《貼り絵・長岡の花火 (1950)》
昨日、郡山市立美術館で始まった山下清展を観に行った。
「放浪の天才画家」と代名詞が付いた山下清の人間像を、深い感動を覚えて鑑賞することができた。
解説には「点と線の芸術」との記述があったが、繊細な線と共に、大胆な構図と、なによりもすばらしい感性に驚かざるを得なかった。
特に印象に残った作品は、貼り絵「スイスの町」の雪を抱く青いアルプスの山々、「遠足」や「自分の顔」に見る顔や衣服の陰影、ペン画の「小石川の後楽園」などだ。また、代表作と言われる「長岡の花火」は、花火の美しさと観衆を描くあの繊細さ、几帳面さにあらためて驚かされた。
それぞれの作品には清の折々の感想文が添えられていた。いろいろな先入観もあったが、一つ一つの作品が、その裏にある、この純真な心と相まって実に貴いものに感じられた。そして、多くの人々に感動を与えた作品をあらためてじっくりと鑑賞した。
激動の時代に生きた清の作品は、しばらく忘れていた諸々の感動を与えてくれた。
《貼り絵・スイスの町 (1963)》
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