弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

業務の中から・・報道を見て・・話題を取り上げます。

誤認逮捕  続報  産経新聞より

2019-08-16 | 誤認逮捕
愛媛・女子大生誤認逮捕 手記公開で分かったずさん捜査の中身

★ 勾留請求は却下されていたのですね。
★ 松山東署や松山地検の幹部は不起訴となる直前の22日、安藤弁護士の事務所を訪れ、女子大生も同席の下、誤認逮捕に至った経緯を説明した。
※ その際にも謝罪はなかったということですね。
※ 録音しておかれるとよかったですね。
★ 松下本部長は産経新聞の取材に応じ、改めて女子大生に謝罪した。
※ マスコミ(産経新聞)の取材に応じた発言で謝罪なんですね。
★ 「やってないことを証明できないよね?」
※ 刑事訴訟法?  そんなのカンケイネー (小島よしお的)
★ 「ごめんなさいをすれば済む話」
※ 検察官のところでよく説明すればいいじゃない というのもあります。
★ 「弁護士に言われたから黙秘するのではなく自らの意思で話せ」
※ 黙秘権?    そんなのカンケイネー
★ 3D画像はきちんと解析したのか、ポリグラフ検査の結果はどうだったのかという私からの質問に対しては、はっきりした回答を得ることはできませんでした。
※ 永遠に回答はないでしょうね。時が過ぎ去るのを待っています。

産経新聞の記事からです。
※引用
 松山市の20代の女子大生が身に覚えのない窃盗事件で愛媛県警に逮捕される誤認逮捕があった。女子大生は「不安、恐怖、怒り、屈辱といった感情が常に襲い、ぴったりと当てはまる言葉が見つからないほど耐え難いものだった」などとする手記を公表、県警本部長は謝罪に追い込まれた。県警はなぜ誤認逮捕をしたのか。そこには「思い込みによる捜査」というずさんな状況があったようだ。
一貫して否認も逮捕
 「誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げます」
 8月6日、愛媛県議会の委員会で、松下整(まつした・ひとし)県警本部長が頭を下げた。
 事件は今年1月9日未明に市内で発生。タクシーの運転手が何者かに現金5万円とセカンドバッグを盗まれた。容疑者として浮上したのはタクシーのドライブレコーダーに写っていた女。女はタクシーから降りた後、とあるアパートに入っていった。女子大生が住むアパートだった。
 女子大生は5月27日、自宅に置かれた県警松山東署捜査員の手紙を見つけ、まったく身に覚えはないが、署に出向いた。
 事情聴取が行われたが、女子大生はドライブレコーダーの画像と顔立ちが似ていたほか、事件当日にタクシーに乗っていないことを証明することができなかった。女子大生はドラレコの画像とは別人だと訴えたが、容疑者のような扱いを受けたという。
 6月4日、再度の呼び出しを受けた女子大生は、顔の3D画像撮影やポリグラフ検査を受けた。その時の心境を手記にこうつづっている。
 「体力的にも精神的にもつらかったですが、素直に応じました。そうすることで身の潔白を証明できると信じていたからです」
 だが7月8日、捜査員が自宅にやってきて任意同行を求められ、そのまま窃盗容疑で逮捕された。
「早く認めた方がいいよ」
 「手錠をかけられたときのショックは、忘れたいのに忘れることができず、今でもつらい」と手記で述べた女子大生。弁護人となった安藤陽介弁護士は「任意の段階でも『就職も決まっているんだろう』『早く認めた方がいいよ』と執拗(しつよう)に自白を求めるような発言があった」と違法性を指摘する。
だが2日後の10日、事態が急転する。松山簡裁は勾留請求を却下し、女子大生は釈放されたのだ。そして26日、「嫌疑なし」として女子大生は不起訴処分となった。
 捜査関係者によると、逮捕後、早い段階で女子大生ではない新たな容疑者が浮上したのだという。誤認逮捕が明らかになり、松山東署や松山地検の幹部は不起訴となる直前の22日、安藤弁護士の事務所を訪れ、女子大生も同席の下、誤認逮捕に至った経緯を説明した。
 県警本部長「決めつけ捜査があった」「本当に申し訳ないことをした。県警として深く反省している。再発防止を図りたい」。松下本部長は産経新聞の取材に応じ、改めて女子大生に謝罪した。

 では誤認逮捕はなぜ起きたのか。ドライブレコーダーの画像が女性と似ていたことや、タクシーを降りた女がアパートに入った映像があったことで、捜査員が「思い込みをしてしまった」と松下本部長は捜査の稚拙さを認める。
 さらに、女子大生が否認をしていることに対する容疑の裏付け捜査や、周辺捜査で十分な証拠を収集することを怠ったと言及。「女性が嘘をついていると決めつけ、強制捜査をすれば、すぐに自供するだろうと思ってしまった。もっと多角的に捜査したり、上司に相談したりしていれば、誤認逮捕は防げた」とした。
 取り調べで威圧的な態度や、自白を強要するような言動があったかどうかについても「県警としては適正な取り調べだったという結論は出していない」とした松下本部長。県警はなぜ誤認逮捕があったのか調査を進め、調査結果と再発防止策を県議会で報告するとしている。
 愛媛県警に誤認逮捕された女子大生の手記の要約は次の通り。
「二重人格?」「罪と向き合え」と言われた
 今年1月に松山市内で発生したタクシー内での窃盗事件で私が誤認逮捕された件について、警察や検察からの発表のみでは伝わらない部分も多々あるかと思い、今回コメントを発表させていただきます。
この事件の捜査では、決して適切とはいえない対応を警察から繰り返されました。そのため私は、取り調べが終わるたび、すぐに全てを日記に付けて記録してきました。
 ドライブレコーダーに写っている女と私が似ていたことなど悪い偶然が重なり、私が容疑者になってしまうことは仕方がないのかもしれません。しかし、私ははじめから一貫して容疑を否認し、その女と私が別人であることを何度も訴えてきました。にもかかわらず、捜査に関わった刑事全員が私の話に耳を傾けることはありませんでした。
 取調官は、私が「本当の犯人を捕まえてください。こんなの何の解決にもならない」と言えば、「犯人なら目の前にいるけど」と言い、はじめから私を犯人だと決めつけていました。他にも「やってないことを証明できないよね?」「タクシーに乗った記憶ないの? 二重人格?」「罪と向き合え」など、耳を疑うようなことを次から次へといわれました。
「ごめんなさいで済む話」とも
 また、自白を強要するかのような言葉を執拗(しつよう)にいわれました。
 「就職も決まってるなら大事(おおごと)にしたくないよね?」
 「ごめんなさいをすれば済む話」
 「懲役刑とか罰金刑とか人それぞれだけど早く認めたほうがいいよ」
 「認めないからどんどん悪い方へ行ってるよ」
 「今の状況は自分が認めないからこうなってるんだ」
 挙げればきりがありません。逮捕された後は、弁護人の助言で警察の取り調べに対しては黙秘していたのですが、「弁護士に言われたから黙秘するのではなく自らの意思で話せ」と言われました。
 本当に悔しかったです。自分たちが正しいと過信している警察には何を言っても無駄だと気付き、ただひたすら真犯人が出てくることを祈るしかありませんでした。
 そもそも、私は取り調べの他にも指紋採取やポリグラフ検査、3D画像の撮影など、全ての任意捜査に素直に応じてきました。朝の10時ごろから夕方の5時ごろまでかかることもあり、体力的にも精神的にもつらかったですが、素直に応じました。そうすることで身の潔白を証明できると信じていたからです。
しかし、最後の取り調べから1カ月以上たってから突然家宅捜索に入られ、そのまま逮捕されてしまいました。幸いにして、勾留請求は認められず釈放されましたが、逮捕直後には、もし勾留されたら取り調べに耐え切れず、やっていないことを認めてしまうかもしれないという不安な気持ちがあったのも事実です。
直接の謝罪いまだなく
 誤認逮捕であることが分かった後、警察からは「真相の解明に必要な逮捕だった」と説明を受けましたが、到底納得できるものではありません。
 3D画像はきちんと解析したのか、ポリグラフ検査の結果はどうだったのかという私からの質問に対しては、はっきりした回答を得ることはできませんでした。担当刑事からの直接の謝罪はいまだにありません。手錠をかけられたときのショックは忘れたいのに忘れることができず、今でもつらいです。
 今回の誤認逮捕は、適正な捜査を行っていれば起こらないはずでした。私のような思いをする人を二度と出さないためにも、口先だけの謝罪で済ませるのではなく、今後どのような指導を行い再発防止に努めるのか具体的に公表してほしいです。
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弁護士法人かごしま上山法律事務所 夏季休暇・お盆休みのお知らせ

2019-08-09 | 事務所からのご案内
皆さま、いつもお世話になっております。

上山法律事務所では、次のとおり夏期休暇 お盆休み を取らせて頂きます。


★ 2019(令和元)年8月13日(火)から 
      2019(令和元)年8月15日(木) まで  お盆休み


業務再開は2019(令和元)年8月16日(金)からとなります。

何かとご不便をおかけいたしますが、よろしくお願いします。

メール、留守番電話での対応はできると思いますが、返信、折り返しが遅くなった場合には、ご容赦ください。

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謝罪

2019-08-07 | 誤認逮捕
★ これを謝罪というのでしょうか。

誰に対して頭を下げたのでしょうか。
県議に対して頭を下げたのでしょうか。
捜査側にも間違いもミスもあるということは
永遠に認めないつもりでしょうか。
連絡を取り合うとかの問題じゃなくてごめんなさいだと思いますが・・・

毎日新聞の記事からです。
※引用

愛媛の誤認逮捕 県警本部長が議会で謝罪 「自白強要」調査へ 会見は予定せず 

 7月に松山市の20代女性が愛媛県警松山東署に窃盗容疑で誤認逮捕された問題で、県警の松下整本部長は6日、県議会のスポーツ文教警察委員会に出席し、「事件と全く無関係の女性を逮捕してしまい、当事者の女性に誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げる」と述べ、頭を下げて謝罪した。公の場での謝罪は初めて。
 委員会ではほかに、二宮幸仁刑事部長が誤認逮捕の経緯を説明。女性に対して「今後も誠意ある対応を行う」とし、女性が手記で指摘した自白を強要するような取り調べについて調査することを言明した。
 その後、質疑で、笹岡博之県議(公明)が自白強要について現状認識を問うたが、二宮刑事部長は「捜査を通じて女性に大変不快な思いをさせてしまい誠に申し訳なく感じている。取り調べに関する調査を行っているところであり、しっかりと事実確認をしていきたい」と述べるにとどめた。
 また、戒能潤之介県議(自民)は担当刑事も直接女性に謝罪や説明をすべきではないかと指摘。これに対し、二宮刑事部長は声を震わせながら再び女性への謝罪の言葉を口にし、「本件捜査は組織的に幹部の指示で行っていることから、責任ある松山東署の副署長などの幹部が代表して謝罪した。この点については今後も女性と連絡を取り合い、理解を求めたい」と述べた。
 松下本部長は委員会後、報道陣の取材に応じ、捜査が適正だったかとの質問に「捜査全体を見て適正とは言い難い。深く反省しなければならない」と述べた。取り調べに関する調査結果や再発防止策は「県議会への報告を通じて、県民の皆様にも明らかにしたい」とし、現時点で記者会見での謝罪や説明をする考えはないとの認識を示した。

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訴訟費用の負担

2019-07-23 | 民事
結論的にはおかしいんじゃないだろうか。
こういうケースでも支払う方向で和解を勧めるんですね。
裁判官は疑問を感じないんだろうか。
感じつつも自分の正義に照らして和解を勧めるんでしょうね。

※引用

父親が起こした裁判、当時4歳の原告が費用負担 122万円を10年分割 仙台高裁で和解

 仙台市泉区の分譲マンションで罹患(りかん)したシックハウス(SH)症候群を巡る訴訟で敗訴した提訴時4歳の原告女性(19)に対し、国が手数料や鑑定費などの訴訟費用の負担を求めた訴訟は17日、仙台高裁で和解した。遅延損害金を含む債権計約122万円を女性が負担すると確認した上で、今後10年間は毎月500円の分割払いとし、10年後に残額全てを支払う内容。
 和解条項には「仙台地裁の歳入徴収官は債権の発生原因や内容に十分に配慮し、支払いの延期や債権内容の変更、免除を含む管理事務を適正に処理する」との内容が盛り込まれた。
 昨年9月の仙台地裁判決によると、女性は2005年にSH症候群と診断された。父親を法定代理人とし東京の大手不動産会社に損害賠償を求める訴えを同地裁に起こし、12年に最高裁で敗訴が確定した。
 母親は既に死亡し、父親は敗訴後に訴訟費用の免責許可決定を受け、訴訟費用約92万円が女性の負担とされた。女性側は実質的に訴訟を起こした父親が支払い義務を負うと主張。地裁は「父親による訴訟行為と女性の訴訟費用の負担(義務)は別問題」と判断した。
 女性側の千葉晃平弁護士は「現行法上は当時4歳でも親が起こした訴訟の費用負担を求められてしまうのが現実。同様の事態を避けるためにも、救済できる何らかの立法措置が検討されるべきだ」と話した。
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政府声明   呼び水か?

2019-07-12 | 雑感
「政府は・・・控訴しないと異例の判断をしましたが、この際・・・法律上の問題点があることを当事者である政府の立場として明らかにするものです。

1 ・・・国家賠償法の法的義務を負うものではありません。
2 ・・・国家賠償法の解釈として認めることができません。
3 ・・・法律論としてはこれをゆるがせにすることができません。」

そういう政府の立場であれば、控訴しないことは裁量違反なのではないでしょうか。

お詫びはしますが法的には悪くないんです。これは謝罪ではないでしょう。

今回の政府声明はそういう批判の呼び水として出されたような気もします。
上記のような批判をした途端にハンセン病家族に対する支援策を拒むものとして反論することをあらかじめ想定しているのではないでしょうか。

※引用
政府声明
令和元年7月12日
令和元年7月12日
閣議決定
 政府は、令和元年6月28日の熊本地方裁判所におけるハンセン病家族国家賠償請求訴訟判決(以下「本判決」という。)に対しては、控訴しないという異例の判断をしましたが、この際、本判決には、次のような国家賠償法、民法の解釈の根幹に関わる法律上の問題点があることを当事者である政府の立場として明らかにするものです。
1 厚生大臣(厚生労働大臣)、法務大臣及び文部大臣(文部科学大臣)の責任について
(1) 熊本地方裁判所平成13年5月11日判決は、厚生大臣の偏見差別を除去する措置を講じる等の義務違反の違法は、平成8年のらい予防法廃止時をもって終了すると判示しており、本判決の各大臣に偏見差別を除去する措置を講じる義務があるとした時期は、これと齟齬しているため、受け入れることができません。
(2) 偏見差別除去のためにいかなる方策を採るかについては、患者・元患者やその家族の実情に応じて柔軟に対応すべきものであることから、行政庁に政策的裁量が認められていますが、それを極端に狭く捉えており、適切な行政の執行に支障を来すことになります。また、人権啓発及び教育については、公益上の見地に立って行われるものであり、個々人との関係で国家賠償法の法的義務を負うものではありません。
2 国会議員の責任について
 国会議員の立法不作為が国家賠償法上違法となるのは、法律の規定又は立法不作為が、憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制限するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合などに限られます(最高裁判所平成27年12月16日大法廷判決等)。本判決は、前記判例に該当するとまではいえないにもかかわらず、らい予防法の隔離規定を廃止しなかった国会議員の立法不作為を違法としております。このような判断は、前記判例に反し、司法が法令の違憲審査権を超えて国会議員の活動を過度に制約することとなり、国家賠償法の解釈として認めることができません。
3 消滅時効について
 民法第724条前段は、損害賠償請求権の消滅時効の起算点を、被害者が損害及び加害者を知った時としていますが、本判決では、特定の判決があった後に弁護士から指摘を受けて初めて、消滅時効の進行が開始するとしております。かかる解釈は、民法の消滅時効制度の趣旨及び判例(最高裁判所昭和57年10月15日第二小法廷判決等)に反するものであり、国民の権利・義務関係への影響が余りに大きく、法律論としてはこれをゆるがせにすることができません。
関連リンク

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ペーパーテストで査定するんだからこうなりますよね。

2019-07-12 | 雑感
★ 兼業の警察幹部3人を懲戒処分へ問題集執筆で多額報酬

ペーパーテストで査定するなら
過去問と出題者の意図が重要でしょうから
こうなっていくでしょうね。
司法試験予備校にしろ、大学受験予備校にしろ同じことだと思います。
企業努力するつもりはないのでしょう。

きっと、エドュコムの出資者や役員の構成が問題ですね。

朝日新聞の記事からです。
※ 引用

兼業の警察幹部3人を懲戒処分へ 問題集執筆で多額報酬

 警察官の昇任試験対策問題集の原稿執筆を繰り返し、適正な手続きをとらずに出版社から報酬として多額の現金を受け取ったのは公務員法が禁じる兼業にあたるなどとして、国家公安委員会などは、大阪府警の警視正と、宮城県警から出向中の東北管区警察学校の警視正、熊本県警の警視の男性3人について懲戒処分にすることを決めた。
 警察関係者への取材によると、大阪府警刑事部幹部の警視正は数年間にわたり計八百数十万円を受け取っており、減給10分の1(3カ月)の処分の見込み。東北管区の警視正は計百数十万円を受け取り、戒告、熊本県警の警視も戒告の見通しだ。一部は辞職する意向を示しているという。原稿執筆は3府県警以外でも確認され、複数の県警などの幹部ら十数人が本部長注意など内規に基づく処分の対象となった。
 出版社は東京都港区の「EDU―COM(エデュコム)」。同社は、全国各地の警察が行っている巡査部長、警部補、警部の昇任試験の筆記の対策問題集「KOSUZOシリーズ」を出版。筆記試験は法規や捜査実務の知識を択一式などで問う内容だ。
 同社からの依頼に応じ、全国の多数の警察幹部らが問題集の問題や解答の原稿を執筆し、原稿料を受け取っていた。今年1月の報道を受け、警察庁と関係の道府県警が調査を進めてきた。
 警視正は国家公務員、警視は地方公務員。国家公務員法と地方公務員法は許可を受けずに兼業を行うことを禁じている。3人は継続的に報酬を受け取っていたのに許可を申請しておらず、兼業禁止規定に抵触するとされた。国家公務員倫理法は業者から報酬を得た際、「贈与等報告書」の提出を義務づけているが、警視正2人は提出を怠っていた。
 さらに、非開示である警察業務に関する内部文書を同社に提供していたケースもあったという。国家公安委などはこれらの行為が懲戒処分の理由になると判断した。
 注意や訓戒の内部処分となる十数人も兼業や贈与等報告の怠りなどが理由という。3人は受け取った額が大きいことなどから、より重い懲戒処分となった。
 同社は取材に「特にお話しすることはありません」としている。

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本日の業務は  14:00 までです。

2019-07-03 | 事務所からのご案内
令和元年7月3日
大雨により事務所の業務を
14:00にて終了する
ことにしました。
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危機管理広報    ナベプロと吉本

2019-07-03 | コンプライアンス
弊社のコンプライアンスに関する取組み及び弊社所属ザブングルに対する対応について

コンプライアンスの観点から配慮すべき観点がよく分かります。

ナベプロの書面の構成
1 お詫び
・謝罪
・再度の謝罪
・被害者配慮
・事務所の責任
2 コンプライアンス体制の強化
・これまでの取組み
・ザブングルに対するフォロー
・他の社員を含めたコンプライアンス体制強化の具体策
3 ザブングルに対する弊社の対応
〇ダメージコントロール
・税務処理 修正申告
・被害者団体への返金
〇ザブングルの現在と今後
・ザブングルの意思
・会社とザブングルの具体的な取り組み
・会社の宣言
・謹慎期間の明記

★★  ポイント
「現在、世間の人々が吉本興業に求めているのは、「企業の姿勢を見せる」ことではなく、ナベプロが見せたような「騒動の具体的な内容を明らかにし、謝罪先を明確にする」こと。「企業の姿勢を見せる」前にすべきことをしていないから、イメージは回復せず下がり続けているのです。つまり、現在の明暗を分けたのは、ナベプロが世間や被害者に向けた対応をしているのに対して、吉本興業は自社や取引先に向けた対応をしているから。」

東洋経済オンラインの記事からです。
※引用
ナベプロと吉本「闇営業対策」で明暗分けた大差

 7月1日、ワタナベエンターテインメント(以下、「ナベプロ」に略)は、反社会的勢力への闇営業問題で謹慎中のお笑いコンビ・ザブングル(松尾陽介さんと加藤歩さん)への処遇を改めて発表しました。

 その書面は実に適切なものであり、まさにクライシス・コミュニケーション(危機管理広報)のお手本。書くべき内容がしっかり書かれていたことで、吉本興業との明暗がはっきり分かれているのです。

 ナベプロの書面はどんな内容で、吉本興業との差はどこにあるのでしょうか。
■世間の人々を納得させるコンプラ対策

 書面は、「1.お詫び」「2.コンプライアンス体制の強化」「3.ザブングルに対する弊社の対応について」の3項目に分ける形式を採用していました。
 まず「1.お詫び」では、「特殊詐欺グループとされる反社会的勢力が主催する会合に所属タレントのザブングルの両名が参加した件につきまして、関係各位、ファンの皆様に多大なるご迷惑をお掛けしましたことを、改めまして深くお詫び申し上げます」と、あらためて騒動を謝罪。
 続けて、「当該詐欺行為の被害に遭われた被害者の皆様に対して大変申し訳なく、所属芸能プロダクションとして、両名がとった軽率な行為に対し、その責任を大変重く受け止めている次第です」という被害者配慮と事務所の責任に言及しました。“再度の謝罪”“被害者配慮”“事務所の責任”という重要なポイントを冗長にならず簡潔にまとめた序盤の文章は、そつのないものだったのです。
 次にふれたのは、「2.コンプライアンス体制の強化」。
 真っ先に書かれていたのは、「警察関係者や顧問弁護士等からの協力を得てコンプライアンスに関する説明資料を作成しており」「日頃より所属タレント及び社員に対して、コンプライアンスを徹底して参りました」「会社を通さずに、個人的にパーティーの司会などの仕事を請け負うと、知らないうちに反社会的勢力に接触してしまう可能性があること等も明記し注意喚起しておりました」など、これまでの取り組み。
 そのうえで騒動を起こしてしまったザブングルに対しては、「弊社の指導と共に既に警察庁出身でコンプライアンスを専門とする弁護士によるサポート、アドバイスを受け、両名のコンプライアンスの意識をより高め、徹底させるように致しました」と会社としての素早いフォローを明かしました。
 さらにこれだけでは終わらせず、他の所属タレントや社員に対しても、「今一度コンプライアンスの意識を徹底させるべく、現在、上記のコンプライアンスを専門とする弁護士をはじめ、警察関係者も含めた弊社の社内セミナーを実施するよう調整中で、そのセミナーの内容等に関し、近日中に警察関係者と打ち合わせを行います」と宣言。専門家を取り込むことで質を高め、存在を明記することで信用性を高めようという意図がうかがえました。
 コンプライアンス対策で大切なのは、問題が起きないようにすることだけではありません。世間の人々に「ここまでやれば問題は起きにくいだろう」「もし何か起きたとしたら、よほど個人に問題があるのでは?」と思わせるほどの具体的な強化体制を示しておくことも重要なのです。

■人々が知りたかったギャラと税申告に言及
 ただ、今回の書面が優れていたのは、そのあとに書かれた「3.ザブングルに対する弊社の対応について」でした。
 まず臆測を呼んでいた闇営業のギャラについて、「入江氏より各自それぞれ7万5000円の金銭を受領した旨申告し」と明言。そのうえで、「かかる金銭につき両名が適切に税務申告を行っていないことが分かったため、既に税理士を通じて修正申告を致しました」と脱税に関する疑念をシャットアウトしました。
 さらに、「両名が受領した金銭については、然るべき団体にお支払いするようその支払先について警察関係者等を交えて協議をしているところです」とコメント。税金を納める一方で、「もらったお金も自分のものとみなさず、被害者団体などの最もふさわしいところに返したい」という姿勢を明確に示したのです。
 「これぞダメージコントロール」と言える対応であり、同社や2人にとって金銭的なダメージが小さいにもかかわらず、人々の印象は劇的にアップ。騒動によるダメージどころか、「ナベプロはお金の感覚がしっかりしている」「彼らのやることに間違いはないのだろう」というプラスのイメージを抱かせることにつながっています。
 次に2人の現在と今後についても、ナベプロはスキのない対応を見せました。
 書面では「本人たちとの話し合いの中で、謹慎期間中は、ボランティア先を見つけて活動する等の社会貢献を行い、自分自身を真摯に見つめなおすと共に、今回の件について真剣に反省し、人として成長できるようにしたいとの申し出がありました」と本人たちの意思を説明。
 これまでに彼らが発表したコメントは「よく見る謝罪の定型文」というイメージにすぎませんでしたが、今回は適切な対応をした所属事務所が彼らの意思を代弁したことで、人々に「本当に反省してそう思っているのだろうな」という感覚を持たせました。
 また、「弊社としても本人たちと話し合いながら、ボランティア先を探している」「ボランティア活動以外の時間においては、両名が社会人としての常識を高めることができるよう、弊社の事務サポート業務等を行わせる予定」という補足文も抜かりなし。書面の発表後に発生するであろう、「ボランティア先はどこなのか」「ボランティア以外の時間は何もしないのではないか」などの疑問や臆測を未然に防いだのです。

■「8月末日まで」謹慎期間を最後に書いた理由
 ナベプロは書面の最後で、「今回の事件の重大さを痛感しておりますが、過ちを犯した所属タレントに対しては、過ちを厳しく追及し、真摯に反省させ、今後同様の行為が行われないよう再発防止策を講じることが多くのタレントを抱える芸能プロダクションとしての弊社の役割、使命であると考えております」と力強く宣言しました。
 さらに注目すべきは、直後のコメント。「本人たちが今回の事態を重く受け止め、反省し、両名より社会貢献を行う等の申し出がなされたこと等を勘案し、弊社としてはザブングルの謹慎期間を2019年8月末日までとすることと致しました」と具体的な謹慎期間を明記したのです。あえて最後に配置したのは、人々が知りたいことをすべて書き、力強い宣言をしたあとに書くことで、「謹慎期間が短いのではないか」という印象を持たれにくくするためでしょう。
 ナベプロがこの先、どんな姿勢と取り組みを見せるかはわかりませんが、少なくとも今回の対応は期待感を抱かせるものに違いありません。そんな同社の対応を見た世間の人々は、すぐに反応しました。その声はナベプロにとって光であり、吉本興業にとって闇のようだったのです。
 「間違ったことをしても、誠意を尽くした対応をしたら許されるべき。最近、吉本の対応にガッカリしてばかりだったから、ナベプロがちゃんとした会社に見える」
 「吉本の芸人たちと比べたらザブングルは被害者。9月からの復帰は妥当」
 「税金の修正申告や被害者への返金を表明しただけでも、ナベプロは信用できる。それに比べて吉本は脱税や被害者対応を考えていない」
 「嘘をついてないザブングルの2人には頑張ってほしいけど、嘘をついた吉本の芸人たちは今でも許せない」
 なぜここまで印象の差がついてしまったのでしょうか?  その理由は決して「関わった芸人が多いから」「先導役のカラテカ・入江慎也さんの所属事務所だから」ではありません。やはり対応の差があったからなのです。

■トップのコメントに意味がないケース
 もう一度、吉本興業の主な対応を振り返ってみましょう。
 6月6日(『FRIDAY』発売前日)、カラテカ・入江慎也さんの契約解除と、参加メンバーの厳重注意処分を発表。その後、雨上がり決死隊・宮迫博之さんやロンドンブーツ1号2号・田村亮さんらが謝罪したものの「ギャラはもらっていない」とコメントし、吉本興業もそれを受け入れたことで、人々の不信感が高まっていきました。
 6月24日、所属芸人11人の謹慎処分を発表しましたが、受領金額、所得の申告、返金の姿勢、被害者への対応などに関する具体的な言及はなし。コンプライアンスへの取り組みに関しても、同様に具体的な言及はなく、本人たちの謝罪コメントを一覧にしてみせただけにとどまりました。
 6月27日、スリムクラブが暴力団関係者の同席する会合に参加し、金銭を受領していたとして無期限謹慎処分を発表。そのうえで、コンプライアンスに対する今後の取り組みを「決意表明」しました。
 その宣言には、「現在の吉本興業においては、あらゆる反社会的勢力との関係は一切有しておらず、今後も一切の関わりをもたないことを固く誓約・宣言いたします」「約6000人の所属タレント及び約1000人の社員のあらゆる行いについてはすべて当社の責任です」と書かれていたように、内容として責められるところはありませんでした。
 しかし、今回の騒動に対する具体的な対応がまたも書かれていなかったことで、世間の人々は「騒動を過去のことにして、話を今後のことにすり替えられた」と感じ、むしろ吉本興業への不信感を募らせていったのです。
 6月28日、吉本興業ホールディングスの大崎洋会長が共同通信のインタビューに答え、「(会社を)非上場とし、反社会勢力の人たちには出て行ってもらった。関わった役員や先輩も追い出し、この10年やってきたつもり」と話しつつ、「本当に申し訳なく思うし、個人的にはじくじたる思いもある」と謝罪しました。
 トップがコメントすることは、「企業の姿勢を見せる」という意味で重要なものですが、その内容が「ほとんど意味をなさなかった」というケースは少なくありません。現在、世間の人々が吉本興業に求めているのは、「企業の姿勢を見せる」ことではなく、ナベプロが見せたような「騒動の具体的な内容を明らかにし、謝罪先を明確にする」こと。「企業の姿勢を見せる」前にすべきことをしていないから、イメージは回復せず下がり続けているのです。

■吉本興業が今からでもすべきこと
 つまり、現在の明暗を分けたのは、ナベプロが世間や被害者に向けた対応をしているのに対して、吉本興業は自社や取引先に向けた対応をしているから。ナベプロがイメージ回復どころかプラスの効果を生んでいることを見れば、今回のような「ピンチはチャンス」であることは明らかです。
 例えば、今日これからでも「遅すぎる」ことはありません。吉本興業はナベプロのコメントを踏襲してでも、受領金額、所得の申告、被害者への対応、今後の取り組みなどを明らかにすることで、信頼回復の第一歩につなげたほうがいいのではないでしょうか。
 また、ここまで対応が後手に回ってしまった以上、誰もが「本人同席による会見が望ましい」と感じているだけに、書面でのコメントは避けたいところ。吉本興業には日本中の人々を楽しませられるタレントが多いだけに、マネジメントの責任は重大であり、今後の対応にも多くの注目を集めるでしょう。
弊社のコンプライアンスに関する取組み及び弊社所属ザブングルに対する対応について|ワタナベエンターテインメントワタナベエンターテインメント
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裁判員裁判 検証記事 西日本新聞 その3

2019-06-28 | 裁判員制度
裁判員として評議に参加する場合
冒頭で裁判長以下の裁判官の年収を尋ねてみたらいいと思う。
刑事裁判に市民が参加する意味が良く分からなくなると思う。

※引用
【裁判員制度10年(3)】重い負担 6割超が辞退 経験共有へ「守秘義務」の壁も
【裁判員制度10年(3)】重い負担 6割超が辞退 経験共有へ「守秘義務」の壁も|【西日本新聞ニュース】
刑事裁判に市民の視点を取り入れる「裁判員制度」が導入されて5月で10年を迎えた。裁判員に選ばれた人々は殺人などの重大事件に向き合い、悩...

【裁判員制度10年(3)】重い負担 6割超が辞退 経験共有へ「守秘義務」の壁も|【西日本新聞ニュース】
【裁判員制度10年(3)】重い負担 6割超が辞退 経験共有へ「守秘義務」の壁も|【西日本新聞ニュース】
刑事裁判に市民の視点を取り入れる「裁判員制度」が導入されて5月で10年を迎えた。裁判員に選ばれた人々は殺人などの重大事件に向き合い、悩み抜いて有罪・無罪を判断してきた。しかし辞退率は年々上昇。「守秘義務」の分かりづらさや、経験を社会に還元する難しさも指摘されている。制度の課題を追った。
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 裁判員に選任されたことを告げた女性(41)に、勤務先の上司は冷ややかだった。「裁判に出席するなら会社は休み扱い。有給休暇も認められない」
 当時勤めていたのは、福岡県内にある正社員約50人の中小企業。この女性が1人で給与計算や社会保険の手続きを担当していた。
 職場に迷惑をかけて申し訳ないとも思ったが「遠い存在だった司法を身近に感じてみたい」と参加を決めた。渋る上司には「有給休暇は自由に使えるはず」と訴え、何とか理解を得た。
 福岡地裁で2016年にあった殺人事件の審理期間(初公判から判決まで)は40日。週末は職場でたまった仕事をこなした。
 女性は「慣れないことばかりだったが、自分の意見も言うことができた。よい経験になった」と話し、こう付け加えた。「働く人が参加しやすい仕組みを整えてほしい。誰もが参加できてこそ、司法に多様な意見が反映されると思う」
辞退率、昨年は過去最多の67%
 裁判員は20歳以上の市民から無作為に選ばれる。辞退するには「70歳以上」「重い病気やけが」などの理由が必要だ。ただ、辞退率は制度が始まった09年の53・1%から上昇し、昨年は過去最多の67%だった。
 辞退が増える理由の一つに送り出す側の問題がある。民間調査機関「労務行政研究所」(東京)は昨年、7739社に裁判員休暇制度があるか調査。回答した440社のうち「ある」は56%、従業員300人未満では41%にとどまった。
 裁判員裁判の平均審理期間は昨年は10・8日、最長では207日。九州のある信用組合の幹部はこう話す。「うちみたいな中小で職員が長期間休んだら業務に支障が出る。休暇制度を作る余裕はない」
 一方で、最高裁が昨年行った裁判員へのアンケートでは「非常によい経験」「よい経験」との回答が96・7%に上った。経験者の評価は高いのに増える辞退者-。市民団体「裁判員ネット」(東京)代表の大城聡弁護士は「市民参加の制度なのに10年たっても環境が整っていない。社会の中で制度が孤立しているのではないか」と懸念する。
「何をやるのか分からず不安だった」
 最高裁が5月15日に発表した総括報告書は、辞退率上昇の背景として、国民の関心の低下も挙げた。
 制度開始前、裁判所トップが街頭でチラシを配り、企業に休暇制度の導入を要請した。だが、啓発活動は下火になり、市民が裁判員に関する情報に触れる機会はほとんどなくなった。福岡商工会議所の担当者も「ここ数年、裁判所からの協力要請はない」と話す。
 「何をやるのか分からず不安だった。事前に情報があれば、裁判員に選ばれても『すっ』と入っていけたのに」。福岡地裁で裁判員を経験した60代の男性はこう話した。
 甲南大の笹倉香奈教授(刑事訴訟法)は「司法に市民の目が入り、閉鎖的だった刑事裁判に風穴があいた。課題もあるが、法教育などを通じて制度を周知し、検証を続けることが根付きにつながるはず」と話す。
「裁判員になったことも話してはだめなの?」
 刑事司法に市民感覚を生かし、その経験を社会に還元する-。誰もが選ばれる可能性がある裁判員制度の定着は道半ば。さらに、裁判員経験の「共有」も課題となっている。
 福岡市内のビルの一室で5月11日、裁判員経験者や弁護士、元裁判官ら11人が菓子やコーヒーが置かれたテーブルを囲んでいた。
 「裁判員になったことも話してはだめなの?」「控訴審が裁判員判決を覆すことはどう思う」
 裁判員経験者の女性と弁護士が2014年に立ち上げた裁判員交流会「インカフェ九州」。18回目となるこの日のテーマは「分かりにくい守秘義務」だった。裁判員経験がない女性2人も「関心がある」と加わり、3時間半、自由に意見を出し合った。
 福岡地裁で15年に裁判員を務めた白石弘子さん(62)が疑問を口にした。「法廷で出た内容は話してもいいと言われたけど、評議の秘密との境界が分からなかった。何となく理解はできるけど…」
守秘義務に尻込み
 白石さんが審理を担った殺人事件の裁判員判決は実刑。判決自体に迷いはなかった。ただ、裁判員を終え、気になることがある。被告の男は知的障害があった。評議でもそのことが検討された。刑務所でどんな生活をするのか、社会復帰後の受け皿はあるのか。誰かに聞きたいと思った。でも、守秘義務に尻込みした。
 白石さんは「評議は公判の内容を基に進む。どこまで話していいのか区別がつかなくなって、全て話してはいけない気がした」と率直な思いを語った。
 評議の内容や経過を漏らさないよう課される守秘義務は重荷になるが、裁判員制度には経験を社会に還元する狙いもある。熊本地裁で3月に裁判員を担当した男性は「非常に良い経験になった。自分の子どもたちにも伝えたい」と話した。
 参加した元福岡高裁判事の森野俊彦弁護士(大阪弁護士会)は「裁判官は『経験をどんどん話してください』と背中を押すべきだ。その上で、注意点を丁寧に示せばいい」と指摘する。
市民の側から裁判所へ働き掛ける動きも
 経験者の負担を減らし、制度の浸透を図る-。より良い裁判員制度にするため、市民の側から裁判所へ働き掛ける動きもある。
 裁判員経験者らでつくる市民団体「裁判員ACT」(大阪市)は1月、大阪地裁に8項目の提言書を提出した。「守秘義務の範囲を具体的に説明する」「裁判官と経験者による公開座談会を開く」ことを求めた。
 ACTの礒野太郎さん(47)は、経験者から「家族にも話すつもりはなく、墓場まで持って行くつもりだった」と打ち明けられた。「抽象的な説明では萎縮する。貴重な経験を重荷にしてはいけない」と思う。
 裁判員法は、制度の趣旨に「司法に対する国民の理解の増進と信頼の向上」を記す。刑事裁判に携わった市民の声が広がってこそ、理解は進み、深い根を張るはずだ。
制度は発展途上 裁判員の負担軽減を
 裁判員制度の成果や課題について、九州大の土井政和名誉教授(刑事政策)に聞いた。
 -制度への評価は。
 「裁判官が供述調書など書面に頼る『調書裁判』から、法廷で証人や被告に直接話を聞く『公判中心主義』が主流になった。裁判員は自分で見聞きしたことを重視するため、分かりやすい裁判が実現しつつある」
 「公判前整理手続きでは争点や証拠が絞られすぎて、被告に有利な証拠まで制限される懸念がある。検察側の証拠についても、全面開示を目指すべきだ」
 -市民に死刑の判断が委ねられることもある。
 「死刑求刑事件は、多数決ではなく全員一致にする必要がある。被告の生命に関わる判断で、多数決では心理的負担が大きすぎる」
 -量刑の幅が広がった。
 「市民感覚が反映された結果だ。ただ、裁判は情緒的なものではなく、量刑傾向を踏まえ、被告にとって公平な判断が求められる」
 -遺体写真などの証拠を加工するケースが増えた。
 「精神的な負担は大きいが、悲惨な写真も証拠である以上は見るべきだろう」
 -制度への関心が低下しているとの指摘もある。
 「辞退率の上昇は大きな課題。背景には長期化する審理や仕事面の負担、人を裁くことへの漠然とした不安がある。人手不足に悩む中小企業には、国や自治体の財政的な支援も必要だ」
 -守秘義務について。
 「裁判員法の条文では全て話せないとの誤解を生みかねず、守秘義務の内容を具体的に示す必要がある。有意義な経験も、広がらなければ意味はない」
 -今後のあり方は。
「発展途上だと考えている。見つかった課題を改善し続けてこそ、より市民に身近な制度になるはずだ」
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連載「裁判員制度10年」
 この記事は西日本新聞とYahoo!ニュースの連携企画による連載記事です。国民が裁判員として司法に参加する「裁判員制度」開始から10年、司法と国民との距離は近づいたのかを振り返ります。

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裁判員裁判 検証記事 西日本新聞 その2

2019-06-27 | 裁判員制度
「裁判員判決に対する高裁の破棄率は10年は4・6%、18年は11・8%だった。」
〇裁判員の負担軽減の配慮はするが、最終的には裁判官が正しい。であれば、最初から裁判官が判断したほうが期間的には被告人にメリットがある。
『評議の場で、裁判官は類似事件の量刑傾向を提示。「求刑超えの判決は高裁で覆ることが多い」とも話したという。その後、全員が目を閉じた。裁判官が読み上げる量刑に、それぞれが手を挙げた。死刑求刑に対し、結論は無期懲役だった(最高裁で確定)。
 「過去の傾向に基づいた判断を、と迫られているようだった」。女性は市民感覚が生かされたとは、今も思えない。』
〇裁判員の市民感覚はどこで生かせばいいのか?

西日本新聞の記事からです。

※引用
【裁判員制度10年(2)】「痛烈なメッセージ」求刑上回る判決も 量刑相場に市民感覚、判決に幅

 刑事裁判に市民の視点を取り入れる「裁判員制度」が導入されて5月で10年を迎えた。裁判員に選ばれた人々は殺人などの重大事件に向き合い、悩み抜いて有罪・無罪を判断してきた。中には法律の「プロ」の固定概念を打ち壊す、量刑相場を大きく越えた判決もある。市民感覚を反映したはずの裁判員判決だが、一方で高裁での破棄率は上昇。現状と課題を追った。
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「無期懲役に処する」
宮崎地裁の裁判員裁判は16年2月、求刑(懲役25年)を超える判決を導いた。
 被告の男は、女性を殺害、遺体を切断したとして殺人や死体損壊の罪に問われていた。「猟奇的で非人間的」と断じた判決は、有期刑の上限(同30年)も上回った。
 担当検察官だった若杉朗仁弁護士(福岡県弁護士会)は法廷で目を閉じたまま判決を聞いた。「これが市民感覚か」
 法律の「プロ」として事件に向き合ってきた自負があった。市民が被告を裁く側に立ち、事実認定や量刑を判断する裁判員制度には否定的だった。
 しかし、地裁判決に固定観念を打ち壊される。判決は求刑について「事件の特殊性や全体としての悪質さを適切に評価していない。市民感覚に照らして不当に軽い」と批判。若杉弁護士は法曹三者(裁判官と検察官、弁護士)の量刑相場に対する「裁判員からの痛烈なメッセージ」と感じた。
裁判員制度の開始前、裁判官は類似事件の判決や求刑など詳細なデータを基にした、裁判所内部の検索システムを参考に量刑を決めていた。これにより、判決のばらつきは少なかった。
 裁判員裁判でもシステムを参考にするが、市民感覚が反映されて量刑に幅が出るようになった。性犯罪や幼児虐待事件では求刑を上回る判決が増加。一方、介護疲れによる殺人事件などでは執行猶予に保護観察を付ける判決も増えた。
 ただ、市民が考え抜いた一審判決が高裁で覆されるケースも増えている。宮崎の女性殺害・死体損壊事件の控訴審判決は、一審判決を「量刑判断を誤った」として破棄し懲役25年に減刑。最高裁で確定した。
 控訴審の結論は被告に有利に傾くとは限らない。知人女性への殺人罪などに問われた男について、福岡高裁は昨年9月、傷害致死罪を適用し懲役10年(求刑無期懲役)とした裁判員裁判判決を破棄。殺人罪を認定して懲役22年とした。
 裁判員判決に対する高裁の破棄率は10年は4・6%、18年は11・8%だった。
 「納得できない。市民の声を反映させるという制度の意義を感じなかった」。福岡県豊前市で女児=当時(10)=が殺害された事件の裁判員裁判。福岡地裁で16年に裁判員を担った女性(31)は判決後、裁判長にこう訴えた。
 自身にも幼い娘がいた。審理を重ねるたびに胸が締め付けられ、同じような被害者を出したくないという思いが募った。
 評議の場で、裁判官は類似事件の量刑傾向を提示。「求刑超えの判決は高裁で覆ることが多い」とも話したという。その後、全員が目を閉じた。裁判官が読み上げる量刑に、それぞれが手を挙げた。死刑求刑に対し、結論は無期懲役だった(最高裁で確定)。
 「過去の傾向に基づいた判断を、と迫られているようだった」。女性は市民感覚が生かされたとは、今も思えない。
  検察統計によると、裁判員制度が始まった09年以降、殺人罪(未遂を含む)の起訴率は4割減った。裁判員は直接証拠を重視する傾向にあり、検察側が殺意を認める供述がない事件の起訴に慎重になっていることが一因とみられる。手堅く起訴すれば、上がるはずの有罪率もわずかに下がった。刑事司法に詳しい弁護士は「疑わしきは被告人の利益にという刑事裁判の原則が、市民参加で一定程度実現されてきた」と指摘する。 
 統計では、殺人罪(同)の起訴率(検察官が起訴か不起訴かを決めた人のうち起訴した人の割合)は制度開始前の06年は56・8%。制度が始まった09年は48・4%、17年は28・2%に減った。これには、殺人容疑で送検され、傷害致死罪で起訴するなど罪名が起訴時に軽くなる「罪名落ち」は含まれない。
 成城大の指宿信教授(刑事訴訟法)は「裁判員は直接証明できる証拠を重視し、推論に対しては慎重な傾向にある。制度開始以降、起訴猶予になるケースが増えている」と分析する。
 千葉県で16年に男女3人が包丁で襲われた通り魔事件で、千葉地検は殺人未遂容疑で逮捕された女を「殺意を認める証拠がない」として傷害罪で起訴した。
 事件を担当した日弁連刑事弁護センター副委員長の菅野亮弁護士は「裁判員前なら殺人未遂罪で起訴された事件だった」と話す。裁判員事件を約50件担当し、うち2割は、不起訴処分や罪名落ちだったという。
 裁判員制度が始まり、検察側は慎重になっているのか。法務省刑事局長は15年の衆院法務委員会で「(起訴率の)低下傾向は裁判員制度前から始まり、制度と連動しているとは言いがたい」と述べた。
 99・9%と言われる有罪率は、裁判員裁判でわずかに下がった。最高裁の司法統計では、09~17年の一審の平均有罪率は99・8%で、裁判員裁判に限れば99・2%だった。16年(98・8%)と17年(97・8%)は99%を割った。
 菅野弁護士は「裁判員は裁くことに慣れておらず、真剣に証拠と向き合い、市民目線で判断していることの表れだ」と評価する。
 九州大法科大学院の田淵浩二教授(刑事訴訟法)は「証拠を絞り込み、公判での証言や被告人の供述に重きを置く『公判中心主義』が進んだ。長時間の取り調べなど強引な証拠固めが減り、冤罪(えんざい)を生まない司法制度改革が進んできたと言える」と話した。 
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連載「裁判員制度10年」
この記事は西日本新聞とYahoo!ニュースの連携企画による連載記事です。国民が裁判員として司法に参加する「裁判員制度」開始から10年、司法と国民との距離は近づいたのかを振り返ります。



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