では、なぜ、おカネがないのか。歳入が少なくなって、歳出が多くなったからだ。歳入が少ないのは税収が少ないからで、単純に言えば、法人所得が少ないからである。企業のもうけが少ないから、あがりも少ないのだ。
歳出はどうか。大幅に増えてはいないが、減りもしない。省庁が予算を死に物狂いで確保しようとするからだ。年度末には使い切るような仕組みがまだある。全体感がわからず、個別個別で従来と同じ予算でいいと思っているから、何も変わらない。
どうしたらよいか。歳入を増やして、歳出を減らすことである。そんなことは無理だと思われるだろうが、方法はある。政府を小さくすることである。公務員を少なくして、規制を緩和する。国内企業が新しいビジネスチャンスを捕え、外国の企業が日本に投資するように仕向けることである。こうすれば、歳入も増えて、同時に歳出も減らせる。
これは今さら言うまでもなく、みんなわかっていることである。わかっていても、実現しない。公務員が既得権益を失うからである。とくに日本の政治は政務と事務が分かれているから、政治家が実行力がない限り、官僚に押し切られてしまう。何もできない。今の日本はその活路が消費税増税にしか見い出せない情けない国なのである。諸悪の根源は政治にある。