日々呟く。

とうとよ/清貧の独り言。

読書感想画指定図書レビュー 「おりの中の秘密」

2008年05月06日 02時53分35秒 | 司書日記
18冊目。

おりの中の秘密
ジーン・ウィリス:著 千葉茂樹:訳
あすなろ書房 2005


高学年指定図書。
最後です。

この本が一番無難なのかな。
一番薄いですし、また、男の子にも、女の子にも受け入れられやすいお話だと思います。

挿絵は全然ないですけどね。
頑張れば読み聞かせもできるかな。

もちろん、無難なだけでお薦めするわけではありません。

お話の内容は、簡単に言えば、「相手の気持ちを考えよう」というお話です。
きっと。
とかく、相手の気持ちを慮ることを忘れがちで、乱暴な言葉をガンガンぶつけ合うあの子たちに、是非とも考えてほしいテーマです。

読書感想画指定図書レビュー 「ラベンダー」

2008年05月06日 01時45分08秒 | 司書日記
17冊目。

ラベンダー
あいはらひろゆき
教育画劇 2007


高学年指定図書。

淡い紫…つまり、ラベンダー色の表紙が印象的な本です。
カバーをとると、また違う表紙なんですけどね。

とてもシンプルなカバーなのですが、お話の内容とぴったり合ってる気がします。

このジャンル、なんていうのかな。
まあ、小説です。
ファンタジーではなく、リアルな日常を描いた物語。

主人公は6年生。
きっと、現実の子どもたちの感覚とも、それほどずれていないのではないかと思うのですが…。
なにぶん、私はもう大人になってしまいましたので、実際のところは、分かりません。

女の子向け…なのかな。
主人公も女の子だし。

男の子が読んでも、全く構わないとは思うのですが…、多分、男の子が好んでこの本を手に取ることはないでしょうね。
内容を説明して紹介しても、他の本を選んじゃうかな。

ふんわりとした余韻を残す物語です。
私にとってはね。

私が読むと、懐かしいあの頃の話なんですけど、5・6年生の子どもたちにとっては、まさに今の自分と重ね合わせることのできる物語。
どういう風に、この物語を受け止めるのかなぁ。


他の本と同じく、この本も地味目の本なので…。
と思ったのですが…むしろ派手な方なのかなぁ、一色のシンプルな表紙が、かえって映えるのかも。

ラストスパート。

2008年05月06日 00時25分14秒 | 司書日記
さて。
日付も変わり、今日は月読さんとお会いする約束もあるのですが。

あとちょっと。
残り2冊を読んでしまうことにしましょう。

これを終わらせないと、何のためのGWか分からなくなってしまうしね。

やっぱり早いな、GW…。
あっという間だ。
本当に感想画指定図書読むだけの時間しかなかったなぁ。
実際に読んでた時間は、結構短いのだけど…。

もっと、時間を上手く使えるといいのに…。


ちなみに、読むのは小学生の指定図書だけです。
中学生の指定図書は、読もうにも手元にないですからね。

それはおいおい読んでいくことにしましょう。

読書感想画指定図書レビュー 「マタギ犬ゴンとイノシシ槍王の闘い」

2008年05月05日 23時33分37秒 | 司書日記
16冊目。

マタギ犬ゴンとイノシシ槍王の闘い
桑原崇寿
農山漁村文化協会 2007


高学年指定図書。

これは916、ノンフィクションに分類しました。
福岡県内公共図書館では、65の林業になってたりもしましたけど…。
小学校で、これをそんなところに置いても、誰も読まないだろうし、いざ林業のことを調べるときには、少し違う視点の本になっちゃうでしょうから。
65といっても、659の狩猟だしなぁ。

さて、しかし、読む側にとっては、そんな分類のことなんかどうでもいいのです。
普通に読む分には、イノシシ狩り、そして日本の森林、環境問題などをテーマにした物語です。

それほど長くもないので、読みやすい部類に入ると思います。
表紙も、今回の高学年指定図書のなかでは派手なほう。
まあ、好みがはっきり出るとは思いますが。
興味のない子は見向きもしないかな…。
どっちかというと、男の子向け。

途中の解体シーンなんか、見せ場ではあるのですが、絵にするのは…。
ちょっとグロいでしょうか。
迫力はありそうですが。

猟犬とイノシシのバトルシーンを描くのかなぁ…みんなは。
迫力あるイノシシの絵なんかが、選ばれそうではあるな…。

読書感想画指定図書レビュー 「花になった子どもたち」

2008年05月05日 22時16分57秒 | 司書日記
15冊目。

花になった子どもたち
ジャネット・テーラー・ライル:作 市川里美:絵 多賀京子:訳
福音館書店 2007 世界傑作童話シリーズ


高学年指定図書。

私は、このぐらいしっとりとしていて、静かな本の方が、感想画は描きやすいんじゃないかな、と思うのですが…。
私が年寄りだからかなぁ。

しかし、難点は地味なことなのです。
今まで高学年の本を3冊本を見てきましたが、正直言うと、どの本も、子どもたちは手に取らないのではないかと思います。

なぜって…。
前の2冊は分厚いから。
そして、それほど派手な表紙でもない。
この本は、厚さはそれほどでもありませんが、さらに地味です。

最初にも書きましたが、高学年は自分で本を選ぶことがほとんどです。

となると…。
どうしても、見た目に派手なほうに行くのです。

中には、「感想画描くから、絵の多い本」とかいう子も…結構たくさんいます。
それを丸写しする木なのなら、それはすでに感想画じゃないんですけど。


地味でも、中身を読んで判断してもらうのが一番なんですけど…。
今の子達は、なんだか時間がないようで。
いちいち読んでられないみたいね…、


私は好きなんだけどなぁ。
こういう、静かなおはなし。

絵も、花がたくさんで美しい絵ができそうなんだけどなぁ。


あとは、私が…司書がどう薦めるか。
高学年は、本当にそこが一番の問題。

読書感想画指定図書レビュー 「ラークライト」

2008年05月05日 20時49分06秒 | 司書日記
14冊目。

ラークライト 伝説の宇宙海賊
フィリップ・リーヴ:著 松山美保:訳 デイヴィッド・ワイアット:画
理論社 2007


厚いのから読んでるせいか、ペースがガクッと…。
まあ、他のこともちょくちょくはさんでるからなんですけど…。

高学年指定図書です。

今度は、SFもの。
しかし、舞台背景は結構時代ががってるので…単純なSFとはいえません。

なんせ舞台は1851年のイギリス世界なのですから。
でも、登場人物が活躍するのは宇宙空間で、いろいろな宇宙生物と関わっていくんですけどね。

と、こんな複雑な舞台背景を、小学生がどれほど理解できるのかということです。
ニュートンがなにをしたのかも知らない人に、「もし」ニュートンが別の発見をしていたら…なんて説明しても、もともとの知識がないのですから、理解できるはずもない。

その舞台背景を飛び抜かすと、この物語には非常に無駄が多くなってしまう。
舞台背景の説明や、背景に関わる様々なエピソード、そして、いろいろな所にでてくる、「大英帝国」の言葉。

背景についての知識が少しでもあれば、それぞれが繋がって、より物語に深みをもたらしてくれるのですが…。

なにも知らないでこれを読んで、楽しめるのか。
そして、感想画まで描くことができるのか。

小学生高学年指定図書にしては難しすぎない?
というのが、私の印象でした。


子どもによるのかもしれませんけどね。

読書感想画指定図書レビュー 「虚空の旅人」

2008年05月05日 14時47分59秒 | 司書日記
13冊目。

虚空の旅人
上橋菜穂子:作 佐竹美保:絵
偕成社 2007 軽装版偕成社ポッシュ


高学年(5・6年生)指定図書です。
流石に高学年ともなると、本も分厚い。
気合を入れて読まなければなりません。

ぞれぞれの本が長くなりますので、学級での読みきかせなんかも、ほぼ不可能になります。
それでも、一昨年は「おばけ桃が行く」をまるまる1冊読みきかせされた先生もいらっしゃいましたけど…。

今考えると、凄いな…。

ということで、学級で同じ本の感想画を描くということも少なくなります。
それぞれが、それぞれに思い思いの本を選んで、自分の感想画を描くことになります。
ですので、指定図書も、あまり特別扱いされません。
子どもたちが選ぶ本の候補の1冊に過ぎないと言うことになります。

まあ、他の本よりは優先的に薦めることにはなるのですが。


さて、この本の話題に入りましょう。
この本は、「精霊の守り人」をはじめとする、守り人シリーズの1冊です。
ですが、位置付け的には外伝のような感じですので、この本単体でも十分に読めます。
私自身も、他のシリーズは読んだことがありませんが、内容を楽しむことができました。

もちろん、他の守り人シリーズ…とくに1巻の「精霊の守り人」を読んでいると、より楽しめるのだとは思いますが。

しかし、それにしても長いので、読む側もそれなりの覚悟が必要です。
読書力がそれなりにある子でないと、読めないのではないかと思います。

中の文章も、結構難しめですしね。
設定語りも多めですし、笑いの部分はないと言っていいでしょう。
すごく真面目なお話です。

王道の剣と魔法の冒険物のようなお話ですので、そんなお話が好きな子には薦められると思います。
物語自体は、結構昔に書かれたものですので、読んだことがある子もいるかもしれませんね。

あとは、ファンタジーの世界を描くことができるかどうか。

読書感想画指定図書レビュー 中学年まとめ。

2008年05月04日 21時53分15秒 | 司書日記
ということで、中学年もすべて読み終わりました。


なんだか、テーマの重い…深い本が多いですね。
流石中学年と言ったところでしょうか。

しかし、これを感想画として描くのか…。
どんな絵ができあがるんだろう。

さっぱり想像がつきません。


私が読んでみて、いちばんお薦めしたいと思ったのは、「夕焼けの国へようこそ」でした。
お話も短く、それでいて内容もそれなりに詰まっている。
少し女の子向けですが、男子だって十分いけるはず。
3年生ならこの本がいちばんお薦めだと、私は思いました。

なんだか、この仕事始めてから、少し少女趣味が入ってきたような気もしますが…。
まあ、面白いものは面白いのです。

ただ、4年生になると、この本では少し幼いと感じる子もいるかもしれません。
4年生だと…そうだなぁ。
「いい夢ひとつおあずかり」なんかは幻想的でいいかも。
テーマも深い部分があるので、4年生でも楽しめるんじゃないかと思います。

ちょっと、複雑すぎる部分…なんだか余計と感じられる部分があるような気もしますが。

「ぼくたちはいつまでも」や「ぼくらは「コウモリ穴」をぬけて」は、どんな絵になるのか…。
これらも4年生向けなんじゃないかな…と思います。
難しめかな。

「思い出のたんじょう日」は…どう見たらいいのか。
見た目は3年生向けに見えるんですけどね、内容はかなり深いような気がする。
3年生から大人まで楽しめる…ってことなのかな。

そして「マリと子犬の物語」。
映画のノベライズってことで、きっと人気が集中するのでしょう。
でも、なんだか、それだけの理由で選ばれて、みんながみんな、ただただ犬っころの絵を描いてくるのだとしたら…、なんだか複雑です。
それでいいのかと。

まあ、ノベライズ作品ってのはそんなものなんでしょうかね…。

きちんと読み込んで、その上で描かれるのなら、それは素晴らしい作品ができるんじゃないかと思うのですが。


3年生と4年生。
1歳しか違わないですが、結構その1年が大きい学年だと思います。

子どもたちを見ていて、3年生はやはりまだ低学年という感じがしますが、4年生ともなると、むしろ5・6年生よりもしっかりしてるんじゃないかと思うときさえある。

まあ、その年の子どもたちの状況によっても違うのですが、今のところ、そのように感じることが多かったです。

ということで、今回は3年生向け、4年生向けと分けて考えてみました。


まあ、なんだかんだ偉そうに書いてますが、結局、絵に関しては私は素人です。
指導する立場でもないしね。

結局、選書にぐらいしか立ち会えないですから。

だからこそ、しっかり読んでおく必要があるんですが。

読書感想画指定図書レビュー 「ふしぎの森のヤーヤー 思い出のたんじょう日」

2008年05月04日 21時29分15秒 | 司書日記
12冊目。

ふしぎの森のヤーヤー 思い出のたんじょう日
内田麟太郎:作 高畠純:絵
金の星社 2007


中学年最後です。

内田麟太郎さんは今年度2度目の登場。

親しみやすい(?)キャラクターがたくさん登場しますので、絵は描きやすいんじゃないかと思います。
ただ、それぞれのキャラクターが独自ですので、それぞれのキャラクターを描こうと思うと、どうしても本のイラストをそのまま真似る…写し描きのようなことになってしまいがちなのが難点です。

そして、キャラクターはそんな感じなのですが、お話の内容は…とても深い。
本自体はそれほど厚くなく、物語も長いものではないのですが、扱うテーマ的には、むしろ大人向けのような気もします。

子どもたちがどれほど理解してくれるのか…と考えるのは、子どもたちを見くびりすぎでしょうか。

しかしまあ、突き詰めれば単純なことなんですよね。

「愛情」

それがきっとキーワードなのでしょう。

読書感想画指定図書レビュー 「ぼくたちは、いつまでも」

2008年05月04日 20時50分54秒 | 司書日記
11冊目。

ぼくたちは、いつまでも
関谷ただし:作 ヒロミチイト:絵
そうえん社 2007 そうえん社フレッシュ文庫 7


中学年指定図書。

流石に中学年ともなると、どの本もテーマが重くなってくる。
それをどう感想画として表すか…。

私自身が描けそうにないからなぁ。

この本の内容で、子どもたちに馴染み深いのは、ドッジボールのシーンでしょう。
昔も今も、子どもたちには人気のスポーツです。
今は、普通にダブルドッジボールやったりもしてるみたいですが…。

ただ、いくらドッジボールが馴染み深くても、ただドッジボールのシーンを描いただけでは、この本のテーマは伝わらないのではないかと思います。
その辺をどう関連されていくのか…、いやむしろ、審査員がその辺りをどう見るのか…。

少なくとも、私が知ってる審査会ぐらいまでの審査員の方々は、本の内容まではほとんどご存じないからなぁ。
ただ単に、迫力あるドッジボールの絵を描いたら、通っちゃうのかもしれない。

それでいいのかな…。


まあ、運動会のシーンや、写真についてのシーン、ゴロゴロのシーンなど、関連付けて描けるようなシーンはたくさんあるのですが。


うーん。
大体、本の中にでてくるシーンで、描きやすい、描きにくいとか考えてる時点で違うのかなぁ。
感想画ってのは、どこのシーンがどうのってだけを描くものでもないだろうからなぁ。