土居とジネイが電話で話している。
土居 「ジネイちゃん、元気?毎日、何やってるの?」
ジネイ 「ショーマちゃん、お元気?あたし元気にしてるわよ。今は浪人生活よ」
土居 「浪人かぁ・・・・サムライみたいだな」
ジネイ 「そうよ、こう見えてもあたしは武士道が好きなの。いざというときにはいつでも命を投げ出す覚悟はできてるわ」
土居 「すごいなあ。昔の日本人みたいだ。ちゃんと練習はしてるの?」
ジネイ 「してるわよ。ますます筋肉ムキムキ、頭テカテカだわ」
土居 「カイオが移籍するって聞いた?」
ジネイ 「聞いたわ、聞いたわ、もうビックリ!カイオちゃん、急に心変わりしたのね」
土居 「なんだかなあ、良く理由はわからないよ」
ジネイ 「やっぱり物すごいお金積まれて気が変わったのかしら?」
土居 「カイオのパパが説得したって話もあるけど」
ジネイ 「本人はアントラーズでやりたかったのかもね」
土居 「まだクラブのほうでは正式発表してないんだけど、完全に決まりかな?」
ジネイ 「正式発表はまだなの?1パーセントでも可能性があるなら引き止めるべきよ」
土居 「そうだよね。とにかくカイオがいないのはキツイよ」
ジネイ 「あたしも放出されちゃったけど、ブラジル人は日本では結構疎外感を持つものなのよ」
土居 「こないだまではジネイちゃんがいたからなあ・・・・カイオの話し相手が辞めさせられたのが大きかったかも」
ジネイ 「あたしも怪我しているあいだカイオちゃんに色々話を聞いてもらったわよ」
土居 「カイオは何か不満を持っていたのかな?」
ジネイ 「彼は自分がもっと高く評価されるべきだとは思っていたいたみたい」
土居 「そうかぁ・・・・まあ、チームメイトとは言ってもみんなライバルでもあるし」
ジネイ 「しばらくはアツタカ君かタロウちゃんに頑張ってもらうしかないわね」
土居 「そういうジネイちゃんはどうするのよ?」
ジネイ 「今、あたし、仏教の修行をしているの」
土居 「え!仏教!?」
ジネイ 「あたし、最近、お坊さんが合っているような気がしてきたの」
土居 「ジネイちゃんがお坊さん、合ってるかも!」
ジネイ 「そうでしょ!最近は毎日鹿島神宮にお参りして、アントラーズの選手とサポの幸福を祈っているの!」
土居 「神社はお坊さんじゃないでしょ。宮司さん」
ジネイ 「あたしは、お坊さんで、宮司さんで、神父さんでもあるの!」
土居 「ええええ!?そんなにすごかったの?」
ジネイ 「ふふふふふ、そうよ!あたしは何でもできるの。これでサッカー選手もやるんだから」
土居 「カイオがアントラーズに帰ってくるように祈ってくれないか?」
ジネイ 「それはいいけど、簡単じゃないわ。カイオにはエジプトのツタンカーメンの霊が憑きかかっているの!」
土居 「アル・アインはツタンカーメンの霊を操るのか?」
ジネイ 「そうよ!カイオちゃんはもともと日本人じゃないから鹿島神宮の白い鹿の魔術が効きにくいのね」
土居 「鹿島神宮の白い鹿の魔術はすごいの?」
ジネイ 「すごいわよ!鹿島神宮の白い鹿の霊を味方につけたらもう何も怖いものはないわ」
土居 「やっぱりアントラーズはジネイちゃんと再契約した方がいいな」
ジネイ 「あたしだったら、また喜んでお手伝いするわ!」
土居 「今夜、石井監督に良く話してみるよ」
ジネイ 「よろしくね!」
土居 「でもカイオのツタンカーメンの霊に勝つにはどうしたらいいの?」
ジネイ 「それにはエジプトに行く必要があるの・・・・・」
土居 「え!俺には無理だな。ジネイちゃん、エジプトに行ってくれるの?」
ジネイ 「今、その準備をしていたところなの。カイオちゃんに何とか鹿島神宮の白い鹿の魔術が効けばいいんだけど」
土居 「ジネイちゃん、頼むよ。もう、頼りになるのはジネイちゃんしかいない。もうアントラーズの選手じゃないのにそこまでやってくれるなんて!」
ジネイ 「あたしは、お坊さんで宮司さんで神父でもあるのよ!」
土居 「あの頭の輝きは本物だったんだね」
ジネイ 「そうよ。今はますますまばゆく輝いてるわ・・・・・・」
土居 「また会って、拝みたいよ!」
ジネイ 「この大役が終ったら会えるわよ!」
こんな話を書いて、今夜にも正式に移籍決定の発表があるかもしれませんが・・・・可能性がある限り最後まであきらめないのが私の主義なので。
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