弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

業務の中から・・報道を見て・・話題を取り上げます。

虚偽DV  支援悪用

2018-05-08 | 家事
虚偽DV見逃しは違法 妻と愛知県に異例の賠償命令 名古屋地裁 支援悪用、父子関係絶つ



まさしく 関連する事案を扱っていますが

何より 子どもの心身への影響が重大だと思っています。

国賠の認定理由、根拠が知りたいですね。

虚偽DVが社会問題化していることの指摘は重要だと思います。


産経新聞の記事から引用です。

※引用


虚偽DV見逃しは違法 妻と愛知県に異例の賠償命令 名古屋地裁 支援悪用、父子関係絶つ


 子供を連れて別居中の妻が捏造(ねつぞう)した家庭内暴力(DV)の話を警察官がうのみにした結果、不当にDV加害者と認定され、子供と会えなくなったとして、愛知県に住む40代の夫が、40代の妻と県に慰謝料など計330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(福田千恵子裁判長、小林健留裁判官代読)が夫側の主張を認め、妻と県に計55万円の賠償を命じていたことが7日、分かった。判決は4月25日付。社会問題化している“虚偽DV”をめぐり、相手親と行政側の賠償責任を認定した判決は極めて異例とみられる。

 福田裁判長は「DV被害者の支援制度が、相手親と子供の関係を絶つための手段として悪用される事例が問題化している。弊害の多い現行制度は改善されるべきだ」と言及。この訴訟は個別事例ではないと指摘し、制度見直しを求めた。

 判決によると、夫妻は平成18年に結婚。翌年に子供が生まれたが、24年に妻が子供を連れて別居した。夫の申し立てを受けた名古屋家裁半田支部は26年、妻に夫と子供を定期的に交流(面会・手紙のやり取りなど)させるよう命じた。

 しかし28年、妻は愛知県警を訪れ、DV防止法に基づき夫に住所などを知られないようにする支援を申請。対応した警察官は「妻はDV被害者で、今後もDVを受ける危険がある。支援の要件を満たしている」との意見書を作成した。

 意見書に基づき自治体が支援を開始した結果、夫は妻の住所が記載された住民基本台帳の閲覧などができなくなり、子供との交流が絶たれた。

 夫は「妻のDV主張は虚偽なのに警察は調査せず事実だと認定した。名誉を毀損(きそん)された上、子供と会えなくなった」として妻と県を提訴。妻側は「過去のDVや今後もDVの危険があることは事実だ」、県側も「県警の認定に問題はなかった」と反論していた。

 福田裁判長は「妻側の主張するDVは診断書などがなく、誇張された可能性がある。妻は子供と夫の交流を絶つ意図で支援を申請したと認められ、制度の目的外使用だ」と認定した。

 県警の対応についても「虚偽DVが社会問題化している以上、制度の目的外使用の可能性も念頭に、妻の説明の不審点や疑問点を確認する義務があった」と指摘。「現在もDVの危険があるかどうかは客観的な時系列や事実関係から判断できる。しかし今回、県警は事実確認を一切行わなかった」と過失を認定した。

 ■DV防止法による支援

 被害者から支援申請を受けた警察や婦人相談所などの相談機関は、支援要件(過去のDV歴・緊急性の高さ・今後のDVの恐れなど)を満たすかどうかを判断し、意見書を作成する。意見書を基に、自治体はシェルター(避難所)の提供や、加害者による住民基本台帳の閲覧申請の却下などを行う。ただ、意見書作成の実務では被害者の主張が重視される一方、加害者とされる側の権利保護が考慮されないことが多いとされ、「虚偽DV」「冤罪(えんざい)DV」の温床となっているとの指摘が出ている。

国賠  成年後見関連

2018-01-11 | 家事


成年後見の監督機能に関連した国賠訴訟です。

事案としては、相当の理由があるんでしょうが、今後の基本計画の実施に当たっては

より裁判所の関与が少なくなる方向になるのではないかと思います。


京都新聞の記事からです。

引用

成年後見人巡り国に賠償命令 家裁が監督怠り財産損害

 京都家裁の家事審判官や調査官らが成年後見人への監督を怠ったため財産に不当な支出が生じたとして、被後見人の兄の宇治市の男性が国に4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、京都地裁であった。久保田浩史裁判長は「成年後見人の監督の目的や範囲を著しく逸脱した」として家事審判官の責任を認め、国に約1380万円の支払いを命じた。
 判決によると、被後見人の女性に精神遅滞などがあったため、家裁は1989年から女性が亡くなるまでの約20年間、継母を後見人に選任してきた。99年に女性の資産の一部約1千万円が使途不明になったが、継母が補填(ほてん)したことから後見人を継続。家裁はその後、「後見事務遂行はおおむね良好」などと判断し、02年以降は継母を監督しなかった。
 久保田裁判長は、99年の使途不明金や、女性の財産から不適切な支出があったことから、「(良好な状況が)監督がなくとも長期間継続すると信じる根拠には乏しい」と指摘。遅くとも5年が経過した07年には状況を把握すべき職務上の義務を履行すべきだったとした。その上で、損害額は、同年以降の使途不明の出金約2400万円から必要経費などを除いた1260万円とした。

相続税節税目的の養子縁組の有効性

2017-01-31 | 家事


相続税の節税のために養子縁組をすることは,このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず,相続税の節税の動機と縁組をする意思とは,併存し得るものである。
したがって,専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。

※引用

平成28年(受)第1255号 養子縁組無効確認請求事件
平成29年1月31日 第三小法廷判決

主 文
原判決を破棄する。
被上告人らの控訴を棄却する。
控訴費用及び上告費用は被上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人野原薫の上告受理申立て理由第4について
1 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 被上告人X1は亡Aの長女であり,被上告人X2はAの二女である。
上告人は,平成23年▲月,Aの長男であるBとその妻であるCとの間の長男として出生した。
Aは,平成24年3月に妻と死別した。
(2) Aは,平成24年4月,B,C及び上告人と共にAの自宅を訪れた税理士等から,上告人をAの養子とした場合に遺産に係る基礎控除額が増えることなどによる相続税の節税効果がある旨の説明を受けた。その後,養子となる上告人の親権者としてB及びCが,養親となる者としてAが,証人としてAの弟夫婦が,それぞれ署名押印して,養子縁組届に係る届書が作成され,平成24年▲月▲日,世田谷区長に提出された。
2 本件は,被上告人らが,上告人に対して,本件養子縁組は縁組をする意思を欠くものであると主張して,その無効確認を求める事案である。
3 原審は,本件養子縁組は専ら相続税の節税のためにされたものであるとした上で,かかる場合は民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとして,被上告人らの請求を認容した。
4 しかしながら,民法802条1号の解釈に関する原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
養子縁組は,嫡出親子関係を創設するものであり,養子は養親の相続人となるところ,養子縁組をすることによる相続税の節税効果は,相続人の数が増加することに伴い,遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなどの相続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁組をすることは,このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず,相続税の節税の動機と縁組をする意思とは,併存し得るものである。したがって,専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。
そして,前記事実関係の下においては,本件養子縁組について,縁組をする意思がないことをうかがわせる事情はなく,「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。
5 以上によれば,被上告人らの請求を認容した原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,被上告人らの請求は理由がなく,これを棄却した第1審判決は正当であるから,被上告人らの控訴を棄却すべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 木内道祥 裁判官 岡部喜代子 裁判官 大谷剛彦 裁判官大橋正春 裁判官 山崎敏充)

再婚禁止期間

2016-02-22 | 家事
6か月以内再婚202件…最高裁判決後1か月半


再婚禁止期間改正についてのニーズ(立法事実)ってことになるのでしょうか?

読売新聞の記事からです。

※引用6か月以内再婚202件…最高裁判決後1か月半

 女性の再婚禁止期間を6か月とする民法の規定を違憲と判断した昨年12月16日の最高裁判決を受け、新たに再婚が認められることになった離婚後6か月以内の女性の婚姻届の受理が、判決後の1か月半で計202件に上ったことが法務省のまとめで分かった。

 婚姻届の受理件数は昨年12月16〜31日が80件、今年1月が122件。1年間で1600件程度に達するペースだという。都道府県別では東京27件、千葉17件、神奈川15件、埼玉と愛知で各14件などとなった。

 最高裁は、再婚禁止期間のうち100日を超える部分については「過剰な制約」に当たるとして憲法違反とした。判決を受け、法務省は民法改正に着手したが、法改正前でも、離婚後100日を超える女性が婚姻届を提出した場合は受理するよう全国の自治体に通知した。民法改正案では、再婚禁止期間を100日に短縮するとともに、離婚時に妊娠していない女性らを再婚禁止の例外とする方針だ。政府は今国会での成立を目指している。

即 再婚 ???

2016-02-19 | 家事
離婚女性、非妊娠なら即再婚容認…民法改正案

読売新聞からの記事です。


昔から言われる   判断力の欠如、 忍耐力の欠如、 記憶力の欠如   は問題にならないのかなあ。

即 再婚って 不貞の推定は働かないか???

離婚女性、非妊娠なら即再婚容認…民法改正案

 法務省は18日の自民党法務部会で、現在は6か月(180日)とされている女性の再婚禁止期間を100日間に改めるとともに、離婚時に妊娠していなければ直ちに再婚を認める民法改正案の概要を明らかにした。

 再婚禁止の期間は、離婚した女性が産む子どもの父親が誰かを明確にするため1898年(明治31年)に規定されたが、医学の進歩などを考慮して大幅に見直すことになった。

 法務省は、今国会での民法改正を目指し、3月に国会に法案を提出する予定だ。最高裁は昨年12月、女性の再婚禁止期間を定めた民法733条1項について、再婚までの期間が100日あれば〈1〉離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子〈2〉婚姻後200日後の子は現夫の子――という嫡出推定が重ならないことから、100日を超える期間は「過剰な制約」であるとして、違憲と判断した。改正案は判決に沿い、禁止期間を100日と明記する。

合憲判決  要約

2015-12-22 | 家事
先日の夫婦別姓制に関する合憲判決から


多数意見の結論部分

本件規定の採用した夫婦同氏制が,夫婦が別の氏を称することを認めないものであるとしても,上記のような状況の下で直ちに個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠く制度であるとは認めることはできない。したがって,本件規定は,憲法24条に違反するものではない。

なお,論旨には,夫婦同氏制を規制と捉えた上,これよりも規制の程度の小さい氏に係る制度(例えば,夫婦別氏を希望する者にこれを可能とするいわゆる選択的夫婦別氏制)を採る余地がある点についての指摘をする部分があるところ,上記(1)の判断は,そのような制度に合理性がないと断ずるものではない。上記のとおり,夫婦同氏制の採用については,嫡出子の仕組みなどの婚姻制度や氏の在り方に対する社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく,この点の状況に関する判断を含め,この種の制度の在り方は,国会で論ぜられ,判断されるべき事柄にほかならないというべきである。

寺田裁判官補足意見

諸条件につきよほど客観的に明らかといえる状況にある場合にはともかく,そうはいえない状況下においては,選択肢が設けられていないことの不合理を裁判の枠内で見いだすことは困難であり,むしろ,これを国民的議論,すなわち民主主義的なプロセスに委ねることによって合理的な仕組みの在り方を幅広く検討して決めるようにすることこそ,事の性格にふさわしい解決であるように思える。選択肢のありようが特定の少数者の習俗に係るというような,民主主義的プロセスによる公正な検討への期待を妨げるというべき事情も,ここでは見いだすに至らない。離婚における婚氏続称の仕組み(民法767条2項)を例に挙げて身分関係の変動に伴って氏を変えない選択肢が現行法に設けられているとの指摘もみられるが,離婚後の氏の合理的な在り方について国会で議論が行われ,その結果,新たに選択肢を加えるこの仕組みが法改正によって設けられたという,その実現までの経緯を見落してはなるまい。


岡部裁判官らの意見

そして,氏を改めることにより生ずる上記のような個人識別機能への支障,自己喪失感などの負担が大きくなってきているため,現在では,夫婦となろうとする者のいずれかがこれらの不利益を受けることを避けるためにあえて法律上の婚姻をしないという選択をする者を生んでいる。本件規定は,婚姻の効力の一つとして夫婦が夫又は妻の氏を称することを定めたものである。しかし,婚姻は,戸籍法の定めるところにより,これを届け出ることによってその効力を生ずるとされ(民法739条1項),夫婦が称する氏は婚姻届の必要的記載事項である(戸籍法74条1号)。したがって,現時点においては,夫婦が称する氏を選択しなければならないことは,婚姻成立に不合理な要件を課したものとして婚姻の自由を制約するものである。

多数意見は,氏が家族という社会の自然かつ基礎的な集団単位の呼称であることにその合理性の根拠を求め,氏が家族を構成する一員であることを公示し識別する機能,またそれを実感することの意義等を強調する。私もそのこと自体に異を唱えるわけではない。しかし,それは全く例外を許さないことの根拠になるものではない。離婚や再婚の増加,非婚化,晩婚化,高齢化などにより家族形態も多様化している現在において,氏が果たす家族の呼称という意義や機能をそれほどまでに重視することはできない。世の中の家族は多数意見の指摘するような夫婦とその間の嫡出子のみを構成員としている場合ばかりではない。民法が夫婦と嫡出子を原則的な家族形態と考えていることまでは了解するとしても,そのような家族以外の形態の家族の出現を法が否定しているわけではない。既に家族と氏の結び付きには例外が存在するのである。また,多数意見は,氏を改めることによって生ずる上記の不利益は婚姻前の氏の通称使用が広まることによって一定程度は緩和され得るとする。しかし,通称は便宜的なもので,使用の許否,許される範囲等が定まっている
わけではなく,現在のところ公的な文書には使用できない場合があるという欠陥がある上,通称名と戸籍名との同一性という新たな問題を惹起することになる。そも
そも通称使用は婚姻によって変動した氏では当該個人の同一性の識別に支障があることを示す証左なのである。既に婚姻をためらう事態が生じている現在において,
上記の不利益が一定程度緩和されているからといって夫婦が別の氏を称することを全く認めないことに合理性が認められるものではない。
 以上のとおりであるから,本件規定は,昭和22年の民法改正後,社会の変化とともにその合理性は徐々に揺らぎ,少なくとも現時点においては,夫婦が別の
氏を称することを認めないものである点において,個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠き,国会の立法裁量の範囲を超える状態に至ってお
り,憲法24条に違反するものといわざるを得ない。

木内裁判官の意見

 ここで重要なのは,問題となる合理性とは,夫婦が同氏であることの合理性ではなく,夫婦同氏に例外を許さないことの合理性であり,立法裁量の合理性という場合,単に,夫婦同氏となることに合理性があるということだけでは足りず,夫婦同氏に例外を許さないことに合理性があるといえなければならないことである。
 
 多数意見は,個人が同一の氏を称することにより家族という一つの集団を構成する一員であることを実感する意義をもって合理性の一つの根拠とするが,この点について,私は,異なる意見を持つ。家族の中での一員であることの実感,夫婦親子であることの実感は,同氏であることによって生まれているのだろうか,実感のために同氏が必要だろうかと改めて考える必要がある。少なくとも,同氏でないと夫婦親子であることの実感が生まれないとはいえない。先に,人の社会的認識における呼称は,通例,職業ないし所属と氏,あるいは,居住地と氏としてなされることを述べたが,夫婦親子の間の個別認識は,氏よりも名によってなされる。通常,夫婦親子の間で相手を氏で呼ぶことはない。それは,
夫婦親子が同氏だからではなく,ファーストネームで呼ぶのが夫婦親子の関係であるからであり,別氏夫婦が生まれても同様と思われる。対外的な公示・識別とは,二人が同氏であることにより夫婦であることを社会的に示すこと,夫婦間に未成熟子が生まれた場合,夫婦と未成熟子が同氏であることにより,夫婦親子であることを社会的に示すことである。このような同氏の機能は存在するし,それは不合理というべきものではない。しかし,同氏であることは夫婦の証明にはならないし親子の証明にもならない。夫婦であること,親子であることを示すといっても,第三者がそうではないか,そうかもしれないと受け止める程度にすぎない。夫婦同氏(ひいては夫婦親子の同氏)が,第三者に夫婦親子ではないかとの印象を与える,夫婦親子との実感に資する可能性があるとはいえる。これが夫婦同氏の持つ利益である。
しかし,問題は,夫婦同氏であることの合理性ではなく,夫婦同氏に例外を許さないことの合理性なのである。
夫婦同氏の持つ利益がこのようなものにとどまり,他方,同氏でない婚姻をした夫婦は破綻しやすくなる,あるいは,夫婦間の子の生育がうまくいかなくなるという根拠はないのであるから,夫婦同氏の効用という点からは,同氏に例外を許さないことに合理性があるということはできない。

山浦裁判官の反対意見

以上を総合すれば,少なくとも,法制審議会が法務大臣に「民法の一部を改正する法律案要綱」を答申した平成8年以降相当期間を経過した時点においては,本件規定が憲法の規定に違反することが国会にとっても明白になっていたといえる。また,平成8年には既に改正案が示されていたにもかかわらず,現在に至るまで,選択的夫婦別氏制等を採用するなどの改廃の措置はとられていない。
したがって,本件立法不作為は,現時点においては,憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反することが明白であるにもかかわらず国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものである。そして,本件立法不作為については,過失の存在も否定することはできない。このような本件立法不作為の結果,上告人らは,精神的苦痛を被ったものというべきであるから,本件においては,上記の違法な本件立法不作為を理由とする国家賠償請求を認容すべきであると考える。

実にいろいろな考え方がある。そういうことを学ぶには良い題材と思う。

合憲判決

2015-12-16 | 家事
毎日新聞の記事からです。

※引用

<夫婦別姓>認めない規定は合憲 最高裁初判断

 夫婦別姓を認めない民法の規定が違憲かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は16日、夫婦別姓を認めない規定は「合憲」とする初判断を示し、原告側の上告を棄却した。

 訴訟を起こしたのは東京都内に住む事実婚の夫婦ら5人。「結婚に当たって多くの女性は改姓を強いられている」などと主張し、法改正を怠ったことを理由に計600万円の支払いを国に求めていた。1、2審で敗訴し、上告していた。


まだ、最高裁のHPにも出てませんね。

違憲判決

2015-12-16 | 家事
「再婚禁止期間」は憲法違反 最高裁大法廷


産経新聞の記事からです。

※ 引用

「再婚禁止期間」は憲法違反 最高裁大法廷

 「女性は離婚後6カ月間、再婚できない」とする民法規定についての違憲性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(寺田逸郎裁判長)は16日、規定は違憲とする初判断を示した。最高裁が法律を違憲と判断したのは戦後10件目。その上で、原告の請求は棄却した。

 大法廷は100日間を超える部分について、違憲だと判断した。

 岡山県内に住む30代女性が平成23年、「再婚禁止期間があるため再婚が遅れ精神的苦痛を受けた」として国に165万円を求めて提訴。1、2審は敗訴した。女性は前夫の家庭内暴力(DV)が原因で20年に離婚。当時、現夫との間の子供を妊娠していたが、離婚後6カ月間、再婚を待たざるを得なかった。

 民法には別に、「離婚後300日以内に生まれた子供の父は前夫」「婚姻後200日後に生まれた子供の父は現夫」とする嫡出推定規定がある。離婚後すぐに再婚を認めると、推定期間が重なるため、女性のみに再婚禁止が課せられた経緯がある。ただ、再婚禁止の原告側は離婚から100日を経ての再婚ならこの「重複」が避けられるため、「推定期間との均衡を考えるなら100日で十分」と訴えてきた。

 平成8年の法制審議会も「100日短縮」を答申したが、保守系国会議員の反対などで実現しなかった。

 再婚禁止期間をめぐってはDNA型鑑定など科学技術の進歩により、完全撤廃を求める声がある一方、法整備が行き届いていないこともあり、「鑑定の利用を最小限に抑制するべきで、撤廃は難しい」との意見もある。


100日間を超える部分について