平成21年11月10日(火)
相ノ倉山1,567.3m
11月に入っていきなりの寒波。赤城山や周囲のちょっとした山は一様に雪化粧。なかなか登れる山も少なくなってきた。その上、仕事が忙しくて土日返上の有様でトホホ状態だった。この時期、いくら仕事が忙しくても、年に一度の人間ドックは譲れない。これだけは、何が何でも行きますよ、と職場でも宣言していた。当然、部下の手前もあるが、その分の穴埋めはしている。上司も、予算編成時期でヒアリングの真っ最中だから、本音はほかの時期にズラしてくれないか、と言いたそうだが…。ということで、昨年に続いて競争率が高いにもかかわらず、今年もメデタク『当選』となった六合村の温泉医療センターへと、ぼくは向かったのだった。
今回の山は相ノ倉山と決めていた。昨年登った松岩山は、藪山ながら一応道のある山。今回の相ノ倉山は全く道は無い。が、ルートは何となくあるという情報だ。林道から稜線伝いに1km程の山だから、どのみち大したものじゃない。藪もそれ程ではないということらしい。この山は、六合村と中之条町の町村界にある。県境の白砂山等と白砂川を挟んだ山並みにある。北から木戸山・相ノ倉山・松岩山・高間山と藪山を並べている。来年、もしまたここに来られたら、高間山かなあ?
10日の午前中は、採血・採尿・レントゲン・眼底検査・心電図・胃の内視鏡・腹部エコー等の、一式の検査項目を済まして、温泉に浸かり、腹いっぱいお昼を食べて終了。午後はフリーだ。朝は素晴らしい快晴だったが、天気予報どおりで、急速に曇ってきた。早速、車で相ノ倉山の登山口である万沢林道(相ノ倉林道)に向かう。野反湖へ向かう道が和光原の集落を過ぎると、渓谷沿いにしばらく上っていく。松岩山がうっすらと見えている。渓谷の対岸に平坦な台地が見えてきた。ここは地図で見ても判るが、大原という、その名のとおりに真っ平らな台地が東西を渓谷に限られている。こんなところにこんなに平坦な台地が?どうしてこんな地形なのだろうか。南北1.2km、東西750m(最大)、標高差85m、これがこの大原という台地の数字的な全て。
万沢林道(相ノ倉)の看板を見て右折し、未舗装の林道は一旦下ってから上り返すと、その大原の上、落葉松の植林の間を幅広の平坦な道がまっすぐに伸びている。埃を舞い上げながら、大原から下り、白砂川の川面近くまで下って再び上り返す。路面は次第に悪くなる。この林道は思ったよりも長くて、どんどん悪いほうに変わっていく空模様から、登山口の峠に何時着くのかと少し心配になった。
1時40分にようやく、峠着。その手前で、車を突っ込めるスペースがあった。直ぐに支度をして、1時44分に笹薮に突入。行く手の稜線に向かう。笹は胸ほどの高さで、普通にかき分けていける程度だが、黒い「すす」の様な粉が笹の表面一面に付着していてズボンが直ぐに真っ黒になった。叩き落とせば落ちる程度ではあるが…。町村界稜線は直ぐ目の前で、相ノ倉山と思われるなだらかな三角形の山が、行く手に二つばかりコブを越えた先に見えていた。登り口には何の目印も無かったが、しばらく笹をこいでいくと、点々とまだ付けられて間も無さそうな赤ペンキの丸印のマーキングが木々の北側に頻繁に目に付いた。登り側から見ると、全く見えない。下ってくる方角からは(登りでは、振り返れば)あきれるほど執拗にマーキングがあった。ほとんど、生えている木々の2本に1本くらいの割合で付けられていた(何だかな~)。
GPSで、目標の相ノ倉山三角点まで1km(直線)と計測。稜線はやや笹が低いところもあるが、概ねは胸まで、或いは肩くらいの深さで、赤ペンの目印こそあれ、全く藪刈りもされていない。つまり、踏跡すら見られない。重鎮さんが10年位前に登った時には、測量のためか、切り開きの道があったという。ちなみに、ネットで幾つかの記録を見たが、やはり藪は深く、道も切り開きも無かったというのは事前に確認済みだった。
ますます、お天気はどんよりとした曇天になってきた。木々越しに見える周囲の山々も、薄く霞んで朦朧としてきた。日輪さえ見えなくなり。すっかり葉を落とした山は陰鬱な雰囲気だった。周囲はナラが主体の広葉樹林で、昨年登った松岩山と同じような樹相だ。広くてなだらかな斜面から、一山コブを越えた上りになると、横断する岩が行く手を塞ぐ。これは右手から巻いて行く。振り返ると、例のごとく、木々の北面に赤丸のマーキングが見られた。迫ってきた丸い山を越えると、稜線はやや痩せて下り、ここも岩が稜線を塞いでいた。小鞍部から、笹の急斜面になる。行く手に見えていた緩い三角の山(相ノ倉山)は見えなくなった。つまり、この急斜面が相ノ倉山の登りという事だ。
笹が無い所を過ぎて、一番高いと思われる所は、やはり深い笹に覆われていた。登り着くと、そこだけ笹が刈られていた。頭だけ出ている三角点標石と、赤白だんだらのポールが一本立っていた。粗雑に刈られていた笹は測量の為だろうか?山名板は北側のナラの木にクマの顔をかたどった?木製の小さなプレートがぶら下がっていたが、残念ながらもう書かれていた文字はすっかり消えて読めない。他には何も無い。稜線の一部といった所で、晴れていたとしても木々に囲まれ眺めは無さそうだ。わずかに、南東側は木々が粗になり、晴れていれば遠くが見えるのだろう。ネットの記録で、榛名山が見えたと書かれたものがあったから…。14時48分に相ノ倉山頂着。
登り初めからほぼ一時間。たどり着いた所は、眺めも無い藪の稜線の一角だった。直ぐに雨が降ってくるという感じではないが、夕方から、遅くとも夜には雨になるという予報だった。腰を掛けるところも無いから、周囲の状況を写真に撮って引き返すことにした。そうでなくとも陽が短い晩秋だ。もうすっかり夕方の気配…。大原の林道奥で、山を崩して山砂を採取しているパワーショベルの音がここまで反響している。
14時57分に山頂を下る。復路は点々とマーキングされた赤ペンを拾うだけで、面白みにかける。しかし、最初の岩を巻くところを勘違いして、南西尾根を下りそうになる。赤ペンも少しは役に立つ?(こんなにマーキングがあるのに間違えるのも…かな)
ますます薄暗くなってきた。あっけなく15時40分に車に戻り終了。下りは40分少々。この山は笹薮が深くて踏跡さえないが、林道の峠から単純に緩い稜線を往復するだけで、真新しいマーキングも頻々とあって難易度も低い。昨年登った渋い松岩山と比較しても、更にシブーイ山だった。今年一番のシブイ山。どちらかというと、アクセスする万沢林道の通行の方が余程気を遣う。万沢林道から国道405号に出て、16時40分に医療センターに戻った。もうすっかり夕方になっていた。戻ると、再び他にはだれもいない温泉に浸かってゆったり。ああ、こんな事してると浮世の憂さもすっかり霧消ですね。一風呂浴びた後は、食べきれないほどの夕食で腹一杯になった。
翌日は朝からザーザー降りの雨。午前中は検査があって、お昼には全て終了した。また、温泉に浸かり、腹一杯食べて今年の人間ドックもおしまい。2日目のお天気が良ければ、もう一山登れたのになあ…。と、欲張りな望みは叶わなかった。
雨にけぶる暮坂峠で、若山牧水のブロンズ像を見上げ、紅葉に彩られた中之条の町に下った。そこは錦秋の山里だ。農協の直売店で大量のりんごを買い込み帰路に着いたのだった。また、来年もこの企画?止められないと思うのだったが…。
相ノ倉山1,567.3m
11月に入っていきなりの寒波。赤城山や周囲のちょっとした山は一様に雪化粧。なかなか登れる山も少なくなってきた。その上、仕事が忙しくて土日返上の有様でトホホ状態だった。この時期、いくら仕事が忙しくても、年に一度の人間ドックは譲れない。これだけは、何が何でも行きますよ、と職場でも宣言していた。当然、部下の手前もあるが、その分の穴埋めはしている。上司も、予算編成時期でヒアリングの真っ最中だから、本音はほかの時期にズラしてくれないか、と言いたそうだが…。ということで、昨年に続いて競争率が高いにもかかわらず、今年もメデタク『当選』となった六合村の温泉医療センターへと、ぼくは向かったのだった。
今回の山は相ノ倉山と決めていた。昨年登った松岩山は、藪山ながら一応道のある山。今回の相ノ倉山は全く道は無い。が、ルートは何となくあるという情報だ。林道から稜線伝いに1km程の山だから、どのみち大したものじゃない。藪もそれ程ではないということらしい。この山は、六合村と中之条町の町村界にある。県境の白砂山等と白砂川を挟んだ山並みにある。北から木戸山・相ノ倉山・松岩山・高間山と藪山を並べている。来年、もしまたここに来られたら、高間山かなあ?
10日の午前中は、採血・採尿・レントゲン・眼底検査・心電図・胃の内視鏡・腹部エコー等の、一式の検査項目を済まして、温泉に浸かり、腹いっぱいお昼を食べて終了。午後はフリーだ。朝は素晴らしい快晴だったが、天気予報どおりで、急速に曇ってきた。早速、車で相ノ倉山の登山口である万沢林道(相ノ倉林道)に向かう。野反湖へ向かう道が和光原の集落を過ぎると、渓谷沿いにしばらく上っていく。松岩山がうっすらと見えている。渓谷の対岸に平坦な台地が見えてきた。ここは地図で見ても判るが、大原という、その名のとおりに真っ平らな台地が東西を渓谷に限られている。こんなところにこんなに平坦な台地が?どうしてこんな地形なのだろうか。南北1.2km、東西750m(最大)、標高差85m、これがこの大原という台地の数字的な全て。
万沢林道(相ノ倉)の看板を見て右折し、未舗装の林道は一旦下ってから上り返すと、その大原の上、落葉松の植林の間を幅広の平坦な道がまっすぐに伸びている。埃を舞い上げながら、大原から下り、白砂川の川面近くまで下って再び上り返す。路面は次第に悪くなる。この林道は思ったよりも長くて、どんどん悪いほうに変わっていく空模様から、登山口の峠に何時着くのかと少し心配になった。
1時40分にようやく、峠着。その手前で、車を突っ込めるスペースがあった。直ぐに支度をして、1時44分に笹薮に突入。行く手の稜線に向かう。笹は胸ほどの高さで、普通にかき分けていける程度だが、黒い「すす」の様な粉が笹の表面一面に付着していてズボンが直ぐに真っ黒になった。叩き落とせば落ちる程度ではあるが…。町村界稜線は直ぐ目の前で、相ノ倉山と思われるなだらかな三角形の山が、行く手に二つばかりコブを越えた先に見えていた。登り口には何の目印も無かったが、しばらく笹をこいでいくと、点々とまだ付けられて間も無さそうな赤ペンキの丸印のマーキングが木々の北側に頻繁に目に付いた。登り側から見ると、全く見えない。下ってくる方角からは(登りでは、振り返れば)あきれるほど執拗にマーキングがあった。ほとんど、生えている木々の2本に1本くらいの割合で付けられていた(何だかな~)。
GPSで、目標の相ノ倉山三角点まで1km(直線)と計測。稜線はやや笹が低いところもあるが、概ねは胸まで、或いは肩くらいの深さで、赤ペンの目印こそあれ、全く藪刈りもされていない。つまり、踏跡すら見られない。重鎮さんが10年位前に登った時には、測量のためか、切り開きの道があったという。ちなみに、ネットで幾つかの記録を見たが、やはり藪は深く、道も切り開きも無かったというのは事前に確認済みだった。
ますます、お天気はどんよりとした曇天になってきた。木々越しに見える周囲の山々も、薄く霞んで朦朧としてきた。日輪さえ見えなくなり。すっかり葉を落とした山は陰鬱な雰囲気だった。周囲はナラが主体の広葉樹林で、昨年登った松岩山と同じような樹相だ。広くてなだらかな斜面から、一山コブを越えた上りになると、横断する岩が行く手を塞ぐ。これは右手から巻いて行く。振り返ると、例のごとく、木々の北面に赤丸のマーキングが見られた。迫ってきた丸い山を越えると、稜線はやや痩せて下り、ここも岩が稜線を塞いでいた。小鞍部から、笹の急斜面になる。行く手に見えていた緩い三角の山(相ノ倉山)は見えなくなった。つまり、この急斜面が相ノ倉山の登りという事だ。
笹が無い所を過ぎて、一番高いと思われる所は、やはり深い笹に覆われていた。登り着くと、そこだけ笹が刈られていた。頭だけ出ている三角点標石と、赤白だんだらのポールが一本立っていた。粗雑に刈られていた笹は測量の為だろうか?山名板は北側のナラの木にクマの顔をかたどった?木製の小さなプレートがぶら下がっていたが、残念ながらもう書かれていた文字はすっかり消えて読めない。他には何も無い。稜線の一部といった所で、晴れていたとしても木々に囲まれ眺めは無さそうだ。わずかに、南東側は木々が粗になり、晴れていれば遠くが見えるのだろう。ネットの記録で、榛名山が見えたと書かれたものがあったから…。14時48分に相ノ倉山頂着。
登り初めからほぼ一時間。たどり着いた所は、眺めも無い藪の稜線の一角だった。直ぐに雨が降ってくるという感じではないが、夕方から、遅くとも夜には雨になるという予報だった。腰を掛けるところも無いから、周囲の状況を写真に撮って引き返すことにした。そうでなくとも陽が短い晩秋だ。もうすっかり夕方の気配…。大原の林道奥で、山を崩して山砂を採取しているパワーショベルの音がここまで反響している。
14時57分に山頂を下る。復路は点々とマーキングされた赤ペンを拾うだけで、面白みにかける。しかし、最初の岩を巻くところを勘違いして、南西尾根を下りそうになる。赤ペンも少しは役に立つ?(こんなにマーキングがあるのに間違えるのも…かな)
ますます薄暗くなってきた。あっけなく15時40分に車に戻り終了。下りは40分少々。この山は笹薮が深くて踏跡さえないが、林道の峠から単純に緩い稜線を往復するだけで、真新しいマーキングも頻々とあって難易度も低い。昨年登った渋い松岩山と比較しても、更にシブーイ山だった。今年一番のシブイ山。どちらかというと、アクセスする万沢林道の通行の方が余程気を遣う。万沢林道から国道405号に出て、16時40分に医療センターに戻った。もうすっかり夕方になっていた。戻ると、再び他にはだれもいない温泉に浸かってゆったり。ああ、こんな事してると浮世の憂さもすっかり霧消ですね。一風呂浴びた後は、食べきれないほどの夕食で腹一杯になった。
翌日は朝からザーザー降りの雨。午前中は検査があって、お昼には全て終了した。また、温泉に浸かり、腹一杯食べて今年の人間ドックもおしまい。2日目のお天気が良ければ、もう一山登れたのになあ…。と、欲張りな望みは叶わなかった。
雨にけぶる暮坂峠で、若山牧水のブロンズ像を見上げ、紅葉に彩られた中之条の町に下った。そこは錦秋の山里だ。農協の直売店で大量のりんごを買い込み帰路に着いたのだった。また、来年もこの企画?止められないと思うのだったが…。
もうすっかり廃道になっているのかと思っていましたが、通行可能なんですね。
地形図を見ると、周囲の山を見るのに絶好の位置にあるのですが、実際には展望が無く期待はずれです。
人間ドックはそんなに食べて大丈夫なのでしょうか?
アルコールは御法度でしょうね。
来年は高間山ですか。
人間ドックに当選するといいですね。
雨が続いてますね。今日も暗いです。
万沢林道(相ノ倉林道)は、全体としてはそれ程のラフロードでもなく、路面の状態はまあまあです。普通車でも充分通行できます。しかし長いですね~。相ノ倉山は、渋いあの山塊にあって、とりわけのシブ山ですね。眺めも良くないし、山頂らしさもあまり無い。
去年登った松岩山の方がよっぽどましですね。
でも、執拗なマーキングを見ても、それなりに登っている人はいるみたいです。
人間ドックは、ぼくにとってリクリェーションですか?凄い量のご馳走なんです。こんなに食えるか?って言うほどの…。注文すればお酒もオッケーみたいです。ぼくは飲まないので、それは無いですが。この上飲んだら、検査結果が悪くなりそうですよね。総合的な結果は後日ですが、特に悪いところも無かったみたいで、良かったです。
六合村の人の話題は八ッ場ダムと中之条との合併でしたね。
来年も「当選」したいですね。高間山予定です。