くじ運
十一月十五日は七五三でしたね。我が家でも長男の所の二人の子どもたちの七五三でした。
ちょっと大きめのジャケットの袖を内側におり込んで、サスペンダーでズボンを吊ったりして、なかなかのチビ紳士になりました。
前日に神社にお参りし、翌日は記念撮影をしました。みんなでおしゃれをして家族そろってのお出かけで、孫たちのテンションは上がりっぱなしです。大人しくなんて出来るわけがありません。何かするたびに祖母ちゃんは青くなったり赤くなったりしていました。
おかげで神さまに孫たちの成長と長寿をお願いするのを忘れてしました。たぶんパパとママと祖父ちゃんがお願いしたでしょうから、祖母ちゃんが一人くらいしなくてもなんてことないでしょう?
翌日の記念写真も無事に撮ることができて、嫁と二人でホッとしておりました。ところが先に祖父ちゃんとスタジオを出た孫たちが、またもやもめ事を起こしたようです。
今度はいったい何をしたのだろうかと慌てて行ってみますと、フォトスタジオの前でガチャポンの丸いケースを持った孫たちがもめています。
長男の孫が次男の孫の景品を取り上げようとしています。いつものことなのでしょう。弟は手にした景品を固く握り締めて兄に取られないようしているばかりか、「ほらほら」と見せびらかしています。
実はこのスタジオに来た時から二人とも、店の前にあるガチャポンをやりたがっていたのです。でもまだ一度もやらせたことがなく、その時もダメと言われて素直に諦めたのです。
ところが撮影を終わったご褒美にお店の人が、二人に一回ずつやらせてくれたそうです。人生初のガチャポンです。さぞかし嬉しかったでしょうね。
弟の方はキュービックのような玩具が当たりました。ところが兄の方は、プラスチックの小さな茄子が一個だけでした。信じられない。こんなものを入れるなんて……。
嫁によりますと長男の方は、くじ運が悪いのだとか。昨年のクリスマス会のプレゼント交換ではティッシュが当たったとか。たぶんプレゼントは子供の分だけ用意され、その中のたった一つがティッシュだったのではないでしょうか。確率からしたらティッシュが当たるのが、一番低い確率なのに、それが当たってしまうなんて……。
この場合はよっぽど珍しい運の持ち主と考えることにしましょう。
ガチャポンだってくじですからね。当たりもあれば外れもあるでしょうね。ましてやガチャポンは商売ですからね。たったの百円ぽっちじゃぁ、そうそういいものは入っていないはずです。
この厳しい現実を、孫は若干五歳(数え年)で経験してしまいました。もしかしたら神さまが現実の厳しさを、五歳の孫にもわかるように教えてくれたのかも知れませんね。
これから先の長い人生、楽しい事だけではなく辛い事や苦しいこと、思い通りに行かないこともあるはずです。それでもめげずに頑張ってほしいものです。きっといいことも沢山あるはずですから。
そんなことを考えながらの帰り道です。弟が手に握って離さなかったガチャポンの玩具を、兄に手渡しました。自分はもう遊んだから、お兄ちゃんに譲ったのでしょう。
二人はいつもこんな感じだそうです。喧嘩もするけど仲もいいとか。玩具もひとり占めせずに交代で遊ぶとか。いい子育てをしているなと、息子夫婦を見直しました。
この二人の下にはもう一人女の子がいます。これからも兄妹仲良くしていってほしいです。孫たちの健康と幸福と長寿を願いながら家路につきました。
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