■打越正行,2019年5月30日,「生活に編み込まれる沖縄の構造と歴史」反差別国際運動編『IMADR通信』198号,6-7.
人びとの生活の営み方は、傍から見るとたいていは異質である。しかしそれは、当の本人からすると、きわめて当たり前のことを繰り返しているに過ぎない。つまり生活の形が異質であることと、それがきわめて平凡であることは矛盾しない。社会学の参与観察で描かなければならないことは、この異質な生活の平凡さである。その営みが、生活の文脈でいかにあたりまえとなり、日々繰り返されるにいたったのか、それをつかむことである。そして、その生活のなかに、沖縄の構造と歴史が編み込まれていることを明らかにすること、これが社会学の参与観察の課題である。
本文では沖縄の建設現場における釘の踏み抜きをめぐって、上記の課題について紹介した。