夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

「重力の再発見」と中二病

2012-05-18 | review
中学1年だったと思うけど、相対性理論についての概説書を読んでた。 ブルーバックスとは言え、翻訳だったので偏微分方程式とかテンソルとか出てくるから、わかるわけはなかった。 その頃に相対論だけじゃなく、ハイゼンベルクの不確定性原理とかシュレディンガーの猫の話を読んで、関心は哲学、すなわち認識論とか存在論の方へ向かった。 というのはウソで、数学の点数が悪かったから。 言い訳めくから簡単に言うと数学の授 . . . 本文を読む

日本人作曲家のセールス戦略

2012-05-15 | music
先日、ピアノをやってる旧来の友人と会った時に「日本人なんだから日本人作曲家を積極的に取り上げるようにしている」と言っていた。 この前のブログで中世から21世紀の音楽まで全部聴くつもりと書いておきながら、CDが少なくて高いから日本人作曲家のはほとんど持ってなくて忸怩たるものがあった。 だいたい評価の定まっていない最近の曲を買うのは勇気がいる。 野平一郎が作曲した室内楽のCDを買った時は2,400円も . . . 本文を読む

アップルとアナログ日本の最強タッグ

2012-05-13 | diary
CD(DVD)プレイヤーというのは困ったもので、引越しをすると具合が悪くなる。 音が飛んだり、繰り返したり、そもそも全然読み込めなくなったりする。 本当の理由はわからないが、ピックアップがずれたりするのかなと思ってる。 修理に出してもいいけど、今は修理代でプレイヤーが買えたりする時代だから、2台のうち安い方だったのであっさり捨てて、1万円台のソニーのブルーレイプレイヤーを買った。 もう1台のちょっ . . . 本文を読む

モーツァルトとバッハの音律

2012-05-12 | review
「音律と音階の科学」の続きだが、歴史的には5倍波を中心に組み立てられたミーントーンが登場する。 具体的には純正律で作られたC、D、E、G、Aのそれぞれに上下2全音(長3度)の音を5/4の比に取る。 純正律でもCとE、FとA、GとBは既にこの関係にあったから、新たに作るのはCからA♭(G♯)、DからB♭(A♯)とF♯、EからG♯、GからE♭(D♯)、AからC♯である。 これをさらに例えばF♯とA♯の . . . 本文を読む

歓喜天とガネーシャ神~宗教とセックス

2012-05-11 | review
この本を読んだ動機は、宗教とセックスとの微妙で密接な関係を考えてみたかったからだ。 歴史の古層において、宗教行事や祭礼の目的は子孫繁栄や農耕・牧畜の豊穣を祈願することであり、生殖行為が直接又はシンボリックに表現されていたはずである。日本の神道やその深層の土着的神事にはその気配が濃厚である。 ところが、キリスト教に典型的に見られるように「聖なるもの」が純化されていくにつれ、セックスは排除されていく . . . 本文を読む

音楽と数学の葛藤

2012-05-09 | review
長年、音楽を聴いてるとそんなつもりはなくても調性だの和声だの旋法といった言葉と付き合わされる。 それで楽譜を見たり、音楽辞典を読んだりするけれど、ドとレが全音で、ミとファが半音なんて五線譜の間隔を変えておけと思ったり、長3度や増4度なんてバラバラな言い方はやめて4半音とか6半音って言えばいいじゃないかとイライラして放り出してしまう。 それとは別にアカペラで歌われる宗教曲の響きの美しさは格別のものが . . . 本文を読む

なぜ三島由紀夫が気になるのか?

2012-05-06 | review
昭和45年(1970年)に三島由紀夫が自決してから、40年以上が経つけれど、未だに彼への関心は薄れない。実際、彼の文学がどれほど若い人たちに読まれているのかは知らないが、あの異様な死に方は「自殺した作家」の系譜に燦然と輝くものがあるだろう。 この本は「豊饒の海」の最終巻「天人五衰」を創作ノートなど、多くの資料を元にありうべき別の形で書こうとしたものだ。その試み自体は(読めば誰でも感じるように)失 . . . 本文を読む