Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

今、何をするべきか

2007-02-11 10:17:41 | ひとから学ぶ
 「環境によく見えるものが、とんでもなく大きなリスクを招く場合もある」、そんなことが本当はいろいろあるのだろう。環境と言う名のもとなら、経済至上主義も認められる、そんな錯覚に陥りがちだ。何度か触れてきた風力発電もそんな口かもしれない。どこでも造れば良いというものではないだろう。環境を保全する技術を否定するものではないが、それよりもエネルギーの消費を減らすことを真剣に考えるべきだ。と、そんなことを思うきっかけはバイオエタノールである。先ごろNHKの特報首都圏において、このバイオエタノールを特集していたが、ガソリンと混合して利用できることから、代替エネルギーとして注目され、その分野へ進出して生き残りを図ろうとしている業界もあるようだ。いわゆる農産物がその原料となるわけだが、技術としては廃木材などを利用する方法も開発されているという。しかし、世界ではトウモロコシを原材料としてバイオエタノールを精製しているのが一般的のようだ。聞くところによると、アメリカ国内で生産されるトウモロコシ全量をバイオエタノールに充てたとしても、アメリカで年間消費される石油量の10パーセント程度しか補えないという(『生活と自治』1月号「バイオエタノールは夢のエネルギーか?」より)。石油原料の高騰などがあいまって、代替エネルギーに向けた取り組みはより一層加速しているのだろう。しかし、食料とされている材料をエネルギーに変えるのか、それとも世界での食料不足に充てるのか、という選択も出てくるのだろう。日本のような飽食国家には、さらさら現実味のない話ではあるが、食料自給率の数値からいけば、まったく関係のない話ではない。

 世界中が異常気象に見舞われているこのごろ、ずいぶん昔から言われていた「輸入先が不作のとき日本は大変なことになる」という現実が、地震よりもすぐそこに接近しているようにも思う。地震の対策はできていても、そうしたことへの対策はどうだろう。金があればどんなに食料が不足していても、外貨を得ようと輸出する国も出てこよう。北朝鮮ではないが、弱者は餓死するしかないだろう。そういう意味でも、リスクを招かない代替エネルギーを探すことが、金持ち国が真っ先に取り組まなければならない課題だと思う。いや、取り組む以前に、エネルギー消費を少なくする技術ではなく、生活の見直しをする必要があることは確かなはずだが、消費を減らしながら同じ生活を保持しようとするから、相変わらず経済成長しか頭にないわけだ。エルニーニョがなんたらかんたらいうが、「大変ねー」とか「困ったねー」とは言うが、自らの生活にかかわってくることだとは誰も思ってはいない。人事なのだ。
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