Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

選択の空間

2017-11-04 23:38:01 | ひとから学ぶ

 トイレのことは以前にも繰り返し記したことだが、同じようなことをたびたび考えたりする。男性のトイレは女性と違って立って用を足すから、スペースを取らない。ということでいくつも並んでいて個室ではない。その並んでいる便器のどこへ入るかは、その時々、またその時の雰囲気などによって変わってくる。比較的人が多い時ならまず空いているところを選択せざるを得ないが、いくつも並んでいる空間で1人しか先客がいない、あるいは誰もいないという時は、いくつもの便器から選択することになる。通常、誰もいないものの、誰かが来るかもしれない、そんな時は誰かが来ることを見越して端っぽに入る。両隣に入られると「落ち着かない」ということもあるが、トイレはある意味個人空間を作りたい空間だから、人より離れていることに限る。だから「人が来る」と想定すれば、誰一人いなかったとして、端っぽへ迷うことなく入る。入り口から奥に向かって1列にいくつも並んでいれば、最も手前、あるいは最も奥が「端っぽ」となる。このとき、「誰かが来る」の想定の重さによって手前だったり奥だったりするが、個人空間をより意識するのなら奥だろう。

 いっぽう誰も来ないような雰囲気があれば、ど真ん中を選択する。トイレを個人空間として気兼ねなく利用したいと思えば「真ん中」だ。このあたりの選択の心模様は、だれもが同じというわけでもなく、何も考えずに「空いているところ」を選択する人も多いのだろう。あるいは「近いところ」と常に選択する人もいるだろう。大型店の便器がいくつも並んでいる空間、あるいはサービスエリアのようにたくさんの便器が並ぶ空間では、その空間が人によって賑うことがなければ、基本的にわざわざ奥まったところまで足を伸ばす人はいない。ようは「近い」という条件は誰しも持つ条件なのだろう。それでも奥まったところまで進む人は、よほどトイレでは「人に邪魔されない」と考えている人に違いない。

 同じことはいくつか並ぶ個室でも言えること。とりわけ大きいことをする際にすべてが空いていれば、真ん中に入る人は少ない。というか、奥まったところを選択する人が多い。

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