弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

業務の中から・・報道を見て・・話題を取り上げます。

高齢福祉事業者の倒産、19年は過去最多に

2020-01-27 | 障害者関連
★ 高齢者福祉の分野は介護保険が支えていますが、それだけに新規参入とかノウハウといった文言が目につきます。障碍者福祉の分野は介護保険とは一応切り離されていますが、今後は利用者の高齢化の問題が出てきます。早めに対応できるところは対応しておく必要がありそうです。

朝日新聞の記事からの引用です。

※引用

高齢者福祉施設の運営事業者の倒産

 老人ホームや介護施設を運営する高齢福祉事業者の2019年の倒産が、前年より13件多い96件と過去最多だった。利用者が増える一方で、競争も激しくなっている。ホームヘルパーなど介護人材の人手不足も、経営の重荷となっている。
 民間の調査会社・帝国データバンクによると、都道府県別では大阪が19件と最も多く、神奈川10件、東京8件、北海道・兵庫各7件、福岡6件と続く。負債総額も17年の約129億円を上回り、過去最高の約161億円。昨年1月に民事再生法を申請した、介護付き老人ホームの運営会社「未来設計」(東京都)の負債額が約54億円と多額で全体を押し上げた。業態別では訪問介護が過半の51件を占め、通所介護24件、老人ホーム10件、高齢者向け住宅6件と続いた。
 激しい競争を背景に、倒産は11年の14件以降増える傾向だ。介護保険法が00年に施行され、異業種からの参入が相次いだ。厚生労働省によると、訪問介護と通所介護の施設・事業所数は01年に約2万1千だったが、07年に約4万2千、17年に約7万9千まで増えた。異業種から参入した運営者は「ノウハウなどが不十分なまま、介護サービス事業に活路を見いだそうとする業績不振の企業も多かった」(帝国データバンクの阿部成伸氏)という。


当然 民間も・・・

2018-11-14 | 障害者関連
水増し、総務と経産も処分せず 障害者雇用、法務と国税も


民間も 続こう!

モラルハザード につながらないか。

※ 引用

水増し、総務と経産も処分せず 障害者雇用、法務と国税も

 中央省庁の障害者雇用水増し問題で、職員の処分を見送る考えを示した厚生労働省に続き、総務省と経済産業省、法務省、国税庁も職員を処分しない方針であることが13日、分かった。各省庁の担当者が取材に対し明らかにした。国税庁は国の行政機関のうち、不適切計上が最も多かったが「意図的な数字操作ではなく、事務上のミスのため」としている。

 ほかの主な府省庁も軒並み、処分には消極的な姿勢を示した。雇用数の不適切計上は、国の33機関のうち8割を超える28機関で昨年度だけでも3700人に上り、恣意的な運用が長年続いていたが、責任は一切不問のまま幕引きされそうだ。

道義的な責任はある

2018-11-13 | 障害者関連
厚労省、障害者水増し処分せず 「違法行為ない」


違法な行為はなかった

違法な行為があったかなかったかの問題にしている限り、また起こるでしょうね。
共生社会といいつつ、配慮しなくても法的な責任は問われません。と言っているのですから。
いったい、認めている「道義的な責任」ってどういう内容を指しているのでしょうか。

共同通信の記事からです。

※引用

厚労省、障害者水増し処分せず 「違法行為ない」


 中央省庁の障害者雇用水増し問題を巡り、厚生労働省は12日、同省職員の処分を見送る方針を固めた。制度を担当する官庁として他省庁に対する実態把握が行き届いていなかったことや、厚労省自体の不適切計上いずれの面でも、同省は「道義的な責任はあるが、処分に値する違法な行為はなかった」としている。

 厚労省以外で不適切計上があった27の行政機関で、12日までに関係者の処分を公表している機関はなく、今後、厚労省に追随して処分しない可能性もある。長年にわたりずさんな運用が行われたことへの責任が一切不問にされれば、野党や障害者団体からの批判は必至だ。

障害者雇用 偽装 裁判所

2018-09-12 | 障害者関連


障害者雇用と裁判所

障害者雇用の問題について裁判所では
元裁判所事務官の方が障害者としての申請を上司に持ちかけられたと証言しています。
事実であれば(事実だと思いますが)裁判所が偽装しようとしたってことですね。

弱視の方に障害者として申請してほしい
「名前を貸してほしい」と上司が持ちかけこの方は断りました。

弱視とかを含め身体的な特徴は人事課が個人情報として管理しているものを利用して偽装協力を持ちかけているわけです。
人事課を含めた組織の上層部は絶対に知っていますね。
知っているというか、上層部の指示に違いありません。

障害者雇用水増しの実体調査とか言っていますが
改めて定められた水準まで障害者を雇用して
雇用した人は障害者ではないので解雇するって無理じゃないかと思っていました。

考えてみると新規採用をしない(予算を消化しない)ために
すでに雇用している弱視等の職員に障害者として名前を出してもらい
障害者雇用の基準を外形的に満たしただけなのだと思います。
つまり、障害者の新規雇用はしていないというのが実態なのだと思います。

民間の担当者は怒りますよね。

それ以上に、障害者を馬鹿にしている意識が透けて見えて不快です。

どんな時も謝らない裁判所ですが、恥の意識はないのでしょうか。


※ TBSの報道

障害者雇用水増しの手口、「名前を貸してほしい」と


 行政機関で相次いで発覚した障害者雇用の水増し問題。その水増しに協力するよう依頼されたという男性がJNNの取材に応じました。「名前を貸すだけでいい」。上司からそう頼まれたという男性。舞台となったのは裁判所でした。


障害者雇用 厚労省調査結果

2018-08-28 | 障害者関連



3460/6900  ≒  0.501

水増しを見過ごしてきた

各社の報道が弱いなあ。

それはブーメランするからだろうか。

※引用

<障害者水増し>省庁の8割…実際の雇用率半減 厚労省調査

 中央省庁による障害者雇用の水増し問題で、厚生労働省は28日、国の33の行政機関のうち、障害者手帳などの証明書類を確認していない職員を雇用率に算入していたのは、昨年6月時点で27機関の計3460人に上るとの調査結果を公表した。雇用していたとする障害者約6900人のうち、不適切な算入は半数に上り、この結果、平均雇用率は2.49%から1.19%に下がった。

 厚労省のこれまでのまとめでは、個人情報保護委員会を除く32の行政機関で当時の法定雇用率(2.3%)を満たしていたことになっていたが、実際に達成していたのは金融庁や警察庁など6機関だけだった。国税庁は1000人超が不適切で、水増し分を除くと実際の雇用率は2.47%から0.67%に低下。法務省は2.44%から0.80%に、国土交通省は2.38%から0.70%に下がるなど、17機関が新たに0%台になった。

 厚労省のガイドラインによると、雇用率に算入できるのは障害者手帳を持っている人か、医師の診断書で障害が認められた人に限られる。しかし、国土交通省や総務省などで、手帳交付に至らない障害の程度の軽い職員も合算することが常態化してきた。「制度に対する認識不足があった」(気象庁関係者)ことが要因の一つとされている。

 一方で、これだけ多くの行政機関で不適切な算入が横行してきたことについて、厚労省による制度の周知が不十分だったとの声も同じ国の機関から出てきている。また、障害者の算入をガイドラインに従って実施しているかどうかについて、企業には独立行政法人が3年に1度調査する制度があるが、国の行政機関にはないことも、水増しを見過ごしてきた背景にあるとの指摘もある。

こんな言い訳して 民間で許されるか?

2018-08-22 | 障害者関連
障害者雇用水増し 実態速やかに公表する方針 厚労省


障害者雇用政策 なんて 本気でやるつもりなかったんです。

精査中って 2ヶ月経過して まとめられないってことですか?

※引用

障害者雇用水増し 実態速やかに公表する方針 厚労省


複数の中央省庁が雇用する障害者の数を水増ししていたとされる問題で、各省庁は、野党側のヒアリングに対し、「精査中だ」としていて、厚生労働省は、調査結果がまとまり次第、水増しの規模や実態を速やかに公表する方針を示しました。

障害者の雇用を進めるため、企業や行政機関には、一定の割合以上の障害者を雇うことが法律で義務づけられていますが、複数の中央省庁で雇用する障害者の数を水増ししていた疑いのあることがわかり、厚生労働省が調査を進めています。

これについて、野党側は、合同のヒアリングを国会内で開き、13の府省庁の担当者に対し、水増しの有無も含めた実態について、ただしました。これに対し、農林水産省と国土交通省は、厚生労働省から調査依頼があったのが国会開会中のことし6月20日だったことを明らかにしたものの、水増しの有無については、すべての府省庁が、「精査中だ」としました。

一方、厚生労働省の担当者は、調査結果がまとまり次第、水増しの規模や実態を速やかに公表する考えを示しました。また、出席した障害者団体は、「国が、ルールをつくったのに守っていないのは問題だ。本来働ける障害者のチャンスが閉ざされた可能性がある」などと指摘し、政府に対し、障害者も含めた第三者による検証委員会を設けることなどを求めました。
【立民 枝野代表「全貌解明と再発防止を」】立憲民主党の枝野代表は党の常任幹事会で「『与党対野党』とか『安倍内閣対野党』という話ではなく、長期にわたって行政官庁が国民に正しい情報を開示してこなかったということだ。行政監視機能を担っている議会の役割として、行政に対し全貌解明と再発防止に向けた対応をしていかないといけない」と述べました。
【国民 玉木共同代表「障害者への裏切り」】国民民主党の玉木共同代表は記者会見で「まともな資料もなければ、きちんとした説明もなく、安倍政権の『隠蔽体質』が現れており、何よりも障害者と障害者雇用に対する大きな裏切り行為だ。速やかに厚生労働委員会や予算委員会での閉会中審査を求めたい」と述べました。

障害者雇用率 水増し 地方自治分野

2018-08-21 | 障害者関連
障害者の雇用率水増し、地方に広がり 山形・愛媛でも


共同通信の報道では、7県に拡大。

他の件も公表のタイミングをできるだけ目立たないように考えているでしょう。

民間企業ではないのかなあ。報道各社も自分のところにブーメランしないようにね。

総務大臣が 「 ショック 」 なんて言っていますが、総務省のOBとか地方自治の要職に就いていることが多いんだから何言ってんだか、ですね。


※ 引用

障害者の雇用率水増し、地方に広がり 山形・愛媛でも

 障害者雇用促進法で義務づけられている障害者の法定雇用率をめぐり、山形県と愛媛県は20日、対象外の職員を算入していたと発表した。国の複数の中央省庁で疑いが出ている雇用率の水増しが、地方自治体でも広がっている実態が明らかになった。また、新たに総務省が水増しを、国土交通省が水増しがあった可能性をそれぞれ認めた。

 国や地方自治体、企業は従業員の一定割合(法定雇用率)を障害者にする必要がある。制度を所管する厚生労働省はガイドラインで、算定対象を身体障害者手帳や知的障害者の療育手帳の交付を受けている人などとする。身体障害者は手帳がなくても認められる例外があるが、医師の診断書などが必要だ。

 山形県は身体障害者手帳を持たない69人について、医師の診断書を確認せずに自己申告に基づいて人事課職員が障害等級を判断。手帳を持っている53人に加えて雇用率を算出していた。国に報告した6月現在の雇用率は法定の2・5%を上回る2・57%だが、手帳所持者だけで計算し直すと1・27%に半減する。

 障害者雇用が義務化された1976年以降、こうした運用を続けてきたという。県は意図的な水増しは否定し、「ガイドラインの認識が不十分で漫然と続けてきた」と陳謝した。今後、69人が要件に該当するかなどを再調査する。

 愛媛県は、身体障害の診断書でなくても、長期休職の際の診断書をもとに、病気やけがの内容によっては障害者と認定できるとガイドラインを拡大解釈していた。少なくとも15年前から行われていたという。

 2018年の不適切な算定は148人で、算入した障害者の半数以上を占めていた。18年の実際の雇用率は知事部局(法定雇用率2・5%)で2・57%から1・30%に下がる。

障害者雇用が定着しない根本

2018-08-17 | 障害者関連
省庁、障害者雇用42年間水増し 実態半数で対象外算入、批判必至


42年間といえば1976年からということか。
 水増し つまり ズルをし続けていた人たち(官僚)が 国民、民間に 制度の定着 を 呼びかけ続けてきたわけだ。

この問題に限らず 官僚についての不祥事ばかりの昨今ですが
最終的に彼らはペナルティを負いません。民間だったら、懲戒はもちろん、信用失墜で倒産とかもあるような事例ばかり。
国賠法がありますが、彼らの高給の一定額を不祥事対策基金で積立させて、不祥事に関与したらその当事者の基金から支払わせる
当人が死亡した時点で死亡保険給付にして渡してやるようにすれば、不祥事に手を染める人も少なくなり
不祥事を解明した人間にプラスの恩典をつけてやれば、不祥事解明も進むのではないでしょうか。

あと、批判は必至だなって、共同通信は報じていますが
新聞業界だってきっとブーメランすると思います。


※ 引用

省庁、障害者雇用42年間水増し 実態半数で対象外算入、批判必至

 国土交通省や総務省などの中央省庁が義務付けられた障害者の雇用割合を42年間にわたり水増しし、定められた目標を大幅に下回っていたとして、政府が調査を始めたことが16日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。障害者手帳を持たない対象外の職員を算入する手法が使われ、国の雇用実態は公表している人数の半数を下回る可能性がある。1976年に身体障害者の雇用が義務化された当初から恒常的に行われていた。結果がまとまれば公表する方向。

 政府は各省庁の水増しを長年放置。省庁と同様に雇用を義務付けられた企業が目標を達成できなければ、納付金などを徴収しており、批判は必至だ。

色盲

2018-06-22 | 障害者関連
教諭の「色盲か」発言で賠償判決 北海道公立高、知らずに生徒に




来週 合理的配慮 の 研修講演をするというのに

共同通信の記事からです。

判決によると、教諭は2016年3月16日、パソコンの表計算ソフト「エクセル」を使った授業中、色の区別が必要な作業が遅れていた当時2年の生徒を指導しようと「字が読めないのか。おまえは色盲か」と発言。生徒の母親から翌日抗議を受け、謝罪した。

 北海道教育庁の土井寿彦(どい・としひこ)総務政策局長は取材に対し「判決の内容を十分に検討して対応したい」とコメントした。

と続くようです。


※引用

教諭の「色盲か」発言で賠償判決 北海道公立高、知らずに生徒に


 北海道の公立高校で、男性教諭が生徒の色覚障害を知らずに「おまえは色盲か」と発言したのは名誉毀損に当たるなどとして、生徒と両親が道に慰謝料100万円を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は21日、道に慰謝料30万円の支払いを命じた。

 高木勝己裁判長は判決理由で「色覚障害者が場面によっては文字の判読に困難を来すことを嘲笑するもので、これを色覚障害者に対して発言するのは名誉感情を侵害する違法な行為」と指摘。

 教諭は生徒の色覚障害を知らなかったとした上で「出現頻度は男子の約5%、女子の約0.2%で、教室内に色覚障害のある生徒がいる可能性は想定できた」とした。


虐待通報訴訟  和解

2018-06-07 | 障害者関連

内部通報は名誉棄損
裸の画像撮影は指導

損害賠償請求訴訟を提起した代理人の訴状の構成を見てみたいですね。

毎日新聞の記事からです。

※引用

<虐待通報訴訟>障害者施設が認め、元職員と和解

 虐待を告発したことで障害者施設から損害賠償請求されるなどして精神的苦痛を受けたとして、告発した元職員の40代女性が施設側に慰謝料など約570万円を求めた訴訟で、女性と施設側がさいたま地裁で和解した。施設側は、職員が利用者に不適切な行為をしたと認め、虐待予防や早期発見には通報が重要と確認するなどの内容。和解は5月29日付。

 訴状などによると、施設はさいたま市南区の障害者就労施設「キャップの貯金箱」(2016年12月閉鎖)。女性は15年3月、男の職員が知的障害がある男性利用者2人の裸の画像を撮影するなどの虐待があったと市に通報し、翌月に施設を退職。市は虐待を認定する一方、施設側は「テレビの取材に、女性が施設の名誉を毀損(きそん)する発言をした」として損害賠償請求した。

 女性は、賠償請求されてうつ病になったなどとして提訴。施設側は、裸の画像は利用者を指導するためなどと主張していた。

 女性の代理人は「施設側が不適切な行為があったと認め、通報が大事と改めて確認したことは意義がある」と話した。

就労継続支援A型事業所の解雇問題の後始末

2017-12-08 | 障害者関連
解雇の障害者に1千万円超の救済


記事中には異例の措置とありますが、もともと制度的に不備があり悪用しようとする事業者も予測されたのですから当たり前の救済策にも見えます。

※引用

解雇の障害者に1千万円超の救済

 福山、府中市で就労継続支援A型事業所を運営していた一般社団法人「しあわせの庭」(福山市曙町)が障害者112人を解雇した問題で、広島県と一部の関係自治体が、賃金などが未払いとなっている元利用者の救済策として、事業所に支給する予定だった給付金1千万円超を元利用者に直接分配する方向で調整していることが7日、関係者への取材で分かった。 元利用者の保護を最優先した異例の措置で、本来は事業所の運営費などとして国と自治体から支払われる給付金を使い、賃金未払いによる不利益をカバーする狙いとみられる。 関係者によると、しあわせの庭は行政の度重なる勧告や命令にもかかわらず、10月分と11月1〜16日の賃金のほか、即日解雇に伴う手当(1カ月分の平均賃金)を支払っていないため、事業所の利用日数に応じて元利用者に10月以降1カ月半分の給付金を支払うことを検討している。 給付金は、働きながら知識や技能を身に付けてもらう障害福祉サービスの対価として事業所へ利用者1人当たり1日5千円以上が支給される。事業所が自己負担金(原則1割)を除いた給付金を自治体から受け取る「代理受領」という仕組みになっているが、今回の措置では事業所に給付金を回さず利用者が直接受け取れるようにする。 元利用者が総額1千万円超を受け取れた場合でも、未払い賃金と即日解雇に伴う手当の合計額の半分程度になるとみられる。 関係自治体は大半の元利用者が居住する広島県内の福山、府中、尾道市。岡山県内の笠岡、井原市の各1人は対象とならず、両市は「別の手法で保護していきたい」と話している。 しあわせの庭は11月17日、利用者に同日付の解雇を通告した。その後の元利用者向け説明会で、10月以降の賃金、即日解雇に伴う手当の支払いは困難と伝えていた。 ◇ しあわせの庭の代理人弁護士は7日、広島地裁福山支部に同法人の自己破産の申立書を6日夜に送付したことを明らかにした。

就労継続支援A型事業所

2017-11-15 | 障害者関連

「A型の中には、事業で収益をだす努力をせず給付金頼みのところもあった。それが今春、国が給付金を利用者の給料に充てないよう規制を強めたため、収益がでていない事業所は利用者に給料を払えなくなったんです」


中日新聞の記事からです

※引用

<放り出された障害者 大量解雇の現場から>(1) 給付金の規制、引き金に


 名古屋市や岡山県倉敷市などで、一般企業への就労が難しい障害者が働く「就労継続支援A型事業所」が経営破綻し、働いていた障害者が一斉に解雇される事案が相次いでいる。取材からは、「うまみのあるビジネス」として参入し、経営努力を欠く事業者が一部にいたことがみえてきた。しかし、事業所の閉鎖で一番困ったのは破綻した事業者ではなく、行き場をなくした障害者だ。一連の問題は、どんな課題を浮かび上がらせたのか-。

 「A型が閉鎖され、大勢の障害者が解雇されそうだ」。初めてそう聞いたのは八月七日。名古屋市北区にある、そのA型「パドマ」に向かう。ただし、その時点では「A型って何?」というのが本当のところ。

 障害者向け作業所の組織「きょうされん」愛知支部事務局長の大野健志さん(46)とパドマの近くで待ち合わせた。大野さんに聞くと、A型とは障害者がパン作りなどの仕事をして給料をもらうところ。パドマは同区の民間企業「障がい者支援機構」の運営で、パドマの他、全国五カ所でA型を運営しているという。「六カ所で計百六十人の障害者が職を失う。早急に行き先をなんとかしないと」。大野さんは固く唇を結ぶ。

 後で調べたことも合わせると、A型は二〇〇六年の障害者自立支援法(現障害者総合支援法)でできた制度。事業者と雇用契約を結んだ障害者(利用者)は、事業者が他の企業などから受注した仕事をし、最低賃金(最賃)以上の給料を得る。給料は、一人月平均六万円ほどになるという。B型という事業所もあり、障害がより重い人が通う。雇用契約は結ばず、工賃は平均月一万五千円ほどという。

 A型には利用者一人当たり一日約五千円の給付金があることも、大野さんは教えてくれた。ここで疑問が湧いた。事業収益だけでなく国の支援もあるのに、なぜ会社が傾くのか。

 パドマの実態はまだよく分かっていなかったが、「A型の中には、事業で収益をだす努力をせず給付金頼みのところもあった。それが今春、国が給付金を利用者の給料に充てないよう規制を強めたため、収益がでていない事業所は利用者に給料を払えなくなったんです」と大野さんは言う。一人約五千円の給付金をもらい、時給を千円とした場合、勤務時間を四時間にすれば、千円が事業者の手元に残る。利用者が十人いれば一万円…。そういうごまかしができなくなったということか。

 現場に着いた。商店街の表通りを少し入ったところ。長屋のような建物だ。シャッターに「しばらく休みます」との張り紙がある。中では、ハローワーク名古屋中のスタッフが面談会を開いていた。鈴木斉(ひとし)次長は「県内ではかつてない規模の障害者の一斉解雇」と深刻な表情だ。

 翌日、再び訪問すると男性社長がいた。疲れた表情で「今は利用者の対応で忙しいので、後日お話しします」と話した。柔和な物腰で、悪質な事業者にはみえなかった。しかし、「後日」はなかった。約束した日時、社長は現れず、その後も連絡はついていない。

 愛知県や名古屋市が現在把握している範囲では、障がい者支援機構が愛知県内で運営していたパドマと清須市の「スーリヤ」のA型二カ所で行き先のめどがついているのは元利用者計六十九人のうち四十一人。残る二十八人は突然、職を失ったまま。六~八月の給料も未払いだ。

 パドマで利用者たちに仕事を教えていた元従業員女性(69)は言う。「社長は言い訳をするばかりで、国は仕組みを作って、お金を出しただけ。切り捨てられるのは障害者。今の状況がもどかしいし、悔しい」

 あのとき、もっと強くくぎをさしていたら…。女性は、数年前、満面に笑みを浮かべていた社長を思い出していた。

就労継続支援A型事業所  その2

2017-10-30 | 障害者関連


「参入時のチェックも参入後の監視もないまま企業の参入が進んでしまったのが現状。改善を急ぐ必要がある」

 
 まるで、司法改革における法科大学院の問題を見ているみたい。

 企業の参入ではないですが、新しい制度を作る際の失敗には学ばないのが日本人のようです。



中日新聞の記事からです。


※ 引用


障害者の大量解雇(下)
 


 障害ゆえに働く場所を得られない、あるいは、会社勤めをしていたがうつなどになって働けなくなった人たちの「受け皿」としての機能を託されたはずの「就労継続支援A型事業所(A型)」。だが、その制度の趣旨がゆがめられ、国の給付金を“うまみ”にした「もうけ主義」が一部ではびこっている-。取材を進めると、そんなおかしな実態が見えてきた。

◆「支援A型」を悪用

 経営が行き詰まった株式会社「障がい者支援機構」(名古屋市北区)が運営するA型「パドマ」など愛知県の事業所で約六十人、全国で計約百五十人の障害者が解雇された問題。厚生労働省の担当者は、同社以外でも「いろいろ報告は上がっている」と一部のゆがんだ現場の実態を認めた。

 「A型の中には、軽作業をして、ただいてもらうだけで、最低賃金を払っているところがある。本来はしっかりした仕事をしてもらって、利用者の能力を上げてもらうのが趣旨だが、給付金や特開金(特定求職者雇用開発助成金)を活用した変なビジネスモデルの事業所が出てきた」

 手厚い補助を悪用する業者がはびこっているというのだ。

 雇用する障害者一人に対し、事業者は一日約五千円、一カ月二十日勤務で計算すると年約百二十万円の「給付金」が国から支給される。それとは別に、重い障害のある就職困難者を雇用すると一人当たり、最長当初の三年間限定で最大年八十万円の「特開金」も入る。つまり、毎月七万~八万円の給与を支払っても、「給付金」と「特開金」を合わせると、年百万円程度が事業者の手元に残ることになる。それを当て込み、まともな事業をしない業者があるようだ。

 A型の制度がスタートした五年後の二〇一一年に、その一端がすでに表面化していた。この「差額」に目を付けた愛知県の会社がA型の事業者に対し「仕事がなくても、勤務時間が短ければ、給付金から障害者の時給を払っても、手元に残る」などと説明し、運営のノウハウを教えるコンサル料として最高で一千万円超の加盟料や月数十万円の事務代行手数料を請求するビジネスを展開していた。

 「給料が入っていません」

 「パドマ」の事務職員は七月末、出勤してきた従業員たちの訴えに耳を疑った。一三年に開設されて四年。ほどなく、経営者の男性から届いたメールに、今度は目を疑った。「万策尽きた」

 八月一日、市の指示で開いた従業員への説明会で男性社長は「給付金で利用者の給料を払うなという行政の指導だったが、ほとんど給付金で払っていた」と告白。事業資金が底をつき「融資を銀行に頼んだが、二つの銀行に『融資は不可能』と言われた」と説明し、その後は連絡がつかなくなった。

 関係者によると、男性社長は以前、障害者の就業や生活を支援する事業所で働いていたが、A型の運営に自ら乗りだし、愛知、埼玉、千葉各県、大阪府の計六カ所での展開へと拡大。昨年末ごろから給料を遅配するようになっていた。

 パドマでの業務内容は「物品の仕分け、シール貼り、印字消し、靴下や帽子を箱に入れるなど内職的な軽作業」「とても最低賃金は出ない。一カ月作業をしても二万~三万円程度では」(従業員)。収益を上げられる業務探しに労力をかけないまま、給付金と特開金を元手に安易に事業を拡大し、行き詰まったとみられる。

 〇六年の障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)施行に伴ってできたA型の制度では、それまで社会福祉法人などに限定されていた事業者を、民間企業にも認めた。それは、民間企業の能力を活用して「障害者の雇用で利益を生む」という難題をクリアする狙いもあったはず。だが、福祉の理念を欠いた“悪徳業者”や“素人経営者”の参入を招いてしまったのが実情だ。

 厚労省によると、一三年(四月)に全国で約千六百カ所だったA型の事業所は、一七年(同)に約三千六百カ所で倍増以上の勢い。その半数が営利法人だ。「最低賃金を出せないA型でも、頑張っているところもある」(同省)という中で、事業者をどう選別するのか。

◆野放し参入、改善を

 障害者の雇用問題に詳しい松井亮輔法政大名誉教授(78)は「参入時のチェックも参入後の監視もないまま企業の参入が進んでしまったのが現状。改善を急ぐ必要がある」と指摘する。

 巨額の税金が注がれ、解雇、給与の未払い、という最悪の事態を招きながら、倒産した会社には、行政の立ち入り検査も経営実態の調査も行われていない。全国で年間九千億円の税が注がれている公的事業の実態解明と、改善を急ぐべきだ。





就労継続支援A型事業所

2017-10-24 | 障害者関連


徐々にこの手の破綻 倒産案件が目につくようになってきました。


中日新聞の記事からです。

※引用

障害者の大量解雇(上) 


 福祉の理念と、企業現場での現実とのギャップが生み出した深刻な出来事と言えるだろう。

◆就労継続支援A型

 「就労障害者69人解雇へ」

 八月二十三日、社会面に報じた記事の見出しだ。働いている障害者たちが「就労継続支援A型事業所(A型)」で大量に解雇された。身内に障害者がいない人は、自分には直接関係のないことだと思っただろうか。

 だが、働く人の誰にとっても無関係ではない。今は元気でも、パワハラや過労でうつになることは「働き方改革」の道半ばにある今の時代で、珍しいことでない。元の職場に復帰できればいいが、戻れずに解雇されてしまう可能性もある。

 中には、各自治体で精神障害者の認定を受ける人もいる。このように一般企業での就職が難しくなった人たちの働く場が、大量解雇の舞台になったA型だ。障害者の雇用問題に詳しい松井亮輔法政大名誉教授(78)は「A型の利用者の四割は精神障害者。うつ病などにより、フルタイムで仕事ができなくなった人の受け皿になっている」と言う。

 A型は、二〇〇六年の障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)によってできた制度で、事業所が障害者と雇用契約を結び、最低賃金を保証する。A型で一日四時間、月二十日間働くと、七万円前後の給料が支払われる計算だ。そこでの仕事が精いっぱいでも、障害年金を受給し、何とか生活している人もいる。もちろん、一般企業での就労を目指す人もいる。

 記事は、株式会社「障がい者支援機構」(名古屋市北区)が経営に行き詰まり、全国で運営していた複数のA型で働いていた人たちが解雇されることを伝える内容だった。社会での「居場所」と収入を同時に失うのは深刻だ。再雇用の道のりも簡単ではない。

 同社が北区で運営していたA型「パドマ」では、箱詰めや土木用品の洗浄など、内職的な軽作業が中心だった。取材に行くと、知的障害のある息子(22)とその父親(55)がいた。父親は「パドマが閉鎖していると、息子から電話で聞いてびっくりした。『何が起こったのか?』と。特別支援学校を卒業し、四年ほど地下鉄で通った。今後どうするのかはこれから決める」と困り果てていた。息子は「みんなに会えなくなるのはちょっとさみしい。給料が出ないのは困る」。働く場所を失ったショックが伝わった。

 パドマで働いていた男性(46)は、以前勤めていた会社が事業を撤退し、その後の勤務先で心を病んだ。「ここがあったことで精神的に楽になった。助かりました」。今後は「再就職しても、だめだった時に戻る所がなくなってしまった」と残念そうだった。

 パドマで障害者を指導していた従業員によると、経営者の男性とは連絡がつかない状態が続いている。給与も一部が未払いのままだ。

◆事業者には給付金

 解雇された人たちの救済に奔走している「きょうされん」(前身は共同作業所全国連絡会)愛知支部事務局長の大野健志さん(46)は「制度的な矛盾がある。A型に通う障害者は平均月七万円の収入が得られ、満足していた。そこにつけ込み、事業所は障害者を集めていた実態がある。各地で起こっているのではないか」と指摘する。業者が「障害者を集めていた実態」とはどういうことか。

 A型では、雇用する障害者の勤務日に応じて一日約五千円の給付金が国から運営者側に支給される。障害者の生活支援員や職業指導員の配置や事務費など、運営をバックアップする仕組みだ。制度上は給付金は障害者の給与に充ててはならないことになっている。だが、現実には最低賃金を保証できるだけの仕事を受注するのは難しく、同社が経営破綻の状態になった七月下旬、同社の社長から、愛知県と名古屋市に「利用者の最低賃金に見合う作業が得られず、運営が滞った」などと報告があった。

 今回のケースで浮き彫りになった問題が二点ある。

 まず、運営が行き詰まって事業所を解雇された人たちの救済だ。行き場を失っている人たちを放置してはおけない。大量解雇の事態を想定していなかった制度にも不備がある。

 もうひとつは、経営の実態を透明化することだ。運営費として事業所に支給される給付金は、国民の税金だ。破綻した会社は、パドマ以外も含めて約百五十人の障害者を雇用し、概算で毎月一千万円を超える給付金が流れていたとみられる。それらがどのように処理されたのかの説明もなく、行政のメスも入っていないのは、おかしくないか。

 障害者大量解雇の現場で、何が起きているのか。引き続き、次週でその実態を検証したい。

堂々とうそをつく 警察OB

2017-10-07 | 障害者関連
県警OB「事件ではない」…自ら署に出向き説明


事故発生当時の記者会見の様子を見ました。

悪びれずに堂々とうそをついています。

警察OBとしては当然のことでしょうか。

人の問題ではないでしょう。

まったく残念であり、憤りを感じる事件です。

当事者として虐待を行っていなかったことを祈ります。


※引用

県警OB「事件ではない」…自ら署に出向き説明


 宇都宮市の知的障害者支援施設「ビ・ブライト」で4月に起きた入所者傷害事件で、証拠隠滅容疑で逮捕された栃木県警OBで施設を運営する社会福祉法人「瑞宝会」職員の男(69)が6月、宇都宮南署に赴き、「事件ではない」と説明していたことがわかった。

 県警は証拠隠滅の犯意を裏付けるものとして調べている。

 捜査関係者によると、男は6月、「警察に顔が利く」との理由で施設職員らに任意の事情聴取をしていた宇都宮南署に赴き、「入所者同士のけんかで、事件ではない」と説明したという。

 男は、職員に無料通話アプリ「LINE(ライン)」での事件に関するやり取りの履歴を消すように命じていたとみられていることも判明。5月に施設内の一室で行われた同署の事情聴取で、「ここでは話せません」「虐待があります」と書かれた紙片を捜査員に手渡す職員もいたといい、県警は聴取場所を変えるなどしていた。