江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

一院制と地方議会

2011-05-16 10:59:26 | 学校・教育
二院制とは
日本の国会は言わずもがな二院制をとっていますが、政権選択
選挙ともてはやされた時から、ねじれ国会が常態化し、特に
参議院の政党政治化が行き過ぎてしまったのではないかと危惧
いたします。法案を通すための数合わせとなっていませんか。
そもそも参議院は二院制をとっていた大日本帝国憲法時代の
貴族院に相当し、衆議院とは違って各分野でリーダー的存在の
方々がその見識と良心に基づき議論を戦わす言論の府たるべき
使命を負っているものと考えます。


参議院無用論
参議院無用論が出るのも、国家意思を決定する際の不透明さや
無駄な時間が流れていく昨今の状況を見ているともっともだと思
わずにはおられません。
東日本大震災から続く福島第一原発問題はまさしく国難という
べき重大事ですが、政党間の自己保身的な駆け引きの中で、
衆議院と参議院という二重のパズルが真面な国家意思形成に
障害になっているように思えてなりません。


新たな院外議会
本来参議院に期待される見識に基づいた議論は、今やマスコミ
が担っているのが実情です。NHKや民放ではタイムリーに時事
問題に対して識者を招き、国民へ事態の背景事情を含めて解説
説明がなされます。新聞、インターネットというメディアも有力な
場を提供しています。
そうした中で、世論という国家意思を形成する前段としての混沌
としたガスが精製されていきます。
これに世論調査やアンケートという視聴者との対話、および国民
投票という公的な制度で裏打ちできれば、新たな院外議会という
ものが必ずや生み出されることと思います。


予算審議は衆議院へ
政党という国家形成のビジョンを持つ一本筋の通った大きな集団
からなる政党政治を基調とする衆議院に唯一の議会として、国民
生活に直結する予算を決定する権限を与えられるべきではないで
しょうか。継続性のある政党という国の形を決めるところに予算決
定権は持たせてしかるべきです。


院外議員リスト
行政機関という実行部隊は休むことなく活動しなければなりません。
福島第一原発問題など突発的な事態にも対処しなければなりま
せん。そうした時に院外議会ともいうべき新たな参議院の存在が
必要となります。最もその事態に対処する見識を持った方々のご
意見を予めリストに載ったメンバーの中から、国のため、そのお知
恵を尊重するというのは賢明なやり方だと思います。


地方議会は明日の日本
実は、そうしたやり方は地方議会ではすでに経験済みのことでです。
しかし、国と同様に地方議会の評価が国民に高いとは残念ながら
言えない状況と認識しています。
地方議会に身を置く身として国家統治制度の範たるべき鳥栖市議会
になるよう精一杯頑張っていきたいと思います。


安全神話

2011-05-03 15:37:49 | 先端産業
安全神話の崩壊から
福島第一原発の問題を契機に「安全神話の崩壊」という
タイトルが新聞でよくみられるように思います。
原子炉設計上の安全性もさることながら、放射能汚染に
さらされた近隣住民の健康へのダメージの恐れ、言い換
えれば安心して生活できる安全性の目安をいかに示すか
という、これまであまり真摯に想定していなかった事態に
直面して一気に基準なき不安の連鎖に苛まれているよう
な気がします。


より高い安全基準
原子炉設計上の安全性は、今後は、これまでよりよくな
ることは間違いありません。もっとも、より高くなった安全
基準を受け入れるかどうかは別問題ですが。
非常用電源の問題、津波対策などは今休止している原子
炉の再開する前提条件としなければならないと思います。
また、原子炉が被災を受けた際の復旧にあたる任務が
生身の人間ではいかにも制約が多いとわかった現在に
おいて、ロボットによる自動復旧システムの開発、遠隔
操作によるロボットによる代替作業など、これからロボット
開発を急ぎ法律による義務化に至らしめるべきだと思いま
す。
危険性に対する真摯なチェックを、権威的に安全であると
押し切ることは本当に許されなくなったという意味で、
人間はもっと謙虚に「畏れという知性」をはたらかせなけれ
ばなりません。


人間はもっと謙虚に
後者の放射能汚染と人が安全に生活出来る環境の判断に
至っては、過去の事故報告の蓄積の精査および今考えら
れる仮説を検証していくしかなく、「もっとも信頼できる人の
言うとおり」の世界がこれからも続くことでしょう。
この部分の問題はこれまで想定していたかどうかわかり
まんが、小佐古敏荘(こさこ・としそう)東大大学院教授の
内閣官房参与辞任のニュース
を聞くと、まだまだ手さぐり
の状態なのかと思わずにはおれません。
人間はもっと謙虚に「畏れという知性」をはたらかせなけれ
ばなりません。
追記
伊東乾さんのコラムはいつも科学者としての知性と抑制の
効いた見識で大変感銘を受けています。
「長期微量被曝はどれくらい危険か;正しく怖がる放射能」
はご覧になられることをお勧めします。