パン・ド・カンパーニュの部屋

自分で作ったおいしいものを中心においしい話を!

どんど焼き(本編)

2006-01-19 21:48:34 | Weblog


さて、お待たせしました、どんど焼きの詳しいお話です。
私たちの地域では、昔からどんど焼きが行われてきました。昔は塞の神(さいのかみ)、なまって「せいのかみ」と呼ばれて、子どもたちのお祭りとして行われてきたのです。ごとに行われていて、よそのものをいたずらで焼いてしまうこともあったみたいで、作ってからは寝ずの番をしていたそうです。今私が住んでいる場所は昔、田圃だったところで、ちょうど、どんど焼きをやっていた場所とか。また別の地域では、田圃はない場所なので、どんど焼きを建てる場所が決まっていたとか。

どんど焼きの回りにはお正月飾りや、書初めなどを飾ります。地域の人も、お正月飾りの処分に使っているようです。ゴミに出すより気分的にいいですものね。
書初めが火にあぶられて、天高く舞い上がると字がうまくなると言われていたそうです。そして、繭玉(お団子)を火にあぶって食べると無病息災、この一年、病気にならないで元気に過ごすことができるとも。

昭和40年代くらいまで、あちこちでやられていたお祭りですが、その後、一時途絶えてしまったのを、昭和60年ごろから地域の青少年育成団体が復活して、今に至っています。1月15日が成人の日だった頃は、必ずこの15日(昔の小正月といわれていた日)に燃やしていました。

11月の終わりに材料の茅を刈り(茅刈りのブログはこちら)、1月8日に組み立て(どんど焼き作りのブログはこちら)、いよいよ燃やす日がやってきました。

私たちのどんど焼きは、ただ燃やすだけではありません。子どもたちに楽しんでもらおうと、燃やす前にみんなで食べ物を食べます。前もって食券の購入が必要ですが、この頃は100人分くらい当日券も用意しています。
前の日からお母さんたちが食べ物の準備をします。全部で600人分くらい作ります。

定番の豚汁。ほんの一部です。



私たちの得意の焼きそば。



パンさんの得意なチョコバナナ。



あとは、紙パックの飲み物。4品で400円いただいております。

そしてお汁粉、これは別料金100円ですが、食券を買っていない人用に売ることを考えました。


11時半から食べ物類を配り、12時半に抽選会(この時間までに会場に来た人に番号札を渡します)を行いました。賞品は私が選びました。1等1本 お米5kg、2等2本 スポーツドリンク1.5l 1ケース、3等3本 カップ麺1ケース、4等5本 レトルトカレー詰め合わせ、5等10本 タオル、6等10本 お菓子詰め合わせ、7等10本ポテトチップス、敗者復活2本 カップ麺1ケースです。
5等のタオルは運動会の景品で余ったものを使いましたが、あとはすべて食べ物にしました。なにやら品物をもらっても、気に入らないものだったら無用の長物になってしまいますからね。食べ物だったら、食べてなくなって場所いらずでしょ。

次いで、1時から繭玉(お団子)と篠竹を配布(無料で配布します)、繭玉は私たちのところでは和菓子屋さんに注文しています。1個50円もするのですよ。前は40円だったのがじわじわと値上げされてきました。他の地域では、お母さんたちが家で一人20個とか作って持ち寄るところもあるとか。私のところは900個くらい用意しないといけないので、業者にまかせてしまうのです。
配布が始まったら長蛇の列、延々と続きます。今年は例年になく参加者が多く、果たして繭玉が足りるかとやきもきしましたが、何とか間に合いました。でも、あとから来た人には配れませんでした。結局、900個用意した繭玉はあっという間になくなり、繭玉を持っていない人も100人はいたと思うので、今回の参加者は、始まって以来の1000人の大台にのったようです。

みんな、まだかまだかと待っています。篠竹の先に繭玉をつけています。
横にすると危ないので、立てて持つよううるさく言っています。



さて、1時30分になり市長が到着、挨拶の後、いよいよ点火です。

下に火をつけても、あっというまに火が上に走り、上から燃え出します。
周りの人垣に注目してください。まだ、みんな近くにたむろしているでしょう。



ところがこの段階で、あっというまに人垣は後退、熱くて近くに寄れないのです。
火をつける前に、あれほどマイクで、熱くなるから下がるように言っても言うことを聞かなかったのに、火がついたらこれです。まだ1/3くらいしか火がまわっていないのに、火の威力とはすさまじいものがあります。



全体に火がまわりました。



上の部分が崩れ落ちました。



やっと繭玉を火にかざすことができるようになりました。
みんな焼き過ぎないように。
ほんとうは、もっと火がおさまって、熾きになってからあぶるようにして焼くと、焦げないでおいしく食べられるのですが、みんなあせって直火で焼くから、真っ黒焦げになってしまいます。



今年は前の日に大雨が降って、当日は快晴になったので安心しました。
昨年は、非情の雨、ざあざあ降りの中で焼いたという苦い経験があります。
毎年、天気予報にはどきどきしています。8年前は15日が大雪で延期、次の日曜日が大雨で延期、3度目の休日にやっと燃やせたということもありました。
さて、来年もよいお天気に恵まれますように。

追記
おっちゃんさんから、繭玉がわからないとのコメントがありましたので、説明します。

繭玉は、米の粉で、お蚕の繭に似せた形に作るお団子のことです。昔、養蚕をやっていた地方で、小正月の飾り物に、この繭玉を飾って繭の豊作を祈ったのです。そして、どんど焼きで、この飾り物に使った繭玉のお団子を焼いて食べたというところが起源です。うちの実家の秩父でも、昔から小正月の繭玉飾り、行っていました。梅の木の枝に、この米の粉で作った繭玉を突き刺して飾るのです。
私たちのところでは、この繭玉(お団子)を篠竹に刺して、どんど焼きの残り火にかざして、焼いて食べるようにしています。篠竹に刺すのは、熱くてなかなか火に近寄れないからです。