布団を干そうと、敷布団をあげると、その下に紙切れが敷かれていた。A4程度のもので、白紙に墨で文字が書かれていた。「きっと、母ちゃんだ」、その仕業は・・・。そのことを妻に問うと、「いびきが直るように」に入れたらしい。「何じゃ、それ」である。妻に言わせると、わたしのいびきがうるさいから、「効く」と思って入れたらしい。というか、いびきだけではなく、いろいろ「ご利益がある」という雰囲気。
しばらくすると、今度は枕の下にそれが敷かれていた。いったいそこに何が書いてあるか、というと、次のようである。
宇宙全体が
地球全体が
世界全体が
日本全体が
地域全体が
明るく元気に
平和な社会に
成る様うに
である。実はよく見ると実筆ではなく、コピーである。いよいよ新興宗教っぽい。
妻はかつて身体の不具合があって、こうした祈祷師の記した墨書きの札をある場所に貼ったり、持ち歩いたりしていた。原因不明の病や、悩みにふづかれば、祈りに頼るのはわたしたちの藁にも縋る思いである。聞けばこの「書」、妻の入会している会の方のもので、その方、灰が真っ黒ながら、生きているのが医者に驚かれるほどだという。ようは、不思議な力を持っている、ということなのだろう。その力にあやかろうというのが、その会なのである。まさに新興宗教っぽい。
とはいえ、その方のやっている会社では身体に良いものをいろいろ販売しているよう。近ごろわたしの身の回りで変わったのは、お札だけではない。敷布にも枕にも、黒く染められた布が使われている。その方の会社で染めてもらったものだというが、ブラックシリカだという。妻はそれに替えてから、盛んに「どう?」と聞くが、わたしにはあまり効果がないのでは、と思うほど、ほとんど以前と変わりない。が、妻は「いびきをしなくなった」というものの、わたしにはわからない。
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