さてさて、室堂を出発、まずは一ノ越を目指す。
ここは標高2500メートルくらい。一足早い紅葉姿。ななかまどが色づいている。
途中、室堂の語源となった建物に寄る。これは、江戸時代に立山講の人たちが、立山に登ったときに泊まるために作られたという、由緒ある建物。日本で一番古い山小屋というのがキャッチフレーズ。最近、復元修理されたばかりということできれい。
室堂をあとに、だらだらと緩やかな登りを歩く。
これなら楽勝と思いきや、息が切れる。まだ始まりだというのに、何としたこと。いきなり、ぽーんと2500メートルの高地に放り出されたばかりで、体がついていけないのだろう。それに輪をかけて、道が歩きにくい。コンクリートの歩道を歩くのだが、滑りにくくしてあるのか、扁平な石が埋め込んであり、これがくせもの。ぼこぼこしている。これなら何もしていない普通の山道のほうが歩きやすい。いっしょに登っているほかの人たちもばてている。抜きつ抜かれつ前になり後になり、みんな、ふうふう言いながら一ノ越までたどり着く。
ここには一ノ越山荘があり、また公衆トイレもある。お天気もやっと晴れ間も見えてきた。黒部方面も見える。これから登る雄山方面も晴れている。
少し休憩して、いよいよ雄山への急登が始まる。でも、さっきの道よりよっぽど歩きやすい。やっぱり山はこういう道でなくちゃあ。
おおっ、サングラスなしの素顔のパンさん初登場。
頂上近くになり雄山神社の建物が近づいてくる。
やっと頂上に到着。 これが雄山神社。標高3003メートル。3000メートルの山に登るのに、日本で一番楽なところかもしれない。楽して3000メートルの空気を体験したい方にはお勧め。
この鳥居より奥の社殿にお参りするには、拝観料500円が必要。 ね、ちゃんと切符売り場があるでしょう。上の社殿には神主さんが座っており、希望者にはご祈祷してくれる。確か、10000円と書いてあったかな。
遠く槍ヶ岳も見える。
近くは、スバリ岳(左)に針ノ木岳。その向こうに蓮華岳。
さて、展望を満喫して縦走路を進む。ここまで登れば、あとは多少のアップダウンで稜線漫歩だ。
隣の大汝山で昼食。
朝買ったマス寿しを食べる。笹の香りのする寿し飯が疲れた体を癒してくれる。このマス寿しは1個1個、笹でくるんであり、食べやすい。さすがに8個はいっぺんに食べられず、2個残す。これはおやつに取っておこう。
昼食を済ませて、さらに進む。
この山域はハイマツなどの植物の生育が見られない。高度もさることながら、過酷な気象条件も重なっているのだろう。
それもそのはず、こんな簡単に登れてしまうところでも、この稜線は3000メートルの高さなのだから。
遠くに別山を望む。
まさに荒涼とした世界が広がる。昔、立山講で登った人たちは、こういう風景を見て何を感じたのだろう。天上の聖地と見たのか。
だんだん天気が悪くなってきた。ガスも出てきた。こうなってくると、心細くなってくるものだ。おまけによねやんの足取りが遅い。昨晩の夜行列車で熟睡できなくて、寝不足のせいでふらふらするのだという。それに車の居眠り運転のように、歩きながら眠ってしまいそうだという。別山に登るのをあきらめ、巻き道で剣御前小舎を目指す。
小舎に到着するが、そのまま剣沢方面に下る。足元が悪く、気が抜けない。中ほどまで行き、気がついたら剣岳が全容を表す。
まさに、剣の束が天に向かって突き出しているさま。それに剣沢小屋の赤い屋根も見えた。左は剣山荘。もうすぐだ。と、思いながら下るが、山では目標が見えてからが、長い道のりに感じるのだ。テン場を通り抜け、やっと小屋に到着。
受付を済まし、お金を払う。明日の予定を聞かれ、剣岳に登ったあと、室堂に下ると言ったら、朝食を食べていたら遅くなり、その日に室道には下りられないとのことなので、朝食はお弁当を頼む。今日は、回りのどこの小屋もお客さんが多く、明日は剣岳に渋滞が予想されるとのこと。
ああ、山でも渋滞か。
さっそく部屋に入り、荷物を置く。よねやんは、畳の上にぶっ倒れるように横になり、眠ってしまった。よほど眠かったのだろう。いつもは小屋に着くなり、ビールを買ってくれて、乾杯するのに。
外へ出て剣岳の写真を撮る。まさに、手が届きそうなぐらい眼前に位置する。
小屋の前の石垣に座り、目の前の剣岳を肴に、一人ビールを飲む。寂しさを感じる。いつもならよねやんがいっしょなのに。
日も傾き、少し寒くなってきたので、部屋に戻る。夕食は5:10との連絡が来る。あれま、中途半端な時間。あとでわけがわかる。
5:05になり、よねやんを起こす。寝覚めはいいみたいだ。食堂に行き、席に通される。10分くらいの時間差で10人くらいずつお客さんを入れているみたいだ。
おおおっ、なんと夕食は分厚いトンカツ。
揚げたてを供するとかで、時間差でお客さんを入れていたのだ。心憎い気配り。こういう食事なら大歓迎。残さずぺろりと平らげる。これで明日は力が出せるというもの。
食事を終わり、部屋に戻り、布団の上でうだうだする。今日はこの8畳の部屋に8人が寝る。これなら上々。
みんな寝たみたいなので、消灯前だが照明を消し、眠りにつく。時計を見ると19時。
明日はがんばろう。(つづく)
ここは標高2500メートルくらい。一足早い紅葉姿。ななかまどが色づいている。
途中、室堂の語源となった建物に寄る。これは、江戸時代に立山講の人たちが、立山に登ったときに泊まるために作られたという、由緒ある建物。日本で一番古い山小屋というのがキャッチフレーズ。最近、復元修理されたばかりということできれい。
室堂をあとに、だらだらと緩やかな登りを歩く。
これなら楽勝と思いきや、息が切れる。まだ始まりだというのに、何としたこと。いきなり、ぽーんと2500メートルの高地に放り出されたばかりで、体がついていけないのだろう。それに輪をかけて、道が歩きにくい。コンクリートの歩道を歩くのだが、滑りにくくしてあるのか、扁平な石が埋め込んであり、これがくせもの。ぼこぼこしている。これなら何もしていない普通の山道のほうが歩きやすい。いっしょに登っているほかの人たちもばてている。抜きつ抜かれつ前になり後になり、みんな、ふうふう言いながら一ノ越までたどり着く。
ここには一ノ越山荘があり、また公衆トイレもある。お天気もやっと晴れ間も見えてきた。黒部方面も見える。これから登る雄山方面も晴れている。
少し休憩して、いよいよ雄山への急登が始まる。でも、さっきの道よりよっぽど歩きやすい。やっぱり山はこういう道でなくちゃあ。
おおっ、サングラスなしの素顔のパンさん初登場。
頂上近くになり雄山神社の建物が近づいてくる。
やっと頂上に到着。 これが雄山神社。標高3003メートル。3000メートルの山に登るのに、日本で一番楽なところかもしれない。楽して3000メートルの空気を体験したい方にはお勧め。
この鳥居より奥の社殿にお参りするには、拝観料500円が必要。 ね、ちゃんと切符売り場があるでしょう。上の社殿には神主さんが座っており、希望者にはご祈祷してくれる。確か、10000円と書いてあったかな。
遠く槍ヶ岳も見える。
近くは、スバリ岳(左)に針ノ木岳。その向こうに蓮華岳。
さて、展望を満喫して縦走路を進む。ここまで登れば、あとは多少のアップダウンで稜線漫歩だ。
隣の大汝山で昼食。
朝買ったマス寿しを食べる。笹の香りのする寿し飯が疲れた体を癒してくれる。このマス寿しは1個1個、笹でくるんであり、食べやすい。さすがに8個はいっぺんに食べられず、2個残す。これはおやつに取っておこう。
昼食を済ませて、さらに進む。
この山域はハイマツなどの植物の生育が見られない。高度もさることながら、過酷な気象条件も重なっているのだろう。
それもそのはず、こんな簡単に登れてしまうところでも、この稜線は3000メートルの高さなのだから。
遠くに別山を望む。
まさに荒涼とした世界が広がる。昔、立山講で登った人たちは、こういう風景を見て何を感じたのだろう。天上の聖地と見たのか。
だんだん天気が悪くなってきた。ガスも出てきた。こうなってくると、心細くなってくるものだ。おまけによねやんの足取りが遅い。昨晩の夜行列車で熟睡できなくて、寝不足のせいでふらふらするのだという。それに車の居眠り運転のように、歩きながら眠ってしまいそうだという。別山に登るのをあきらめ、巻き道で剣御前小舎を目指す。
小舎に到着するが、そのまま剣沢方面に下る。足元が悪く、気が抜けない。中ほどまで行き、気がついたら剣岳が全容を表す。
まさに、剣の束が天に向かって突き出しているさま。それに剣沢小屋の赤い屋根も見えた。左は剣山荘。もうすぐだ。と、思いながら下るが、山では目標が見えてからが、長い道のりに感じるのだ。テン場を通り抜け、やっと小屋に到着。
受付を済まし、お金を払う。明日の予定を聞かれ、剣岳に登ったあと、室堂に下ると言ったら、朝食を食べていたら遅くなり、その日に室道には下りられないとのことなので、朝食はお弁当を頼む。今日は、回りのどこの小屋もお客さんが多く、明日は剣岳に渋滞が予想されるとのこと。
ああ、山でも渋滞か。
さっそく部屋に入り、荷物を置く。よねやんは、畳の上にぶっ倒れるように横になり、眠ってしまった。よほど眠かったのだろう。いつもは小屋に着くなり、ビールを買ってくれて、乾杯するのに。
外へ出て剣岳の写真を撮る。まさに、手が届きそうなぐらい眼前に位置する。
小屋の前の石垣に座り、目の前の剣岳を肴に、一人ビールを飲む。寂しさを感じる。いつもならよねやんがいっしょなのに。
日も傾き、少し寒くなってきたので、部屋に戻る。夕食は5:10との連絡が来る。あれま、中途半端な時間。あとでわけがわかる。
5:05になり、よねやんを起こす。寝覚めはいいみたいだ。食堂に行き、席に通される。10分くらいの時間差で10人くらいずつお客さんを入れているみたいだ。
おおおっ、なんと夕食は分厚いトンカツ。
揚げたてを供するとかで、時間差でお客さんを入れていたのだ。心憎い気配り。こういう食事なら大歓迎。残さずぺろりと平らげる。これで明日は力が出せるというもの。
食事を終わり、部屋に戻り、布団の上でうだうだする。今日はこの8畳の部屋に8人が寝る。これなら上々。
みんな寝たみたいなので、消灯前だが照明を消し、眠りにつく。時計を見ると19時。
明日はがんばろう。(つづく)