江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

鳥栖市のまちづくりの方向性について

2014-09-15 19:03:03 | 都市の姿

市民の働く場所としての企業、私は企業が集まる鳥栖市にするというこれまでの施策は維持発展させなくてはならないと思います。今学校で学ぶ子供たちは将来の夢、将来自分が担うべき役割に向かって一生懸命努力していると思うし、大人はそのように導いていると思います。その願いが専門的、個性的あるいは組織的、広域的、国際的になればなるほどその受け皿として多様な価値観が集まる都市的環境整備が益々必要となります。鳥栖市で生まれた子供たちが人生の舞台として鳥栖市を選びたくなるような幅も奥行きもある街になるよう頑張らなければなりません。百年に一度の大事業と言われる新鳥栖駅周辺まちづくりは都市機能が詰まったコンパクトシティとして鳥栖市民の為近隣自治体の為目指さなければなりません。企業の事業戦略上更なる価値が生み出せるようなまちづくり戦略、企業とともに伸びゆく鳥栖市、この方向性は私は極めて重要だと思います。


天桜会の江副です。今年鳥栖市は市政施行60年周年という記念すべき年であり、これまでの歩みを振り返ることは必要かと思います。そしてより良き未来に向けて課題があれば抽出し、問題点の克服と、より望ましい方向へと更なる市勢の発展のため修正しなければならない時でもあります。そこで今回は鳥栖市のまちづくりの方向性について、通告に従い質問してまいりたいと思います。
まず、 鳥栖基山都市計画区域の定期見直しに当たり鳥栖市のこれまでの都市計画マスタープラン、産業政策や住環境整備に対応する都市計画の変遷をお尋ねします。
残余の質問は質問席からさせていただきます。

(答弁)
江副議員のご質問にお答えいたします。
本市の産業政策は昭和29年の工場誘致条例の制定にはじまり、その後、昭和38年に轟木工業団地の分譲を開始しております。同年、都市計画として、市の一部を住居地域、商業地域、準工業地域、工業地域とする用途地域を指定し、建築物の立地に関する用途規制をしております。その後、昭和48年に鳥栖市、基山町で鳥栖基山都市計画区域として指定され、区域区分がなされ、昭和53年に商工団地の分譲が開始されております。さらに、昭和59年には久留米鳥栖テクノポリスの地域指定がされ、昭和60年に商工団地内の一部の用途地域を準工業地域から工業地域へと変更しております。その後、昭和63年に鳥栖西部工業団地、平成18年に流通業務団地が分譲されております。
今後につきましても、新産業集積エリアの地区計画の策定、市街化区域編入を予定しております。
住環境整備につきましては、平成2年に鳥栖北部丘陵新都市開発事業地を、平成4年に蔵上土地区画整理事業地を市街化区域に編入しております。
さらに、平成8年に鳥栖北部丘陵新都市に地区計画を策定し、快適な住環境を形成するための規制をしております。
平成16年には、民間開発であるあさひ新町及び虹が丘団地を市街化区域に編入し、その他、平成19年に新鳥栖駅西土地区画整理事業地を市街化区域に編入、また、市街化調整区域内にある新鳥栖駅の駅舎として必要な用途の立地を可能とする地区計画を策定しております。
このように人口及び産業の動向や、これらに伴い発生する新たな都市的土地利用の需要などを総合的に勘案し必要に応じて区域区分の見直しや用途地域等の指定を行って来たところでございます。
 以上、ご答弁とさせていただきます。

江副
ご答弁有難うございました。鳥栖市がすみよさランキング上位を今までキープしているのも、ご答弁にありましたようにこれまで産業政策や住環境整備を着実に行ってこられた先人の力に負うところが大きかったのではないかとつくづく思うところです。大変感謝申し上げるところです。
ところで今度は光と影のうち影の方の話の一つですが、一向に着手しない出来ない都市計画道路問題やあるいは一向に市街化しない市街化区域に多く残る農地の問題など多々あります。先に進まない原因分析とその解決のための対策あるいは政策など考えてくれているのだろうかという市民の不安や不信あるいは諦めの声さえお聞きします。その一方で市街化された住環境が農村の中で入り乱れてしまい優良農地と言われる調整区域でもはや満足な営農が出来ない地域となったところも多数散見されます。
昨年都市計画の定期見直しの基礎調査が終わり、今年よりその見直し作業が始まっています。今度の区域区分定期見直しに当たっては、これまでの区域区分がもたらした状況及び今後のまちづくりの方向性を踏まえて、抜本的かつ大局的に見直して、また、問題解決のための施策も併せて議論していただきたいと思わざるを得ません。例えば先程申し上げました本市の線引きでは市街化区域と調整区域が入り組んであり本来目標とすべきゾーニングや集積が不十分のままではないのかという問題。また、あるいはもともと調整区域に新駅やインターチェンジ等が建設された場合にはその公共性を鑑みリーダーシップをもって都市基盤や都市施設を整備しなければならないのに、待ちの姿勢で時を浪費してしまっていないのかという問題。などなど都市計画行政に対して不信感を抱くような声が聴かれます。区域区分の定期見直しは上手く機能していると思われていますでしょうか。


(答弁)
江副議員のご質問にお答えいたします。
区域区分については、都市計画法第7条において定められており、その中で、市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされております。
また、同法施行令8条においては、その基準の中で、地形、地物等土地の範囲を明示するのに適当なものにより定めることとされております。
このような法の規定に基づきながら、本市におきましては、これまで人口及び産業の動向や、これらに伴い発生する新たな都市的土地利用の需要などを総合的に勘案し、計画的に基盤整備を行いながら、随時、産業団地等を市街化区域に編入するなど、必要に応じて区域区分の見直しを行ってきたところでございます。
現在、今年度から概ね3年をかけて、市街化区域設定業務を行っているところでございまして、市街地の現況、動向を把握、分析する業務、佐賀県が定める都市計画区域マスタープランの検証及び作成、人口フレーム及び産業フレームの検討、区域区分の定期見直しの検討、用途地域見直しの検討などを予定しております。
本市といたしましては、今後、区域区分の定期見直しを実施するにあたり、鳥栖市総合計画等の上位計画との整合を図りつつ、市街地形成の状況や将来の人口及び産業の動向、さらに、農業的土地利用などとの調整を図るなどの様々な観点を総合的に勘案しながら、より適正な市街化地形成に努めていく必要があると考えております。
以上、ご答弁とさせていただきます。

江副
実務の流れが見えてくるようなわかりやすいご答弁でした。しかし、私の質問に対してのお答えとしては率直にいってあまり説得力が感じられません。鳥栖市総合計画等の上位計画との整合を図りつつ、市街地形成の状況や将来の人口及び産業の動向、さらに、農業的土地利用などとの調整を図るなどの様々な観点を総合的に勘案しながらより適正な市街地形成に努めていくという纏めの答弁をお聞きすると、思ってはみたけど色々難しいところもあり、最終的にはできませんでしたということに只々なってきた事例をよく見ているからです。
やはりとがったところ、強い意志がないと何も先に進みません。人間に例えて言いますと夢や希望、あの方のようになりたい、これこれ云々の人生を歩みたいという明確なあるいは強い思いがあってこそ目標に向けての人格形成がなされる訳であります。

(ポスター出す)


ここに一枚のポスターがあります。ILC国際リニアコライダー研究都市構想に基づき国際学術研究都市を誘致しようと、岩手県一関市企画振興部企画調整課が作成されたものです。ある地方都市の企画調整課が作成されたものです。今日このタイミングでお披露目することになるとは思いませんでしたが、人格形成ならぬ都市形成においてもこのような強い思いがなければ何事も達成できません。まだ最終決定なされたわけではありませんが、アドバンテージを以ってまちづくりを進めておられるようです。
人口減少社会とはよく聞く言葉ですが、この仮説に基づき警鐘を鳴らし、地方創生をオピニオンリードされている増田寛也元岩手県知事は元総務大臣も務められましたが、増田氏は日本創生会議の座長を務められておられました。鳥栖市議会で私が以前紹介させていただきましたがその日本創生会議で来るべき望ましい地方都市としてのあり方としてこのILC国際学術研究都市構想を御推奨されていました。これからは地方が自らの意思で夢や希望に向かって都市形成しなければならない時であります。

・新たな基本都市構想(防災拠点本部、会議場、コンベンション副都心構想、ペッパー社会基本構想)を提案する必要性について
それでは、鳥栖市では新たな都市構想というものがタイムリーに提案されているのでしょうか。
私はだいぶ以前の事ですが鳥栖ジャンクション一体の整備に関して緊急時における出動本部としていいのではないかという議論を地元の議員さんとしたことがあります。例えば、災害や人名救助のとき、ジャンクションに非常口を作りそこから高速道路に乗って、東西南北迅速に緊急対応するのに最も適しているのではないか。そのための施設やインフラの整備のために現在の調整区域を市街化区域に組み入れるべきではないかという話です。今、福岡、熊本、そして新たに大分、宮崎が九州の防災拠点本部として名乗りを挙げています。私はそうした状況を鑑み鳥栖市の立ち位置を考えれば福岡防災拠点本部のサブ本部として鳥栖ジャンクションを整備するという構想を抱き、連係しながら計画を練り上げるべきだと思います。
また、鳥栖駅周辺には主要なもので西側にフレスポ、東側にベストアメニティスタジアム、サンメッセ及び広場など都市的施設が整っており大変便利な都市サービスを受けることが出来るエリアです。
一方、新鳥栖駅はそうした都市施設はありません。ただサガハイマットのみ一つそびえ立っています。私は新幹線というより広域移動の拠点駅新鳥栖駅を百年に一度の大事業との思いが本当にあるのであればそれに合わせた構想を練り上げ、周辺整備を計画実行すべきだと思うのであります。県立以上の体育館の誘致、会議場、コンベンションセンターの誘致、及びビジネス、観光、文化、スポーツ支援サービスがクラスタ、ブドウの房のように充実する施策を当然行わなければなりません。そうした構想を現実のものとするには現在市街化調整区域であっても、その施策に合わせて時期を逸せずに市街化区域に編入しなければなりません。
このような構想を提案し、計画及び実行することは必要であるとお考えになりませんか。

答弁
江副議員のご質問にお答えいたします。
 これまで鳥栖市は、九州有数の交通の要衝という地理的優位性を発揮し、市制施行以来続けてきました企業誘致と定住促進に成功し、発展してまいりました。
こうしたことが、これまでのまちづくりの考え方の中で大きな拠り所となっており、今後も市の成長を持続していくうえで重要な要素になるものと考えております。
一方、議員が事例に挙げられたような考え方について、新たな基本都市構想として提案することについては、現時点では考えておりませんが、鳥栖市だけでなく周りの地域を引き立て九州全体の発展に寄与するための考え方として、新たなまちづくりの視点に取り込んでいくことも大事であると考えております。
以上、答弁といたします。

江副
ご答弁から受けとれるものは、まず、九州有数の交通の要衝という地理的優位性を発揮しなければならないという鳥栖市まちづくりDNAに対する認識は共通であるということです。ただ、私が例示的にお話ししたような都市構想に対する準備はした方がいいとは思いつつも間に合っていないという様に承りました。

ここで光と影のうち影の方の話を一つしたいと思います。
今建設経済常任委員会では閉会中の調査業務として都市計画の見直しと併せて線引きの廃止を一括審査しております。冒頭の詫間部長の答弁にありましたように、工場誘致と合わせて昭和38年より轟工業団地の分譲をはじめ、用途区分のみを定めそして昭和48年線引き、区域区分を定め今日に至っているわけであります。都市化のエネルギーをコントロールするために区域区分や用途区分があるのは言うまでもありません。そのうち区域区分のみ廃止しようということがある種説得力を持て語られている現実が鳥栖市にもあります。全国的に線引きを廃止している都市はいくつかありますが、産業衰退、人口減少あるいは合併による都市計画規制の一元化というのがその主な理由です。鳥栖市は人口は少しづつ伸びているところであり、住みよさランキング上位の常連さんです。その鳥栖市で実は住みよくないところがこんなにあるよと悲鳴を上げているというのです。
歴史と伝統がある旧集落、その内市街化調整区域にあるため高齢化と人口減の悲哀に苦しむその対処薬として線引きの廃止まで行くしかないという声です。
本当にそれしかないのでしょうか、私はあるところで市街化調整区域で地区計画制度を活用して関係者の総意で住みやすまちにしようと取り組んでいる話をお聞きしました。
 市街化調整区域の既存集落の活性化のため、地区計画制度を積極的に活用し、市民に情報提供することは出来ないのでしょうか。

(答弁)
江副議員のご質問にお答えいたします。
 人口減少・少子高齢化が認められる市街化調整区域内の既存集落の活性化を図る目的で、都市計画法第34条第12号に基づき、市街化調整区域を規制緩和する、いわゆる50戸連たん制度の県条例による運用について、平成23年度に運用方針の決定を行っております。
この方針について、該当地区19町区の区長及び役員の方を対象に説明会を開催し、その後、希望された町区については、個別説明会を開催させていただいております。今後も継続してこの制度の周知啓発に努めたいと考えております。
また、議員ご案内の市街化調整区域における地区計画制度につきましても、市街化調整区域の開発を可能とする制度でございまして、人口減少・少子高齢化が認められる既存集落の活性化につながるひとつの方法として活用できるものと考えます。
この制度を有効に活用できる方法について、他自治体の事例等を調査・研究してまいりたいと考えております。
 以上、ご答弁とさせていただきます。

大変真摯なご答弁有難うございました。私がお尋ねした地区計画は柔軟にその地区地域の実情に合わせて緩やかな開発が出来るようにするものですから地区計画が実施されれば使い勝手はいいのではないかとの印象を持っています。ただ事務局としては条例やガイドラインの整備など手間暇のかかることではあります。前向きなご答弁感謝申し上げます。50戸連たんと同様に早くモデル地区を作って、“自分たちのまちは自分たちでつくる”という精神を実現できるよう官民協同で頑張っていける分野ではないかと思います。

それでは次の道路マスタープランについてに移ります。
都市計画の定期見直しに当たり、道路整備構想とのすり合わせがどれくらいなされるのだろうかという観点からお伺いしたいと思います。
前の建設経済常任委員会で富山県南砺市に行政視察に行ってまいりました。その時道路整備5か年計画を学ばせていただきました。生活道路も含む整備構想を作成し道路行政に当たっているとの事でした。そうしたものが残念ながら現在鳥栖市にはないということは承知しておりますので、鳥栖市全体のまちづくりに関する道路整備構想について私見に基づき話を進めていきたいと思います。
ところで私は鳥栖市の望ましい道路整備計画及びその構想というものはどんなものが考えられるのかということで2年前の今回と同じ9月議会で鳥栖市内周回型幹線道路構想試案なるものをご提案したことがあります。
(パネル出す)


赤で示したところがそれで実線が既にある道路点線がこれから整備したいところとなります。この度定期見直しにおいて新産業集積エリアの市街化区域編入も予定されていますので、それも勘案しバージョンアップしたものが鳥栖市幹線道路整備構想試案であす。
(パネル出す)

鳥栖市の道路は当面の目的を達成するためなのか、三叉路交差点が多くみられます。新鳥栖駅から34号線に向かう道路もまた然りであります。この度新産業エリアが整備されるに当たり、提案したい34号線から新産業エリアへ向ける道路整備は新産業集積エリアへの物の流れを円滑にするために必要のみならず、新幹線駅である新鳥栖駅から一直線でかつ大変近いという、ビジネスつまり人の流れを起こすしそういう点でも企業立地条件を有利するためでもあります。
県が既に作成されている上位計画に東部地域マスタープランというものがあります。そこには産業面からとして新鳥栖駅の位置づけとして周辺のビジネス支援機能等を強化すべしと実は既に記述されています。そうした観点にしっかり立てば新鳥栖駅停車場線を東西交通の基軸道路、県道川久保線、及び国道34号線に取りあえずつないでおけばという話ではないはすです。新産業集積エリアまで伸ばすのは新産業集積エリアは新幹線駅から直ぐ行けるところにあるという付加価値を高めることになるのであります。
また、別の観点からしても妥当性があります。どの道路を使うかというときは私たちは目的地までどのくらいの時間で行けるかが大きな選択肢となっています。そうした時この延伸道路を使って新産業エリアから中原鳥栖線を使うなり、あるいは地元の議員さんからご教示いただきましたが、ここにある半平橋を渡り、轟工業団地南を赤井手の交差点へと新道を建設し、藤木の商工団地を通って3号線に抜けると、中心地を避けスムーズな交通の流れを確保するバイパスが完成します。
ここは歴史のある轟工業団地と新産業集積エリアとの間を横切ることから将来企業活動が益々盛んになるところと思われ、産業道路と呼ぶにふさわしいところと見受けられます。今はまだ大きな移転費がかかる住居移転の問題もほとんどない調整区域でありますので、コスト負担の少ないこの時期に将来の為計画実行すべです。
本来は論評していただきたいところですが、今回は意見要望としたいと思います。

それでは鳥栖市全体の話から先程都市基本構想の中でも触れました新鳥栖駅周辺のまちづくりについて、これからもう少し掘り下げて質問していきたいと思います。
まず、先ほど市街化調整区域の調和のとれた開発の救世主になるかもしれないという趣旨で地区計画制度を取り上げました。実は冒頭の答弁にもありましたように新鳥栖駅構内にも地区計画がとられています。どういった目的のために地区計画があるのか教えてください。

新鳥栖駅周辺の活性化策(新鳥栖駅構内の地区計画の目標について)
(答弁)
江副議員のご質問にお答えいたします。
議員ご質問の新鳥栖駅構内の地区計画につきましては、「鳥栖基山都市計画 地区計画 新鳥栖駅地区 地区計画」として、平成21年11月20日都市計画決定告示がなされております。
 その中で、地区計画の方針、地区整備計画が定められており、駅の利便性を高め、商業、業務、サービス施設等が複合集積した地区としての土地利用を図るため、建築物の用途制限として、店舗、事務所、診療所、保育所、駅施設その他鉄道事業の用に供する施設、公衆便所、巡査派出所その他公益上必要な建築物が建築可能となっております。
 現在の新鳥栖駅構内の施設利用の状況としましては、みんなのトイレ、観光案内所、
コンビニエンスストア、駅施設、月極め駐車場などとなっております。このうち、月極め駐車場については、JR九州で運営されているところでございます。
 また、新鳥栖駅西区画整理事業地内につきましても、核施設としての九州国際重粒子線がん治療センター、ドラッグストア、レンタカー、コンビニエンスストア、などの利便施設や、集合住宅、複合医療ビルなどの土地利用が確定し、新鳥栖駅の利用者数も年々増加していることからも、少しずつではありますが、新鳥栖駅周辺が活性化し、当初の目標を達成しつつあるものと認識しております。
 以上、ご答弁とさせていただきます。

江副
保育所も設置予定に入っていたのか知りませんでしたが、少子化対策、女性の社会進出の為にも先進的な取り組みを模索していたんだなと感じます。小さな子供さんが遊んである姿がいつも見られると何となく明るくなります。
ところで濡れずに駅構内に車が留められるということで月極め駐車場はすぐに満車となってしまいました。しかし、本来予定されていた電気室を北側に移動し大きなスペースを開けたのは駐車場にするためだったのでしょうか。地区計画の当初の整備計画からすると予定外の事です。もっと人が出入りする店舗事務所がはいるはずではなかったのでしょうか。新鳥栖駅で下車された鳥栖へのお客さんが駅前で落ち着いて食事をするところがないのかとよく尋ねられます。答えに窮してしまいますが、本当にさみしいことです。何でこうなってしまったのでしょうか。
なお、区画整理事業により、区域内のほとんどの土地利用が確定し、新鳥栖駅の利用者数も年々増加していることからも、少しずつではありますが、新鳥栖駅周辺が活性化し、当初の目標を達成しつつあるものと認識しております。とのご答弁ははいそうですねとはなかなか言えません。九州新幹線開業時期が先に決まっており、それに間に合わせるために大変苦労されたことに対しては折に触れ私は感謝申し上げていますが、行政内部の目標と地域住民市民の期待とではこうも違うのかと思えてなりません。
例として挙げた飲食店がないというまちの賑わいの問題と、もう一つ考えてほしいのは街並みの問題があります。今後のために敢えてご指摘させていただきますと、区画整理事業として地権者に土地を約束通り戻すまでが行政の仕事でその後は駅前の土地活用を個人の責任とするのであればあまりにもお粗末としか言いようがありません。結果論かもしれませんが線路に近い6街区7街区、少なくとも6街区は高度規制、これよりも高い建物を建てるという地区計画を立てるように指導すべきではなかったかと思うところです。新鳥栖駅前の街並みは住民説明会で住民に示したイメージではそうした街並みでした。5階建て以上で建設することと地区計画を立てておけばそれは個人の自助努力の範囲を超えて、街区一団一体の開発を誘導することにもなります。今後の参考にしていただきたいと思います。

そこではこれからの話になります。先ほどの繰り返しになりますが、
新鳥栖駅は新幹線というより広域移動の拠点駅として百年に一度の大事業と橋本市長は事あるごとに語られていました。であれば駅前の活性化策として、県立以上の体育館の誘致、会議場、コンベンションセンターの誘致、ビジネス、文化、スポーツ、観光支援サービスの充実を誘発する施策を当然行わなければなりません。そうした構想を現実のものとするには今度の定期見直しにおいて現在市街化調整区域である対象地域を市街化区域に編入しなければならないのではありませんか。

新鳥栖駅周辺の活性化策(新鳥栖駅周辺の区域区分について)
(答弁)
江副議員のご質問にお答えいたします。
新鳥栖駅周辺の区域区分の見直しについてですが、新鳥栖駅の北側、南側、東側は、市街化調整区域となっており、区域区分の見直しにつきましては、今後の新鳥栖駅周辺を取り巻く状況や、交通結節機能の進展を踏まえた上で、社会経済状況等を勘案し判断することが重要であると考えております。
 なお、開発計画を策定するにあたっては、周辺には多くの優良農地、埋蔵文化財、既存住宅が存在するため、農林調整や関係機関協議など多くの課題を整理することが必要であると認識しているところでございます。
 以上、ご答弁とさせていただきます。


今回予定されている新産業集積エリアの市街化区域への編入レベルまでも言っていないのかなと残念に思います。
正直なご答弁でしょうが、待ちの姿勢しか感じることが出来ません。ない袖は振れぬということわざもありますので、部長にこれ以上の答弁は求めません。
しかし、もしそうして今回見送られるなら、政治家である橋本市長は同等に論ずることはできません。百年に一度の大事業と言っておられた新鳥栖駅周辺整備事業、それがこうして空白の時間を費やすことになれば、指示指導すべき橋本市長の責任は過失に近い怠慢といわれても仕方がないのではないかと私は思います。
構想を提案し、計画実行することは必要ありませんか。今度は橋本市長の見解を求めます。

答弁
 江副議員のご質問にお答えいたします。
 新鳥栖駅周辺の活性化の重要性については、十分認識しているところですが、区域区分の見直しについては、今後の新鳥栖駅周辺を取り巻く状況や、交通結節機能の進展を踏まえた上で、社会経済状況等を勘案し判断することが重要であると考えております。
 以上、ご答弁とさせていただきます。

江副
有難うございます、しかし残念なご答弁でした。橋本市長の本件に関する見解をお聞きしたいと念には念を入れてお聞きしてまいりました。まさに先程の部長答弁と同様のご答弁です。行政の長としてこれまで自ら決裁した件に関して最終責任者として部長と同様の答弁をされるならわかります。私は本件が百年に一度の大事業と大変期待を待たせる言葉を繰り返してこられた市長がその先にこれからどういう考えをお持ちか聞きたかったのです。市役所の代表者であると共にあるいは市役所の代表者である前に我々同様市民の代表者であってほしいと私は強く思います。残された任期を全うしたいとの所感を一般質問初日に述べられましたが、であれば政治家として鳥栖市の有り様について我々議会の議員と議会においても最終責任者として大いに議論していただきたい。色々な議会を見てこられた新聞記者の方が議会であまり発言されようとしない鳥栖市の市長さんは珍しいですねとお話されていました。そういう見方もあるとお伝えしておきます。

・それでは次の新鳥栖駅と山浦スマートインターに移ります。
私は、新鳥栖駅と山浦スマートインター私はそう呼ばせて頂きますが、これはセットのものだと一貫して申し上げてまいりました。今回それに追い風となるある情報を入手することが出来ました。
岡山県での事例ですが、インターチェンジ周辺の市街化調整区域における特定流通業務施設の開発許可基準を立地可能な範囲を現行の「半径1キロ以内」から「半径5キロ以内」に拡大することを決めた。交通面の利便性から企業ニーズの高いIC周辺の用地不足を解消し、産業振興につなげるのが狙い、とあります。
逆の方向から見た話ではありますが、新鳥栖駅と山浦スマートインターを結ぶ路線に照らし合わせると、山浦スマートインターから見て「半径1キロ」に相当するのは麓刑務所あたりになります。新鳥栖駅までは約2キロです。そしてその直線を新産業集積エリアまで伸ばすと、中原鳥栖線との境までが約4.5キロになります。ということで新産業集積エリアまですっぽり「半径5キロ以内」に入ってまいります。その途中にある轟工業団地には大手流通業務施設が既に立地している状況です。同様に鳥栖西部工業団地もすっぽり入ってきます。新鳥栖駅からの人の流れのみならず、この観点も鑑みれば岡山県で許可された設置基準を十分満たしていませんか。

答弁
江副議員のご質問にお答えいたします。
 スマートインターチェンジの導入につきましては、交通の要衝である本市のポテンシャルを最大限に活かすことにつながり、産業、観光、生活面における利便性の向上、及び交通アクセスの向上による高速交通体系の充実が図られるものと考えております。
 鳥栖市内を走る高速道路へのスマートインターチェンジの設置の可能性に関し行った調査の結果、設置候補地として市内複数個所での検討が可能であると判明しております。
 スマートインターチェンジの設置に際しましては、周辺道路からのアクセス性が大きく影響するため、本市の道路交通体系に最も重要な国道などの主要基幹道路の整備の方向性が重要となってまいります。
 また、議員ご指摘のとおり将来のまちづくりの方向性によっては、将来の交通需要や交通体系が大きく変化し、それに伴い、スマートインターチェンジ設置の最適箇所やアクセス道路の状況も変化する可能性があると考えております。
 このようなことから、スマートインターチェンジの検討にあたっては、今後の動向を見極めながら慎重に進める必要があると考えております。
以上、ご答弁とさせていただきます。

江副
時は地方創生の時代となりました。人づくり、ものづくり、まちづくりを地方が責任をもって主体的に行って行かなければならない時代となりました。まちの姿勢ではなく、ここぞと思うときは果敢に挑戦してください。宜しくお願いいたします。

最後の質問項目ですが、新産業集積エリアに合わせた道路整備についても、今回は意見要望としたいと思います。鳥栖基山都市計画区域マスタープランで鳥栖市近隣の自治体の商品販売額、工業出荷額の推移をみていますと、筑紫野市の隆盛が目につきます。筑紫野市と言えば天拝山駅前のショッピングセンターがまず思い浮かびますが、はっきりと近年商品販売額の急増という結果がでています。また、工業出荷額は鳥栖基山(引用している資料では鳥栖基山を一括りとした扱いになっていますが)鳥栖基山と最近では肩を並べるようになり、一事業所当たりの出荷額をみれば反対に鳥栖基山の倍以上と差を広げられつつあります。これは筑紫野インターの開設もあってか鳥栖市にありましたJT当時日本たばこ産業が筑紫野市に移転したことが大きいと言われています。日本たばこ産業は鳥栖市に大きな雇用と活気をもたらした国営の優良企業でした。失って初めてわかる親の恩とは昔から言いますが、鳥栖市にとっては大きな財産を失ったという形となりました。この他にも例をあげればあげることは出来るとは思いますが、こうした反省に立ち、鳥栖市の雇用と活気を生み出す多くの企業の皆様には末永く鳥栖市のパートナーになっていただきたい、私はそう思います。鳥栖市の最初の工業団地轟工業団地には名だたる企業の工場が今も立地しています。こうした企業の事業戦略上更なる事業価値が出来るようなまちづくり戦略として、九州新幹線開業という大きな環境変化の中で、新鳥栖駅周辺の活性化策をご提案申し上げているわけであります。そして今回戦略拠点として期待される新産業集積エリアまでのこのエリアをこれからの子どもたちのために高度な都市的サービスそして都市機能が集積した働く場所雇用を生み出すエリアとして整備していかなければならないとご提案させていただいております。そこでまずは最も歴史のある轟工業団地、ここは新幹線駅近いという位置的有利性からこれからは工業団地ものづくりの生産拠点としてだけでなくビジネス拠点としても大いに使い勝手が高まるような整備を新鳥栖駅を活用するエリアとして方向性を打ち出さなければならないと強く思うのです。そのためまずはその接合部分として新鳥栖駅南側の調整区域は高架施設である九州新幹線を挟むような街並みを目指し、そしてそこに都市施設が集積した一区画の都市計画区域となるように、今回の定期見直しで区域区分用途区分の見直しが必要ではないかと私は提案させていただいております。鳥栖市の総合計画には、市民、行政、事業者がまちづくりの主役であると謳われています。鳥栖市勢発展のためにこれまで長く貢献されてこられた企業の皆さん。交通の要衝というそのポテンシャルに魅かれてこの鳥栖市に根を張っていただいた経緯もあると思います。そうした時さらにそのポテンシャルを高める手段が目の前にあるのであれば、大家さんである鳥栖市は共存共栄のために果敢に挑戦すべきではないかと思います。
ここでサガン鳥栖の話に関連して話させていただきますと、一度はなくなりかけたサガン鳥栖、そのサガン鳥栖が鳥栖市というブランドを鳥栖市の実力以上に今高めてくれていると思う方も多くなったのではないでしょうか。翼の折れたエンジェル、翼の折れかかった時代のサガン鳥栖それを支えた市民の中に鳥栖市が誘致した工業団地の企業にお勤めの方々を私は見てきました。またその方々が会社の中核としてお勤めの企業を動かしサガン鳥栖を色々な角度から支える大きな力となっておられます。市民の働く場所としての企業、私は企業が集まる鳥栖市にするというこれまでの施策は維持発展させなくてはならないと思います。今学校で学ぶ子供たちは将来の夢、将来自分が担うべき役割に向かって一生懸命努力していると思うし、大人はそのように導いていると思います。そうした時専門的になればなるほど、また個性的になればなるほどあるいは組織的になればなるほど、広域的、国際的になればなるほどその受け皿は多様な価値観が集まる都市的環境施設でなければならなくなってまいります。鳥栖で生まれた子供たちが人生の舞台として鳥栖を選びたくなるような幅も奥行きをある街になるよう頑張らなければなりません。新鳥栖駅周辺は都市機能が詰まったコンパクトシティをまさに鳥栖市民の為近隣自治体の為目指さなければならないところです。企業の事業戦略上更なる価値が生み出せるようなまちづくり戦略、企業とともに伸びゆく鳥栖市、この方向性は私は極めて重要だと思います。

最後に今回の纏めとしたいと思いますが、安東副市長が鳥栖コンベンション・シティ委員会でご講演された「鳥栖市の都市計画の現状とこれから」は大変感銘を受け、また今回の一般質問にあたり参考にさせていただきました。一年という在任期間の間に鳥栖市の置かれた問題点を分析され、それに対する解決策をご提示されたその手腕に対しては心より敬意を表したいと思います。先の安倍改造内閣で最も注目を浴びた地方創成大臣というポスト。その所管である「まち・ひと・しごと創成本部」に纏わることをご紹介されているのをはじめ、その他、私が見ても使ってみたくなるような処方箋を多くご紹介していただいています。国の施策と同期したタイムリーな施策を地方都市は打って出なければ市勢の発展はありません。ジュネーブ滞在期間以外は霞が関に長くおられたとお聞きしています。今回私は鳥栖市のまちづくりの方向性ということで拙いお話しさせていただきました。安東副市長は私の担当事務分野はその多くが都市計画に関連していますと述べられています。安東副市長におかれましては当初の任期までとは言わずに鳥栖市の将来像が形作られるまで是非やり遂げていただきたいとの私の所感をもって今回の一般質問を終わります。