Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

カキラン

2007-08-02 08:28:00 | 自然から学ぶ


 昨年紹介したサワギキョウの咲く空間に、カキランの株を見つけていた。サワギキョウの咲いているときに気がついたのだが、まもなく咲くと思ってつぼみを確認しておきながら、次に行ったときにはすでに花が散っていた。その間一週間ぐらいだったと思うのだが、その花の短さに昨年は残念がったことを覚えている。

 カキランはラン科カキラン属のもので、花の名の由来は、花の色が柿色だからだという。湿地に生える多年草で草丈は30~70cmになるという。わたしの知るサワギキョウの咲く空間には、70cmという丈の長いものはない。せいぜい30cmもあるかないかというものだ。サワギキョウも含め、周辺のさまざまな植物に隠れていてなかなか気がつかないのが現実だ。別の場所でも書いたが今年のサワギキョウの様子を見に行った際に、このカキランがちょうど咲いていた。昨年よりもサワギキョウそのものの花は遅いのだが、カキランはむしろ昨年よりも早い。おそらく数日の花の命なのだろうが、丈は20cm程度のもので大きなサワギキョウやオオバキボウシに目を奪われていればまったく気がつかないかもしれない。株の数は少なく、昨年確認していたところに花の姿がなかった。

 さて、このカキランは絶滅危惧種で山の中の湿りがちなところから水田の傍らまで湿地にも生えたものというが、土地の乾燥化とでもいうのだろうか、湿原や湿地の減少でほとんどの所で消滅しているという。島根県では絶滅危惧II類VU、兵庫県ではレッドデータランクC、長野県でも準絶滅危惧NTである。

 検索してあちこちのカキランを見ていると、同じものなのかと思うほどたくましい姿のものもあるし、かなり紫がかった花をつけるものもあるようだ。ほかで現物を見たことがないのでなんとも言えないのだが、この写真のものはみるからにか細さを漂わせている。

 撮影 2007.7.29

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