摘するまで明らかにされなかった。


朝日新聞の記事からです。

※引用

写真選ばせ「犯人」特定 東京地検、起訴誤り公表へ

 東京都八王子市の傷害事件で東京地検立川支部が中国籍の男性被告2人を誤認起訴した疑いがある問題で、捜査側が2人を「犯人」と特定した主な証拠が、目撃者に複数の写真から犯人を選ばせる「写真面割り」だったことが関係者への取材でわかった。過去の冤罪(えんざい)事件でも問題になった手法で、検察内部からも批判が出ている。

 地検は近く、「起訴は誤りだった」との見解を公表する方針。裁判で無罪を求めるか、公訴を取り消すとみられる。

 事件は2014年1月に起きた。男性2人が外国語を話す複数の男に相次いで殴られけがをした。関係者によると、事件から1カ月半後、警視庁八王子署の捜査員が被告を含む24枚の写真を、現場にいた被害者の知人に示したところ、「間違いない」と被告1人の写真を選んだ。

別記事の引用

※引用

八王子署、映像確認せず逮捕 誤認起訴疑いの傷害事件

 東京都八王子市の傷害事件で東京地検立川支部が男性2人を誤認起訴した疑いがある問題で、警視庁八王子署が、犯人が逃走に使ったとみられるタクシーのドライブレコーダーの存在を知りながら、その映像を確認せずに2人を逮捕していたことが13日、捜査関係者への取材でわかった。署は「逮捕にいたる経緯を検証している」としている。

 事件は2014年1月に発生。40代の男性2人が複数の男に殴られ、全治2週間と1カ月のけがをした。署は今年3月、いずれも中国籍の会社経営者2人を傷害容疑で逮捕。2人は容疑を否認したが、同支部が起訴した。公判では、タクシーで逃走する犯人の目撃情報が証拠の一つとされたが、弁護側がドライブレコーダーを確認したところ、別人が映っていたという。検察側はこれを受け、12日に「有罪を求めない」と弁護側に伝えた。

 捜査関係者によると、八王子署もタクシーのドライブレコーダーが車内を記録していることを認識しており、捜査員が確認のためタクシー会社を訪問した。だが、何らかの事情で映像が見られなかったという。検察側は目撃証言を主な証拠として起訴したが、ドライブレコーダーの存在は、弁護側が指摘するまで明かされなかった。

 八王子署は13日、朝日新聞の取材に対し、「係争中なのでコメントする立場にないが、逮捕にいたる過程で不備な点がなかったかを検証している」と答えた。

警察の本音

2015-06-16 | 誤認逮捕
「チェック機能働かず」 検察や府警、戸惑いの声も 誤認逮捕 賠償命令

産経新聞の記事からです。


「チェック機能働かず」 検察や府警、戸惑いの声も 誤認逮捕 賠償命令

 ガソリン窃盗事件の誤認逮捕問題で、検察や警察の責任を認めた15日の大阪地裁判決。起訴を途中で取り消すという、極めて異例の措置を取らざるを得なかった検察。起訴の違法性まで認定した司法判断に、幹部らは「チェック機能が働かなかった」と肩を落とした。一方、取り調べを担当した捜査員の言動が「人格権の侵害」とまで認定された大阪府警の幹部からは「一から十まで捜査のやり方を否定されるのか」などと戸惑う声も聞かれた。

 検察の起訴の違法性については従来、起訴時に通常要求される捜査をしたか、合理的な判断をすれば有罪と認められる嫌疑があるのか−といった点が裁判所の判断基準になっている。

 しかし、これまでに起訴が違法とされたのは、「有罪判決を期待できなくなった時点での起訴は行き過ぎだ」とされた鹿児島県議選の選挙違反冤罪事件(志布志事件)をめぐる5月の鹿児島地裁判決などわずか。最終的には無罪でも起訴時に検察官が有罪と認める嫌疑があったと判断すれば適法とされるケースが多い。

 ただ、関西のある検察幹部は「捜査が尽くされたとは到底いえず、結果として検察官の起訴が違法性を帯びていると判断されても仕方ない」と指摘した。

 別の現職検事も「警察の捜査に対するチェック機能が働かなかったことは事実。真摯(しんし)な姿勢で証拠と向き合わなければならないことを改めて示す判決だった」と襟を正した。

 これに対し、「汚れた手で子供の頭をなでてあげられるのか」「ずっと悪人でいくのか」といった府警捜査員の取り調べでの言動を「人格権侵害」と認めた判決に、府警内部からは異論の声もあがる。平成25年10月に府警が公表した検証結果で「真の供述を促すため」とし、違法性はなかった−と結論付けていたからだ。ある捜査幹部は「一般的に見て、(捜査員は)情に訴える取り調べをしたのだろう」と推し量る。

 だが、今回の判決で府警内部から聞こえてくるのは反発ばかりではない。「確かに行き過ぎており、不適切な発言」「情に訴えるといっても『汚れた手』という表現は今の時代、どうなのか」(別の捜査幹部)といった反省の声もある。

 「ずさんな見込み捜査と言われても言い訳はできない」とある捜査関係者。「適正な取り調べをするしかない」との声も聞かれた。




「汚れた手で子供の頭をなでてあげられるのか」
「ずっと悪人でいくのか」
→汚れていたか
→悪人かどうか
 を判断するのはあなたたちではないです。

といった府警捜査員の取り調べでの言動を「人格権侵害」と認めた判決に、府警内部からは異論の声もあがる。

平成25年10月に府警が公表した検証結果で「真の供述を促すため」とし、違法性はなかった−と結論付けていたからだ。

→ 真の供述を促すためならこういう言動もOKという理解なのですね。 

国賠

2015-06-15 | 誤認逮捕
誤認逮捕で国と大阪府に賠償命令…大阪地裁

読売新聞の記事からです。

誤認逮捕で国と大阪府に賠償命令…大阪地裁


 大阪府警北堺署が、窃盗容疑で無関係の男性会社員(44)を誤認逮捕した問題で、起訴を取り消された男性が国と府に計約1180万円の国家賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は15日、警察と検察の捜査の違法性を認め、府の賠償額を約620万円とし、このうち約290万円は国と連帯して支払うよう命じた。

 植屋伸一裁判長は「証拠に時間のそごがあることを看過し、捜査を尽くさなかった」と述べた。

 起訴を違法とし、国家賠償を認める司法判断は異例。

 判決は、警察官が取り調べで、男性の人格を侵害する違法な発言をしたことも認めた。

 判決によると、男性は、堺市のガソリンスタンドで、盗んだガソリンカードを使って給油したとして、2013年4〜5月、北堺署にカードとガソリンについての窃盗容疑で2度逮捕され、同6月、大阪地検堺支部からガソリン窃盗の罪で起訴された。

 しかし、アリバイがあることを弁護人が指摘し、同7月に釈放された。地検堺支部は起訴を取り消し、大阪地裁堺支部が公訴棄却を決定。男性は府警、地検から謝罪を受けた。その後、犯行を認めた別の男が起訴され、実刑が確定している。

 判決で植屋裁判長は、証拠とされたガソリンスタンドの防犯カメラの画像と、来店履歴管理システムの記録には、時間のそごがあったと指摘。検察官が起訴前に必要な捜査をしていれば、男性の犯人性が否定された可能性が相当高いと述べた。

 府警についても、防犯カメラの時刻補正など、通常要求される捜査をせずに逮捕、勾留したとして賠償責任を認めた。


 起訴自体を違法としたのですね。

二度と起こしてはならぬ

2010-02-17 | 誤認逮捕
足利事件「二度と起こしてはならぬ」 検事総長、会合で(朝日新聞) - goo ニュース

※引用

足利事件「二度と起こしてはならぬ」 検事総長、会合で

 樋渡利秋検事総長は17日、全国の地検、高検のトップが集まる検察長官会同で、再審公判中の足利事件に言及し、「真犯人でない人を起訴し、服役させた。検察としてこのようなことを二度と起こしてはならない」と反省の弁を述べた。近く、事件に対する検察としての検証結果を公表するという。

 捜査で虚偽の供述を見抜けなかった要因を「当時のDNA型鑑定についての理解が十分でなく、過大な評価に基づき配慮を欠いた取り調べが行われ、自白の信用性に対する吟味がおろそかになった」と分析。公判にあたっても、「被告や弁護人の新たな主張を的確に把握し、必要に応じて証拠や立証方針を見直さないといけない」と指摘した。


二度とといいつつ、大阪地裁の事件には触れないのでしょうか。

便利さの中で生きるということ

2009-01-12 | 誤認逮捕
土曜日から日曜日にかけては、かごしまライフ相談所(MBCラジオ)のメンバーの新年会でした。場所は指宿。鹿児島市内の出発が遅くなったことと日曜日開催のいぶすき菜の花マラソンの影響で道路は渋滞気味。
ナビを操作すると会場のホテルまでの最短コースを指示されました。
「ナビも信用できないところがあるんだよねえ。」と同乗のイソ弁さんと話をしていた矢先、ナビの指示が工事現場と思しきところへ。首をかしげながら、進んでいくと行き止まりになりました。仕方なくバックで脱出を試みると鉄板の下敷きから車輪がはずれ、立ち往生してしまいました。
JAFを呼び出しては見たものの、指宿市内は地名もわからず、現場の位置を説明するのに一苦労しました。無事にJAFが30分くらいで到着し、脱輪から脱出。何とかぎりぎり夕食に間に合うことができました。
ナビの信頼性というか、依存してしまうのは怖いといいながら、もし、携帯電話が存在していなかったらと思うと、ぞーっとすると思い、そういう世の名で生きているんだという落ちのような落ちでないような話をして宴会の肴になった一日でした。
小ネタシリーズのひとつに加わるエピソードが仕入れられたいい夜になりました。

誤認逮捕 その36

2008-03-06 | 誤認逮捕
無罪男性が補償金請求 富山の冤罪 仮出所までの1000日分(産経新聞) - goo ニュース

※引用
無罪男性が補償金請求 富山の冤罪 仮出所までの1000日分

 富山の冤罪(えんざい)事件で服役後に誤認逮捕が判明、無罪が確定した柳原浩さん(40)は6日、刑事補償法に基づく補償金約1250万円の支払いを富山地裁高岡支部に請求した。刑事補償法は身柄の拘束期間に応じて1日1000円から1万2500円の間で補償金を定めており、高岡支部が柳原さんの受けた精神的苦痛や警察、検察と裁判所の過失の有無などを考慮し、額を決定する。
 代理人の弁護士によると、柳原さんは富山県警に平成14年4月に逮捕された後、刑が確定して約2年間服役、17年1月に仮出所するまでの約1000日間、身柄を拘束。最高額1万2500円で金額を計算した。
 弁護士は「過去にひどい取り調べを受け、服役までした。当然の権利」、柳原さんは「お金が支払われるからといって終わったわけではない。今後、国家賠償訴訟を通じて真実を明らかにしたい」と話している。
 富山県氷見市では14年に強姦(ごうかん)と強姦未遂の事件が発生。逮捕された柳原さんは懲役3年の実刑判決を受け服役したが、鳥取県警に別の事件で逮捕された男が18年11月、2事件について自供し、柳原さんの誤認逮捕が判明。
 19年10月、高岡支部の再審公判で柳原さんの無罪が確定した。


柳原さんの受けた精神的苦痛や警察、検察と裁判所の過失の有無からすれば、最高額でも低い金額といわざるを得ないでしょう。時間は貴重です。





誤認逮捕 その35 日弁連 報告書

2008-01-31 | 誤認逮捕
「弁護人も反省必要」富山冤罪で日弁連が調査報告書(読売新聞) - goo ニュース

※引用
「弁護人も反省必要」富山冤罪で日弁連が調査報告書

 富山県氷見市で2002年、元タクシー運転手柳原浩さん(40)が誤認逮捕され、服役した 冤罪 ( えんざい ) 事件で、日本弁護士連合会は30日、捜査のあり方や弁護活動を検証した調査報告書を公表した。
 報告書は「捜査当局が虚偽自白を作り出したことなどが冤罪の原因だが、有罪を前提に弁護活動を行った弁護人にも 真摯 ( しんし ) な反省が求められる」と指摘した。
 柳原さんは02年4~5月、婦女暴行など2件の事件で逮捕された。当初は否認したが、取り調べで自白させられた。
 報告書によると、柳原さんの弁護人は、逮捕直後に当番弁護士として接見した際に無実を伝えられた。その後、国選弁護人に選任され、初公判前の接見で柳原さんが起訴事実を認めたにもかかわらず、自白に転じた経緯も聞かなかった。
 初公判までの接見はこの1回で、時間も5~6分間だけ。報告書は「弁護人は、否認から自白に転じた理由を確認した上で、どのように弁護活動を展開するのかを十分に打ち合わせるべきだった」と指摘した。
 一方、捜査については、「捜査当局は無実を示す証拠を黙殺し、密室での取り調べで自白を強要した」などとした上で、「捜査機関の暴走を防ぎ、弁護活動の万全を担保するための切り札として、取り調べの全過程の録音・録画の導入が不可欠だ」と強調している。


当番弁護士と国選担当は同じ方だったようですね。その期間が1ヶ月以上あいていることは一般の人には伝わらないかもしれないですね。


誤認逮捕 その34 真犯人の刑期

2007-11-14 | 誤認逮捕
真犯人の被告に懲役25年 富山・冤罪事件で地裁支部(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
真犯人の被告に懲役25年 富山・冤罪事件で地裁支部

 強姦(ごうかん)と強姦未遂の二つの事件で02年に富山県警に逮捕された同県の柳原浩さん(40)=再審で無罪確定=が服役後に無実とわかった事件で、この2事件を自供し、計14件の強姦致傷罪などに問われた松江市、無職大津英一被告(52)の判決公判が14日、富山地裁高岡支部であった。藤田敏裁判長は大津被告に懲役25年(求刑同30年)を言い渡した。
 判決によると、大津被告は02年1月から約4年半の間、富山、石川、鳥取の3県で、少女に強姦などを繰り返した。藤田裁判長は情状酌量の理由の中で「被告の申告で、別人が確定判決により服役して再審の対象となった事件が解明された」と述べた。


検察官も最高刑の無期懲役を減軽して有期懲役30年を求刑し、判決も情状を酌んで25年の判決です。
自白が、情状面で被告人に有利に働いたわけですが、こういう事案を引いて利益誘導などがなされないような刑事司法であって欲しいです。

誤認逮捕 その33

2007-10-14 | 誤認逮捕
「国選弁護人、何もせず」富山冤罪の日弁連調査で柳原さん(読売新聞) - goo ニュース

※引用
「国選弁護人、何もせず」富山冤罪の日弁連調査で柳原さん

 富山県氷見市の冤罪(えんざい)事件で、日本弁護士連合会は13日、婦女暴行・未遂容疑で誤認逮捕され、無罪判決を受けた元タクシー運転手柳原浩さん(40)から、逮捕当時の弁護活動などに関する聞き取り調査を公開で行った。
 柳原さんは「国選弁護人は何もしてくれなかった」と批判した。
 柳原さんは、2002年4月の逮捕直後に行われた1回目の接見について、「弁護士なら助けてくれると思い容疑を否認した。『調査する』と言ってくれたが、その後、何の連絡もなく、次の接見では被害者2人に被害弁償金を支払うよう勧められた」と明かした。「接見は2回でいずれも10分程度だった」とし、消極的な弁護のあり方を非難した。


事実関係の調査が進めば、担当弁護人からもコメントが出されるのでしょうね。なんともやりきれない思いのする事件です。


誤認逮捕 その32

2007-10-11 | 誤認逮捕
富山冤罪事件 無罪でも失われた時は戻らない(読売新聞) - goo ニュース

読売新聞の社説からです。
※引用
富山冤罪事件 無罪でも失われた時は戻らない

 すでに服役を終えている。遅すぎた名誉の回復である。
 富山県で2002年の1月と3月に起きた婦女暴行、同未遂の2事件を巡る再審判決で、富山地裁高岡支部は元タクシー運転手の男性に無罪を言い渡した。真犯人が判明し、検察側も無罪を求刑していたから、当然の決着だ。
 男性は事件後まもなく富山県警に逮捕され、懲役3年の実刑判決を受けた。ところが、刑の執行を終えて1年以上過ぎた昨年8月、真犯人が鳥取県警に逮捕され、11月に2事件を自供した。
 男性は再審の公判で「無罪になっても失われた5年間は戻ってこない」と述べた。弁護側は「高圧的な取り調べで虚偽の自白を強要された」と主張した。警察の大失態だ。ずさんな捜査で、償いようがない冤罪(えんざい)事件を起こしてしまった。
 男性が犯人と似ている点にだけ目を奪われ、突っ走ってしまった。物的証拠はなく、男性の自宅の電話には、アリバイを示す通話記録もあった。これらを丁寧に調べ、吟味することもなかった。
 国選弁護人としてついた弁護士も、男性を犯人と見て対応した。男性が取り調べの不当さや身の潔白を強く訴えなかったこともあるが、5年前の裁判では最初から罪を認め、控訴もしなかった。弁護士の側も教訓としなければならない。
 警察捜査を巡っては、鹿児島県警も厳しく批判されたばかりだ。県議選での公職選挙法違反容疑で逮捕した12人の被告全員が、無罪となった。強圧的、誘導的な取り調べで自白を引き出していた。
 こうした事態を受け、警察庁は、緻密(ちみつ)で適正な捜査を求める通達を全国の警察本部に出した。証拠収集の徹底など、いずれも基本的な内容だ。両事件とも、捜査幹部はどんな指揮をしたのか。幹部の育成方法なども見直す必要がある。
 警察捜査への信頼が揺らぐ中で、民主党や日本弁護士連合会から、被疑者の取り調べの全過程を録音・録画すべきだとする「可視化」論議が高まっている。密室の中では、自白の強要から冤罪事件につながりやすい、という理由からだ。
 一部の国では導入しているが、例えば英国では、黙秘権がないに等しい。日本は無罪判決は全体の0・1%にとどまるが、英国では4分の1が無罪だ。刑事司法制度の違いを考慮せずに可視化だけ導入しても、解決する問題ではない。
 最高裁と日弁連、法務省・最高検察庁の法曹3者に警察庁も加わり、可視化を含む刑事手続きのあり方について、協議が始まっている。治安にどのような影響を及ぼすかも考慮しつつ、冷静で掘り下げた論議を期待したい。


刑事司法制度の違いを考慮せずに可視化だけ導入しても、解決する問題ではない。

しかし、可視化を導入するだけで、現在の刑事司法の問題点の相当部分が改善されるか改善されるきっかけになるのではなかろうか。

誤認逮捕 その31

2007-10-11 | 誤認逮捕
富山の冤罪男性、再審で無罪 女性暴行で逮捕・服役(朝日新聞) - goo ニュース

※引用

富山の冤罪男性、再審で無罪 女性暴行で逮捕・服役

 02年に強姦(ごうかん)と強姦未遂の2事件で富山県警に逮捕され、実刑判決を受けて服役後に無実とわかった同県の柳原浩さん(40)の再審の判決で、富山地裁高岡支部は10日、求刑通り無罪を言い渡した。藤田敏裁判長は「犯人でないことは明らかで、犯罪の証明はない」と述べた。
 藤田裁判長は判決を言い渡した後、柳原さんに「無実であるのに有罪判決を受けて服役したことを、誠にお気の毒に思っています」と話した。
 再審で、検察側は柳原さんの犯行時間帯のアリバイにつながる自宅の通話記録などの証拠を提出。無罪を求めていた。弁護側は、県警の高圧的な取り調べが柳原さんを自白に追い込んだと主張。捜査の経緯を解明するため、取り調べを担当した警察官の証人尋問などを求めたが、却下された。


司法の役割はこういう場面でも抑制的に機能するべきなのかなあ。
柳原さんが 判決言い渡し後の裁判長の説示に対し、他人事みたいだったと感想を述べていたのが印象的でした。


誤認逮捕 その30 真犯人に懲役30年求刑

2007-09-06 | 誤認逮捕
富山・氷見の冤罪事件、犯行自供の男に懲役30年求刑(読売新聞) - goo ニュース

※引用
富山・氷見の冤罪事件、犯行自供の男に懲役30年求刑

 富山県氷見市で2002年、元タクシー運転手柳原浩さん(40)が誤認逮捕され、服役した冤罪(えんざい)事件で、犯行を自供し、計14件の婦女暴行・同未遂罪などに問われた無職大津英一被告(52)(松江市西川津町)の論告求刑公判が5日、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)であった。
 検察側は「無期懲役も考慮すべきだが、被告人の告白によって、真犯人でない者が逮捕・起訴されたことが発覚した部分もある」と指摘、有期刑の併合罪の上限となる懲役30年を求刑した。判決は11月14日。
 論告などによると、大津被告は02年1月14日、富山県内の民家に侵入し、少女(当時18歳)に乱暴。同3月13日には同県内の別の民家で少女(同16歳)を乱暴しようとし、柳原さんはこの2件で誤認逮捕された。


懲役30年。検察官の意見は無期懲役を考慮すべき⇒冤罪の発覚を指摘して軽い求刑になったという論旨なのでしょうか。

誤認逮捕 その29 再審結審

2007-08-23 | 誤認逮捕
朝日新聞の記事の紹介です。

※引用
富山の冤罪男性、検察が「無罪」求刑 10月判決

 02年に強姦(ごうかん)と強姦未遂の2事件で逮捕され、約2年1カ月服役した後に無実とわかった富山県内の男性(40)の第3回再審公判が22日、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)であった。検察側は論告で「提出した各証拠により、被告人の無罪は明らか。無罪を下すことが相当だ」と男性の無罪を求めた。判決公判は10月10日に開かれる。
 弁護側は最終弁論で、男性が02年当時、県警の取調官らから具体的な犯行状況を「自白」させられたり、被害者宅の見取り図などの作製を誘導・強要されたりしたことなどを主張し、男性の「自白」に依存した02年の判決の破棄を求めた。
 男性は最高検が最近相次いで発覚した冤罪事件の問題点と再発防止策をまとめた報告書にふれ、「口だけでなく実行に移してほしい」と述べた。
 再審では、検察側は男性のアリバイを証明しうる電話の通話記録や2事件を自供した被告=公判中=の有罪を示す証拠などを提出した。
 弁護側は2度、02年当時の男性の供述の任意性・信用性を否定するため県警の取調官の証人尋問を求めたが、藤田裁判長は「再審は被告人の有罪無罪の判断を下す場所で、必要性がない」として認めなかった。
 男性は公判後に記者会見し、実名を公表する考えを明らかにした。男性は富山県の柳原浩さん。理由について「今日でほぼ無罪判決をもらったという感じがした」という。


最高検の報告書が本気であるなら、検察側から取調官の証人尋問を求めても良かったのではなかろうか。少なくとも、今後予想される国家賠償訴訟では、周辺事情として検察側も主尋問を行ったらよいように思う。