「個々の創作理念」を戦わせて何になる？

　本題に入る前にちょっとだけ言っておきますが、これは正直言って、あまり触れたくなかった話題です。下手をすれば、僕がライトノベル作法研究所で提示した意見と同じくらい、論議を呼びそうな話題になるからです。
　しかし、こう言ったことはどこかで言っておかないとしょうがないのかな、と思ったので、この場で言っておくことにしておきます。

　少し前から某所（僕が結構良く行く個人サイトです）の掲示板で何故か、小説を書く際の理念とか技術論とか、そう言ったことで話題が埋め尽くされてしまっていました。
　元々当初は、管理人さんの書いた小説への批評であったので、それはそれでよかったんですよ。しかしなぜか、「お前の創作理念は間違っている」とか「間違っているからくだらない小説を書く」などと言うような、管理人さんへの誹謗中傷としか思えないような書き込みで埋め尽くされてしまった――という話です。
　そして、その内容がいっそう酷い。
　単純な受け狙いで書いた事を揚げ足取ったり、一つの書き込みで「俺は貴様より偉いんだ」としか言っていないような書き込みを見ると、虫唾が走ります。

　その一連の事件を遠くから見ていて、僕は「なんか、みんな妙に偉そうだな」とか「こんな不毛な論議に費やす暇があるなら、小説読んで書いて鍛錬しろよ」という風に思ってしまいました。

　はっきりというと、創作理念に正解も不正解も一切ありはしません。もしその人の書いた小説がくだらないのであれば、まだまだ鍛錬が足りない、あるいは才能が無いということであり、それは「創作理念」とは何の関係も無い話です。
　もちろん創作理念は大切ですが、しかし、それは一人ひとり違う結論になるものです。誰が正しいとか、誰が正しくないとか、そう言ったものではありません。
　実際のところ、その辺をみんな錯誤していると思います。

　人の創作理念を否定し、その人に自分の創作理念を押し付ければ、自分が高みに上ったように見えると感じるような愚かしさには、さすがに噴飯ものです。そんな奴の創作理論を読んだら、「お前は人間的な全てが間違っている！」と言いたくなりそうです。

　無論、議論することが悪いとか、そう言ったことを言うつもりは無いですが、少なくとも議論しようと思う時点で「これは答えが出そうにないな」とか言うことくらいは解るはずです。それを議論しようと言うことは単なる「押し付け」であり、単純なスターリニズムに過ぎません。今の人にわかりやすく言うなら、金正日（北朝鮮）イズム、オウムイズムでしかありません。
　つまり「俺だけが正しいんだから、お前は従っていろ！」レベルのくだらない暴言にしかならないのです。

　もしそれがやりたいなら、どうぞご自分でサイトを興して、そのサイトには行かないようにするのが正しいでしょう。

　―SPIDERMAN [SPIDER MIX] / MARK FOSTERを聴きながら―