パン・ド・カンパーニュの部屋

自分で作ったおいしいものを中心においしい話を!

万国旗

2005-10-30 21:41:14 | Weblog
今日は私の住んでいる地域の運動会でした。
昨日の準備と今日の本番とお手伝いしてきました。

地域の運動会のいいところは、日ごろお隣同士で、そんなにお話しない間柄でも、
競技にいっしょに出ると親近感が増し、仲良くなれること。

そんな運動会で、ふと頭の上を飾っている万国旗、どんな歴史があるのだろうかと興味を持ちました。

写真は、この9月に常念岳にいっしょに登ってもらった近所の若いお父さん、Fさんに提供してもらいました。





万国旗の説明は、
 雑学の小部屋さんからいただきました。

「何種類もの国旗を繋げた万国旗。手品でシルクハットや手の中から次々と出てくる定番のもの。もう1つ定番な使い方が運動会の飾りとして。世界の催し物というわけでもないのに何故万国旗を飾るのだろうか。
明治の初め頃日本にやってくる船舶は、入港する際に自国の国旗と日の丸を掲げていた。これは相手国に対して敬意と友好を表すものとして。また日本はこの頃万国博覧会にも参加するようになった。大きな博覧会では参加各国の国旗が揚げられていたことから、国内では賑やかなイベントの場で万国旗が使われ、明治中頃には運動会の万国旗は定着していたとされる。
ところで万国旗とは言うものの、現在市販されている一般的な万国旗の場合、実際には20か国程度の国旗しか使われていない。国旗が無い国に配慮してか、その国の子供に配慮してか、最近は運動会で万国旗を使わないところが多くなってきている。 」

ということです。
これは日本独特なものなのでしょうね。
ということは、100年くらいの歴史を有していることになります。
おもしろい慣習です。


初煮豆

2005-10-27 15:20:07 | おいしいもの
急に寒くなったので、煮豆が恋しくなり、この今季初めて、豆を煮てみました。
今年1月の末にブログを始めて、初めは頻繁に煮豆の話を載せていました。
初めてコメントをいただいたのも煮豆についてでした。

今日の豆は虎豆。 懐かしいです。




以下の説明は「鈴和商店」のホームページより転載させていただきました。
http://www.mame.co.jp/shurui/tora/tora.htm

原名はコンコード・ポール。
蔓性(つるせい)の品種です。虎豆は『高級菜豆』と呼ばれ大福豆などと共に人気の豆です。名前の由来は、白地を基本とした豆のへその周辺に、濃黄褐色と淡黄褐色の紋様がありその模様の入り具合が『虎』に似ていることから『虎豆』と呼ばれるようになったと言われています。

日本では明治時代にアメリカのマサチューセッツ州コンコードから導入され栽培が始まり、北海道の胆振・北見地方が主な産地となっています。『虎豆』の特徴は豆が柔らかく煮えやすいことで、豆に粘りがあり煮豆には最適です。しかし、皮が破けやすく上手に形を残して煮るのは大変難しく、煮方・豆の味ともに『煮豆の王様』と呼ばれるのにふさわしい豆です。

・・・とのことです。
確かに殻が破けて、形を残して煮るのが難しかったです。写真は、形の比較的よいものを選んでお皿に盛り付けました。
でも、破けていてもそれなりにおいしかったです。

さて、今度はどの豆にしようかな。


ある秋の日(その2)

2005-10-23 18:15:27 | おいしいもの
今日は久々、天高く、まさに秋の日らしい、よい天気に恵まれました。東京はこの頃、10月とは言っても秋雨前線の影響でぐずついた天気が続いていましたから、こういうよい天気だと心がうきうきしてきます。

で、からだがうずうず、ちょっくらドライブ。

昼食は、鮎の塩焼きと手打ちそば。戸隠のそば粉で打っています。
そばは、ちょっと太目の田舎風。そばつゆは、さば節が効いたちょっと濃い目の味。
せっかくですから、青い空のもと、外でいただきました。
木陰の下の木漏れ日が気持ちよい。



横に少し目をそらすと、トリカブトの花が満開。



上に目を移すと柿が鈴成り。



あれ、梨が木に一個だけ残っている。



秋らしい景色も見ることができ、気持ちのよい一日を過ごすことができました。




じゃーん、ごめんなさい。ドライブとは、うそです。
じつは、これ、自宅の庭での写真です。
今日は近くの山に出かける予定でしたが、膝の治療に整形外科に通っていて、しばらくは山を控えるようにと言われてしまいました。うーん、残念です。

それに、今まで暑かったのが、今日から急に寒くなったので、衣服の入れ替えもしなくてはならないし、たまっている庭仕事もやらなくてはと、今日は一日家で過ごしました。

トリカブトは、別に意味があって植えているわけではありません。念のため。

柿は今年は当たり年みたいで、鈴なりです。
上から2個目のおへそがある実は、獲って先ほど食べてしまいました。今はお腹の中です。おいしかったです。

梨は、初めて一個だけ実をつけました。
梨の木のお話はこちら。

今年の天候は何か変ですね。10日前くらいの暑い日には、ヒグラシ(蝉)が鳴いているのを聞きました。
今日は、今年一番の冷え込み。奥日光でも初冠雪とか。たぶん、この夏、そしてまた、秋に登ったアルプスの山々も雪化粧をしていることでしょう。
きっと、平地でも駆け足で冬がやってくるのでしょう。
これから、季節がどんな顔を見せてくれるか楽しみです。

ある秋の日

2005-10-20 20:05:15 | Weblog
今日は、午後から用事で埼玉県の坂戸市に行ってきました。
途中、あんまり天気がよいので、2ヶ所ほど寄り道しました。

まずは高麗神社。



最近は、高麗の名前は、毎年、秋のお彼岸の頃、この地の彼岸花が紹介されるので、聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

高麗郷はその昔(奈良時代)に、関東近辺に住んでいた高句麗からの渡来人を、ここ埼玉の地に集め(1799人)、住まわせたことから名前がついたとか。高句麗の王族「若光」を首長に派遣し、治めさせたとのこと。
その時代にこのあたりだけでも、約1800人の高句麗からの渡来人がいたことに驚きます。

この高麗神社は、高麗王「若光」をお祀りしてあります。
日本は、その昔、当時の日本より優れた文化を持っていた近隣の国の人を招き、いろいろな技術や文化を教えてもらいました。高句麗の帰化人からは、養蚕や稲作を習ったと言われています。中国からも、遣隋使や遣唐使を通じて、いろいろな文化を取り入れました。

昨今、これらの国との関係がギクシャクしていますが、昔からのお付き合いがあるのですから、もっと素直な気持ちになって、よい関係を築けないものか、苛立ちさえ感じます。

これは国の重要文化財、高麗神社の代々の宮司さんが住まわれた家。慶長年間の建築だそうです。慶長とは徳川家康の時代。かくも古い民家が残っていることに驚きです。



お次は、この近くにあるお醤油屋さん、弓削多醤油。



昨今の自然食ブームで、にわかに脚光を浴びてきたお醤油屋さんです。
確か、20年前くらいは、大手の醤油のように大豆の絞り粕なんかを使って、お醤油を作っていたと思いますが、最近はおいしい、丸大豆醤油を作ってくれています。
いろいろ種類がありますが、今日は加熱処理していないという生醤油と、有機丸大豆醤油の2種類を買ってきました。
これがまた、私が作るうどんやそばのつゆに用いると、相乗効果が発揮され、お互いがおいしいのなんの。考えただけで、思わずよだれが出てきてしまいます。


秋の味覚(その2)

2005-10-16 13:44:46 | おいしいもの
昨日は、午後から用事で、甲府まで行ってきました。

その帰り道、勝沼に寄り、ブドウを買って帰りました。ほんの少しですが。

いまや、ブドウの品種は何百種類にもなるのだそうですね。
いろいろ、味見をさせてもらいましたが、種があるほうが甘いのだそうです。スイカもそうでしょう。だいたい、植物は自分の子孫を残そうと種を作るのに、人間の都合で種無しにさせられてしまい、かわいそうです。そんな人工的な果実がおいしいわけがない。
味見していると、だんだん、どれがおいしかったのかわからなくなってしまいます。わからなくなってしまったので、適当に選んでしまいました。



まずは白いブドウ、ロザリオ ビアンコ、これは皮ごと食べられ、甘さも強く、文句なくおいしい。つぎは、無難な巨峰、完熟しているので、皮の回りなど蜂蜜のように甘い。最後は赤ワインの原料にもなるベリーA。これは山ブドウの血を引く品種だそうで、濃厚な味がしました。

小さい頃、八百屋さんで売っていたのは、実の小さいブドウばかり。今より甘みも少なく酸味も強かった気がします。だからあまり好きではありませんでした。最近になり、大きな実のブドウが出回り始め、甘さも強まり、ブドウが好きになり始めました。そして、いまや皮や種ごと食べるようにまでなりました。なんでも皮の回りが一番甘いのだそうです。これを捨てるのはもったいない。

甘いブドウを食べていると、まるでお菓子を食べているような錯覚におちいります。

本当に、味覚の秋とはよく言ったものです。
まだまだ、これからが楽しみです。

初鍋

2005-10-13 19:19:43 | おいしいもの
今日はよい天気で、秋らしい気持ちのいい一日でした。
で、近くのターミナルのデパ地下で寄せ鍋セットを買ってきました。



大海老2尾、あとは4人分、帆立、鮭、むつ、ワタリガニ、カワハギ、ハマグリでした。このボリュームで定価2000円を1800円に負けてもらいました。
海の近くに住んでいる人には笑われるかもしれませんが、東京ではこの値段でも安いと思います。

今季初めての鍋料理でした。寄せ鍋仕立てで、他の材料は白菜、春菊、豆腐、油揚げ、シメジ。例の「返し」にレモン汁を加えてポン酢風にしていただきました。
「返し」は麺類のつゆにはもちろん、こうした鍋物にも転用できて便利なものです。

返しのお話はこちら。

日本酒は、夏に家族旅行で行った喜多方の作り酒屋「蔵の華」で買ってきた生酒の「蔵太鼓」です。
私が指を加えて見ていた、妻と子どもの利き酒の結果、選んだお酒です。

喜多方のお話はこちら。

この季節になって、鍋物のときは無性に日本酒が飲みたくなるパンでございます。

これからの季節、いろいろな鍋物が楽しみです。

剣岳報告(その4) とうとう真実が語られる!

2005-10-09 15:00:33 | 山登り
さてさて、いよいよ剣岳本峰に向かう。前剣の頂上から少し下り、いよいよ本格的な岩場へと突入。
あれっ、もう早くもカニのヨコバイの練習版が現れる。



おお、渋滞が始まる。ところどころ、一方通行で、登りと下りではルートが異なる。それでも渋滞する。ふと横を見ると、垂直な岩壁に鎖がぶら下がっており、人がそれを頼りに下りてくる。ええっ、こんなところでもこんな怖いとこがあるの? 下りのルートなので、帰りはここを通らなくてはならない。ああ、いやだ、いやだ。こんなとこと下りたくない。と思いつつ、先へ進む。

岩にねじ込んだボルトも出てきた。これはカニのタテバイの練習か。
あっ、スタンスがちょっと長いな。あれ、やっぱり右膝に痛みが走る。岩場のぼりは、歩いて登る場合と比べ、1回1回膝にかかる負担が大きい。これから先、不安だな。
次は鎖場の下りが出てきた。これくらいなら何とかなる。

おお、とうとう最後の難所、カニのタテバイに到達。大渋滞がおきている。30分は待つとか、前にいる人が話しているのが聞こえる。えっ、こんなところを登るの? 自分の想像では5,6メートルくらいかと思っていた。なんと2,30メートルはある垂直の登り。



で、下りはどのルートかな、なんて目をずらすと、おおおおお
なんと垂直な壁に鎖がぶら下がっているのが見えるではないか。
あああああ、だめだ、こんなところ登るのは登れても、下りがこんなルートでは、下りれる自信がない。それに右膝の不安も抱えているし。やめよう、今なら間に合う。

みなさん、これが真実だったのです。臆病者のパンを笑わないでください。

右が登りルート、左が下りルート。



よねやんに自分はここで引き返すが、よねやんだけ登っておいでと、ここで別れる。前剣の頂上で待っているからと告げ、引き返す。

途中、来た登りのルートとは違う、下り専用のルートを歩く。さっきの怖そうな下りの鎖場に到達。慎重に足場を見つけ、そろりそろりとゆっくり下る。ああ、何とかなった。

前剣を裏側から巻いて、頂上は踏まないで前剣の下りへと突入する。よねやんには前剣の頂上で待っていると言ったが、やっぱり剣山荘まで戻っていよう。そのほうが時間の無駄にならないし。

携帯で連絡を取るが、圏外でつながらない。どうしよう。そこへ、昨日の室堂へのケーブルカーでいっしょになった、半ズボンの若いお兄ちゃんとすれ違う。ああ、しめた、よねやんが、半ズボンで寒くないかいと、からかっていたお兄ちゃんだ。このお兄ちゃんに伝言を頼もう。お兄ちゃんに挨拶して、昨日会ったの覚えているか聞くと、思い出してくれた。で、相棒のよねやんに山頂で会ったら、自分は剣山荘で待っているからと伝えて欲しいと頼む。よねやんのこと覚えているか尋ねると、青い大きな帽子で覚えているとのこと。山では目立つ格好が便利だとつくづく思った。たぶん、頂上から少し下ったところで会えるかと思う。半ズボンのお兄ちゃん、よろしくお願いします。

この中のどこかに、よねやんがいるはず。



ここからの前剣の下りが一番事故が多いという。この間のテレビでは、高年者が滑落し頭が割れて血だらけになった岩を映していたが、やはり小屋主さんもここが要注意と言っていた。

いくつもの踏み跡があり、自分にとって一番歩きやすいルートを下る。こけないよう、注意しながら歩く。鎖場も鎖に頼ったり使わなかったり、無事に通過。ここの部分は、慎重に足を運べば問題ない。

やっと、前剣と一服剣の間の鞍部に到着。ここまで来れば安心。一服剣に登り返すが、なかなかきつい。やっとこさ頂上にたどり着く。見れば何人か休んでいる。これから剣に向かう人、帰ってきた人、いろいろだ。

隣で、むしゃむしゃお弁当を食べているおじさんに声をかける。これからですか、と聞けば、帰ってきたのだという。ああ、お疲れ様と言って、さらに話を聞けば、前剣の最初の鎖場まで行って引き返してきたのだと言う。なんだ、同じ引き返し組だ、何か親近感が沸く。でも、私はさらに先まで行って引き返してきたのです。えっ、敗退に優劣なんかないって? ごもっとも。さらに勇敢にも、奥さんはそのまま一人で頂上に向かっているのですと。

なんだかんだ話をしたり、外人さんのカメラのシャッターを押してあげたりしているうちに、先ほどのおじさんはお弁当を食べ終わる。

ねえねえ、剣山荘まで下りて、いっしょにビールでも飲みながら、それぞれの連れの帰りを待ちましょうよと誘う。おじさんもその気になって、いっしょに山を下る。よかった、話し相手ができて。一人で待っていても退屈だから。

剣山荘に着いて、さっそく缶ビールを買って二人で乾杯。こちらはこの先があるので、350CCでがまん。おじさんは今日は隣の剣沢小屋に泊まるだけというので、500CCを飲んでいる。うらやましい。

引き返しを、お互い勇気ある撤退と言い合って慰めあった。というか、おじさんはぜんぜん、しょぼくれていない。かえって開き直っている。奥さんはもう、・・・だが、おじさんはまだ・・・・なので引き返してきたと、ここでは書けないような理由を言っている。
そうだ、また再挑戦すればいいのだ。

この間、テレビでアルピニストの野口健が言っていたが、失敗すると自分の弱点が見えてくるのだと、まさにしかり。今度は下りの鎖場に慣れてから来よう。

先ほどのおじさんは、栃木に家があり、仕事は茅ヶ崎に単身赴任とか。ときどき、奥さんと連れ立って山に登っているらしい。10月には涸沢に紅葉を見に行くのだと言う。とにかく、ユックリズムで、上高地から横尾までを5時間くらいかけて、休み休み歩くらしい。でも、山を楽しんでいる風で、うらやましくなる。これも、人それぞれの歩き方。

とにかく、お互い話が盛り上がっている、と隣に年配のご夫婦が腰かけ、話に加わってきた。このご夫婦は剣岳の登頂を果たした凱旋組。奥さん曰く、私でも登れたのよ、と。おお、すごい、頭が上がらないパンさん。

このお二人は御殿場から来たと言う。富士山に登るときは御殿場から登りなさいと、盛んに宣伝している。とかなんとか話をしているうちに、お腹がすきだした。ここで昼食を摂らないと中途半端になってしまう。よねやんの分と自分の分、合わせて2個、カップラーメンを注文する。よねやんのもすぐに食べられるように作っておこう。ちょうど、自分の分を食べ終わったら、よねやんが帰ってきた。グッドタイミング。

ここによねやんも話に加わり、大いに盛り上がる。今度は丹沢の檜洞丸に泊まりにおいでと、それぞれ握手をして別れる。山の人間っておもしろい人たちばかりだ。こうした人たちと出会うのも、また山の楽しみ。

こちらは荷物を預けてある剣沢小屋に急ぐ。11:30。
剣沢小屋で荷物を整え、剣御前小舎をめざす。だらだらゆるい登り坂が続く。一仕事終えた体には、再度の登りがこたえる。

途中、紅葉の葉っぱとチングルマの取り合わせ。チングルマは夏は可憐な白い花を楽しませてくれる。秋にはこの通り、稚児車がなまってチングルマ。
追記、この赤い葉っぱはチングルマの葉っぱだそうです。別の植物の葉が赤くなっているものと思っていました。



よねやんがどうしたわけか、足取りが遅い。そうか、こちらは途中で引き返したが、よねやんはさらに山頂を往復したから体力が消耗しているのだ。よねやん、もう少しだからがんばって。と言いながら、剣御前小舎に到着。ここで一休み。

よねやんが初めからずっと持って歩いていた、あの「梨」を剥いてくれた。重たいのにずっとザックの中にしまってあったのだ。こういうところで食べる果物は最高においしい。よねやん、ごちそうさま。

よねやん、梨を食べる図
右手のあんな小さなナイフで、上手に皮を剥いてくれるのです。器用なよねやん。



梨を食べていたら、さっき、剣山荘で会った御殿場のご夫婦が登ってきた。ちょうどよかったと、よねやんが梨を差し出す。ここで、また話が盛り上がる。ご夫婦はこの剣御前小舎に泊まるのだという。うらやましい。お名残惜しく別れる。

さて、あとは室堂まで雷鳥坂を一気に下る。道はざらざら、ごつごつで非常に歩きにくい。右膝の調子も悪く、いつものようなスピードが出せないで、いくつものパーティーに抜かされる。あれ、この後姿はどこかで見た記憶があると思っていたら、行きのムーンライト信州で前の席に座っていたおじさん二人。山では行き先が同じだと、よくこういうことがあるものだ。

雷鳥坂の紅葉。



途中、腕章をつけたうら若き女性がなにやら調べている風。聞けば、大学で、この辺の動植物の生態を研究しているのだという。それならと、室堂名物の雷鳥について聞く。何せここは雷鳥坂。この辺にいるのかと聞いたら、いっぱいいるとの答え。このようないいお天気のときはハイマツの下の巣に隠れているのだそうな。そういえば、前見かけたときは雨の日だった。

やっと、下にたどり着く。ここは賽の河原。階段を登って、雷鳥平のキャンプ場に到着。ここのベンチで一休み。大阪のFさんの焼き菓子をおやつにする。ああ、おいしい。今ごろどうしているのだろうと思いつつ、ぺろっと平らげる。

さて、室堂までもう一息。あとは観光客用の遊歩道を歩く。地獄谷を通ってみくりが池経由で室堂へ向かう。

地獄谷の草紅葉



地獄谷は火山の噴気孔から蒸気や火山性のガスが噴出し、まさに地獄のよう。立山信仰の立山曼荼羅(信仰をわかりやすく絵解きしたもの)では、剣岳を針の山、この地獄谷を地獄のように描いているのだそうだ。

地獄を思わせる風景



火山性のガスを横切ったときには、思わず咳き込み、目も痛くなった。うわー、こんなのたくさんだ。地獄谷は通り過ぎたが、さらに地獄が待っていた。

ここから室堂までは平坦な道かと思っていたら、だらだらゆるい登り坂が続く。このほうがよっぽど地獄。朝3時半に起きて、山歩きをしてきた身にはこたえる。よねやんも弱音を吐いている。ふうふうはあはあ、何とかみくりが池まで這うようにしてたどり着く。

湖面がまるで鏡のよう。対岸の景色がきれいに写っている。写真を撮る。



さあ、よねやん行くよと声をかける。よねやんは写真にビデオにと忙しい。あとで、せっかくゆっくり写していたのに、せかされたとぶうぶう言われた。階段を一登りして、やっと室堂が見えた。あと少しだ、がんばろう。ふう、やっと到着。15:40.

あとは高原バスとケーブルカーを乗り継いで麓の立山へ。バス乗り場では、前のバスが出たばかりなので、列の前のほうに並ぶ。と言っても、今日は混んでいるので、定時の前にどんどんバスが増発される。

バスで美女平のケーブルカーの駅まで。途中、雲海の中にバスは突入、とたんに雨が降ってきた。ケーブルカーでは整理券順に乗り込むが、15分くらい待っただけで乗ることができた。やっと立山に到着。17:20。

雨がざあざあ降っている。ああ、ラッキー。山では雨知らず、平地に下りてきての雨なら仕方がない。今日は、ここの温泉に泊まりゆっくりする。電話で迎えの車を差し向けてもらう。ああ、お疲れ様、ゆっくり休もう。

付録:旅館での話
夕飯のとき、よねやんとビールで乾杯しました。よねやん、「何に乾杯するの?」
ぐ、ぐやじーー!!! 今度は汚名挽回してやるぞと、心の中で憤慨するパンでございました。

長々と、読んでくださりありがとうございました。
結局、山頂は踏めなかったのです。すべて、私の未熟さに原因があるのです。なにせ、あまり敏捷なほうではないので。
もったいぶって、ごめんなさい。
お詫びに、最後に写真を1枚。これでお許しをー。 

ああ、このときまでは意気揚々でしたのに。前剣から剣岳本峰をバックに。



追記
夏の槍ヶ岳、前回の常念岳、今回の剣岳と登りましたが、感心したことがありました。それは、登山道に、ゴミがまったく落ちていないのです。
富士山のゴミ問題がクローズアップされていますが、アルプスとなると話は別なようです。富士山はだれもが気軽に登ってしまう山、いまや大衆化されてしまったのか。
やはり、アルプスとなると、だれでもが気軽に登るというわけにはいかないのでしょう。登山者のマナーは、まだすたれていないようです。安心しました。

剣岳報告(その3)

2005-10-06 23:17:30 | 山登り
 さて、緊張しているせいか、部屋が暑いせいか、熟睡はできず、3時半に起きる。
ザックを下の階に下ろし、荷造りを始める。小屋主さんに荷物のことを相談すると、談話室に置いていいからとのこと。

サブザックに、水筒、カメラ、朝食のお弁当、予備食を詰める。あれっ、財布を入れたヘッドランプの袋がない。2階の寝ていた部屋か、それとも廊下?歩き回ったところを探すが落ちていない。ああ、だめか。もしやと思い、受付をのぞくと受付のカウンターの上に見覚えのある袋が置いてある。ああ、よかった。どなたか知れませんが、親切な方、ありがとうございました。お金は予備の分が他にしまってあるが、免許証がなくなると面倒くさい。でも、よかった。ううぅ、出かけに不吉なことが。こんなこと、初めてだ。

 なんだかんだで、出発は5時。外はまだ暗い。月もこうこうと西の空を照らしている。1週間前に見た剣岳の救助隊の番組で、ここの小屋を紹介していたが、まだ暗いうちに出発するパーティーが出ていたのを見て、ああ、早くからご苦労様、なんて思っていたが、まさか自分がこうなるとは夢にも思っていなかった。

 ヘッドランプを頭に、暗い道を一路、剣山荘に向かう。剣岳を見ると明かりが動いている。うわー、もうこんな時間に、中腹を歩いている人がいる。途中、沢を越えるので、道は大岩がごろごろ。ペンキ印だけが頼り。ときどき道がわからなくなる。でも、二人連れは心強い。一人がわからなくても、もう一人が見つけるもの。剣山荘到着、5:40。

 小屋の前にいる人に昨晩の混雑状況を聞いてみた。布団2枚に3人とか。ああ、よかった。こっちのほうが勝ち。ここまで来ると空も明るくなり、ライトをはずし、ザックにしまう。剣山荘をあとに、いよいよ剣への登りが始まる。

これは前の日に写した写真に、ルートと名前を入れたもの。左中ほどの赤い屋根が、剣山荘。
このルートを進むのです。



 さっそく一服剣の前に1ヶ所、3点確保が必要な場所が出てきた。でも、一服剣までは難なく歩く。ここで、休憩。朝食のお弁当を食べる。でも、心なしか、食欲がない。半分食べて、残りは後で食べよう。やっと御来光。でもまだ薄暗い。東の空には鹿島槍と五竜岳が見える。大阪のFさんも、今ごろは鹿島槍の途中かなと思いつつ、写真を撮る。
右側の耳二つが鹿島槍、左にずーっと行くと五竜岳。



 一服剣からは目の前にそびえる前剣の岩壁が目の当たりに見える。あんな垂直の壁をどうやって登るのだろう。見ただけで、気持ちが萎えてしまう。よねやんにやめようかというが、ここから見るとすごいように見えるけど、下しか見ないで登れば何てことないさ、と取り合ってくれない。ああ、楽天家のよねやん。



 気をとり直して、先へ進む。一服剣から少し下り返し、前剣の登りに取り付く。いよいよ岩壁の登りが始まる。えっ、こんなの? 心配していたほど急ではなく、これなら登れる。安心した。やっぱり、その場所に行かなければ、詳細はわからないものだ。
鎖が出てきた。でも、鎖につかまらなくても登れそう。



後ろを振り返ると、剣御前小舎からの尾根がよく見える。途中に赤い屋根の剣山荘。 中央やや下のピークが一服剣。



ふうふう言いながら、やっと前剣の頂上に到着。ここで、一休み。写真も撮る。

ここまで来ると、剣岳本峰も目の前。剣岳がこんな姿に見える。



さあ、いよいよ剣岳の核心部に突入。(つづく)

野外料理

2005-10-03 20:58:43 | おいしいもの
土曜日の夕方、いつもの神ノ川に水を汲みに行くついでに、キャンプをしてきました。キャンプといっても、目的は焚き木で野外料理を作ることですので、寝るのは車の中。

同行者は、いつもブログにコメントを寄せていただいている「のんけんさん」。
家が近いことが判明し、お誘いしたのです。私の自然派のブログに共感していただき、うらやましがられておられましたので、前々からお声をかけて、今回実現の運びとなりました。

家に「のんけんさん」に来ていただき、それぞれの車で出発、16:00。
途中、青根で薪を買う。一束300円を2束。前回買った時に、お店の人がこの薪は、80歳のおじいさんが作っているんだよと教えてもらい、以来、この薪のとりことなった。火付きがよく、ぼうぼう燃える。

北丹沢の神ノ川に着いたのが、17:45。
すぐに夕食の準備。
炉にはすでに薪が細々と燃えている。これはラッキー。あとは薪をくべれば、火がついてくれるだろう。薪をくべると、勢いよく火がついた。今回は苦労なしだった。いつもは1回は火がつかないで、2回目のトライでやっと火がつくような始末。

火の勢いが強いうちに、鍋にお湯を沸かし、野菜スープを作る。もちろんビールを飲みながら。自分で作ったビールで乾杯。」



材料はすでに「のんけんさん」が切ってきてくれていて、鍋に入れるだけ。調理は「のんけんさん」に任せる。だって、「のんけんさん」は毎日、お弁当を作っているようなまめな方。のんけんさんのブログはこちら。


中身は、ジャガイモ、にんじん、セロリ、玉ねぎ、ベーコン。硬いものから順に鍋に入れる。味付けはブイヨンの素と塩コショウ。
火が強すぎて、煮詰まってしまい、少し濃い味になったが、おかずとして食べるにはこのほうがおいしい。セロリの香りがなんともいえない。

野菜スープが出来上がり、あとはステーキを焼くだけ。
網を用意して、網焼きにする。



ちょっと、レアーかな。「のんけんさん」はミディアム~ウェルダンがお好きとか。ごめんなさい、焼きが甘かったですね。
でも、網焼きに免じて許してやってください。
赤ワインを開ける。今日はAOCブルゴーニュ、ピノノアールの香りが優しい。

なんだかんだで、ワインも空き、「のんけんさん」から麦茶をいただく。冷たくておいしい。

21:30消灯、じゃない、車に戻って寝る。後ろの座席を倒して、空間を確保。
チャッピーもいっしょ。あっ、ずるい、チャッピー、真ん中に丸くならないで。もっと端に寄ってよと、つついてどかす。寝ようと思ったらチャッピーの寝息が気になる。しまった、先を越されたか。山小屋でもそうだが、こういうときは先に寝たほうが勝ち。でも、何とか眠りにつく。でも、熟睡できない。とか何とかいいながら、起床7時。

外へ出たら、もう「のんけんさん」が朝食の準備をしてくれている。なんでも6時に起きたそうな。早起き「のんけんさん」。
朝食は「のんけんさん」の卓上コンロでハムエッグと昨夜の野菜スープの残り。味がしみておいしくなっている。ハムエッグの調理はもちろん「のんけんさん」。水も足したりして器用に調理してくれる。おいしいハムエッグの完成。
食後は、湧き水を沸かし、コーヒーを入れる。こういうところで飲むと同じコーヒーでも味が増す。

食後、ゆっくりして、いつものように水をポリタンクに汲んで、車に積み、お開きとする。

帰りがけ、途中で色づいた木を見つける。



今年の紅葉はどうなんでしょうか。今から楽しみです。

さて、「のんけんさん」、今回お付き合いくださり、ありがとうございました。
また、おもしろいことしましょう。それまでごきげんよう。