概要
SNS等のプラットフォームサービスの普及に伴い、インターネット上で気軽に自由なコミュニケーションを行うことができるようになった一方で、匿名のまま不特定多数に向けて特定個人の誹謗中傷を書き込んだり、特定個人のアカウントに対して一方的に誹謗中傷のメッセージ等を発信したりする事例も発生しており、インターネット上の誹謗中傷が深刻な社会問題となっております。
インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ
インターネット上の誹謗中傷に対して、総務省として関係省庁や産学民のステークホルダと連携して早急に対応していくべき取組について具体化を図るため、2020年9月1日、「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」を取りまとめ、公表しました。
総務省による総合的な対策として、
- (1) ユーザーに対する情報モラル及びリテラシー向上のための啓発活動
- (2)プラットフォーム事業者の取組支援と透明性・アカウンタビリティ向上
- (3)発信者情報開示に関する制度整備
- (4)相談対応の充実に向けた体制整備
を推進することとしております。本パッケージの進捗状況について継続的に取組を進め、定期的な検証を行う予定です。
「プラットフォームサービスに関する研究会」におけるインターネット上の誹謗中傷対策の議論
総務省では、インターネット上の誹謗中傷について、総合的な対策を検討するため、「プラットフォームサービスに関する研究会」において、インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方について議論を行いました。
その後、意見募集の結果を踏まえ、令和2年8月7日に「インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方に関する緊急提言」を取りまとめました。
「プラットフォームサービスに関する研究会」の開催状況・会議資料はこちらをご参照ください。
「プラットフォームサービスに関する研究会」においてSNS等のプラットフォーム事業者や事業者団体からヒアリングを行いました。
○事業者の取組(各事業者提出資料) |
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○事業者団体の取組 |
「プラットフォームサービスに関する研究会」において、中間とりまとめ(案)について意見募集を経たのち第30回会合における議論を踏まえ、「プラットフォームサービスに関する研究会 中間とりまとめ」を公表しました。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000128.html
普及啓発活動
○#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/no-heart-no-sns.html

SNS上の誹謗中傷の問題に関する啓発活動の一環として、総務省は、一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構、一般社団法人セーファーインターネット協会及び法務省と共同して、SNS上のやり取りで悩む方に役立てていただくための特設サイトを開設しています。
SNSの誹謗中傷 あなたが奪うもの、失うもの~♯NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)~政府広報
SNSの誹謗中傷に関する動画及び記事「SNSの誹謗中傷 あなたが奪うもの、失うもの~♯NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)~」を政府広報オンラインにて公表しています。

インターネットトラブル事例集
総務省は、子育てや教育の現場での保護者や教職員の活用等に資するため、インターネットに係るトラブル事例の予防法等をまとめた「インターネットトラブル事例集」について、インターネット上の誹謗中傷に係る事例(事例16 SNS等での誹謗中傷による慰謝料請求)を盛り込んだ「インターネットトラブル事例集(2022年版)」作成・公表しています。
- インターネットトラブル事例集:https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/
- 事例16 SNS等での誹謗中傷による慰謝料請求:https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/case/case16_detail.html
「上手にネットと付き合おう!~安心・安全なインターネット利用ガイド~」特集ページ「SNS等の誹謗中傷」
総務省は、安心・安全なインターネット利用に関する啓発を目的としたウェブサイト「上手にネットと付き合おう!~安心・安全なインターネット利用ガイド~」を開設しています。全世代型の啓発サイトであり、「SNS等の誹謗中傷」を「特集」として掲載しています。
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/sns/
インターネット上の誹謗中傷に関してお困りの方へ(相談窓口)
インターネット上の誹謗中傷に関する相談窓口のご案内
インターネットの書き込みにより、誹謗中傷などの被害にあわれた場合における相談窓口の案内図です。ご自身の希望に添った相談窓口にお問い合わせください。

違法・有害情報相談センター(総務省支援事業) https://www.ihaho.jp/
専門の相談員が、誹謗中傷の書き込みを削除する方法などについて丁寧にアドバイスします。
その他の相談窓口
- ○誹謗中傷ホットライン https://www.saferinternet.or.jp/bullying/
- (一社)セーファーインターネット協会が運営する相談窓口です。
- ○法務省「インターネット人権相談窓口」 https://www.jinken.go.jp/
- 法務省の人権擁護機関(法務局)ではインターネットでも人権相談を受け付けています。
削除依頼の方法について相談者に助言を行うほか、内容に応じて、法務局からプロバイダに削除要請を行います。
- ○厚生労働省「まもろうよ こころ」 https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
- もしもあなたが悩みや不安を抱えて困っているときには、気軽に相談できる場所があります。
電話、メール、チャット、SNSなど、さまざまな相談窓口をご紹介しています。
取組状況
インターネット上の誹謗中傷の問題に対して、本政策パッケージにおいて示した様々な項目について、工程表(政策パッケージの別添参照)のとおり取組を進めております。
(1)啓発活動関係
- 2020/9/17 「インターネットトラブル事例集(2020年版) 追補版」を公表し、教育現場に周知を行いました。
- 2020/10/16 e-ネットキャラバンの講座内容に、インターネット上の誹謗中傷に関するものを追加しました。現在、教材を用いて、オンラインも含めて講座を実施中です。
- 2020/11/16 政府広報オンラインにおいて、啓発動画「SNSの誹謗中傷 あなたが奪うもの、失うもの ~#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)~」を公表しました。
- 2021/3/29 「インターネットトラブル事例集(2021年版) 追補版」を公表し、教育現場に周知を行いました。
- 2021/12/28 「鷹の爪団の#NoHeartNoSNS大作戦」特設サイトを開設しました。
- 2022/3/31 「インターネットトラブル事例集(2022年版) 追補版」を公表し、教育現場に周知を行いました。
(2)事業者の取組及び透明性・アカウンタビリティ向上関係
- 事業者・事業者団体・法務省人権擁護局とともに、人権擁護機関からの削除依頼に対する事業者の円滑な対応を図るための検討会を定期的に開催しています(2020年9月以降、計6回開催済)。
- 事業者及び事業者団体との個別の意見交換や働きかけを行っています。
(3)発信者情報開示関係
- 2020/11/11 「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの解説」を改正しました。
- 2020/12/22 「発信者情報開示の在り方に関する研究会 最終とりまとめ案」を公表しました。
- 2021/4/21 「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律」が成立しました。
- 民間相談機関やガイドラインの充実に関して、セーファーインターネット協会(SIA)が開催する「権利侵害投稿等の対応に関する検討会」にオブザーバ参加しております。
- 2022/5/27 「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律施行規則」が公布されました。
(4)相談対応関係
- 2020/12/2 「インターネット上の誹謗中傷に関する相談窓口のご案内」を公表しました。
- 違法・有害情報相談センターと各相談機関との連携体制の充実に向けて、個別の意見交換等を行っています。
今後の予定
本政策パッケージにおいて示した様々な項目について、工程表(政策パッケージの別添参照)のとおり取組を進めてまいります。
その上で、今後、「プラットフォームサービスに関する研究会」を定期的に開催し、本パッケージの進捗状況等について検証を行うほか、必要に応じて追加提言の取りまとめを行う予定です。
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