打越正行の研究室 UCHIKOSHI Masayuki's laboratory

このブログでは、広島と沖縄で暴走族・ヤンキーの若者を対象とした参与観察調査をしてきた打越正行の研究を紹介しています。

人が人を理解するとはどういうことか?――〈生活-文脈〉理解から考える

2024年05月26日 19時28分51秒 | お知らせ


■宮内洋・打越正行、2024年5月26日、「人が人を理解するとはどういうことか?――〈生活-文脈〉理解から考える」『〈生活-文脈〉理解のすすめ――他者と生きる日常生活に向けて』(北大路書房)刊行記念トークイベント(UNITÉ).

 

■ 『〈生活-文脈〉理解のすすめ』刊行記念トークイベント
日時:2024年5月26日(日)15:00-16:30
場所:本と珈琲の店 UNITÉ(東京都三鷹市下連雀4-17-10 SMZビル1F)
登壇者:
 宮内 洋(群馬県立女子大学)
 打越 正行(和光大学)

 

来店参加(1980円)

オンライン参加(1320円)

【以下、UNITÉさんのHPより転載】

人が人を理解するとはどういうことだろうか。『〈生活-文脈〉理解のすすめ――他者とと生きる日常生活に向けて』(北大路書房)は、この問い、地域社会を這いずり回る4人の研究者が向き合った書籍です。

わたしたちは、自らの価値観に基づいて他者を判断し、自分の理解を超えたものを反射的に非難してしまうことがあります。そうした中、他者の言動をその日常生活の背景に基づいて、理解しようと努める姿勢が、本書で提唱される「〈生活-文脈〉理解」です。シンプルな考え方でありながら、その実践は容易いことではないように思います。一方で、相手の文脈を辿っていくことで当初の理解とは別の考えに至ることもあるという主張には確かな希望を感じます。

今回は、そんな「〈生活-文脈〉理解」をより深めるべく、共著者の宮内洋さん、打越正行さんに、本書の成立過程から〈生活-文脈〉理解の意義と魅力についてお話しいただきます。YouTubeの切り抜き動画やX(twitter)の140文字で相手を理解した気になってしまう現代だからこそ、〈生活-文脈〉理解はますます求められていくのではないでしょうか。

安易な「いいね」で済ませるのではなく、人と人は分かり合えないと極端に悲観するのでもないかたちで、人が人を理解するとはどういうことなのか。そのことをじっくり考え、一歩を踏み出す時間になれば嬉しいです。ご参加お待ちしております。 

 

【日時】2024/5/26(日)15:00~16:30 (延長の可能性あり)
*こちらのイベントは、イベント終了後、アーカイブ視聴が可能となります。
*視聴可能期間は 2024/5/26〜2024/6/26までの1か月間です。

 

【登壇者プロフィール】

宮内 洋(みやうち・ひろし)
 1966年生まれ。群馬県立女子大学文学部教授。専門は、発達研究・文化研究。主な著書に、『体験と経験のフィールドワーク』(北大路書房,2005年)、『質的心理学講座第1巻 育ちと学びの生成』(共著)(東京大学出版会,2008年)、『〈当事者〉をめぐる社会学:調査での出会いを通して』(共編著)(北大路書房,2010年)、『共有する子育て:沖縄多良間島のアロマザリングに学ぶ』(共編著)(金子書房,2019年)など。

打越 正行(うちこし・まさゆき)
 1979年生まれ。和光大学現代人間学部専任講師、特定非営利活動法人 社会理論・動態研究所研究員。専門は、社会学、沖縄、参与観察。主な著作に『ヤンキーと地元』(筑摩書房、2019年)、『地元を生きる』(岸政彦ほか編著、ナカニシヤ出版、2020年)『サイレント・マジョリティとは誰か』(川端浩平ほか編著、ナカニシヤ出版、2018年)、『最強の社会調査入門』(木下衆ほか編、ナカニシヤ出版、2016年)など。

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沖縄の建設業からみる日本型雇用システム――建設現場の男性たちの社会関係・身体・感覚から読み解く

2024年05月25日 19時25分30秒 | 口頭発表

 

■打越正行、2024年5月25日、「沖縄の建設業からみる日本型雇用システム――建設現場の男性たちの社会関係・身体・感覚から読み解く」第82回西日本社会学会シンポジウム『就労をめぐる不安定さと困難』久留米大学.

 

要旨

 本報告は沖縄の建設業から、特にそこで働く男性たちの社会関係、身体、感覚にもとづいて、日本型雇用システムの欺瞞を暴くことを目的とする。ここでいう欺瞞とは、沖縄の建設業で働く男性らが日本型雇用システムに依存しているのではなく、日本型雇用システムこそが、彼らに依存しているということである。彼らは、厳しい上下関係を形成し、暴力をいとわない身体をつくりあげ、閉鎖的な空間感覚/現在志向の時間感覚を身に付ける。それらはなんらかの指導や支援が行き届かない結果として表れるものではない。そうではなく、彼らが沖縄の建設業を生き抜く過程で積極的に身に着けたものであり、同時に身に着けざるをえない彼らの生き方としての文化である。その文化のダイナミズムを読み解きながら、日本型雇用システムが、沖縄の建設業に依存してきた現実を明らかにする。

 

■第82回西日本社会学会 大会シンポジウム「就労をめぐる不安定さと困難」
日時:2024年5月25日(土)14:00-17:00
場所:久留米大学 御井キャンパス(〒839-8502 福岡県久留米市御井町 1635)

 

報告者

 

第1報告:打越 正行(和光大学)
「沖縄の建設業からみる日本型雇用システム――建設現場の男性たちの社会関係・身体・感覚から読み解く」

 

第2報告:金本 佑太(神戸学院大学)
「若年無業者の社会的排除の実態と社会的包摂に向けた支援のあり方――地域若者サポートステーション事業利用者の事例から」

 

第3報告:二階堂 裕子(ノートルダム清心女子大学)
「過疎地域における外国人の就労と生活――グローバル経済社会を生き抜く生活戦略としての越境労働」

 

コメンテーター
王 美玲(台湾・淡江大学)
堤 圭史郎(福岡県立大学)

 

司会:二階堂 裕子(ノートルダム清心女子大学)

 

大会プログラム

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パチプロから公務員へ――ある大学生の職業選択、那覇への船旅――ひと晩限りの話をきく

2024年05月25日 13時47分18秒 | 書いたもの(DL不可)

 

■打越正行、2024年5月25日、「パチプロから公務員へ――ある大学生の職業選択」、「那覇への船旅――ひと晩限りの話をきく」有田亘・松井広志編著(有田亘・松井広志・妹尾麻美・上原健太郎・阿部卓也・髙橋志行・木村絵里子・ケイン樹里安・打越正行・鈴木恵美著)『いろいろあるコミュニケーションの社会学 Ver.3』北樹出版、120-123, 124-127(全180ページ、ISBN:978-4779307492、2200円).

 

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北樹出版

 

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青年期の労働をとおして考える〈生活-文脈〉理解――沖縄のヤンキーのフィールドワークから/脇の甘いフィールドワーカーがフィールドに巻き込まれた軌跡

2024年05月20日 13時03分29秒 | 書いたもの(DL不可)

 

■宮内洋・松宮朝・新藤慶・打越正行、2024年5月20日、『〈生活-文脈〉理解のすすめ――他者と生きる日常生活に向けて』北大路書房.(全208ページ、ISBN:978-4762832543、2970円)

 

■打越正行、2024年5月20日、「青年期の労働をとおして考える〈生活-文脈〉理解――沖縄のヤンキーのフィールドワークから」宮内洋ほか編『〈生活-文脈〉理解のすすめ――他者と生きる日常生活に向けて』北大路書房、29-80.

 

■概要

 生身の身体を伴った,生活する人間を,同じく,生活する人間が理解するとはどういうことか? 地域社会を這いずり回る4人の研究者が,乳幼児期の食(共食の体験),青年期の労働(沖縄のヤンキー),成人期の政治行動(市町村合併),老年期の社会関係(孤独・孤立)をとおして考える。フィールドワークの「原点」へ。

 

■目次

まえがき

第1章 乳幼児期の食をとおして考える〈生活-文脈〉理解――〈生活-文脈〉とは何かについて

1.はじめに:ヒトの発達における環境について「狼に育てられた子」から考える 

2.食をとおしてみる人間の発達 

3.〈生活― 文脈〉とは何か 

4.まとめにかえて:なぜいま〈生活― 文脈〉理解が必要となるのか

 

第2章 青年期の労働をとおして考える〈生活-文脈〉理解――沖縄のヤンキーのフィールドワークから

1.『ヤンキーと地元』で書いたこと 

2.戦い方から現実に迫る 

3.沖縄の建設業を生きる 

4.沖縄のヤンキーの〈生活― 文脈〉理解:長きにわたって奪いつづける関係をもとに

 

【第2章 補論】脇の甘いフィールドワーカーがフィールドに巻き込まれた軌跡

1.パシリ気質の父親 

2.脇の甘いフィールドワーカー 

3.〈生活― 文脈〉理解と、観察者の変化 

4.時間をかけて馴染ませる

 

第3章 成人期の政治行動をとおして考える〈生活-文脈〉理解――市町村合併の事例から

1.はじめに:市町村合併論議と住民の〈生活-文脈〉 

2.住民の生活圏と「村の精神」という文脈:鈴木榮太郎の議論 

3.農民の日常生活と「生活組織」という文脈:有賀喜左衛門の議論 

4.群馬県旧富士見村における市町村合併問題 

5.群馬県旧榛名町における市町村合併問題 

6.政治グループにみる地域社会における政治行動と〈生活―文脈〉理解

 

第4章 老年期の孤独・孤立をとおして考える〈生活-文脈〉理解――高齢者の「文脈」なき「生活」理解を超えて

1.はじめに:鎌をめぐる出来事から 

2.高齢者の「孤独」・「孤立」をめぐって 

3.「文脈」なき「生活モデル」? 

4.高齢者の〈生活― 文脈〉理解から 

5.さらなる〈生活― 文脈〉理解に基づく福祉実践へ 

6.おわりに:「文脈」をふまえた「生活」理解

 

終 章 〈生活-文脈〉理解の視点から永山則夫の「転職」を再考する

1.はじめに:永山則夫と二冊の本 

2.永山則夫の転職 

3.永山則夫と虐待 

4.トラウマによる〈逃走〉の可能性 

5.おわりに:見る人自身の〈生活― 文脈〉

 

あとがき

 

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