日々呟く。

とうとよ/清貧の独り言。

読書感想画指定図書レビュー 「マタギ犬ゴンとイノシシ槍王の闘い」

2008年05月05日 23時33分37秒 | 司書日記
16冊目。

マタギ犬ゴンとイノシシ槍王の闘い
桑原崇寿
農山漁村文化協会 2007


高学年指定図書。

これは916、ノンフィクションに分類しました。
福岡県内公共図書館では、65の林業になってたりもしましたけど…。
小学校で、これをそんなところに置いても、誰も読まないだろうし、いざ林業のことを調べるときには、少し違う視点の本になっちゃうでしょうから。
65といっても、659の狩猟だしなぁ。

さて、しかし、読む側にとっては、そんな分類のことなんかどうでもいいのです。
普通に読む分には、イノシシ狩り、そして日本の森林、環境問題などをテーマにした物語です。

それほど長くもないので、読みやすい部類に入ると思います。
表紙も、今回の高学年指定図書のなかでは派手なほう。
まあ、好みがはっきり出るとは思いますが。
興味のない子は見向きもしないかな…。
どっちかというと、男の子向け。

途中の解体シーンなんか、見せ場ではあるのですが、絵にするのは…。
ちょっとグロいでしょうか。
迫力はありそうですが。

猟犬とイノシシのバトルシーンを描くのかなぁ…みんなは。
迫力あるイノシシの絵なんかが、選ばれそうではあるな…。

読書感想画指定図書レビュー 「花になった子どもたち」

2008年05月05日 22時16分57秒 | 司書日記
15冊目。

花になった子どもたち
ジャネット・テーラー・ライル:作 市川里美:絵 多賀京子:訳
福音館書店 2007 世界傑作童話シリーズ


高学年指定図書。

私は、このぐらいしっとりとしていて、静かな本の方が、感想画は描きやすいんじゃないかな、と思うのですが…。
私が年寄りだからかなぁ。

しかし、難点は地味なことなのです。
今まで高学年の本を3冊本を見てきましたが、正直言うと、どの本も、子どもたちは手に取らないのではないかと思います。

なぜって…。
前の2冊は分厚いから。
そして、それほど派手な表紙でもない。
この本は、厚さはそれほどでもありませんが、さらに地味です。

最初にも書きましたが、高学年は自分で本を選ぶことがほとんどです。

となると…。
どうしても、見た目に派手なほうに行くのです。

中には、「感想画描くから、絵の多い本」とかいう子も…結構たくさんいます。
それを丸写しする木なのなら、それはすでに感想画じゃないんですけど。


地味でも、中身を読んで判断してもらうのが一番なんですけど…。
今の子達は、なんだか時間がないようで。
いちいち読んでられないみたいね…、


私は好きなんだけどなぁ。
こういう、静かなおはなし。

絵も、花がたくさんで美しい絵ができそうなんだけどなぁ。


あとは、私が…司書がどう薦めるか。
高学年は、本当にそこが一番の問題。

読書感想画指定図書レビュー 「ラークライト」

2008年05月05日 20時49分06秒 | 司書日記
14冊目。

ラークライト 伝説の宇宙海賊
フィリップ・リーヴ:著 松山美保:訳 デイヴィッド・ワイアット:画
理論社 2007


厚いのから読んでるせいか、ペースがガクッと…。
まあ、他のこともちょくちょくはさんでるからなんですけど…。

高学年指定図書です。

今度は、SFもの。
しかし、舞台背景は結構時代ががってるので…単純なSFとはいえません。

なんせ舞台は1851年のイギリス世界なのですから。
でも、登場人物が活躍するのは宇宙空間で、いろいろな宇宙生物と関わっていくんですけどね。

と、こんな複雑な舞台背景を、小学生がどれほど理解できるのかということです。
ニュートンがなにをしたのかも知らない人に、「もし」ニュートンが別の発見をしていたら…なんて説明しても、もともとの知識がないのですから、理解できるはずもない。

その舞台背景を飛び抜かすと、この物語には非常に無駄が多くなってしまう。
舞台背景の説明や、背景に関わる様々なエピソード、そして、いろいろな所にでてくる、「大英帝国」の言葉。

背景についての知識が少しでもあれば、それぞれが繋がって、より物語に深みをもたらしてくれるのですが…。

なにも知らないでこれを読んで、楽しめるのか。
そして、感想画まで描くことができるのか。

小学生高学年指定図書にしては難しすぎない?
というのが、私の印象でした。


子どもによるのかもしれませんけどね。

読書感想画指定図書レビュー 「虚空の旅人」

2008年05月05日 14時47分59秒 | 司書日記
13冊目。

虚空の旅人
上橋菜穂子:作 佐竹美保:絵
偕成社 2007 軽装版偕成社ポッシュ


高学年(5・6年生)指定図書です。
流石に高学年ともなると、本も分厚い。
気合を入れて読まなければなりません。

ぞれぞれの本が長くなりますので、学級での読みきかせなんかも、ほぼ不可能になります。
それでも、一昨年は「おばけ桃が行く」をまるまる1冊読みきかせされた先生もいらっしゃいましたけど…。

今考えると、凄いな…。

ということで、学級で同じ本の感想画を描くということも少なくなります。
それぞれが、それぞれに思い思いの本を選んで、自分の感想画を描くことになります。
ですので、指定図書も、あまり特別扱いされません。
子どもたちが選ぶ本の候補の1冊に過ぎないと言うことになります。

まあ、他の本よりは優先的に薦めることにはなるのですが。


さて、この本の話題に入りましょう。
この本は、「精霊の守り人」をはじめとする、守り人シリーズの1冊です。
ですが、位置付け的には外伝のような感じですので、この本単体でも十分に読めます。
私自身も、他のシリーズは読んだことがありませんが、内容を楽しむことができました。

もちろん、他の守り人シリーズ…とくに1巻の「精霊の守り人」を読んでいると、より楽しめるのだとは思いますが。

しかし、それにしても長いので、読む側もそれなりの覚悟が必要です。
読書力がそれなりにある子でないと、読めないのではないかと思います。

中の文章も、結構難しめですしね。
設定語りも多めですし、笑いの部分はないと言っていいでしょう。
すごく真面目なお話です。

王道の剣と魔法の冒険物のようなお話ですので、そんなお話が好きな子には薦められると思います。
物語自体は、結構昔に書かれたものですので、読んだことがある子もいるかもしれませんね。

あとは、ファンタジーの世界を描くことができるかどうか。