旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

駅弁コレクション299 「玄米弁当」(軽井沢駅)

2022-11-30 10:18:49 | 駅弁コレクション
【玄米弁当】(軽井沢駅)
                            2022.11.30投稿

2020年(令和2年)10月5日 軽井沢駅で購入 価格650円
                        [製造元](株)荻野屋

 デザインが発売当初から基本的に変わっていない緑の掛紙は、中央に駅弁名、その横に「鶴は千年、亀は万年」、鶴・亀のように長生きしたければ、食べ物はよく噛んで食べなさいという意味の、江戸時代の狂歌『つるかめの齢 念わば食物を つるつる のまず かめよ かめかめ』が書かれ、紐掛けされています。


 昔ながらの容器も、経木から紙・プラに変わっただけです。


 容器の半分より少々多くが、おこわ風に胡麻がかかり、真ん中に梅干しがのった、小豆・ハト麦を混ぜたコシヒカリの玄米御飯です。
 メインのおかずは『手作りがんもどき煮』2個。これを挟むように『自家製金平牛蒡』『ひじきの煮つけ』『椎茸煮』『沢庵』が詰められ、パセリが添えられています。




 考案者自身が玄米食によって体質改善をしたといわれるだけあって、白米、化学調味料、動物性(脂肪・蛋白)や、諸々の食品添加物を一切使用していないお弁当です。玄米御飯と素朴なおかずの組み合わせバランスは大変良いと感じました。


 荻野屋の看板駅弁は1958年(昭和33年)2月1日から販売されている『峠の釜めし』ですが、1974年(昭和49年)に登場したこの『玄米弁当』は、発売当初から製造量が少なく、また現在駅売りしているのが軽井沢駅だけと言うこともあり「幻の駅弁」と言う方もいます。
 冷めても美味しい玄米御飯。噛むと出汁と旨味が出てくるがんもどきと椎茸。素材の味を生かした金平牛蒡にひじき煮。
 内容・価格・製造数。『特別奉仕品』といえる駅弁ではないでしょうか。
 なお、横川駅から7~8分の所にある「おぎのや横川店」では土日祝のみ販売しているそうですが、確実に入手したい場合は、軽井沢駅も含め午前中をお勧めします。
 『しなの鉄道 鉄印の旅』の帰途、軽井沢駅で購入しました。

 日本最古の駅弁がどこの駅で発売されたのかについては諸説ありますが、1885年(明治18年)7月16日に旅館「白木屋」がこの日開業した宇都宮駅でおにぎり2個とたくあんを竹の皮に包んで販売のが最初とされ、7月16日は「駅弁記念日」となっています。
 荻野屋は同じ年の10月15日から横川駅で、駅弁「おむすび」(こちらもおにぎり2個とたくあん)を販売開始。
旅館「白木屋」はすでに廃業していますから、荻野屋は日本最古の現存する駅弁屋と言っても良いでしょう。
 1958年(昭和33年)2月1日から販売されている「峠の釜めし」は、折り詰めという当時の常識を破り、益子焼の器を使い温かく、大変な人気となりました。
 「森のいかめし」「崎陽軒のシウマイ弁当」と並び、「駅弁御三家」と言われたこともあり、現在でも根強い人気があり、横川駅の他東京駅・上野駅などの「駅弁屋」の他、直営店や関連グループ会社の店舗で販売されています。
 『あたたかくて、家庭的な楽しいお弁当』を目指して誕生した『峠の釜めし』、彩りが美しく上品な薄味の御飯と具、味のバランスも良く、香の物もアクセントにぴったりです。
 荻野屋の公式サイトでは空き釜を使った「御飯の炊き方」と、空き釜を使った『荻野屋おすすめレシピ』が18種類紹介されています。
 『駅弁味の陣2014』で「思い出賞」受賞。
 現在も1,200円で販売されていて、公式ホームページで次のように紹介されています。
 発売開始から60年以上、多くのお客様に愛され続けている荻野屋を代表する駅弁です。秘伝のダシで炊き上げた自家精米のコシヒカリの上に、色彩豊かな9種類の具材をのせました。容器は保温性に優れている益子焼の土釜を使用しています。


 『駅弁味の陣2015』で「ローストビーフちらし弁当ブラックペッパー味」が「思い出賞」受賞。
 すでに終売のようです。


 『駅弁味の陣2016』で「上州牛ステーキ弁当」が「味覚賞」受賞。
 すでに終売のようです。


 『駅弁味の陣2018』で「荻野屋特製幕の内弁当」が「盛付賞」受賞。
 すでに終売のようです。




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