旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

旅の小窓~由利高原鉄道鳥海山ろく線『まごころ列車』2020

2020-07-21 05:30:57 | 旅の小窓
 『鉄印帳』に記帳してもらうために購入した切符は、7月1日より秋田県と由利本荘市の補助金を利用した、お得な「1日乗り放題きっぷ」。




 裏には受けられる優待サービスが沢山載っています。


 『まごころ列車』で由利本荘駅まで往復します。
 『まごころ列車』は、従来より列車アテンダントが乗務していた1往復の列車に2013年(平成25年)7月20日より付けられた愛称です。
 秋田おばこ姿の列車アテンダントが乗務し、観光案内と車内販売、乗降補助などを行っています。また、列車にはヘッドマークが掲示され、時刻表にも愛称名が掲載されています。
今日の車両は、鳥海山麓に広がる田園、草花、木々をイメージした緑を基調としたYR-3001形です。
 由利高原鉄道では、2020年(令和2年)4月25日から全ての列車の羽後本荘駅寄りに、「アマビエ」をモチーフにしたヘッドマークを掲出しています。
 このヘッドマークは、おばこ娘に扮した「アマビエ」となっており、「新型コロナウイルスの流行が少しでも早く終息するように『疫病退散』と沿線の皆様のお気持ちが少しでも穏やかになれますようにという願いを込め、社員(正式発表はありませんが、デザインは、列車アテンダントの池田優香さんのようです。)がデザインしました。」と発表されています。


 矢島駅寄りには、『まごころ列車』のヘッドマークが掲出されています。


 矢島駅の出発ではおなじみの風景です。
 まつ子さん手作りの旗で、お見送りです。


利高原鉄道鳥海山ろく線 普通 羽後本荘行 『まごころ列車』
矢島             09:40発

 何故かいつもこの辺りでシャッターを切っています。

 
川辺        09:44着 09:44発
 国鉄矢島線時代は『羽後川辺駅』でありましたが、由利高原鉄道移管と同時に『川辺駅』に改称しました。
 JR奥羽本線・五能線『川部駅』と読みが同じため、区別するためだったと思われます。


 進行方向左手に『熊野神社』が見えます。


 今日は、チーフアテンダントの佐々木さんが乗務しています。
 乗客が少なくても、丁寧な案内です。


吉沢        09:48着 09:49発
 1989年(平成元年)10月29日、由利高原鉄道に移管されてから開業した駅で、待合室は雪を頂いた鳥海山をイメージしています。2009年(平成21年)に『田舎に泊まろう!』のロケ地になり、全国放映されているそうです。


 子吉川に架かる吉沢橋梁を渡ります。国道108号から見ると橋桁に「おばこ」と書かれています。


西滝沢       09:51着 09:52発
 駅名は、開業時の所在地「西滝沢(にしたきざわ)村」に因むそうですが、駅名の読みは「にしたきさわ」と濁りません。
 矢島駅開業前までの約10か月ほどは、ここが終着駅でした。


 2015年(平成27年)11月3日午後、2往復の列車を全線運休させ、バス代行に換えた上で、前郷駅・矢島駅間を埼玉県立川越工業高等学校電気科電車班の生徒13人製作した、パナソニックの乾電池EVOLTA単1形を動力とする車両が、往復22.615kmを走行する実験を行い、乾電池を使う車両の走行でギネス世界記録を達成しました。
 これを記念し2016年(平成28年)3月30日からYR2002形を、ギネス記録に挑戦した、単1形乾電池エボルタ600本を動力に走った「エボルタ電池鉄道」のラッピングに変えています。車体デザインは、同じく川越工業高等学校デザイン科の有志22名によるものだそうです。
 その記念看板が秋田県道293号沿いにありましたが、流し撮りに失敗しました。


久保田       09:55着 09:55発
 由利高原鉄道になってから開業した駅ですが、ず~っと前からあるような駅舎です。


 次は、唯一交換設備のある前郷駅に着きます。


 ここを境に閉塞方式が変わるため、矢島方駅から来た上り列車はタブレットを渡し、スタフを受け取ります。逆に、羽後本荘駅から来た下り列車はスタフを渡し、タブレットを受け取ります。そのため駅員が常駐し、駅員から各列車へ受渡しをしています。
 対向列車がないため、すでにスタフを手に持って待っています。
 立ち姿が良いですね!


前郷        09:58着 10:01発
 ホームの紫陽花が綺麗に咲いています。


 駅舎に貼ってあるプレートです。


 鳥海山が綺麗に見える区間に入りましたが・・・。残念。


曲沢        10:03着 10:04発
 2回目の子吉川との交差です。


黒沢        10:05着 10:06発
 国鉄矢島線時代は『羽後黒沢駅』でありましたが、由利高原鉄道移管と同時に『黒沢駅』に改称しました。JR北上線『黒沢駅』と区別するためだった思われます。
 無人駅ですが、立派な松と常に綺麗に整備された駅舎周辺が印象的な駅です。


鮎川        10:09着 10:09発
 鮎川駅を出て間もなく、左手に「旧鮎川小学校」が見えます。
 「旧鮎川小学校」は、秋田県に現存する木造校舎として最大級のもので、2004年(平成16年)3月に廃校となった後も、ほぼ現状のまま保存されていて、2012年(平成24年)には、明治末期から大正期の東北日本海側の建築形式を引き継いだ昭和20年代の稀少な木造校舎であるとして、国の登録有形文化財となっているそうです。
 2018年(平成30年)7月には、「旧鮎川小学校」をそのままの形で残しながら、
 地元産の木を使ったおもちゃや大型遊具を設置し、「子どもが楽しむための施設」というだけでなく市内の林業関係者や子育て支援団体の新たな活躍の場として子どもから大人までが楽しめる「多世代交流・木育美術館」とすることを目指して、『鳥海山木のおもちゃ美術館』が開館しました。館内には、トイショップやカフェも併設していています。
 由利高原鉄道では、2020年(令和2年)6月1日に登場した由利高原鉄道と鳥海山木のおもちゃ美術館のコラボ切符「おもちゃ切符」が、現在更にお得になっています。

 特典です。
  1 列車1日乗り放題
  2 矢島駅でコーヒーorジュース1杯サービス
  3 おもちゃ美術館で付属の半券を渡すだけで楽々入館
  4 おもちゃ美術館オリジナル缶バッチプレゼント
  5 キッチンカフェ「KINO」(おもちゃ美術館館内)お食事代から5%OFF 
  6 トイショップ「ナナカマド」(おもちゃ美術館館内)購入商品から5%OFF 
 そして列車が通ると、スタッフの方が黄色の旗を振ってくれます。


子吉        10:14着 10:14発
薬師堂       10:17着 10:18発
羽後本荘      10:21着

 全長23km、41分で終着です。
 羽後本荘駅は、来春の開業に向けて橋上駅舎の工事まっただ中です。
 

 折り返しの列車で矢島駅に戻ります。


利高原鉄道鳥海山ろく線 普通 矢島行 『まごころ列車』
羽後本荘           10:43発   
薬師堂       10:46着 10:46発

 木彫りのフクロウがお出迎えしています。


 ホームから見える『麺屋新月』と言えば、由利本荘市では有名なラーメン屋さんで、佐々木チーフアテンダントもオススメするお店の一つだそうです。


子吉        10:49着 10:50発
 駅舎の中に郵便局(玉ノ池簡易郵便局)が存在する珍しい駅です。


 TDK秋田株式会社本荘工場が見えます。
 建物の長さは西サイトが約400m、東サイトが約300mと言われています。


 早朝から沿線の方々の協力で、線路脇の草刈りが行われていました。
 由利高原鉄道では全線に渡って、このように草刈りが行われているそうです。


鮎川        10:54着 10:55発
黒沢        10:58着 10:58発

 子吉川を渡ると、曲沢駅に着きます。


曲沢        11:00着 11:00発
 待合室だけの無人駅です。デザインは今は廃車のYR1505(開業当時に導入されたYR-1000形の改造)と同じラインが入っています。


前郷        11:03着 11:04発
 矢島駅から先に到着した列車からタブレットを肩に掛けて持ってくるのが見えます。


 形は同じですが、大きい方が「タブレット」。小さい方が「スタフ」です。


久保田       11:07着 11:07発
西滝沢       11:10着 11:11発

 再び、子吉川を渡ります。
 この先、右に左にカーブしながら、子吉川と共に進みます。


吉沢        11:13着 11:14発
 子吉川は秋田県内では雄物川、米代川に次ぐ第三の規模で、支流に鮎川をもつ川です。


 丁寧な草刈りで、紫陽花もよく見えます。


川辺        11:18着 11:18発
 路線唯一のトンネル、前杉沢トンネルを過ぎると間もなく終点です。
 後方展望です。




矢島        11:22着
 あっという間の『まごころ列車』往復の旅でした。
 おしまい。


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