日々呟く。

とうとよ/清貧の独り言。

読書感想画指定図書レビュー 「マリと子犬の物語」

2008年05月04日 20時08分24秒 | 司書日記
10冊目。

マリと子犬の物語
ひろはたえりこ:文 桑原眞二、大野一興:原作 山田耕大、清本由紀、高橋亜子:映画脚本
汐文社 2007


中学年指定図書。

多分、この本が中学年一番人気の本となるのではないでしょうか。
なんせ、映画のノベライズですから、知名度が違います。

実際、私がこの本の装備を図書室でやってる時も、
「先生、この本準備できたら借りていい? 映画で見たことある。」
って早速言いにくる子どもがいました。

そして、おそらく、犬を正面に据えた絵が中心になることでしょう。

ただ…。
題材は新潟県中越地震、山古志村の災害です。
ただ単に犬だけ描いてはいおしまいでいいものなのか。

きちんと、物語を理解して絵を描く必要があるのではないかと思います。

映画になったあのおはなし…
という認識だけでは、足りないような気がします。



それはそれとして。
この本、分類はどうされていますでしょうか。

もともと、実話を基にしたお話です。
ノンフィクションの916でもいいような気もします。

しかし、この本自体は、実話を基にしたお話の映画を、さらにノベライズしたもの…。

実際のお話とはかなりずれがあるんじゃないかなと思います。
もともとのお話を、私は知らないのですが。

ということで、うちでは913、日本の小説扱いでとっています。
ちょっと調べてみたのですが、福岡地区の他の図書館でも大体そんな感じみたい。

まあ、こんなことは、読む側にとってはどうでもいいことなのかもしれないですけどね。

読書感想画指定図書レビュー 「いい夢ひとつおあずかり」

2008年05月04日 17時53分12秒 | 司書日記
9冊目。

いい夢ひとつおあずかり
小松原宏子:作 北見葉胡:画
くもん出版 2007


中学年指定図書。

先ほどの「夕焼けの国にようこそ」がファンタジー・アドベンチャーならば、この本は、まごうことなきファンタジーです。

しかし、その割には妙に現実的で。

特に、夢銀行のシステムの記述なんか、本当に現実的。
そしてその分、子どもたちが理解するには、少々難しくなってるのではないかと思います。

子どもたちにとっては、銀行のシステムがどうのこうの書いてあっても、あまり気にしない…いや、むしろ邪魔になるのではないか…と、私は思っています。

もしかしたら、そんな部分も、面白く読んでくれるのかもしれないですけど。

お話も、ちょっと難しめ。
少なくとも、さっきの「夕焼けの国へようこそ」のように、スピーディで分かりやすいお話ではありません。

ですので、3年生よりも、4年生が、じっくり読んで描いたほうが良い作品なのかな、と思います。

題材が「夢」ですので、作品の出来上がりは、とても楽しみなんですけどね。
形にするのは、難しいのかもしれない。

読書感想画指定図書レビュー「夕焼けの国へようこそ」

2008年05月04日 16時27分35秒 | 司書日記
8冊目。

夕焼けの国へようこそ
垣内磯子:作 早川純子:絵
フレーベル館 2007


中学年です。

このぐらいのお話が一番ちょうど良いんじゃないかなぁ。
読みきかせもできないことはないぐらいの長さで、展開もスピーディ。

挿絵も可愛いですし、ちょっとした冒険物なので、子どもたちも好きなんじゃないかと思います。
まあ、どっちかというと女の子向けなので、男の子の反応は気になるところなのですが。

でも、嫌いじゃないよね。こんなお話。
なんせ主人公が格好良いですしね。

でも、どんな絵ができあがるんだろう。
魅力的なシーンはたくさん。

3・4年生からは絵の具を使います。
きっと、夕焼けの国の風景も、絵の具の微妙な色使いで、素敵に表すことができるでしょう。

読書感想画指定図書レビュー「ぼくらは「こうもり穴」をぬけて」

2008年05月04日 15時49分41秒 | 司書日記
7冊目。

ぼくらは「コウモリ穴」をぬけて
広瀬寿子:作 ささめやゆき:絵
あかね書房 2007 あかね・新読み物シリーズ24


中学年(3・4年生)に入りました。
中学年になると、なかなか短時間で読みきかせできるような本は少なくなってきます。
しかし、自分で本を選べと言っても、まだなかなか選べないので…。

結構指導が難しい学年のようです。

少々長い作品でも、時間を賭けて読みきかせをされる先生もいらっしゃるみたい。
また、一場面だけ読んで、その場面を描かせる…なんて手法も…。
読書感想画というなら、その方法はどうかと思うのですけどね。


で、この本。
絵を描かれているささめやゆきさんは、ここ3年、毎年指定図書の絵を描かれているのですが…。

なかなか、子どもにとっては親しみやすい絵ではないみたい。
表紙だけで敬遠されたり…。
だからこそ、先生側で本を用意することになるのですが…。

ということで、感想画も、挿絵の写し描きという訳には行かなくなります。
より、それぞれの個性に溢れた作品が並ぶことになるでしょう。


だけど…このお話は少し難しいのかなぁ。
テーマが単純じゃないですからね。

コウモリの巣を描く…難しそうだなぁ。
霧に浮かぶ川とお母さんの方がまだ描きやすいかなぁ。

サッカー少年の姿とか描きそうですけどね。


お話が難しめで、挿絵も親しみやすいという訳ではありませんので、感想画の題材としては少し難しいのかもしれません。

お話をじっくり読めば、雰囲気の良い作品なので、いろいろ浮かんでくるだろうとは思うのですが…。

じっくり読んでくれる子がどれだけいるのか。

読書感想画指定図書レビュー 低学年まとめ。

2008年05月04日 14時24分57秒 | 司書日記
さてさて。とりあえず低学年が終わりました。

あ。そうだ。
ただ単に、「読書感想画指定図書」って書いてますけど、これは、「西日本読書感想画コンクール 指定図書」のことですので。

なんか他にもあるみたいですしね。
読書感想画コンクール。


でと。
今まで書いてきましたが…レビューになってるでしょうか。
別で書いてる感想文とは、少し違う視点で書いているつもりではあるのですが…。

読書感想画指定図書レビューとはちょっと違うのかもしれない…。

まず、私は別に、読書感想画の専門家でもなんでもないですしね。
ただ単に、職業柄、毎年これに深く関わるというだけですから。

今回こうやって書いているのも、今年の9~10月に、実際に先生に指定図書の内容なんかを説明するときの準備なのです。


さて、低学年指定図書の6冊ですが…。

子どもが一番好きそうなのは、「おばけでんしゃ」でしょうかね。
「お化け」という題材は、子どもたちにとって、非常に親しみやすく、また描きやすい題材ではないかと思います。
感想画というより、お化け描きまくろう大会になっちゃうような気もしますけど。

私は「とらとほしがき」なんか、迫力ある絵が仕上がりそうでいいんじゃないかなーと思いますが、お話自体が地味目なので、子どもたちが喜んで描くかどうかは分からないところです。

「パンダのパンや」と、「アップルパイたべてげんきになぁれ」の2つは、絵本ではないので、どちらかというと2年生向きでしょうか。
しかし、学級で読みきかせするには少し長めなので、学級でまとめて指導しようとされる先生には、敬遠されちゃうかもしれません。

「ラングリーのみみ」は、先生によっては外すかもしれないですね。
みんなが同じ犬描いてしまいそうだから…。
「たったさんびきだけのいけ」の方が、変化のある絵になる…かもしれません。


1・2年生だと、だいたい画材がクレヨンなんですよね。
クレヨンで描いて面白そうなのは…、やっぱり「おばけでんしゃ」と「とらとほしがき」あたりなのかなぁ。

読書感想画指定図書レビュー 「アップルパイたべてげんきになぁれ」

2008年05月04日 13時44分25秒 | 司書日記
6冊目。

アップルパイたべてげんきになぁれ
茂市久美子:作 狩野富貴子:絵
国土社 2007


低学年最後です。

感想画指定図書ではお馴染みの茂市久美子さんの作品。
いつものように、いつものようなお話です。

低学年の指定図書の中では、一番長いので、1年生には少し難しいのではないかと思います。
2年生向き…でしょうか。
挿絵はふんだんに使ってあるので、絵のヒントには事欠かないと思いますが。

ケーキという、女の子の大好きな題材が使ってありますし、主人公の男の子…たぬきさんはとても可愛いので、きっと可愛らしい絵が仕上がることでしょう。

読書感想画指定図書レビュー 「おばけでんしゃ」

2008年05月04日 13時22分57秒 | 司書日記
5冊目。

おばけでんしゃ
内田麟太郎:文 西村繁男:絵
童心社 2007 絵本・こどものひろば


もう少し低学年。

この本も絵本なのですが、他の絵本とは違い、あまり読みきかせには向かないようです。
ストーリーというものはほとんど無いですし、音を聞いていただけでは、この本を楽しむことはできないと思います。

この本はやはり、自分でじっくり読んで…というか、絵を見て、あちこちページをめくりながら、その対比を楽しむのが一番でしょう。

たくさんのお化けが、それぞれいろいろなことをしています。
最後のページでは、人間に化けたお化けが出てきますが、それがそれぞれ、どのお化けだったのか、ページを戻しながら比べていくのが面白いでしょう。


そして、子どもたちはこんな絵本が大スキです。
きっと、感想画も、楽しさにあふれた、にぎやかな絵になると思います。

読みきかせには向かないので、学級でまとめて描くにはちょっと厳しそうな気もしますけどね。

あまりににぎやかすぎて、えがごちゃごちゃしてしまわないかが心配です。
やはり、主題がきちんと表れている絵の方が、見て映えますからね。

読書感想画指定図書レビュー 「たったさんびきだけのいけ」

2008年05月03日 23時26分13秒 | 司書日記
4冊目。

たった さんびきだけの いけ
宇治勲:絵と文
PHP研究所 2007 PHPにこにこえほん

低学年です。
そろそろ書くことがなくなってきましたが…。

主役は3匹。
きっと、3匹全部を描いた絵が多くなることでしょう。

でも、あえてカエルだけにしぼるのもアリですよね。
おたまじゃくしからカエルになるシーンとか、一生懸命あなを掘るシーンとか。

まあ、3匹仲良く池で暮らしているシーンってのも、王道なんでしょうけど。


私個人的には、このお話は単純すぎるような気が…。
単純なのは良いんですけど…、そんなに簡単でいいのか?って感じがする。

そんなにコロコロ心変わりする奴は信用できん。


絵本の場合、場面丸写しにならないように気をつける必要があります。
「感想画」は「写し描き」じゃないですからね。

まあ、審査する方々が、どこまで指定図書を読み込んでいるかは疑問なんですけど…。
あんまりに王道なシーンだったり、同じシーンを描いている人が多かったりすると、「写し描き」だと思われて、外されることもあるようです。

読書感想画指定図書レビュー 「とらとほしがき」

2008年05月03日 22時06分19秒 | 司書日記
3冊目。

とらとほしがき 韓国のむかしばなし
パク・ジェヒョン:再話・絵 訳:おおたけきよみ
光村教育図書 2006


まだまだ低学年。

さっきの記事でも書きましたが、低学年は、先生が読みきかせをして、学級で同じ1冊の本の感想画描くことが多いようです。
低学年の子どもが、絵を描きたい本を自分で選ぶのも大変ですし、それぞれ指導するのも大変ですしね。

まあ、感想画にそれほど力を入れていない学校では、学級で時間をとって感想画を描くこと自体がないのかもしれないですけど。


さて、そんなとき、この本のような、昔話の絵本なんかは、題材として最適といえます。
長さもそれほどではないですし、昔話ですから、お話も単純。
絵を描くにも、描く対象が絞れて、非常に楽。ということになります。

問題は、お話を子どもたちが理解してくれるか…ってことなんですけど。


昔話の表現は、ちょっと難しく、子どもたちには理解しづらいものもあるようです。
まさか、「ほしがき」を知らない子は…きっといないよね。いないよね…?

確信できないのが今の時代。

なんで牛を盗もうとするのかがわからない、って子どもはたくさんいるだろうなぁ。

読書感想画指定図書レビュー 「パンダのパンや」

2008年05月03日 21時11分24秒 | 司書日記
2冊目。

パンダのパンや 劇団どうぶつ座 旗揚げ公演
穂高順也:作 深見春夫:絵
岩崎書店 2007 おはなしトントン 7


こちらも、低学年の指定図書。
低学年から順番に読んでいくことにします。

ちょっと長めなので、先生が読み聞かせをして、描かせるのは難しいでしょうか。
自分で読んで、描くことになると思います。

お話は、笑い話です。
面白いお話なので、楽しんで読めるのではないかと思います。
劇団がどうのこうのという設定は、子どもたちには関係のない話になってしまいそうですが、まあ、あまり気にすることでもないでしょう。

途中の、ヤギの出現とか、劇団っぽいというか、吉本新喜劇っぽいにおいがするんですけどね。

子どもたちはどんな絵を描くかなぁ。
パンやの割には、パンがあまり主役にならない絵になりそう。
かいじゅうパンのシーンとかが人気になるかもしれないですね。


作者も、絵師も、なんか聞いたことある名前だなぁと思ったら、一昨年の読書感想画指定図書に選ばれていた作品の作者さんたちでした。

このほかの本も、昨年、一昨年にも名前があった作者さんたちが結構いて…。
なんだか、お馴染みの面々ってのがいるみたいですね。