伊早坂駿一選手 本命で2日連続9着

輪子の競輪日記

雑音拡声器と揶揄されている守谷さんが、「3番は買うなよ。ふざけた野郎だからな。今日もやらやらないよ。買ったら金を損するだけだよ」と声高に言う。
よく響く声で、誰もが聞きたくもないの耳に届いてしまう。
この男は、抜群のコミュニケーション能力を発揮して、誰とでも長話ができるので、輪子は看護師の立場から、関心をもっている。
内気な輪子は、「患者さんの心に届くような対話をできればいいな」と日々思っている。
3番とは伊早坂駿一選手（茨城105期23歳）のこと。
前日、1番人気で9着。
その負け方が酷過ぎて、ファンの怒りをかった。
勝負どころで7番手に置かれて、動けない。
伊早坂選手にマークしていた矢口啓一郎選手（群馬86期38歳）は、伊早坂選手に見切りをつけて、8番手から追い込み2着に。
地元の前橋競輪場の選手として、矢口選手は意地を見せた。
それなのに、伊早坂選手は9着に沈む。
輪子は地元取手の伊早坂選手（9番）を軸に車券を買っていたので、「8番手の矢口選手が2着に届いたのに、なんぜ、7番手の伊早坂選手は何もできないの！」と首を傾げた。
そして、今日も伊早坂選手は本命に支持されていた。
「1度失敗した奴は、2度失敗するからな。見ていろ。3番（伊早坂選手）は今日もやらないよ」守谷さんは雑音を撒き散らす。
「ド素人は、黙っていろ」と宮元武蔵は顔をしかめる。
「守谷の大金持ち。どうだ、儲けているか」と武蔵は守谷さんを冷笑する。
守谷在住の守谷さんは、通称守谷さん。
「宮元さん、俺、大金持ちと違うよ」と守谷さんは苦笑する。
輪子は、今日も伊早坂選手を軸に車券を買っていた。
「組み立てを修正した伊早坂選手は、先行で逃げ切りを図る」
2着探しのレースと専門紙の「赤競」は、断然の1番人気に伊早坂選手を挙げていた。
結果は？
3番の伊早坂選手は、本命の断然の1番人気なのに、今日も何もできずに9着に。
伊早坂選手を軸に勝負、宮元武蔵は20万円の大損。
同じく輪子は5000円のマイナス。
2車単9-1　8750円(23人気)
3連単　9-1-6　19万3830円(291人気)

宮元さんは、伊早坂選手に怒ったが、さすがに11レースの9－2－1を1万円で的中、40万円余をゲット。
輪子も宮元さんに教わって、9－2－1を300円買っていた。
11レース
前日3着の松谷秀幸選手（神奈川96期35歳）が奮起して1着に。
元プロ野球選手の松谷選手は輪子が好きな選手の一人。
9-2-1　4080円(10人気）