This Is The Way I Am

ただし。が、気まぐれに、日常にて考えていることを綴ってみます。

本番が終わりました。

2006年03月07日 01時59分18秒 | Weblog
去年の12月くらいから関わっていた公演が本番を終えました。

3月5、6日と本番が四回あって、
そのために、3~4ヶ月、走り回ってきました。
「音楽監督」という立場で、ミュージカル作品を作り上げてきました。


そして、本番が終わった時――、
泣いている皆の中で、泣けない自分に気付きました。


今回、テーマ、っていうか、設定が「アンドロイドのいる世界」だったから、
「実は、俺、アンドロイドなんじゃないか!?」って思うくらい、
感動もなく、気持ちも昂ぶらず、
ただ、淡々と月日だけが流れていきました。
まるで、ロボットのように、人々の要求に応え、
まるで、ロボットのように、ただ作業的に曲を書いた。
まるで、ロボットのように、感動を生み出してみたりもした。


正直、仕事が大変だった、っていうのもあるかな。

そして、自分が目指してた境地まで、辿り着けなかった、っていうのもあるかな。



今まで参加した公演の中で、一番、冷めていたと思う。
皆が頑張っている中で、「ふーん」って、モノクロームの世界を眺めてた感じかな。
「僕は頑張ったからさぁ、皆も頑張ってくれよな」っていう、
期待に似てるけど、どこかでふっと諦観している気持ちもあった。



もの凄い究極のエゴですね。
自分の勝手ぶりに、自分でも驚く。
冷めたまま。



だけど。

打上げの席で、皆の泣きながらの笑顔を眺めていて、
「あぁ、きっと自分のしたことは、意味があったんだ」って思えて、
それが、一番の救いでした。


今はまだ、辛かったこととか、苦しかったこととか、
あるいは何かを諦めてきたことしか思い出せないし、
何かを成し遂げた、っていうよりは、
やっと解放された、という気持ちの方が大きいけれど、

きっと何年か経てば、
「あの時、公演に参加して良かったな」って、
そう思える日が来るのかもしれないな、と思い、
皆の前で挨拶をすることが出来ました。



そんな冷めた気持ちの中でも、
一生懸命に、自分の身を削って作った曲があって、
全身全霊の自分で、皆に伝えたかったこともあって、
そういうものを、誰かが受け取ってくれていたら、いいな、とも思います。


これまた、究極のエゴ、かな。



でも、ベストを尽くしたこと、は、自分で讃えてあげよう。
誇り。