「取り返しつかない」ノーベル賞受賞者が仕分け批判
4人のノーベル賞受賞者を含む5人の科学者が25日、東京・本郷の東京大学で記者会見し、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で科学技術予算を削減する判定が相次いでいることを厳しく批判した。
小林さんは「科学技術で世界をリードするという鳩山政権の政策とどう整合性があるのか、全く理解できない」と指摘。米国での研究歴が長い利根川さんは、経済が悪い時でも科学技術に投資し、将来を見据えて人材を育成していく、とするオバマ大統領の発言を紹介し、今回の仕分けについて、「別世界のこと」と皮肉った。
【事業仕分け】最先端科学も“敗北” 「スパコン世界一」を否定 ノーベル賞受賞の野依氏憤慨
政府の行政刷新会議の13日の仕分け作業は、次世代スーパーコンピューターの開発予算に事実上の「ノー」を突きつけた。議論の方向性を決定づけたのは「(コンピューター性能で)世界一を目指す理由は何か。2位ではだめなのか」という仕分け人の発言。結局、「科学技術立国日本」を否定しかねない結論が導かれ、文科省幹部は「日本の科学技術振興政策は終わった」と吐き捨てた。
この日、口火を切ったのは蓮舫参院議員。その後も「一時的にトップを取る意味はどれくらいあるか」(泉健太内閣府政務官)「一番だから良いわけではない」(金田康正東大院教授)「ハードで世界一になればソフトにも波及というが分野で違う」(松井孝典・千葉工業大惑星探査研究センター所長)などと、同調者が相次いだ。
優秀な人材が、それぞれの得意分野でナンバーワンを目指すのは大いに結構だと思う。
ただし、もう日本は国家としてナンバーワンを目指す国からは転換する時期ではないかと思う。
古代ローマ帝国から始まり、スペインにしてもイギリスにしても国家はすべて栄枯盛衰――繁栄と衰退を繰り返す。
日本もかつては繁栄の象徴とする時期があった。でも、もうそろそろ夢から醒める時期ではないか?
人口減少社会でGDPは確実にダウンしていくだろう。かつては日本の足下にも及ばなかった国々が我が国を追い抜いている。アジアの盟主の座も、いくつかの分野では既に中国に抜かれている。
挽回しようと無理するより、身の丈に合った道を探る時期に思える。
「ベストを目指す」ではなく「ベターを目指す」への転換だ。
いずれにしても中国の繁栄も、そう長く続くとは思えないが。
「一人っ子政策」なんてのを長年行ってきた結果は、近い将来に確実に日本を凌ぐ少子高齢化社会になるのが目に見えている。あれだけの人口の国家で少子高齢化社会になればどうなるか空恐ろしい。まあ他所の国のことだが……。
4人のノーベル賞受賞者を含む5人の科学者が25日、東京・本郷の東京大学で記者会見し、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で科学技術予算を削減する判定が相次いでいることを厳しく批判した。
小林さんは「科学技術で世界をリードするという鳩山政権の政策とどう整合性があるのか、全く理解できない」と指摘。米国での研究歴が長い利根川さんは、経済が悪い時でも科学技術に投資し、将来を見据えて人材を育成していく、とするオバマ大統領の発言を紹介し、今回の仕分けについて、「別世界のこと」と皮肉った。
【事業仕分け】最先端科学も“敗北” 「スパコン世界一」を否定 ノーベル賞受賞の野依氏憤慨
政府の行政刷新会議の13日の仕分け作業は、次世代スーパーコンピューターの開発予算に事実上の「ノー」を突きつけた。議論の方向性を決定づけたのは「(コンピューター性能で)世界一を目指す理由は何か。2位ではだめなのか」という仕分け人の発言。結局、「科学技術立国日本」を否定しかねない結論が導かれ、文科省幹部は「日本の科学技術振興政策は終わった」と吐き捨てた。
この日、口火を切ったのは蓮舫参院議員。その後も「一時的にトップを取る意味はどれくらいあるか」(泉健太内閣府政務官)「一番だから良いわけではない」(金田康正東大院教授)「ハードで世界一になればソフトにも波及というが分野で違う」(松井孝典・千葉工業大惑星探査研究センター所長)などと、同調者が相次いだ。
優秀な人材が、それぞれの得意分野でナンバーワンを目指すのは大いに結構だと思う。
ただし、もう日本は国家としてナンバーワンを目指す国からは転換する時期ではないかと思う。
古代ローマ帝国から始まり、スペインにしてもイギリスにしても国家はすべて栄枯盛衰――繁栄と衰退を繰り返す。
日本もかつては繁栄の象徴とする時期があった。でも、もうそろそろ夢から醒める時期ではないか?
人口減少社会でGDPは確実にダウンしていくだろう。かつては日本の足下にも及ばなかった国々が我が国を追い抜いている。アジアの盟主の座も、いくつかの分野では既に中国に抜かれている。
挽回しようと無理するより、身の丈に合った道を探る時期に思える。
「ベストを目指す」ではなく「ベターを目指す」への転換だ。
いずれにしても中国の繁栄も、そう長く続くとは思えないが。
「一人っ子政策」なんてのを長年行ってきた結果は、近い将来に確実に日本を凌ぐ少子高齢化社会になるのが目に見えている。あれだけの人口の国家で少子高齢化社会になればどうなるか空恐ろしい。まあ他所の国のことだが……。