弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

業務の中から・・報道を見て・・話題を取り上げます。

山形「大沼」が破産申請1700年創業、松坂屋と三越に次ぐ老舗百貨店

2020-01-27 | 破産  再生
★ 百貨店業界というのも厳しそうで
日本百貨店協会のHPによると 売上減少は顕著なようです。
年末年始のセールの支払いの時期ということもありますが、記事にある債権計画がうまくいかなかったことも要因でしょうね。



毎日新聞の記事からです。

※ 引用


 経営再建中の百貨店「大沼」(山形市七日町1)は27日、山形地裁に破産を申請した。正社員約150人ら従業員計約200人を同日付で解雇する。
 大沼は1700年創業の企業が1950年に設立した。現存する百貨店では、1611年創業の松坂屋、73年創業の三越に次ぐ老舗企業。信用調査会社によると、売上高は1993年2月期の約196億円をピークに17期連続減収で2019年2月期は約74億円まで減少。郊外型店舗との競争などで経営不振が続いていた。
 18年3月に銀行団が私的整理を行い、同4月以降は東京の投資事業会社「マイルストーンターンアラウンドマネジメント」の資金提供を受けて経営再建を図った。だが、資金を巡る対立から19年3月にマイル社を追放。経営陣を刷新したものの、慢性的な運転資金不足に陥り、18年4月以降は短期間に経営トップが4回交代。テナントが相次いで退店し、顧客離れが進んでいた。最近は毎月のようにスポンサーからの資金援助でしのいできた。
 経営不振に加え、発行する商品券や高い利回りで集めた「友の会」の債務保証負担の資金調達がかさむため、今回の判断をしたとみられる。


リーマンブラザーズ証券  三角相殺 否定

2016-07-11 | 破産  再生
リーマン破綻、債権・債務3者相殺は無効 最高裁が初判断 手続き開始後認めず


リーマンブラザーズ証券って 民事再生法適用だったのですね。


産経新聞の記事からです。

※引用

リーマン破綻、債権・債務3者相殺は無効 最高裁が初判断 手続き開始後認めず

 破綻したリーマン・ブラザーズ証券の民事再生手続き開始後、取引先同士がリーマンとの債権・債務を相殺できるかが争われた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は8日、「民事再生申請後に相殺が許されるのは申請した会社との2者間に限られ、合意があっても3者間では相殺できない」と初判断。相殺を認めた2審判決を破棄し、相殺を無効とする判決を言い渡した。

 リーマンが販売したデリバティブ取引で債務を負った野村信託銀行が、「契約終了日が指定された場合、当事者で相殺できる」との契約条項を理由に、同グループの野村証券がリーマンに持つ債権と相殺できると主張。リーマンは「相殺は民事再生法違反」として野村信託に債務支払いを求め提訴した。

 同小法廷は「民事再生法の基本原則は債権者の平等。今回の相殺は基本原則に反する」と指摘した。一方、千葉勝美裁判官は現行法では今回の相殺はできないとしつつ「グループ企業内のリスク管理として考えられる手法。立法で相殺を認めるかは、検討課題だ」とする補足意見を述べた。

 平成20年9月、リーマンが東京地裁で民事再生手続きを開始し、デリバティブ契約も終了。野村信託は約4億3千万円の債務をリーマンに抱えたが、野村証券は同じ取引でリーマンに17億円余りの債権があった。1審東京地裁、2審東京高裁はいずれも野村信託の主張を認め相殺を有効と判断した。

死亡保険金の破産財団帰属性

2016-05-10 | 破産  再生
最高裁判所 最新判例から


※引用

平成27年(受)第330号
債務不存在確認等請求本訴,不当利得返還請求反訴事件
平成28年4月28日 第一小法廷判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人滝沢繁夫ほかの上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について
1 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人Y1及びAは,平成24年3月7日,東京地方裁判所に破産手続開始の申立てをした。同裁判所は,同月14日,両名についてそれぞれ破産手続開始の決定(以下「本件各開始決定」という。)をし,被上告人らを破産管財人に選任した。
(2) 上告人Y1及びAの長男であるBは,平成16年に全国労働者共済生活協同組合連合会との間で,被共済者をB,死亡共済金を400万円とする生命共済契約(以下「本件生命共済契約」という。)を,また,平成23年に日本生命保険相互会社との間で,被保険者をB,死亡保険金を2000万円とする生命保険契約(以下「本件生命保険契約」という。)をそれぞれ締結していたが,平成24年4月25日に死亡した。本件生命共済契約の定めによれば,上記死亡共済金の受取人は上告人Y1及びAとなり,本件生命保険契約では,上記死亡保険金の受取人は上告人Y1に指定されていた。
(3) 上告人Y1は,平成24年5月上旬,上記死亡共済金及び上記死亡保険金の各請求手続をして,同月下旬に合計2400万円を受け取り,このうち1000万円(以下「本件金員」という。)を費消し,同年9月,残金1400万円を被上告人X1(以下「被上告人X1」という。)の預り金口座に振込送金した。なお,本件金員のうち800万円は,同年6月から上告人Y1の代理人となった弁護士である上告人Y2の助言に基づいて費消されたものであった。
2 本件本訴は,被上告人らが,上記死亡共済金及び上記死亡保険金の各請求権(以下「本件保険金等請求権」という。)が上告人Y1又はAの各破産財団(以下「本件各破産財団」という。)に属するにもかかわらず,上告人Y1が本件金員を費消したことは,上告人Y1において本件金員を法律上の原因なくして利得するものであり,また,上告人Y2には上告人Y1が本件金員を費消したことにつき弁護士としての注意義務違反があると主張して,上告人Y1に対しては不当利得返還請求権に基づき,上告人Y2に対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき,被上告人X1において800万円及び遅延損害金等の連帯支払を,また,被上告人X2において200万円及び遅延損害金等の連帯支払を求めるものであり,本件反訴は,上告人Y1が,本件保険金等請求権が上告人Y1の破産財団に属しないにもかかわらず,被上告人X1が法律上の原因なくその一部である1400万円を利得していると主張して,被上告人X1に対し,不当利得返還請求権に基づき,1400万円及び遅延損害金の支払を求めるものである。
3 原審は,本件保険金等請求権は,破産法34条2項にいう「破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権」に該当するものとして,本件各破産財団に属することになるから,上告人Y1が本件金員を費消したことは,上告人Y1において本件金員を法律上の原因なくして利得するものであり,また,上告人Y1が本件金員のうち800万円を費消したことについて,上告人Y2に弁護士としての注意義務違反が認められるとして,被上告人らの本訴請求のうち上告人Y1に対する請求を認容するとともに上告人Y2に対する請求を一部認容し,上告人Y1の反訴請求を棄却すべきものとした。
4 所論は,第三者のためにする生命保険契約(生命共済契約を含む。以下同じ。)において,死亡保険金受取人の請求権は,被保険者が死亡したときに初めて生ずるものであり,被保険者が死亡する前に上記死亡保険金受取人が有しているのは,権利ではなく期待的利益にすぎないにもかかわらず,本件保険金等請求権が本件各破産財団に属するとした原審の認定判断に法令の解釈適用の誤りがあるというものである。

5 第三者のためにする生命保険契約の死亡保険金受取人は,当該契約の成立により,当該契約で定める期間内に被保険者が死亡することを停止条件とする死亡保険金請求権を取得するものと解されるところ(最高裁昭和36年(オ)第1028号同40年2月2日第三小法廷判決・民集19巻1号1頁参照),この請求権は,被保険者の死亡前であっても,上記死亡保険金受取人において処分したり,その一般債権者において差押えをしたりすることが可能であると解され,一定の財産的価値を有することは否定できないものである。したがって,破産手続開始前に成立した第三者のためにする生命保険契約に基づき破産者である死亡保険金受取人が有する死亡保険金請求権は,破産法34条2項にいう「破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権」に該当するものとして,上記死亡保険金受取人の破産財団に属すると解するのが相当である。

前記事実関係によれば,本件生命共済契約及び本件生命保険契約はいずれも本件各開始決定前に成立し,本件生命共済契約に係る死亡共済金受取人は上告人Y1及びAであり,本件生命保険契約に係る死亡保険金受取人は上告人Y1であったから,本件保険金等請求権のうち死亡共済金に係るものは本件各破産財団に各2分の1の割合で属し,本件保険金等請求権のうち死亡保険金に係るものは上告人Y1の破産財団に属するといえる。
6 以上によれば,所論の点に関する原審の判断は正当として是認することができる。所論引用の判例(最高裁平成3年(オ)第625号同7年4月27日第一小法廷判決・生命保険判例集8巻123頁)は,本件に適切でない。論旨は採用することができない。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 山浦善樹 裁判官 池上政幸 裁判官大谷直人 裁判官 小池 裕)

ミス

2016-02-02 | 破産  再生
地裁支部の破産手続き「ミスで配当もらえず」 国を訴え

朝日新聞の記事からです。

※引用

地裁支部の破産手続き「ミスで配当もらえず」 国を訴え

 会社の破産手続きをめぐり奈良地裁五條支部がミスをして配当額をもらえなかったとして、大阪府富田林市の2社が、国に約70万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁堺支部に起こした。2日に第1回口頭弁論があり、国側は「事実関係はおおむね争わない」としつつ、請求棄却を求める答弁書を出した。支払額について検討するとみられる。

 訴状によると、破産会社の手続きが2013年11月に奈良地裁五條支部で始まったため、債権を持つ富田林市の2社は、同支部に債権届け出書を提出した。しかし、書記官がその届け出書を所定の場所と違う場所に保管していた。このため15年2月、債権者に最終配当が実施された際、2社は配当先から漏れてしまったとしている。


国賠ですね。事実認定と再計算が大変そうですね。

債権者による破産手続開始決定申立

2015-08-25 | 破産  再生
まずは、3年前(2012/06/06)の毎日新聞の記事から


 鹿屋市のバイオマス事業交付金を活用し、焼酎かすの再処理をしていた施設が操業休止に陥り、さらに建物が競売対象となっていることが5日、分かった。市は施設を運営する農業生産法人「いずみ商事」(得田浩一郎社長、同市下高隈町)への交付決定を取り消す一方、施設整備などに充てられた交付金の一部約2億5000万円の返還を求めている。
 市によると、法人は09年4月から、市内外の酒造会社2社から出る焼酎かすを受け入れ、家畜飼料や液体肥料などに再処理して畜産農家などに販売していた。当初の施設整備費など総事業費は6億5000万円。うち半額は国の「地域バイオマス利活用事業」を活用し、市を通じて3億2500万円の交付を受けた。
 しかし、10年7月の経営陣交代を機に焼酎かすの搬入が徐々になくなり、翌年4月には操業休止に追い込まれ、同11月には建物などが競売の対象になったことで、市は補助金交付規則に違反すると判断。今年5月18日付で交付決定を取り消し、交付金3億2500万円から減価償却分を引いた2億5104万円の返還を求めている。
 法人は「市民に迷惑がかからないよう操業再開へ努力している」と話している。


今日の南日本新聞によると


上記いずみ商事について鹿屋市や金融機関など債権者が鹿児島地方裁判所鹿屋支部に破産手続開始決定申立を行ったとのことである。


最近、債権者申立の破産事件が増えてきたように思う。
しばらくは、こういう傾向が続くのかもしれない。