夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

レクイエム・ノート~アニュス・デイ

2005-10-26 | music

 アニュス・デイ(神の小羊)は、通常のミサでも歌われますし、アグネスという女性によくある名前との関係もあって広く知られていると思います(アグネス・チャンとかアグネス・ラムとかいうと年がばれちゃいますがw)。これはヨハネ福音書の第1章第29節で、洗礼者ヨハネがイエスを見て、「見よ、世界の罪を消し去る神の小羊。私が『私のあとから来る人がある。その方は私に優る方である。私より先におられたからだ』と言ったのは、この方のことです」と言ったことに由来するものです。
 さらに、その淵源をたどると旧約聖書のイザヤ書第53章第7節で「彼は痛めつけられた。彼は苦しんだが、口を開かない。屠り場に引かれて行く小羊のように」を踏まえたものであると思われます。つまり、ヨハネ福音書の編者はイエスの運命をほのめかすとともに、救い主(キリスト)を待望するイザヤ書の言葉を実現するのがイエスであることを示すために洗礼者ヨハネにこう言わせたのでしょう。
 ただ通常のミサでは次のような歌詞になります。

  Agnus Dei, qui tollis pecata mundi: miserere nobis.
  Agnus Dei, qui tollis pecata mundi: miserere nobis.
  Agnus Dei, qui tollis pecata mundi: dona nobis pacem.


    アニュス・デイ

  世界の罪を消し去る神の小羊よ、我らを憐れみたまえ。
  世界の罪を消し去る神の小羊よ、我らを憐れみたまえ。
  世界の罪を消し去る神の小羊よ、我らに平安を与えたまえ。

 すなわち、通常のミサの自分たちへの神のご加護を祈る言葉がレクイエムの場合には、死者に安息(レクイエム)を与えるよう祈る言葉に置き換わっているわけです。


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