江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

重粒子線がん治療施設は地下へ(6)

2009-07-23 10:26:47 | 先端産業
先の原古賀町地元説明会では名指しこそないものの、不利益を受けるグループと不利益を与えるグループとに色分けされかねない危惧を私は受けました。行政とともに事業を進めている方(色々と配慮しながら)も、重粒子線がん治療施設が設置されて直接利益を受ける方というより(正確にいうと重粒子線がん治療施設の建設場所とは個人的には無関係な地権者だと思います)、行政との窓口的立場の方で共に情報を共有してきたため、そうした経緯から何とかならないかと思って苦慮されている人のように思います。

こうした事態を招いているのに、私は何も言わない橋本市長の責任は重大だと思います。

3月市議会をこの問題に関して傍聴させていただきました。5、6人の議員さんが重粒子線施設問題につき市長に質問されましたが、全て内田総務部長任せで内田総務部長が議員から答えになっていないと叱責されても橋本市長は市長席でじっと推移を見守っているというような状況でした。6月議会は質問自体も低調で、酒井議員が財政的観点からの質問のみとなりました。質問事項になっていた地元同意については質問時間を残す中での打ち切りとなり、傍聴席にいた原古賀町の方から不満の声が上がったのを覚えています。

物言わぬ市長、その下でどうにかしようと模索する地域住民と行政スタッフ、何とかしようとの発言もそのよって立つ位置を疑心暗鬼に探られているようで重苦しい雰囲気の会場、新鳥栖駅前に種をまいたのは他ならぬ橋本市長であるわけですからその後どうなっているか現場に赴き、よくよく他人の意見を聞くべきではないでしょうか。


重粒子線がん治療施設は地下へ(5)

2009-07-22 13:42:27 | 先端産業
ご質問の内容に関する地元説明会が実は20日月曜日に原古賀町公民館で行われました。

しかし、冒頭まず「最先端のがん治療施設を鳥栖へ」というDVDを上演され、運悪く途中DVDがぶちっと切れるとそれまでのくすぶる不満が爆発しかねないような雰囲気での説明会となってしまいました、残念ながら。
今回の説明会は5回目になりますが、新鳥栖駅前誘致の経緯経過について纏まって説明があったのは今回が初めてのような気がします。といっても、県からの説明は大よそカットされ、使う予定のスライドの手元資料を後からみて知るということとなってしまいましたが。

ご質問にお答えするにはそれをお見せすることが理解が早いと思いますが、転記するのも著作権等あるので県や市が直接公開されることを期待したいと思います。このサイトの提案は県や市の幹部の方に見ていただくようお願いしましたので、もしかしたらこのメッセージ伝わるかも知れませんね。

次に、本件の最高責任者、古川知事、橋本市長は地元の理解を得るため、地元説明会に参加されては如何かなと思います。いただいた資料から古川知事の6月議会の答弁で、お答えになったお話から古川知事がお持ちのある種メッセージを感じることは出来ました。

一方、橋本市長は一回目の説明会に出席し、粒子線治療の素晴らしさといった話をしたものの、会場からの質問に答えることが出来ず貝になったような状態で終わってから、2度目以降全く姿を見せず、総務部長以下総合政策課のスタッフに任せきりのような有様です。

責任ある立場で本件をやり抜く気持ちがあるなら、よくよく勉強して再度出席すべきではないかと思います。もともと新鳥栖駅前に誘致を強力に進めさせたのは橋本市長だといわれています。出席された1回目の自信に満ちた弾んだような語り口からすれば多分そうなんでしょう。
厳しい言い方かも知れませんが、事がうまく運べば自分の手柄、暗礁に乗り上げれば部下に任せきりでは大将としての器が問われはしませんか。

会場の雰囲気をどう市長に伝えればいいのか、弱りきった総務部長、総合政策課長の顔が、会場を後にするとき私には非常に強く印象に残り、気の毒な感じがしました。
橋本市長、再度原古賀町公民館で膝を交えて話しに加われることを期待します。


重粒子線ガン治療施設は地下へ(4)

2009-07-20 09:53:46 | 先端産業
それでは、③保険診療へのかすかな期待についてご説明します。

さて、重粒子線がん治療は自己負担300万円という高額な支出がネックとなり一部の裕福な所得層、あるいは民間保険による予めの備えがある方々に利用が限られるのではとの問題が指摘されています。
今さら言うまでもなく、初期投資金額150億円というように、巨額な建築、設備コストがネックとなり、それを償却するため利用者に応分の負担をお願いするから自己負担金300万円お願いするという構図になるかと思います。
それに、ランニングコストとして、莫大な電力使用量、医療従事者等の人件費というのもそれに大きな影響を与えるとお聞きします。

因みに、重粒子線ガン治療とは全てのガン治療に適用される医療ではなく、脳腫瘍、頭頸部がん、前立腺がんなどある種特別なガンに限られます。がん治療は大きく四つの分野、手術療法、抗がん剤などの化学療法、生体防衛を利用した免疫療法と重粒子線がん治療が属する放射線療法とに分けられ、かつそれらをうまく併用することにより治療改善効果を上げるという状況です。先に放射線総合医学研究所を見学させて頂いた時に、千葉県ガンセンター所長である幸津町出身の中川原先生に今後のがん治療の見通しをご質問させていただいたところ、この組み合わせの効用の構図は今後とも変わらないとのご回答をいただきました。

では、我々が病気になり医者へ掛かるとき公的保険と一部自己負担で診療するのと同じような医療行為に、この重粒子線治療がなることはないのでしょうか。

私は、先に原古賀町の説明会で、十時医療統括監、遠藤理事と、この問題でお話する機会がありました。十時医療統括監からは、寄付等を募り損益分岐点を下げる努力をしつつ、土日等も稼動(治療)できるようにしたいとの話をお聞きしました。また、遠藤理事との話では最近保険診療が可能となったIMRTの経緯を説明され、医療コスト低減が保険診療可能となったのだから、もし、重粒子線治療のコストが半分、3分の1となれば同じく保険適用できるのではないかとの期待を感じました。

私は、高額な設備の顧客満足度を高めるには稼働率を上げるしか方法はないと考えます。ずばり24時間稼動、診療を目指すべきです。その方法としては緑深い山里という発想がまずは思いつきます。十時医療統括監にもその話をしました。趣旨は分かっていただいたのではないかと思っています。

しかし、私の後援会のある方の発想が現在膠着した原古賀町の苦境を救うアイデアのヒントになると確信します。
それは予定地周辺の地下を利用しようというプランです。地下なら24時間利用可能となりやしないか。また、動く臓器は重粒子線治療がもっとも不得手とするところだということですが、今まで治療対象時間となっていなっかた夜間をうまく活用すれば、臓器の活動も鈍くなり新たな治療の成果も出てくるのではないだろうか。

何時誰がガンになり、重粒子線治療が望ましい治療方法となるか分かりません。やはり、保険適用を目指すべきです。鳥栖の住民が普通に使える医療設備でなければ誘致する意味はありません。私は、鳥栖市原古賀町の新鳥栖駅前地下より、あたらしい医療普及への光明が見れるようになるのではないかと思います。(続く)


重粒子線ガン治療施設は地下へ(3)

2009-07-19 06:30:56 | 先端産業
次に、②地上に利用空間が残り、集客施設等の設置により人が集まる場所へとなることについて考えてみたいと思います。

人々が出来れば近づくのを避けたいなと思うような場所は近隣住民や、近隣地権者としては大変困った問題だと思います。近隣住民からすれば、居住環境の悪化を意味し、近隣地権者としては土地の有効利用の低下、地価の下落を招くことになるからです。

これは病院一般について言えることでもありますが、重粒子線施設は利用可能な患者さんにとっては有難い存在ですが、出来れば必要なときだけ訪れたいというのが本心かと思います。しかし、鳥栖市のこの計画地は新鳥栖駅まえであり、多くの人々が利用しやすくするための環境整備が必須の条件です。

よって、重粒子線を地下に埋め込むことにより、窓の少ない鈍重な建物が視界から消えるのみならず、そこには代わりに本来の駅前の姿である人が集まる施設を設置することが可能となります。人が集まれば近隣住民の不安感も随分と楽になるのではないでしょうか。多くの人々にリスク分散、あるいは多くの人とリスクの共有をできるわけですから。そして、多くの人が集まることにより、重粒子線施設の安全対策も徹底され、それが持続することが考えられます。そして、最近工場施設を誰でもいつでも見えるようにオープン化の動きを私は顕著に感じますが、同じ要請が働くものと思います。
こうして、人が集まれば土地の利用価値は向上し、周辺の土地への需要は高まり、周辺地権者の不安も解消するのではないでしょうか。

集客施設とは、公民館や研修室、コンサートホールなど考えられますが、重粒子線施設の大きさがバレーボールが出来る体育館ほどの大きさだとすると、私が昔より主張する九電記念体育館のような施設も候補の一つとして上げられるのではないかと思います。今回、民営化の事業主体の株主として、九州電力株式会社、株式会社九電工、久光製薬株式会社(株)の三社が参加されるとお聞きします。それであれば尚のこと、九州電力(株)、(株)九電工が鳥栖市九電記念体育館を建設し、そこを国内Vリーグの強豪である久光製薬スプリングスが活動拠点として利用いただければ鳥栖市の発展のためには前向きな話であると私は考えます。

重粒子線がん治療施設のみの運営では事業の採算性に一抹の不安もあるかと思います。合わせて多角的な収益体制を検討してみては如何でしょうか。
何より、死の不安の渦中にある患者さんが、最も躍動感あふれるアスリートの熱気を間近で感じることが出来るということはガン克服の心理的応援となると私は思います。
(続く)


重粒子線ガン治療施設は地下へ(2)

2009-07-18 13:39:34 | 先端産業
では、重粒子線施設を地下へと埋め込むことでどのようなメリットがあるのでしょうか。

① 重粒子線、中性子線、ガンマー線等を完全に遮蔽するためには地上より地下の方がより望ましいこと。
② 地上に利用空間が残り、集客施設等の設置により人が集まる場所へとなること。
③ 保険診療への期待がもてること。
④ 地震の外、新鳥栖駅に隣接することから、振動対策としての効果が期待できること。


まず、①重粒子線、中性子線、ガンマー線等を完全に遮蔽するためには地上より地下の方がより望ましいことについて考えてみたいと思います。

理想的なストーリとして、炭素イオンが全て重粒子線へと置き換わり、その重粒子線全て患者の腫瘍細胞へと照射されれば、患部へ照射されそこでストップした際、核反応がおき、中性子が発生しますが、患者さんのみの話で問題は小さいといえます。

しかし実際は、重粒子線が加速器を通るところでも中性子が発生するリスクがあります。
稼動準備の試運転時のビーム調整する際、ビームが加速器にぶつからないように電磁石を使って方向を曲げたり、ビームを絞ったりするところで、何らかの理由で加速器にぶつかってしまうと中性子が発生する可能性があります。また、ビームを止めるところである、ビームシャッターのところが最も中性子が発生する可能性が高いと言われています。
もっとも、線量を治療目的のための必要最小限に落としているから、その際出てしまう中性子の発生量もそれに比例して少なくなっているとの説明はなされています。

以上のように、少なくとも重粒子線施設内で、最も気味悪い中性子線が発生している可能性があることは否定できません。
この中性子線の厄介な問題に、スカイシャインという現象があり、天井部から上に中性子が漏れると、空気中の原子にあたって、地上に跳ね返され、遠くまで中性子が届くということが起こります。これに対処するため、天井部を厚くするなどの対処がなされているそうです。

そこで、私が主張する「重粒子線ガン治療施設は地下へ」を実施すれば、空気中で伝播するリスクはなくなり、一種の根本的な設計思想の変更といえ、その点でもより望ましい対処がなされたことになるはずです。(続く)