岐阜駅に降り立つと、黄金の織田信長公に出迎えていただきました。
昨年の岡山刑務所に続いて、今年は岐阜刑務所に視察に行きました。
なぜ、岐阜刑務所なのか?
岐阜刑務所は、LB指標と言われる受刑者に特化した刑務所です。
LB指標というのは、L(ロング、刑期が10年以上)、B(犯罪傾向が進んでいる)という分類です。
死刑を廃止した場合、死刑に代わる最高刑として仮釈放のない終身刑を導入するべきか否かという議論があります。
現在、懲役刑の中で最も重い無期懲役刑(10年経過すれば仮釈放が認められる期限を定めない懲役刑)は、
その実情は、30年以上経過しなければ仮釈放が認められず、しかも、1800人いる無期刑受刑者のうち年に数人しか仮釈放にはなっておらず、
事実上、終身刑化してしまっていると言われています。
そこで、死刑廃止後の最高刑を考えるためには、現在の無期懲役刑の実情を知る必要があると考え、昨年は岡山刑務所、今年は岐阜刑務所に視察に行きました。
岐阜刑務所の収容定員は890名、
平成19年ころは定員を超える1000名以上の受刑者を収容していたそうですが、
その後、犯罪発生件数の減少に比例して、現在は648名しか収容者はいないということです。
そのうち、170名(26.2%)が無期懲役受刑者ということです。
入所者の最高齢は87歳! 収容している意味がどこにあるのかよくわかりません。
刑務所の方に、「仮釈放のない終身刑が導入されたら、処遇はどうなりますか?」という質問をしたところ、
「それで希望が見えますか?希望がないとやっていけない、処遇はとても困難になります。」というお返事が返ってきました。
確かに、絶対に釈放されることはないということになれば、改善・更生に向けて努力したり、反省したりする必要もありません。
終身刑を導入する場合、たとえわずかであっても希望の残る制度にする必要がありますね。