注釈の注釈による超現実詩小説
棺詰工場のシーラカンス
【278】それがどうしてサランジュ師に?
サランジュ師【191】ですって? 彼があたしを殺したとでもおっしゃるの? まさか。ふふ。考えてもごらんなさいよ、一度会えただけでも奇跡なのに、自分からやってくるわけがないじゃない、とんまな探偵【242】さんね。違うの。白服よ。白服が一人だけだったわ【281】。一人だったのよ。いいえ。一人しかいなかったわ。わからない。見えなかったのよ。すでに殴られていたから。薄れていく意識の中で、ない、ない、っていう声が聞こえたわ。もうどうでもいいことよ。ええ。あたしはその白服に感謝してるんだから。目覚めたらホテルの前に立っていて、あたしの頭から極秘の内容がすっかりなくなってた。しばらくは失語症の状態が続いたけれど、少しずつ、こうやって、話せるようになった【282】
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